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◆xh7i0CWaMo
:2014/09/30(火) 22:00:20 ID:9BaR2n0c0
そもそもぼくが何故死にたくなってしまったのか、それに値する理由などいくら考えても出てこなかった。
ただぼくは死にたかった。死ななければならないと盲信していた。
例えば高校生が卒業すれば大学か就職かに進路を定めなければならないのと同じように、
ぼくはぼくの人生において、次の行動を選択しただけなのだ。そう、いずれにせよ前には進まなければならない。
進まずとも、人生はあらゆる濁りを含めて流れていってしまう。その流れは深く、目まぐるしいほど速い……。
選ばなかった道を惜しむのは儚いことだ。だからぼくは彼女に何も告げなかった。
生きることと死ぬことは、同じ人間の身に起きる話なのに互いに相反している。
少しでも残っている「生きたい」という希望の残渣を捨てるためにも、
「死ななければならない」という響きはとても魅力的だった。だからぼくはその言葉に執心した。
生きていることは強制されるべきことじゃない。
それが必要でなくなったなら、或いは必要性が薄れていると感じたなら、自ら死んでしまっても構わないのだ。
そう信じてぼくはあらゆる努力を惜しまなかったつもりだ。
だが、雷鳴はそんなぼくの選択肢を根こそぎ奪い取ってしまった。
ぼくが今まさに感じているのは……紛れもない死への恐怖心だった。
雷撃で散る程度の命を、ぼくはまだ吹き消してしまいたくないと思ってしまったのだ。
そう、だからぼくは死にたくない。死ななければならないが、死にたくないのだ。なんという矛盾だろう。
生きる元気などは既に枯渇してしまっているのに、死ぬ元気さえ無理矢理そぎ落とされてしまった。
そして、その二つの井戸は重厚な蓋で閉ざされてしまい、二度と水が注がれることはない。
ぼくは、真の意味で空っぽになってしまったのだ。
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