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月明かりのネコのようです

200名も無きAAのようです:2016/03/22(火) 19:48:53 ID:ZDx3VL.Q0

――――――


猫の頭上で、いつものように地球が青く輝いている。


ここは最下層。
どこかへ向かってふらふらと歩く男を、猫はなんとなく追っていた。


この男の家に寄るようになって、もう何年になるだろうか。
別にこの男がいなければ死んでいた、という程ではないが、少しは感謝している。

猫には不思議なことがあった。


いつも男の横にいた女性がいない。
ここ一年間ぐらいだろうか、姿を見ていない。
彼以外とは決して話さない、話しかけられもしない、奇妙な人だった。


それにしても、彼はどこに行くのだろうか、と思っていると、一人の人が出てきた。
いつも妙な臭いのする、あの女の人だった。
少し苦手だ。

長話になりそうな雰囲気を感じ、猫は彼らとは違う路地へ向かった。
最近、中層にいい寝床を見つけられたので、そこへ行くことにした。

勝手知ったる最下層を捨てる気はないが、中層に住み着くのも悪くはないと思った。


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