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これを魔女の九九というようです

134名も無きAAのようです:2015/05/15(金) 12:50:03 ID:iiVptxPU0
ζ(゚ー゚*ζ「あの人、考え事したい時にはいつも彼処に篭ってしまうの。あの部屋は彼の好きなものがたくさん詰まっているのよ」

僕はあの綺麗な庭を思い浮かべていた。
この世のものではない美しさ。
白昼夢のような曖昧さとそこにあるという現実感。
まるで彼岸のようでもあった。
なるほど、あそこは彼の理想卿であったのか。

ζ(゚ー゚*ζ「きっとペニサスちゃんのことで悩んでいるんでしょうね」

色のない声で、デレは呟いた。

(´・_ゝ・`)「デレさんは会いに行かないんですか?」

ζ(゚ー゚*ζ「わたしはここで待つわ。ショボンが会いたくなるまでね」

ことりとマグカップがテーブルに置かれる。
かわりに彼女の右手は、自身の黒髪を弄り始めていた。

ζ(゚ー゚*ζ「本音を言えば今すぐにでも会いに行きたいわ。でも彼がそれを望まないなら、わたしも望まないの。彼には幸せでいて欲しいから」

とろりと溶け出しそうなその笑みと声は、毒薬のように感ぜられた。
行き場のない手がそわそわと動き出そうとする。
だから僕はきゅっとしっかり握りしめることにした。

(´・_ゝ・`)「よく、慕っていらっしゃるんですね」

ζ(゚ー゚*ζ「わたしのすべてを受け止めて救ってくれた人だから。俗っぽい恋とは違うのよ、わたしは報われなくてもいいの」


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