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これを魔女の九九というようです

272名も無きAAのようです:2015/06/27(土) 12:37:20 ID:Um.BtjGM0
ピッ、ピッ、ピッ、ピッ。

コードを体から毟っても、心電図は狂ったように一定のリズムを奏でた。
何もかもが嘘で出来ていた。
そのまま騙されていた方が幸せだったのかもしれない。
だけどあまりにも都合が良すぎるし、何よりあの子を探さなくてはいけなかった。
いつの間にか手の中に収まっていたマッチ箱を握りしめ、僕は病室を飛び出した。
一歩、また一歩と進むうちに殺伐とした白が色褪せていった。
患者衣はいつの間にか返り血のついたシャツへ変わっていた。
それでいい。

(´・_ゝ・`)「僕は特別なんかじゃない」

万人から好かれるような大した人間じゃない。
そんなものは望んでいない。
僕は、僕が愛するものに愛されていればそれで満足なのだ。

(´・_ゝ・`)「!」

足ががくりと抜ける。
ゆっくりと左足を伸ばす。
形はないが、階段があるらしい。
僕は少しずつその階段を下りていった。
どこへ行き着くのだろう。
全く想像ができない。
上るのであれば処刑台や屋上といったイメージが出てくるのだが。
下りるというのは、よくわからない。
ただとにかく僕は進むこととあの子の事だけを考える事にした。
名前が思い出せない、魔女の事を。


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