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これを魔女の九九というようです
31
:
名も無きAAのようです
:2015/04/30(木) 17:09:53 ID:q9TyRmLg0
短い階段をとんとんと駆け上りながら、ペニサスは言う。
そんなに重いものではなかったが、わざわざこの階段を上り下りするのは不便だったに違いない。
何度かペダルに脛を蹴られながら、僕はそう思った。
中に入ると、ますます家の異様さが際立った。
家に絡みついていたのは、木香薔薇と羽衣素馨であった。
柔らかいクリーム色の花と、強い芳香を放つ薄桃色の花が押し合いへし合い咲く様は浮世離れしていた。
ところどころ庭に落ちた影は、侵略痕のように感ぜられた。
彼らは家だけでは飽き足らず、庭にまで手を伸ばしているのだ。
('、`*川「なにしてるの?」
ペニサスはきょとんとした様子で、僕を見ていた。
(´・_ゝ・`)「あ、いや……。見事な花だなと思って」
当たり障りのないようにそう返すと、ペニサスは嬉しそうに笑った。
('、`*川「師匠が全部植えたのよ」
(´・_ゝ・`)「お師匠さんの趣味か」
('、`*川「たくさんお花を植えると、そのエネルギーを分けてもらえるんですって」
にこにこと笑いつつ、ペニサスは足元に咲き誇る花を踏み潰しながら、僕のそばによってきた。
パンジーだのポピーだの、色とりどりのそれはくちゃくちゃに丸められた紙屑のようになってしまった。
少し気の毒になった。
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