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◆xh7i0CWaMo
:2014/09/30(火) 20:40:48 ID:9BaR2n0c0
3.午前五時(interlude 1) 20130403KB
始発列車が到着した先に降り立った男は、そこで初めて自分が記憶を喪ってしまっていることを漠然と理解した。
対面のホームでしばし待っていれば元の駅に戻ることができるのかもしれない。
しかし男は自分の乗車駅を把握していない。手元にあるのは具体的な切符ではなく抽象的なICカードだ。
駅員に訊けば正確なことが分かるだろうか。しかし生憎と男にはそれを実行するだけの勇気が無かった。
だから男は真っ直ぐ歩いて改札にカードをかざし、駅を出た。
カードが入っているのは茶色の、年季が入っていると思われる二つ折りの財布で、
現金はやや潤沢に準備されているようだった。
男は改札前にある支柱に身を預けながら財布の中をまさぐる。
小銭入れの中には、小銭ではなく小さな鍵と三桁の数字が記されたメモ用紙が入れられていた。
外に出た男は自分が尋常では無い眠気に襲われていることに気付いた。
始発電車に乗るということは昨晩、碌に眠っていなかった可能性が高い。
そもそも男はどこで何をしていたのだろうか。
毛玉の纏わり付いたコートやシャツは会社へ通うそれではなく、つまり私用であったと推測できる。
頭の鈍痛は過度な飲酒のせいと思える。では、胸を灼く焦燥感の正体は何であろう。
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