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('A`)は異世界で戦うようです
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1
:2014/08/15(金) 21:46:34 ID:YSQy/0hU0
慌てて急ブレーキ。突然止まったドクオにビコーズは着いてこれずに遥か先で停止した。ドクオは手近の石を拾うと思いきり投げつける。
一刀の元切り捨てられ、再びこちらへ。ドクオは振り返るとあっさり逃げ出した。
だが、ビコーズの人を越えた身体能力の前では無意味。一瞬で回り込まれ、剣を突き入れられる。
('A`;)「うぐっ……」
体を九十度回り込ませてギリギリ回避。着ていた服に触れ、その部分が一部消失する。
再び距離を取ってドクオは武器になりそうなものを探したが、そんなものはどこにもなかった。もしドクオに魔法の知識があればオサムが用意した魔法陣を利用できたのかもしれないが、考えたところでどうしようもない。
と、ドクオはすぐに思考を中断。目の前で人形が剣を振りかぶっていた。
('A`;)(避けきれねぇ……っ!)
一か八か、ドクオは人形の腕を掴んで押さえ込む。つっかえ棒の役割を果たし、奇跡的にも腕が振り下ろされることはなかった。
('A`;)(ぐっ……さすがに、押さえきれねぇ……)
徐々に沈んでいく体。全ての筋肉を総動員しても歯が立たない。
努力はした。自分にできる精一杯を続けてきた。けれども、この世界の怪物と真っ正面から相対してみればこの通りだ。所詮非力な一般人などその程度しかない。
逃げ出したかった。全てを投げ捨てて崩れてしまえばどれだけ楽になるか。
こんな世界などドクオになんの関係もない。巻き込まれただけの被害者なのに、どうしてこんな痛い思いをして、怖い思いをしてまで戦う理由などどこにあるというというのか。
けれども、ドクオはこの世界に生きている人達の笑顔を知っている。優しさを、強さを、涙を。
この世界にいる誰もがドクオを人として見てくれた。
元の世界で見捨てられ、孤独に死を待つだけの存在であったドクオを、何も言わずに見返りすら求めず拾い上げてくれた人がいる。
きっとそいつはドクオが死んでしまったら涙を流す。たくさんの人が死んだら心を痛める。
ドクオは、そんな彼女を見たくない。そんな顔をさせたくない。
たとえ一秒足りとも悲しませてはならない。
それが今、ドクオがここにいる理由。
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