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('A`)は異世界で戦うようです
609
:
1
:2014/08/15(金) 21:27:30 ID:YSQy/0hU0
すると、必要以上に魔力を込められた紙は太いパイプとなった線に飲み込まれて一気に加速していった。
ξ゚⊿゚)ξ「よし、追うわよ」
从;'ー'从「わわ、ちょっと待ってよぉ〜」
杖に乗って空を飛んでいくツンのあとを渡辺が箒で追従する。そこまで速度は出ていないが、急ぐに越したことはない。
棒を使うためにいくつかの細い魔力の流れを潰してしまったが、おそらく問題はないはずだ。ツンの見立てでは細いラインはあくまで補助機構としての役割しか果たしていない。命令そのものはメインラインを通っているはずなので大きな影響は与えないだろう。
ξ゚⊿゚)ξ(ま、こんなもんで簡単に壊れる術式を作るとは思えないしね)
オサムの用心深さと魔法学への執念をツンは間近で見てきたのだ。必要のないものは排除し、徹底的に効率を求める一方できちんと補助的なバックアップシステムくらいは用意する。そういう男だ。
モ・トコの外れへと向かっていく魔力紙は、いくつかの中継点として設置された魔導鉱石を経由してとある場所で止まった。そして、その場所を見てツンは驚きを隠せず呆然とする。
ξ;゚⊿゚)ξ「……嘘……」
从;'ー'从「ふわぁ、おっきいねぇ〜」
ツンと渡辺の十倍以上の高さと幅を持つ巨大な岩。さらにその周囲に展開している魔法陣。
これが、オサムが構築した術式なのは間違いない。間違いないが、同時にツンは舌打ちをしてしまう。
ξ;゚⊿゚)ξ「まさか貞子と同じ手を使うとは思わなかったわ……」
从'ー'从「ほぇ? どういうこと?」
ξ;゚⊿゚)ξ「これ、この街の結界に使われてる魔力炉の役割を持ってる」
ツンが魔法陣を確認しながら言うと、渡辺が小さく嘘、と呟くのが聞こえた。二人にとって結界を利用した魔法というのはあまりいい思い出ではない。
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