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これを魔女の九九というようです

81名も無きAAのようです:2015/05/08(金) 17:13:56 ID:v1Qmnnm20
思わず声が漏れる。
カーテンを引いているのに、蔓に覆われているのに、窓から月光が射してくる。
白く、柔らかく、全てを暴くような月光。
こんなにも月は明るいものだっただろうか。
昔からそうだったのだろうか。
僕は全く、知らなかった。

ちなみに僕の寝床は居間である。
ペニサスが簡易ベッドを空いているスペースに設置してくれたのだ。
白家具で統一された部屋に、黒い鉄パイプベッド。
せっかく綺麗に誂えてあったのに、台無しであった。
かといってまさかペニサスの部屋に泊まりに行くわけにも行かないのだが。

(´・_ゝ・`)「…………」

軽く目を瞑る。
全てを遮断しようと試みた。
真っ暗だ。
何も見えない。

かつかつと靴音が聞こえる。
反射し、響いて、何人も歩いているような錯覚。
でも錯覚なのだ。
僕はこの音をよく知っている。
あのトンネルの中を歩いているとこんな風な音がするのだ。
僕は一人だ。
一人で歩いている。
エンジン音が遠くからやってくる。
加速してやってくる。
僕を殺しに、やってくる。


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