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これを魔女の九九というようです

179名も無きAAのようです:2015/06/05(金) 16:47:12 ID:HOaUlsmE0
その十七歳の少女は、とても面倒見がよかった。
リーダーシップもあり、いつもクラスの中心にいた。
クラスメイトからは慕われ、先生からも一目置かれていた。

十年前の秋。
彼女は下校時間ギリギリまでクラスメイトと学校に居残っていた。
文化祭が間際に迫っていたので、その準備に追われていたのだ。
秋の日はつるべ落としとはよく言ったもので、帰る頃には日がとっぷりと暮れていた。
いつもと同じようにクラスメイトに別れを告げ、少女は一人で帰ったらしい。
学校から家まで三十分の道程。
その途中、肉まんを買ったのをコンビニ店員に目撃されたのを最後に、少女は姿を消した。
連日メディアではその詳細を繰り返し放映し、警察も無垢で真面目な少女を見つける事に躍起になっていた。

しかし事態は進展しなかった。
メディアも膠着状態のそれよりも、より刺激的なニュースを茶の間に届ける事になった。
失踪した少女の安否は知れず、やがて記憶の片隅にも残らず忘れ去られていった。

その少女が、微笑んでいる。
僕の手は震え、思わず左手でその手首を掴んだ。

ペニサス。
君は、…………。

(´・ω・`)「およそ九年前の夏。僕は日本に帰ってきた」

ショボンの声によって、僕は現実に呼び戻された。
紙から目を離そうとして、しかし頭は動かなかった。

(´・ω・`)「久々の故郷に懐かしむ暇もなく、一つの祈りが耳に入った。とある山から聞こえるそれは、哀れになるほどか細く痩せていた」

僕は睨みつけるようにショボンを見た。
彼は気にせず、話を続ける。


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