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優しい衛兵と冷たい王女のようです 番外編 『暁の綾蝶』

14 ◆MgfCBKfMmo:2015/07/20(月) 13:24:10 ID:VABT4D4M0
 オオカミの介抱は毎日夜に行われ、次第にかける時間を延ばしていった。
 会う時間が宵の時刻から黄昏時へと早くなり、分かれる時間が夜中から夜明けへと遅くなった。学び舎にも通っていないため、家にいる間はほとんど寝て過ごした。
 人と関わろうとしなさすぎて、家族にも半ば見捨てられていたクーだから、そんな生活が可能だった。

 オオカミはクーによく話してくれた。
 自分の境遇のこと、魔人のこと、人間のこと、森のこと、世界のこと。
 孤独な身の上であるからか、彼の思考は誰によることもないもので、クーの興味を引きつけた。
 あるいは、孤独であるということに共感を抱いていたのかもしれない。

 オオカミを介抱することに、クーは熱中した。傷が癒えたら、今度は飢えをしのぐ方法を探すのを手伝った。
 手頃な牧場を教えてあげて、羊を襲う手助けをした。最初のうちは少なかったが、オオカミが復調するにつれてその数が増えていった。


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