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これを魔女の九九というようです

233名も無きAAのようです:2015/06/20(土) 13:26:05 ID:vdSRrPRY0
僕の知らないペニサスが、次々と現れては記憶の片隅へと引き込まれていく。
それがなんだか楽しくて、僕は夢中になって聞いていた。

('、`*川「……着いた」

四方を塀に囲まれながらも開けた場所に出た。
しかし一目見てそこに誰もいないことは明白であった。
かつては白かった壁のペンキは剥がれ落ちていて、雨樋が外れてしまっていた。
サンデッキのガラスは割れ、巨大な蜘蛛の巣が出来上がっている。
窓は厳雨戸が閉められているが、すっかり錆び付いて涙跡のようにも見えた。
とにかく、荒みに荒んでいた。

ペニサスはなにも言わずに、玄関へと向かった。
庇の下には水色のベビーバスが置かれていた。

('、`*川「なつかしー……」

(´・_ゝ・`)「これがさっきの?」

('、`*川「そうそう。わたしが幼稚園の時にメダカ飼いたいってねだって、お父さんが買ってくれたの。そうしたらこのベビーバスを水槽にするって言ってて。それからずーっと育ててね……」

(´・_ゝ・`)「へえ……」

ベビーバスの中には、雨水が溜まり緑藻が覆い尽くしていた。
僕には想像できないが、彼女の目には当時の光景が写っているのだろう。

('、`*川「……引っ越す時に、メダカも捨てちゃったのかな」

寂しげなその声に、僕はなんとも返せなかった。

('、`*川「……中、まだ入れるかな」


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