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( ^ω^)百物語のようです2014( ω )
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家を出てしばらく歩くと、商店街の古めかしいアーケード通りがある。そこでもぼくは、奇妙な物を目撃した。
特に注意を払うべくもなく歩いていたせいか、何か柔らかな物を踏んづけてしまったのだ。
さては犬の糞でも落ちていたかと恐る恐る足をどけてみると、ころりとした眼球が靴の下から転がり出てきた。
眼球。どこからどう見ても、完全に眼球である。
どこかに瑞々しさを保ったまま、思いがけないほどの弾力でもってぼくの足の裏から自己主張をしている。
ぼくは数瞬、眼球と見つめ合った。何故だかは分からないが、その一瞬でぼくはそれが作り物の類いではないことを、本能的に悟っていたように思う。
瞳の色は青いが、表面にまとわりつく血管は赤い。そして本来なら脳へと繋がっているはずの太い視神経が、やる気無さげに球の末端から垂れ下がっていた。
頭では理解できていたはずのそれら眼の仕組みも、現物の生々しさを知ればどこかへ吹き飛んでしまうものらしい。
まだ生きて何物かを見ているかのごとく、眼球はギョロリとぼくの顔を睨む。
ぼくはそれを思いきり踏みつけにすると、眼球が潰れずに形を留めているのを確認してから車道へと蹴り飛ばした。
『先生……』
どこか遠くの方からぼくを呼ぶ声が聞こえたような気がしたが、恐らくは気のせいだろうと思った。
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