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これを魔女の九九というようです

94名も無きAAのようです:2015/05/08(金) 17:31:31 ID:v1Qmnnm20
('、`*川「そのままずっとずっと真っ直ぐ走って!」

(´・_ゝ・`)「はいはい」

それなら楽である。
二人乗りしている自転車を倒さずスピードを落とさずに曲がるのは難しいのだ。

暗闇を煮詰めたような色のアスファルトは街灯に照らされていた。
ずっとずっとそれは続いていて、こんなに長い道があるんだろうか、と思い始めていた。
そういえば分岐も十字路もなにもない。
ふと顔を上げて、周りの家を見まわそうとした。
しかしそこには、灰色の塀が立ちはだかっていた。
天まで届きそうな高さのそれによって、空が切り取られている。
見たこともない大きさの月が、僕たちを見下ろしていた。
薄ら寒さを感じ、僕は真正面を見据えることにした。

(´・_ゝ・`)「うわ、」

強烈な風が駆け抜け、自転車が揺れる。
なんとか体勢を整える。
再び風が吹く。
今度は無数の紙を孕んだ紙だ。

極彩色の服に身を包んだマネキンのチラシ。
小さな硝子に根を生やす植物の絵。
こちらに笑いかける少女と「探しています」の文字。
箱に納められた箱の中から更に箱が納められている箱の写真。
様々な情報が僕の網膜を焼いていく。

(´・_ゝ・`)「っ!」

('、`*川「ひゃっ!」

ガタンと自転車が揺れる。


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