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Ammo→Re!!のようです

246名も無きAAのようです:2015/06/27(土) 21:20:38 ID:m/DZJGrM0
捜査本部として選ばれた建物――島で一番の不人気ホテルとして名高い“カナリア・ホテル”――は、ティンカーベルが独自に持つどの軍事的な組織よりも厳戒な警備体制と緊張感に包まれていた。
指揮を執るライダル・ヅーは顔の半分に包帯を巻き、衣服の下にいくつもの痣を隠しておきながらも顔色一つ変えずに狭い部屋で情報の整理を行っている。
部屋には彼女以外に誰もおらず――誰も入室を許可されていないため――、時計の秒針が時を刻む音と万年筆が用紙の上を滑る音だけが行き来していた。
沈黙の中、ヅーが書いているのは報告書だった。

この事件の発端、そして犯人、目的、事件発生時刻、証拠品、目撃者の証言など事細かに並べられた言葉は自分が事件を振り返るための物でもある。
こうして冷静に書き出すことで今一度事件全体を第三者的な視点で見下ろし、気付くことの出来なかった何かを見つけられる可能性があるからだ。
新たな情報が入って来るたびに紙に書いては破り捨て、常に最新の状況を把握する。
嫌でも見えてきたのは同郷の軍人と警察の無能さ、敵の用意周到さと狡猾さ。

そして、ショボン・パドローネの属する組織が何者かを追い回す過程で多くの傷跡が出来たという事。
ヅーの負った傷も、その内の一つだった。
所詮は途中経過の副産物、風が吹いて木の葉が舞うような物だ。
傷は痛むが、その悔しさの方が勝る。

何としてもショボンの組織に対して一矢報いなければ気が済まなかった。
目的は何であれ、その組織は悪だ。
悪を滅ぼす。
それがジュスティアであり、ジュスティア警察はその執行者である。

先手を打ってショボンの行動を阻害することにしたヅーは、目撃証言を基に彼が追っている人物の特定を急いだ。
だが。
得られた証言はお世辞にも役立つとは言い難く、自分自身で目撃した情報の方がいくらかマシだ。
とはいっても、偶発的に遭遇したカーチェイスで得た物なのだが。

瓜//-゚)「……やはり、ないか」


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