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('A`)は異世界で戦うようです

262:2014/06/15(日) 22:54:42 ID:y0WfqNpk0
ずずっと足が後ろに押されていく。こらえきれない。せめて軌道をそらすことさえできれば……。

('A`;)(なんのためにここまできたんだ……誰も守れない力なんて意味があるのかよ!?)

ドクオは弱い人間だ。努力もしなかった、現実から目を背け続けて不平ばかり漏らしていた。

('A`;)(渡辺はツンのために力がなくとも前に出た!! ツンは敵わない相手に命をかけて戦った!!)

人は二人を馬鹿にするかもしれない。命を粗末にする大馬鹿者だと笑うかもしれない。だが、ドクオは、ドクオだけはそれを笑うことなんてできない。

二人は自分の大切なものを、無くしちゃいけないもののために立ち上がっただけだ。それを失ったら、もう前を向いて歩くことができないから。

('A`;)(なら俺だってそれに応えなきゃ、そうじゃなきゃ二人の頑張りを本当だって、胸を張って言えやしない!!)

ドクオは一歩を踏み出す。腕だけでなく、体を使って。

('A`;)(もう逃げねえ!! 二人のためにも、何より俺自身のために!! 今やらないで)

('A`#)「いつやるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

ドクオは思いきり体を横に捻る。甲高い音を立てて黒い濁流がドクオの横を流れていった。

('A`#)「これで終わりだぁぁぁぁぁ!!」

貞子へ向かってドクオは剣を振る。貞子は俯いて動かない。力を使いきって動けないのか、それとも他に何かがあるのかは分からないが、ドクオが先に斬ってしまえば終わりなのだ。

川゚д゚川「あはははははは!! これで終わりの訳がないでしょう!?」

あと二歩のところまで来たとき、貞子は目を見開き大口を開けて笑った。

ドクオは剣を振り下ろすが、何かの障壁に阻まれて体ごと強引に弾かれてしまう。

('A`;)「今度はなんだよ」

空中で体勢を立て直して着地。貞子の体から黒いオーラが禍々しく噴出していく。辺りの物という物を砕き、抉り、同時に大気が揺れた。

ξ ⊿ )ξ「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

その時、ツンの悲鳴が聞こえる。振り返ると、ツンの体から貞子と同じような黒いオーラが噴き出していた。唯一貞子と違うのは、ツンから出ているものはひたすらに貞子へと吸収されていることだ。

从;'ー'从「ツンちゃんしっかりして!! どうしたの!? ねぇ!?」

渡辺が声をかけるがツンの叫びは収まらず、体が不自然に反り返っている。見えない何かに引っ張られているかのようだ。

('A`#)「てめえツンに何をしやがった!?」

貞子はにやりと笑いながら杖をかざす。たったそれだけの行為で至るところに黒雷が降り注いだ。


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