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('A`)は異世界で戦うようです
185
:
1
:2014/06/05(木) 23:35:05 ID:V0EQBG/A0
从'ー'从「……」
ξ゚⊿゚)ξ「私さ、あの時近くにいたの。魔物が沢山沸いてくるなか、どうしていいか分からなかった。本物の戦場を見て何も出来なかったの。死んじゃうかも知れないって思ったら足がすくんじゃった。普通の人だったらみんなそうだと思う。あんな大きな魔物を見れば誰だって怖いわ」
从'ー'从「あれは、どっくんが……」
ξ゚⊿゚)ξ「理由なんてなんでもいいのよ。命をかけて戦った、この事実はどうやったって変わらない。あんたは胸を張っていいの。<忌み子>だろうとなかろうと、ね」
渡辺はツンの言葉を心の中で反芻する。戦った理由は些細な理由だ。初めて触れた優しさにすがっただけの、偽善、依存。けして褒められたものではない。
けれど、目の前の少女はその事実でさえ認めてくれている。お前はよくやった、と。誰にも真似できないことをやってのけたんだ、と。
ξ゚⊿゚)ξ「ねえ、私はあんたと友達になりたいなって、ずっと思ってたんだけど、あんたは<忌み子>だからって拒否するの?」
从'ー'从「私といたら、きっとツンちゃんも変な目で見られるよ?」
ξ゚⊿゚)ξ「勝手に言わせとけばいいじゃない。肝心な時に何もできない腰抜けどもより、私はあんたのことをもっと知りたい。<忌み子>だとか言われても、誰かのために動けるあんたと私は一緒にいたい」
ツンはそう言ってにこりと笑った。渡辺の全てを知り、それでも渡辺を知りたいのだと言ってくれた。
この手を、取ってもいいのだろうか。
信じてもいいのだろうか。
一人で歩くことしか出来なかった自分は、誰かと共に歩いても許されるのだろうか。
从'ー'从「私は……」
それでも、心が求めている。暗く深い孤独の道から解放されることを。
誰かと繋がっていたい、誰かと話してみたい。
それを理解した瞬間、渡辺は溢れる涙を止めることが出来なかった。
从;ー;从「ふえぇー」
ξ;゚⊿゚)ξ「ちょ、ここは泣くとこじゃないわよ。笑顔でよろしくっていうとこでしょ」
从;ー;从「よろしくだよぉ」
ξ;゚⊿゚)ξ「あーもう、これ使いなさい。まったく、子供じゃないんだから」
ツンがハンカチを差し出してくる。そんな些細なことがどうしようもなく嬉しかった。
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