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これを魔女の九九というようです

494名も無きAAのようです:2021/12/25(土) 18:47:17 ID:wfKNAKAs0
('A`)「し、しずぅ、かに、」

呟くドクオが、すり足で去ろうとする。
が、すり足が見事に水桶をひっくり返した。
慌てるドクオに、頭痛が響くわたし。
すっとんきょうなドクオの声が、脳裏にキンキン反射する。
思わずわたしは、耳を塞いだ。
悪気がないのは分かっている。
深海の奥底で体を丸め、遊泳していた身だ。
しかも何十年と暮らしていたわけで、
はい慣れて下さいと言われても上手くいかないのは分かっている。
でも、

ζ(´ー`;ζ(具合が悪いと、きついわ……)

食事の用意や介抱の仕方も、魔法で逐一指示しなくてはならない。
我々の常識を持たない、異種の生き物だからだ。

ζ(´ー`;ζ(超しんどい)

きわめつけは、    からの手紙だ。
私室に戻って最初にしたことといえば、
彼への手紙をしたためることだった。
薬でも飲んで大人しく寝ればよかったものを、どうしても優先したかった。
内容は簡潔かつ「いつも通り」を装って、
最後に使い魔と契約したことを含めて書いた。
取り返しのつかないことを、とうとうやってしまった。
病身にとって、罪悪感はひどく沁みるものがあった。
封をして、窓を開けて、風に任せれば、
半日と経たずに、彼の元へと届くだろう。


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