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('A`)は異世界で戦うようです

220:2014/06/09(月) 23:33:10 ID:Q3Oqlw1I0
しかし、その日から使用人達と会話をする機会は格段に増えたように思う。彼女が寂しいと感じないよう、他人と違う生活をしていることに疑問を抱かないようにとの配慮だったのだろう。それから彼女はあまり孤独を感じることはなかった。

その数年後、彼女の人生に転機が訪れる。

彼女は両親が不在の理由を知らなかったし知ろうともしなかったのだが、その日は使用人達が朝から騒がしかったことから、何か重大なことがあったのだと推測していた。あの日から人が変わったように優しくなった使用人達に迷惑をかけたくなかったのだ。だから彼女は何かあれば使用人から話してくれるのを辛抱強く待った。今ではそれが間違いであったと酷く後悔している。

使用人達はその日からよそよそしい態度になり、彼女とあまり口を利かなくなってしまった。それは今だけだと彼女は信じていたが、それから使用人と会話をした記憶は、彼女が屋敷を出る最後の日だけとなる。

使用人との会話がなくなった翌週のことだった。彼女はいつも通りに起きて、いつものように勉強と読書に明け暮れていたのだが、お昼を回った頃に一人の男が訪ねてきた。今日から彼女の雇い主なのだという。

訳が分からず話を聞こうと使用人に説明を求めると、彼女の両親が亡くなったこと、お屋敷や他の土地などの資産は売りに出されてしまったことなどが明らかになった。つまり、今まで彼女は貴族と呼ばれるものだったが、彼女も気付かない間に落ちぶれ、全てを失っていたということだ。


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