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('A`)は異世界で戦うようです

286:2014/06/18(水) 22:46:32 ID:pMo3TmyQ0

◇◇◇◇

貞子による王都、もとい渡辺襲撃から早くも二週間が経過しようとしていた。

あの件で最も被害を被ったツンは、以前のドクオよりも酷いマナ欠乏症だとかで目下入院中である。何度かお見舞いに行ったのだが、少女らしい可憐さはどこにもなく、肌はカサカサでヒビ割れており、目の下にも隈が大きくできて初め誰だか分からないほどだった。

とはいっても、ドクオがツンと直接的に会ったのは病院が初めてである。記憶が流れ込んで来た理由は分からないが、そのおかげで彼女を一方的に知っていたというだけでまともな面識はなかった。それはツンも同様で黒の魔術団としてドクオの情報はあったが会話をするのはやはり初めてだった。

ツンに見舞いの果物を持っていったところ、彼女は力なく笑ってただ一言「ありがとう」と感謝の言葉を述べた。黒の魔術団には戻れないし、こんな大怪我を負わせたのは自分だとドクオは思っていたが、ツンにも思うところはあったようでそれ以上の言及は避けておいた。

ただ、これからどうするかというのは気になるところだったので尋ねてみると、

ξ゚⊿゚)ξ「一応魔法学校に入学出来るみたい。渡辺と同じクラスから、ね」

というのが騎士団側から提示されたらしい。

魔法の扱いは独学ながら目を見張るものがあるし、一つだけとはいえ禁呪と呼ばれる魔法をも習得している。今でも充分一線で戦えるだろうが、彼女のこれまでの人生を鑑みて一度学校に入った方がいいだろうとショボンが口を利いてくれたそうだ。

なんせツンの経歴は悲壮の一言に尽きる。親の顔を知らず、気づけば奴隷として売られ、黒の魔術団では道具として使われていた。

ツンが全てを明かしたのかは知らないが、今までの彼女の人生に騎士団としても温情があったのかもしれない。これからは渡辺という友人もいるのだから、精一杯楽しんで生きていってほしいとドクオは思っている。


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