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('A`)は異世界で戦うようです

173:2014/06/05(木) 23:23:17 ID:V0EQBG/A0
◇◇◇◇

从'ー'从「えっとぉ、これとこれとぉ、あとはぁ〜」

渡辺は魔法学校にある図書室で黙々と資料を探していた。次の昇級試験で使う論文をまとめるためだ。

魔法使いというのは基本的に階級制で、渡辺がいるのは一番ランクの低い見習いである。その上に魔法使い、大魔法使い、魔導師、大魔導師と続いていくのだが大半の学生が卒業する際に授かるランクは大魔法使いだ。そこからは個人で国が指定する試験をパスすることによってランクをあげていくこととなる。

大魔導師以上になってくるとそこから専門的な分野の階級を冠することが多く、錬金術ならばアルケミストだったり魔法と剣技を両立するならマジックナイトといった具合だ。

通常魔法使い見習いなどというランクは入学当初から一年かそこらで卒業するものだが、渡辺は入学してもう三年ほどの月日を経ていた。三年も経つのにまだ見習いにいる理由としては、渡辺の頭が悪いということではなく、単純に彼女の境遇にある。

渡辺は所謂<忌み子>と呼ばれる存在であり、<忌み子>とは破滅と絶望を振り撒く悪魔として忌み嫌われている。

以前ニダーが言っていた話を渡辺は独自に調べてみたのだが、どこを調べても似たような記述しか載っておらず、結局は同じ答えに行き着いてしまう。

だから渡辺は周りの学生と同じように一年の間切磋琢磨できるような友人に恵まれず、失敗や間違いを一人で繰り返し、ようやく見習いを卒業できるところまで漕ぎ着けたのだった。

それだけにこの昇級試験は渡辺にとって大きな意味を持つ。渡辺という存在は否定されても、身に付けた技術や知識が一定のところを越えさえすれば誰かに認めてもらえるのだから。

だからこそ渡辺はドクオとのコミュニケーションもそこそこに昇級試験の準備を進めているのだが……。

从'ー'从「あれれ〜? 資料が一つ足りないよぉ〜?」


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