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これを魔女の九九というようです
511
:
名も無きAAのようです
:2021/12/25(土) 19:10:31 ID:wfKNAKAs0
透明な風が吹き荒ぶ中、わたしは手を伸ばす。
ζ( ー ;ζ「だめ、だめ、だめ……」
初めてだった。
こんな風に、彼に触れたのは。
いつだってわたしに触れて来るのは、彼からだ。
あからさまに求めたことはなかった。
彼に向かって欲をぶつけた人は、皆立ち去っていった。
だからわたしは彼を求めなかった。
それが永遠に近付ける方法だと信じていた。
ζ( ー ;ζ「わたし、あなたがいないとだめなの」
抵抗もなく、包まれるようにして彼は静かに抱かれた。
実感さえもが既にあやふやと化している。
決して離すまい、と力を込めた。
ζ( Д ;ζ「行かないで」
わたしが遠くへ行ってしまっても、迎えに来てくれると約束したのに。
ζ( Д ;ζ「ひとりにしないでよ」
あなたが遠くに行ってしまったら、わたしは永遠に追い付くことが出来ない。
だって王子様は助ける為の存在で、助けられる側ではない。
わたしは魔女。
王子様にはなれない。
誰も、王子様を救うことは出来ない。
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