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これを魔女の九九というようです

341名も無きAAのようです:2017/05/21(日) 15:26:18 ID:Fqa66Dmo0
ある日、ママはいつものように仕事に出た。
ちょっと違ったのは、ママがたばこを忘れていったことだった。
ママはわたしの次にたばこが好きだった。
たばこがなくてママは困るだろうと思った。
わたしは、初めて外に出た。
ママの忘れ物を届けに、裸足で外を出た。
ちょうどその前の日は雨で、地面はぬかるんで居た。
ちょうどその前の日のママは、たばこをよく吸っていた。
包帯にじくじくと泥が染みて、わたしは立っていられないくらい足が痛くなった。
ゆっくり、ゆっくりと歩いているうちにわたしは転んだ。
転んだことのないわたしは、水たまりに倒れ伏した。
服も顔もどろどろで、そのまま這いずってママの後を追った。
たばこの箱だけは濡れないように、気をつけて。
そうしてどれほどの時間が経ったのか。
ぬかるんだ道はいつのまにか舗装された道路になり、わたしはなんとか歩けるようになった。
といってもひどい格好であった。
ママお手製のワンピースは、すっかり泥にまみれていたからだ。
それでもわたしは歩いた。
道行く人が奇異の目で見つめても、こそこそと噂してようと、わたしには関係なかった。
わたしには、ママしかいなかった。


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