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('A`)は異世界で戦うようです
607
:
1
:2014/08/15(金) 21:24:45 ID:YSQy/0hU0
大きく槍を振るい、衝撃波で二人を吹き飛ばす。先程つけた傷から鮮血が吹き出した。あまり力を込めたつもりはないが、剥き出しになった筋繊維や血管はいとも簡単に破れてしまう。
それでも痛みすら感じず、苦痛に顔を歪めることもない二人の男。一般人であり、生涯炭鉱夫として働き血生臭い戦いとは無縁の人間。
なのに彼らは望まぬ戦いを強いられて傷付いていく。たった一人の心無い人間の手によって。
そもそも一般人を戦闘員に作り変えるなど狂っていなければ出来ることではないだろう。人には人の生活があり、未来があるのだから。
ゾンビのような緩慢な動きと生命力で男達は執拗にモララーへと向かってくる。体のどこかが破損する度に彼らの腕が、手に力がなくなり人間とさえ呼ぶことも躊躇うほどに形を変えていた。
時間が経つだけ振るう刃が重くのし掛かり、自分が騎士であることさえ忘れてしまいそうだ。
モララーは虐げられる弱者のために、大切な人を守れる力が欲しくて騎士になった。目の前にいる二人はまさしく、自分の信念そのものなのに、彼らは自らの不運を嘆くことも、悲嘆に暮れることもなく与えられた命令に従うだけの生き物に成り下がって、モララーはそれを虐げているだけ。
こんなことのために力を身に付けたわけじゃないのに。
心に溜まる汚水はだんだんと行き場をなくし、いつの間にかモララーの瞳を介して流れていく。
( ;∀;)「苦しいよな、悲しいよな。きっと副団長がなんとかしてくれるから。だから諦めるんじゃねえぞ!」
( W )
( − )
モララーの声は二人に届いたのだろうか。答えはない。
けれどもきっと、届いていると信じるしかない。
これが終わったら土下座でもなんでもしよう。許されるだなんて思っちゃいない。罵りでも嘲りでも好きなだけすればいい。
だから、今だけは、今だけは耐えてほしい。全ての決着をつけるやつらがここには揃っているのだから。
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