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これを魔女の九九というようです

508名も無きAAのようです:2021/12/25(土) 19:07:00 ID:wfKNAKAs0
(´-ω・`)「――君には荷が重すぎたのかな」

夜明けも間近に迫った頃、    はそう言った。
カウチソファーに身を預ける彼。
その頭上では、月を模した光が照っている。
柔らかな偽灯は、深い緋色をしたベルベット地の艶を引き出している。せっかくの暖色を、青銅色の鋲が寒々しい印象を制す。
対照的な色の組み合わせは、まるで混沌そのものだった。

ζ( Д ;ζ「ごめんなさい」

何度目になるかわからない謝罪に、    は片手を挙げる。
彼は、酷く疲れていた。
無理もないだろう。
デミタスには悟られないように平静を装っていたが、
『元に戻す』魔法は繊細で、易々と行える芸当ではないのだ。

ζ( ー ;ζ「本当にごめんなさい」

頭を下げるわたしに、今度は彼の首が揺らめく。

(´-ω-`)「もう、いいよ」

もう、要らないよ。
もう、何も言わなくていいよ。
もう、鬱陶しいよ。
もう、許すよ。
似たり寄ったりの推測が脳裏に浮かぶ。
わたしは、途方に暮れていた。


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