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これを魔女の九九というようです

492名も無きAAのようです:2021/12/25(土) 18:43:53 ID:wfKNAKAs0
細かな泡が地底より噴き上げて、瞬く間に取り囲む。
泡の勢いはますます盛んになり、螺旋状の渦を取り巻く。
同時に、流星さながらに海面めがけて浮上する。
その過程で、彼は足を得た。
次には腕を、その次には知識を蓄える脳を。
そのまた次には、三日月のような背を形作った。
目はぎょろりとしたままに、口、喉、鼻、耳が立体化する。
童話の挿絵に出てくる悪魔そっくりの容貌だった。
けれども、不思議と嫌悪はない。
いよいよ近付く海面を前に、彼はわたしの腰を抱いた。

('A`)「っあ、あ ゙ぁっ」

言葉にならぬ声は、わたしに何かを伝えようとした。

('A`)「名前」

耳を傾けると、意味がするりと胸への飛び込んできた。
名前。
彼に相応しい名前。

ζ(゚ー゚*ζ(わたしの孤独を埋めてくれる人)

('A`)「名前」

ζ(゚ー゚*ζ「ドクオ」

('A`)「……ドクオさん?」

復唱ついでに敬称が付いてきた。
そこで初めて、わたしの名前を聞いているのだと分かった。


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