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( ^ω^)はメダロットと共に歩むようです。

43名も無きAAのようです:2014/08/02(土) 00:41:29 ID:6IpJJFns0
これ再投下だったのか
http://mbb.whocares.jp/mbb/u/017/923/

44名も無きAAのようです:2014/08/02(土) 00:44:36 ID:dY9vMrrM0
>>43
この前6年ぶりに見つけました。
今たまたま時間があるので、リメイクして投下しています。

45名も無きAAのようです:2014/08/02(土) 00:45:46 ID:dY9vMrrM0


Chapter4「チャンス・エンカウター」

46名も無きAAのようです:2014/08/02(土) 00:46:32 ID:dY9vMrrM0
( ^ω^) 「あ゛ー痛ぇお。」

早朝、ちらほらと雀が鳴き出す頃、ブーンは荒巻の研究所前に立っていた。
体中の筋肉の悲鳴に、弱音を吐く。あれほどの重労働の後、一日置けば、帰宅部のブーンの体にダメージが発現するのは自然だ。
ブーンは研究所の玄関のドアノブに手をかた。しかし、回すも、それは侵入を許さない。

( ^ω^) 「もうとっくに起きてるはずだお…。ガレージかお?」

今度はガレージに足を向ける。白く、埃に汚れたシャッターが閉じっぱなしではあるが、どうやら鍵まではかかっていないようだ。
ブーンはシャッターの底辺に手をかけ、勢いよく持ち上げた。
けたたましい音とともに、ガレージ内を朝日が照らし出す。
空気に舞うほこりが光に浮き彫りにされるのを見、ブーンは顔をしかめる。

( ^ω^) 「汚ねぇお…お、じーさん寝てるお。よくこんなとこいて病気にならないお…。」

ガレージには、奥にメダロットを安置するための巨大な灰色のカプセルが三台に、様々な太さのケーブルが繋がれている。
その中央には、デスクトップPCが黒ずんだ机の上に対象的な新しさで配置されている。そこに、荒巻はいた。
キーボードに顔を密着させ、安らかな寝息をたてている。

PCのディスプレイには、「ナノマシン配置編成完了」の文字が点滅していた。

47名も無きAAのようです:2014/08/02(土) 00:48:03 ID:dY9vMrrM0
「お前か。」

唐突に、中央のカプセルから声が発せられた。

\\
(  ゚ ゚) 「無断で入ってもいいのか?」

声の主はルミナススタッグ。どうやら、自動起動の設定時間に到達したようだ。
その口調は、刺々しい。

( ^ω^) 「お前か、じゃねーお。僕には内藤ホライゾンという名前があるお。」

思わずブーンはルミナススタッグに反論する。

\\
(  ゚ ゚) 「あの時お前は名を告げなかった。他に何と呼べばいい?」

しかし、それをあっさり論破。

( ^ω^) 「…それもそうかお。でもとりあえず君の体が治ってよかったお。」

\\
(  ゚ ゚) 「まあな。」

( ^ω^) 「じゃあ、君の名前を聞いていいかお?」

\\
(  ゚ ゚) 「む、お前…まあいい。私の名前は」

「ルミナススタッグ。」

ルミナススタッグが発声する刹那、老人の声がルミナススタッグの言わんとすることを奪った。

48名も無きAAのようです:2014/08/02(土) 00:48:48 ID:dY9vMrrM0
( ^ω^) 「じいさん。起きたかお。」

PCの置かれたデスクに配置された華奢な四つ足の木製椅子から、灰色ツナギの老人が立ち上がる。

/ ,- 3 「ふぅ、お主らが騒がしくての、寝るにも寝ていられんわい。」

荒巻は大あくびを一つかき、その身を大きく伸ばした。

/ ,' 3 「ところで、ルミナススタッグ。昨日言った事、考えてくれたかの?」

唐突に荒巻はルミナススタッグに話し掛ける。

\\
(  ゚ ゚)「今の所、それが最善だろう」

/ ,' 3 「ほっほ。上等じゃ。」

ルミナススタッグの答えに荒巻は声を上げ、満足そうに大きな笑みを浮かべた。

( ^ω^) 「…話が見えねーお。」

独り取り残されたブーンはぶすりと呟く。

/ ,' 3 「そうじゃった。ブーンは知らなかったの。ブーン。突然じゃが、お主にはこのメダロットのマスターとなってもらう。」

( ;゚ω゚) 「…お?」

事の唐突さに、ブーンは当然面食らう。
まさか、昨日まで関係の無かった野良メダロットのマスターになるとは、露程も思わなかっただろう。

49名も無きAAのようです:2014/08/02(土) 00:51:28 ID:dY9vMrrM0
/ ,' 3 「ただ、"仮に"じゃ。役所に問い合わせたらもう破棄処理が済んでいたとかで、面倒なんじゃ。わしが新たに手続きをしとくが、申請が通るまでやたら時間がかかる。という事で面倒をみてほしいんじゃよ」

\\
(  ゚ ゚) (…口が回るな。)

( ^ω^) 「で、でも急過ぎるお。」

\\
(  ゚ ゚) 「私からも頼む。」

ルミナススタッグが口を挟んだ。

( ^ω^) 「そうだ!荒巻のじぃさんじゃ駄目かお!?」

ブーンは明らかに面倒そうな様子だ。
それもそうだ、野良メダロットは基本的に関わらない事が暗黙のルールとされている。出自がわからないメダロットに手を出した時、実は性質の悪い集団の物であった時の報復が怖い。
実際「野良メダロット詐欺」という言葉が頻出した時期もあった。

\\
(  ゚ ゚) 「荒巻は忙しいらしい。意外にも勉強好きで、研修の邪魔だとさ」

( ^ω^) 「う…、で、でも、メダロッチに登録できないとなると君を転送できないお。どうするつもりだお?」

\\
(  ゚ ゚) 「それは私がブーンについていくか留守番をすればいいだろう。」

( ^ω^) 「なんで僕の名前を…それはいいとして、僕は学校に行ってるんだお、家でも君のことをどう説明すればいいんだお。
        一人の時はどうするんだお??」

\\
(  ゚ ゚)「いや、荒巻がそう呼んでいたからな。私の頭パーツの能力は"いんぺい"だ。見えなくなればついて行ってもバレないだろう。
それに野良は聞こえが悪い。元からお前の家に世話になるつもりはない。」

ブーンの必死の抗いに、ルミナススタッグはよどみなく答えていく。

50名も無きAAのようです:2014/08/02(土) 00:52:31 ID:dY9vMrrM0
〜5分後

( ;ω;) 「…わかったお。君が生き別れのマスターを探したいということ気持ちはよーく伝わったお」

そこには、号泣するブーンの姿があった。
鼻水も吹かず、ぐずぐずと声を出すのを押し殺すように泣いている。

/;,' 3 (え、何故こやつは泣いておるのかの…)

\\
(; ゚ ゚)(…家なき子から卒業するためにマスターを探しているとか適当に言った。まあ、少々盛り過ぎたが、バカはすぐに忘れる。
     それに本当の事を少し混ぜるのは詐欺の常套手段だろう?)

/; ' 3 (う、詐欺という言葉を知らなかったはず。ワシのwi-fiのパスワード解析して調べおったな)

ルミナススタッグは、交渉前に野良メダロットの事情を盾に拒否されるのを想定していた。
そのため、事前に荒巻のワイヤレス・ネットワークに自身を接続し、インターネットから詐欺の手段を閲覧していた。

正しくは学習だが、ブーンを騙すには付け焼刃で十分であった。

( ^ω^) 「わかったお、僕は君のマスターになるお。」

( ^ω^) 「ただ、仮のマスターだおね……。」

\\
(  ゚ ゚) 「私の身勝手だ。すまない。」

わざとらしく、しんみりとルミナススタッグは声を出す。

( ^ω^) 「大丈夫だお!じゃあ、よろしくだお。えっと…。」

\\
(  ゚ ゚) 「ルミナススタッグ。」

( ^ω^) 「すまんこ。呼びづらいからルミナスでいいかお?」

\\
(  ゚ ゚) 「まん…?むう。では、頼むぞ?」

ルミナススタッグは背部のケーブルを外し、ブーンに歩みよる。

( ^ω^) 「わかったお!」

それに呼応し、ブーンはルミナススタッグに歩み寄る。

51名も無きAAのようです:2014/08/02(土) 00:54:36 ID:dY9vMrrM0
/ ,' 3 (これで、よかったか…)

老人はその光景を腕を組み、本当の気持ちを隠しつつにこやかな表情で見つめる。

〈 ≡〉 「………。」

そして、忘れられた存在。
ブーンは余韻にひたろうとした、その時。ルミナススタッグの背後の柱時計の針が、視界に入り込んだ。

( ;゚ω゚) 「やっべ!遅刻するお!じいさん、ありがとだお!」

ブーンは慌ててガレージを飛び出そうとする。

/ ,' 3 「パートナーを忘れる馬鹿がいるか!」

荒巻はブーンの背に叫んだ。すると、荒巻の後から緑色の蛇型、ブーンのパートナーであるマックスネイクがはい出てきた。

〈 ≡〉 「マスター、注意散漫傾向にあります。ご注意を」

スピーカーから発せられた声は、心なしか悲しみをはらんでいるかのように沈んでいた。

\\
(  - -) (まぁ、あの辺はとんだ愚物だったか…。)

ルミナススタッグはマックスネイクの傍らに立ち、ブーンにあきれつつも、同情した。もしも人であったならば、2つのため息が聞こえるであろう。

( ^ω^) 「おお…。すまんこ。ルミナス、マックスネイク。」

\\
(  - -)(まん…、ふむ、なるほど。そういう事か)

そのような心情をくみ取らず、冗談交じりにブーンは謝罪の体をとる。

52名も無きAAのようです:2014/08/02(土) 00:55:39 ID:dY9vMrrM0
/ ,' 3 「お主も立場がないのぅ…。」

その不遜とも取れる態度に、荒巻はチクチクと言葉を添えた。

( ^ω^) 「じいさんはうっせーお…。とにかく2人ともすまんお。」

ブーンは2体のメダロットに謝罪しつつ、マックスネイクを自宅へと転送させ、メダロッチにメダルを仕舞った。

/ ,' 3 「ほっほ。それは失礼したの。」

そう言って、荒巻はブーンに肩をすぼめてみせた。

( ^ω^) 「じいさん、改めて言うお。ありがとうだお。」

ブーンは馬鹿正直に腰を90度に折り曲げ、再び感謝の念を示した。

/ ,' 3 「おう。いつでも利用せい、生き甲斐をくれるのはお主位だからの。」

( ^ω^)「なんじゃそりゃ、わかったお!」

ブーンは荒巻の言動の意図を理解しそこねたようだ。
それに気付かず、ブーンは元気よくガレージを飛び出す。
両腕を翼のように左右に広げ、鳥が地をスレスレに滑空するかの如く、道を駆けていった。

53名も無きAAのようです:2014/08/02(土) 00:56:28 ID:dY9vMrrM0
\\
(  ゚ ゚)「荒巻よ。私も世話になった。」

ブーンとある程度距離が空いた後、ルミナスが荒巻に話し掛けた。

/ ,' 3 「…何かあったらわしをたよるのじゃぞ。主が身を隠す理由は結局わからんし、謎も多い。しかし、よかったらそのうち話してくれ」

その言は、重い。
まるで、これから起こるであろうことを予期しているかのように。

\\
(  ゚ ゚)「…できれば世話になりたくないものだな。」

そんな荒巻の言に対し、ルミナスは淡白な返答をした。
そして、ふっとその場から「消えた」。頭部パーツ、「オールオーバー」の能力、「いんぺい」の効果である。
それは、完全に姿を消した訳ではなく、その場の色彩に体色を合わせているために起こった現象だ。
一言でいえば光学迷彩であるが、それとの違いは種々のレーダー感知からも逃れる点である。
つまり、見えないステルス機構と言えよう。だが…

/ ,' 3 「いやーそれにしても規格外の性能だのう…。『いんぺい』に光学迷彩はないぞい」

( ;  )「実は使った私も驚いている。なぜこのような能力を持たされたのかは私も知らないが…、頭部パーツを使う時は人前を避けた方が良いようだ。」

(   )「では、さらばだ」

結果として、人間もメダロットもそう簡単に視認することが出来なくなった。
不可視の鉄塊はブーンに高速で追従するため、荒巻のガレージから飛び出した。

既に、東空高くに位置していた朝日が、異様に眩しかった。






54名も無きAAのようです:2014/08/02(土) 00:58:01 ID:dY9vMrrM0
3・4話終了です。日曜あたりにでも続きを投下します。

55名も無きAAのようです:2014/08/02(土) 01:28:22 ID:on6IwLA60
乙乙
なんか読みにくいと思ったら文の終わりが
〜る
〜た
〜ない
で連続してるからか
これは是非とも直してほしい
話は面白いから応援してるぞ

56名も無きAAのようです:2014/08/02(土) 10:13:57 ID:0GGZ7adY0
メダロット好きだから続き楽しみ


57名も無きAAのようです:2014/08/02(土) 17:35:52 ID:Xos982o20


58名も無きAAのようです:2014/08/03(日) 20:37:54 ID:8LocSe860
まだかな

59名も無きAAのようです:2014/08/04(月) 21:18:29 ID:W6Oj6qJw0


Chapter5「ハービンジャー」

60名も無きAAのようです:2014/08/04(月) 21:22:25 ID:W6Oj6qJw0
…放課後、VIP高校内


( -ω-) 「…zzz」

VIP高校。
公立学校としては20年という長くも短くもない歴史を持つ高校。
VIP市に住む少年であれば、自然、進学する高校であり、比較的生徒数も多い。
もちろんブーンとドクオも通う高校だ。

その中の2階、ある1年生教室。
幾つもある黒鉛に汚れた古い机。その一つに顔を押し付け、寝息をたてるデブが一匹。
何者かが、その頭を小突いた。

( ^ω-) 「う…ん……?」

( ;゚ω゚) 「アッーー!もう学校終わりかお!」

目を覚ましたブーンが突然叫んだ。周囲に人影はなく、ごくありふれた白色の壁の教室に光が差し込む。
その光は既に橙色である。

('A`) 「いつまで寝てんだよ」

ドクオが、半ば呆れた声を発した。どうやら、ブーンを起こした張本人のようだ。
日を背に負っているせいか、顔が普段にも増して暗く見える。

61名も無きAAのようです:2014/08/04(月) 21:24:44 ID:W6Oj6qJw0
( ^ω^) 「いや、毎日眠くて仕方ないんだお」

('A`) 「こんなクソ暑い時に爆睡できるかよ?逆に関心するわ」

たった一つの言葉であっても、半ばの呆れを完全な呆れへと変えるには十分であったようだ。

('A`) 「まあ、お前の単位は俺には関係ないしな…。ところで、昼に妙なものをグラウンドに見つけてな。お前に見せたかったんだ。」

( ^ω^)「…お?」

('A`)「まあ、ついてこいよ」

ドクオは眠そうなブーンの腕をいきなりつかむと、そのまま強引に引き立たせ、廊下へと引きずり出した。
勢いに任せたせいで、ブーンの荷物は教室に置き去りだ。
残念なことに、寝ぼけ眼のブーンに理性は戻りきっていなかった。

62名も無きAAのようです:2014/08/04(月) 21:25:25 ID:W6Oj6qJw0
…VIP高校、グラウンド

ドクオにつれられたブーンは、下駄箱で内ばきから使い古しのエアホースにはきかえ、昇降口からグラウンドに出た。

('A`) 「こっちだ。」

ドクオは、黄土色が支配するだだっ広いグラウンドの、奥地を指差す。
そこには、フェンスで人の侵入を拒ませられた、小さな森があった。

…なぜ、高校の敷地内に森があるか?
VIP市は、意外にも森林の豊かな中規模の都市である。
メダロット等の最新技術を取り入れた行政の傍ら、環境への配慮の一環として森林の保護を行っているからだ。
VIP高校も例外ではない。数年前からグラウンドに隣接している森の保存や、植樹による拡大を行っている。

ブーンとドクオは、そんな行政の思惑で残されている森に侵入すべく、かつては緑色であったろう、赤茶に錆びたフェンスをよじ登り始めた。ガサガサと鬱蒼とした薮をかきわけ、少し進むと、突然ドクオが立ち止まった。

('A`) 「あれ」

ドクオはその細長い人差し指で、目的を指した。
それは、一本の杉が倒れている。という光景だった。…ただし、周囲の木々は未だたくましく天を目指している
倒れた木は、なんと、根本から1.3メートルほどで袈裟、もしくは逆袈裟に切断されたような斜めの切り口を持ってた。

( ^ω^) 「竹槍みたいだお」

('A`) 「竹?杉だろ。昼休みにサッカーしてたら偶然蹴りこんじまって。で、ここで探してたらいきなりこれ倒れてきたんだ」

( ^ω^)「よく考えれば杉ヤリか……やりすぎ!!だっておwww」

('A`) 「あ?話を聞けコラ」

唐突なブーンの言葉遊びにドクオは腹を立てた。

63名も無きAAのようです:2014/08/04(月) 21:26:25 ID:W6Oj6qJw0
しかし、そんな様子もお構いなしに、ブーンは自分のペースを崩さない。
今度は口を閉じて考え事を始めた。

( ^ω^) (にしても…なんだおこれ?メダロットが切ったのかお?でも、この木の直径は3メートルはあるお)

可能性を考えているうちに、遠くのしげみがガサガサと音を立てているのが聞こえる。
その時点で、ブーンは「多分風が揺らしている。」と思い込んでいた。

(*^ω^) (多分間伐じゃないかお…ドクオにモノを教えるチャンスだお)

ブーンは何故か知っている「間伐」というキーワードを結論に位置づけ、嬉々とした。
普段ドクオに指摘されることの多いブーンは、ここぞというチャンスだと考えていた。

(*^ω^) 「ドクオ!わかっ―――」

導き出した結論を自慢しようと、切断された杉から目をはずし、背後にいるはずの友に話しかけた。

が、しようとして、やめた。そこに友はいないことを知ったからだ。
そしてその友をすぐに見つけた。既に、グラウンドを脱兎の如く駆けていた。

( ^ω^) 「この野郎…」

代わりに、口から這い出してきたのは友に対するあまりの忌ま忌ましさ故の悪態だった。

64名も無きAAのようです:2014/08/04(月) 21:27:20 ID:W6Oj6qJw0
振り返れば、友の代わりに紫の装甲に犬を模した頭部−−否、頭両腕。
3つ首の地獄の番犬をモチーフとしたメダロット、「ヘロケロベロス」がそこにいた。

 ∧ ∧
く +ω+) 「ナンダキサマ?」

唸りを上げていたヘロケロベロスの、リーダーらしき頭部パーツが唐突にブーンに問答を始めた。

( ^ω^) 「えっと…その…。」

先ほどのイライラは瞬時に消える。ぽっかりと空いた空間に、代わりに恐怖が充填された。
ただならぬ空気を垂れ流すヘロケロベロスに圧倒され、ブーンはしどろもどろになる。

そのことが、ヘロケロベロスの不信を増幅させる。

 ∧ ∧
く *W*)「ゼッテーアヤシイ。」

 ∧ ∧
く tшt) 「ドウカンダ。」

両腕が口々に叫びだす。
ヘロケロベロスの行う腹話術じみたこの行為は、不気味という言葉につきる。
ブーンを、精神的にジワジワと追い詰めていく。

( ^ω^) 「いや、た、ただ遊びに−−−」

 ∧ ∧
く +ω+) 「ソンナハズネェダロ。モリヲアラシニキタニチガイネェ。コウナッタラ、ロボトルデキュウヲスエテヤル」

 ∧ ∧
く *W*) 「スエテヤル」

 ∧ ∧
く tшt) 「スエテヤル」

ブーンのはっきりしない態度に業を煮やしたヘロケロベロスが、強行手段へと打って出た。
どうも、このヘロケロベロスは野良メダロットではあるが、この森を管理しているメダロットのようだ。
だが、その管理に従順であるが故に、「森にいる=侵入者=敵」という、とんでもないステレオタイプが使命を乗っ取ってしまったと推測される。
だが、残念な事に侵入者であることに変わりはない。処罰対象に含まれてしまう。
森の狂犬が、今にも牙をむかんとしていた。

65名も無きAAのようです:2014/08/04(月) 21:28:12 ID:W6Oj6qJw0
( ^ω^) (灸をすえるとかまたふるくっせー言葉を…。やべ。やるしかねぇのかお…。)

ブーンは、ヘロケロベロスの成す意味不明の展開に戸惑う。 知らず知らずのうちに、ロボトルをするはめとされてしまっていた。
ヘロケロベロスはなおもブーンにロボトルを強要しようとする。

 ∧ ∧
く +ω+) 「サッサトテンソぶべら!?」

だが、ヘロケロベロスはブーンに制裁を加えることは叶わなかった。
突如、その頭部を地へと勢いよく打ち付けた。一見すると横に唐突に倒れ込んだように見えるが、どうも自分の意思で行ったように見えない。
不可視の力が側頭部に加えられたのだろうか、クレーターの如く地面に陥没している。
それきり、ぴくりとも動かなくなった。

( ^ω^) 「…なんなんだお、ギャグかお」

事が、二転、三転。
ブーンは口を開くが、呆然を上手く言葉で表現すうことができない。

(    ) 「こういうことだ」

独り言であったはずの言に、何者かが答えた。

ヘロケロベロスの後方1メートル。
何もないはずの空間が、陽炎が揺らめくように、歪み始めた。

数秒の後、事の真相が姿を現す。

66名も無きAAのようです:2014/08/04(月) 21:29:10 ID:W6Oj6qJw0
\\
(  ゚ ゚) 「ぎゃぐ…?それよりもこんな所で何をしている、ブーン?」

ルミナスが「いんぺい」を解除し、表れた。

( ;^ω^)「ええ…お前こそ何やってるんだお…つーか『いんぺい』ってそういうのだったかお?」

ブーンはルミナスへの不信感を隠ぺいしきれていない。

\\
(  ゚ ゚)「最新パーツだからな(大嘘) あと、ネコが爪を木で研ぐだろう。それと同じだ。何が悪い?」

その直後、大木倒れ、それにより生じた轟音が森に響き渡った。
それに驚いてか、ばさばさと鳥が慌てて飛び立つ音が数瞬遅れて聞こえた。

( ;-ω-)「はあ…」

幾分豪快がすぎる行為の全容を知り、溜息を一つブーンはついたが、ルミナスに届くことはなかった。





67名も無きAAのようです:2014/08/04(月) 21:30:15 ID:W6Oj6qJw0
5話終了です。
昨日はうっかり寝ました。

68名も無きAAのようです:2014/08/05(火) 13:25:57 ID:.AK8R3VI0
おつ


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