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これを魔女の九九というようです

30名も無きAAのようです:2015/04/30(木) 17:08:29 ID:q9TyRmLg0
案外人というものは何処でも眠れるものだな、と僕は初めて知った。
何度か立ち止まり、道を聞くたびにペニサスは億劫そうにその目を開けた。
そうしてむにゃむにゃと寝言まじりに次の到達点を告げ、僕は放り出されたそのパズルを解くのに必死になっていた。
要するに、ずいぶん時間が掛かったということだ。
着いた頃には小一時間どころかその倍の時間は経ってしまっていた。

彼女の家、もとい正しくは師匠の家は高級ベッドタウンの一角にあった。
日当たり良好、二階建ての一軒家。
ただし外観はさっぱりわからなかった。
家を取り囲むように藤の木がぐるりと天然物の塀を作り出していて、要塞のような威圧感を放っていた。
枝垂れた紫は、どこか毒々しいものに見えて心穏やかになることを許してくれなかった。
そして、その壁の向こうに見える家もなんだかよくわからない植物に覆われていた。
家ではなく怪物の住処に来た気分だった。

(´・_ゝ・`)「ペニサス君」

勝手に入るのもまずいだろうと僕は彼女をたたき起こした。

('、`*川「ん……」

とろんとした眼は何回かの瞬きを経て、はっきりとした光を得た。

('、`*川「ついたのね」

ありがとう、と言いながらペニサスは慣れた手つきで門扉を開けた。

(´・_ゝ・`)「自転車は?」

('、`*川「そのまま持ち上げて庭に持って来ちゃって」


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