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これを魔女の九九というようです
182
:
名も無きAAのようです
:2015/06/05(金) 16:52:58 ID:HOaUlsmE0
冷めたコーヒーを口にしたショボンはとても苦い顔をしていた。
(´・ω・`)「忌まわしい記憶は彼女から生きる意思を確実に奪っていった。このままでは死んでしまうと思ったんだ」
(´・_ゝ・`)「……まさか、」
(´・ω・`)「ペニサスの記憶を消したのは僕だよ」
一陣の風が吹いた。
居心地の悪くなったショボンが無意識に引き起こした魔法なのかもしれない、と僕は今の話とは全く関係ないことを考えていた。
(´・_ゝ・`)「それも、彼女が望んだことなんですか」
絞り出すような声に、僕は戸惑った。
他人のことでこんな風に動揺したのは初めてだった。
(´・ω・`)「僕の独断だ」
(´・_ゝ・`)「……なぜ」
(´・ω・`)「あの子は全てを受け入れようとしたけど、それができるほど成熟していなかったからさ」
だけど、死の記憶だけ消してしまえば、それでよかったんじゃないのか。
どうして全部、忘れさせてしまったんだ。
きっと彼女には、大切な思い出もあっただろうに。
人差し指の腹に、親指の爪が食い込んだ。
生きていたら血が滲んでいただろう、と他人事のように考えて思い出したことがある。
ペニサスは、血を流していた。
死んでしまえば血の巡りは止まってしまうし、もちろん心臓も動かなくなる。
だけど彼女は全てを忘れてしまっている。
死んでいるとは夢にも思っていない。
気付いていないから彼女の体もまた、生きている人間に近い動きをしているのかもしれない。
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