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( ^ω^)しん・かたながり2014のようです
1
:
名も無きAAのようです
:2014/01/23(木) 23:18:10 ID:xL9OWOaY0
前に嘘予告に投下した奴を練習も兼ねてながらで投下していくつもりです
投下用の酉はこちら
↓
【 ◆U0QTkY.0LM 】
33
:
名も無きAAのようです
:2014/01/24(金) 21:23:50 ID:eIdMO8GAO
乙。ゆっくりで良いから最後まで書いてくれよな。
34
:
名も無きAAのようです
:2014/01/24(金) 23:54:24 ID:3ZEQtyUA0
レスありがてぇ
ところで、地の文はこんなもんで良いんだろうか?量といい内容といい
35
:
名も無きAAのようです
:2014/01/25(土) 00:36:19 ID:JUSBad.M0
おつ
地の文について俺から見ると、悪いが読みにくい。
一行毎に空いてるとなんとなく目が疲れる気がする。話は面白いんだけど
量というか長さもちょいちょい気になる。
最後のクールの台詞は長すぎて変なところで区切られちゃってるし、適当なところで行を変えた方がいいと思う。
とりあえずおつ。なんか上から目線になってすまん
36
:
名も無きAAのようです
:2014/01/25(土) 01:08:32 ID:3FVK628c0
>>35
上とか下とかそんな全然、貴重な意見に感謝
確かに無駄な改行が多いし横幅も広い。恐ろしい事に、言われてみないとまるで気付かなかった
意見を元に、試しに
>>2
を修正
【( ^ω^)】
おかしな夢を見た。
そのせいか午前三時に飛び起きて、それからは朝まで録に眠る事もできなかった。
おかげで、彼は新学期だというのにえらく大きなクマをこしらえて登校している。
【( ^ω^)「――、――」】
目の前に居るのは自分自身で、その自分が何かを語りかけてくる。そんな夢だった。
覚えているのはそれだけで、話の内容なんかを思い出そうとしても時間が経つほどに記憶が薄れ、曖昧になっていく。
そして最後には殆ど忘れてしまう。夢というのはそういうものだろう。
その点においては『おかしな夢』も普通の夢であったし、夢というのは大抵が大概『おかしい』ものでもある。
そういう意味では、所詮夢なのだ。
しかしそれでも尚、彼が『おかしな夢』であったと思ったのは、その夢が特別だったから。その一点に尽きる。
修正前を比べてみると、確かに読みにくい。というか醜い。
特にタブレットから投下してると他の環境で文章の横幅が変わる事なんかもまるで配慮してなかったので、かなり為になる意見です。
次回からしっかと反映させて頂きますので改めて感謝の意を。ありがとう
37
:
名も無きAAのようです
:2014/01/25(土) 01:55:53 ID:JUSBad.M0
>>36
うん、確実にこっちの方が読みやすい。
意見取り入れてくれてありがと
応援してるよ
38
:
名も無きAAのようです
:2014/01/25(土) 08:52:12 ID:/3ovDhZ.O
面白い支援
39
:
名も無きAAのようです
:2014/01/25(土) 18:20:38 ID:3FVK628c0
タブレットの充電が完了次第始めます
40
:
名も無きAAのようです
:2014/01/25(土) 19:29:27 ID:hdK1II5o0
刀語じゃなくて刀狩りだったのか
でも面白いからwktk
41
:
名も無きAAのようです
:2014/01/25(土) 20:31:55 ID:3FVK628c0
断線しかけの充電器ってイヤなものね
続き始めます
42
:
◆U0QTkY.0LM
:2014/01/25(土) 21:21:36 ID:3FVK628c0
直後。
『自分』の姿が一瞬で目の中から消えたかと思うと、内藤の右手が突如として眩い光を放ち始める。
( ^ω^)「……これは……」
不思議な事に驚きは無かった。
むしろ、先程まで渦を巻いていた感情が静まり、心が落ち着いていくのが分かる。
内藤はいつの間にか緊張で握り締めてしまっていた右手を見つめ、指を開いた。
(;^ω^)「!」
光が弾ける。
指の隙間から漏れた光明に目が眩み、思わず瞼を閉じてしまう。
ほんの一瞬だった。ほんの一秒足らず。
しかし内藤が再び目を開けた時、彼の右に握られていたのは光でなく『刀』だった。
( ^ω^)「……『刀』……僕の、『刀』……?」
刀。
抜き身の刀身は鋭い輝きを放ち、それが『本物の刃』である事を言うまでもなく証明していた。
銀色の刀身に金色の鍔。内藤の握り締めている柄は絹のように白い。
思わず見蕩れ、息を呑んでしまうような美しさを放つそれは、紛れも無く『刀』だった。
43
:
◆U0QTkY.0LM
:2014/01/25(土) 22:10:17 ID:3FVK628c0
【おい相棒、俺に惚れてる場合じゃねえ】
再び聞こえる『自分』の声。
しかし先程までとは異なり、『刀』から内藤の右手、体へと響いてくるような感覚だった。
刀を通して『心』へ、というのが一番しっくりくる表現だと内藤は思った。
「ようやく『刀』を抜いたな、内藤君。さあ出て来たまえ……名乗る時間くらいは与えよう」
恐らく『光』で察したのだろう。
素直さんは感情の見えない声でそう告げるが、言葉の端には明確な殺意が滲み出ていた。
(;^ω^)(……このまま素直に素直さんの前に姿を晒してもいいものかお?えと……『僕』)
心の中で『自分』に問いかける。
なんと呼ぶべきか少々悩んだが、無難に一人称を流用した。
【おいおい相棒。俺の名前は『素刀武運』だ。たった今名乗ったばかりだろう?】
が、しっかりと訂正され、却下されてしまった。
(;^ω^)(ああうんすまんお……えーと、ソトーブーン?)
【……あーなんか不自然だな、武運でいい】
(;^ω^)(わかったお、えと、ブーン……って、そうじゃなくて僕の質問に!)
発音にどこか不自然さを残しつつも、話は本筋へ舞い戻る。
【とりあえずこの状況では逃げようもないだろう。
そこのフェンスを越えて地面に落ちても無事で居られるってんなら話は変わってくるが?】
(;^ω^)(……仮にこのまま隠れてたら?)
【このタンクごと真っ二つ】
( ^ω^)「わかった。姿を出すお、素直さん」
恐怖には勝てなかった。
大人しく宣言し、『刀』は持ったままゆっくりと給水タンクの影から姿を現す内藤。
44
:
◆U0QTkY.0LM
:2014/01/25(土) 23:49:11 ID:3FVK628c0
川 ゚ -゚)「大人しく出てきてくれて良かったよ。
無いとは思っていたが、もしそこに留まろうものならそのタンクに斬りかかっていたところだ」
素直さんは内藤の姿を見るなりそんな事を言う。
それを聞いた内藤は小さく安堵の息を漏らし、同時に『もしも』を想像して背筋が凍る。
川 ゚ -゚)「にしても……先程から私ばかり話をしているな。名乗る時間くらいとは言ったが、話があれば聞こう」
彼女なりの気遣い、あるいは平等思考というべきか。
生真面目な彼女らしく、この張り詰めた空気の中そんな事を言う。
少しばかり戸惑ったが、内藤はありのままの考えを発することにした。
(;^ω^)「……素直さん。正直、僕はこんな事したくないお」
川 ゚ -゚)
素直さんは何も言わない。
感情を顔に出す事も無く、ただ真っ直ぐ、瞬きもせずに内藤の顔を見ている。
( ^ω^)「それに動機も理由もないお。こんな状態でクラスメートと争うなんて……」
川 ゚ -゚)「内藤君」
(;^ω^)「……?」
唐突に割り込まれ、思わず黙ってしまう内藤。
川 ゚ -゚)「君はなんでも叶える魔法のランプの魔人がいたらどんな願いを叶えてもらう?」
あまりに唐突な質問に少々困惑するが、彼女にふざけている様子はない。
少し考えた後、思ったことを口にした。
45
:
◆U0QTkY.0LM
:2014/01/26(日) 01:18:35 ID:fU0nyGps0
(;^ω^)「そもそも願いを『叶えて貰う』ってどうなんだお?」
川 ゚ -゚))
素直さんが小さく揺れる。揺れたような気がした。
( ^ω^)「叶えて貰いたい願いにもよるけど、大事な願いすら何の感慨も無く……
それこそ長年悩んできた事でも訳分からん魔法で一瞬で消えるって、あんまりいい気分じゃないお。
それまで悩み続けてきた自分はなんだったのかってバカバカしくなりそうで」
川 ゚ -゚)
素直さんは何も言わない。
(;^ω^)「だからまぁ……僕なら願う事はないと思うお」
川 ゚ -゚)「……、……。……そうか」
素直さんはそれだけ言うと小さく息を吐いた。
それから少しだけ間を置き、言う。
川 ゚ -゚)「しかし、それでも私の動機と理由はそこにある」
素直さんが『刀』を構える。
(;^ω^)「えっ!?いや、僕の話途中だったんだけど!?」
川 ゚ -゚)「君に私と戦う理由が無くとも、私にはそれがある。簡単な事だ」
(;^ω^)「……やっぱ、どうしてもやる気なのかお……」
内藤もやむを得ず構える。
左手を右手に添え、刀身を相手に向ける。
たったそれだけ。
しかしその途端、手の震えが止まらなくなった。
川 ゚ -゚)
対する素直さんには何の震えも見て取れない。
人に対して、クラスメートに対して『凶器』を構える事に何の躊躇いも無い。
迷いが無い。
それだけの強い『動機』、あるいは『理由』を、確かに持っている。
そう思えた。
46
:
名も無きAAのようです
:2014/01/26(日) 01:24:13 ID:fU0nyGps0
今日は特に遅筆でしたがここまで。次回からようやくバトるよ!やったね内藤ちゃん!
次回は明日は夕方以降に
47
:
名も無きAAのようです
:2014/01/26(日) 01:50:11 ID:FDn36Iv.0
おつおつ
48
:
名も無きAAのようです
:2014/01/26(日) 16:33:43 ID:FXaPfvqg0
こちら作者、聞こえるか?
少し予定が狂ったので夕方ではなく夜に開始します
49
:
名も無きAAのようです
:2014/01/26(日) 19:53:34 ID:fU0nyGps0
帰宅。レスに感謝しながら開始
50
:
◆U0QTkY.0LM
:2014/01/26(日) 21:50:17 ID:fU0nyGps0
(;^ω^)(……クソ……『願い』が理由?動機?それで僕と戦うって……)
止まらない汗と震えを抑えることも出来ないまま、心の中で呟く。
それを感じ取ってか、それまで黙っていた「ブーン」が素早く語り始める。
【簡単に答えるから一度で納得しろ。
その一、この『超能力の類』をお前に目覚めさせた奴がいる。
その二、それは素直も同じで、お前と同じ奴だ。
その三、お前や素直みたいな『超能力者』同士で戦って、相手を沢山倒せば、
『そいつ』が『褒美』として『色々』してくれる。それこそ『願い』も叶えてくれる】
内藤は早口言葉のように飛び出た言葉をどうにか理解していく。
が、理解した上でこう思った。『理不尽だ』と。
(;^ω^)(ハァ!?なんだおそれ!?僕はそんな事一切聞いてない!!)
【だーから夢の中で全部話したっつっただろ?
しかも、自分でしっかり納得した上で了承したってのに、それも含めててめぇが勝手に忘れやがったんだ。
とにかく今は割り切れ、いくら理不尽でもお前の選んだ道だ】
(;^ω^)(う……その通りだけど……)
ブーンの言う事はもっともだったし、そもそもの原因である内藤自身に反論の余地はなかった。
忘れてしまったものは仕方が無い。
現状に立ち向かうしか無い。
だが。
(;^ω^)「けど、やっぱり人を『倒す』って……僕に『人を斬る覚悟』なんて、そんなもの無いお!」
現状は、言葉よりも遥かに大きい。
51
:
◆U0QTkY.0LM
:2014/01/26(日) 22:17:57 ID:fU0nyGps0
これは間違いなく内藤の本心だった。
『動機』も『理由』も無い。
内藤にとって『誰かを傷つける』という、あまりに人として歪んだ行為を正当化できる物が何一つとして無い。
夢の中で戦う事を了承した時には、それがあったのだろう。
根拠はないが、内藤には分かった。
だとしてもそれを思い出せない以上、現状においては本当に何も無いのだった。
しかしそれは通用しない。言い訳にすらならない。
自分の意志で了承した彼女のような人には、それらが『ある』のだから。
川 ゚ -゚)「……なぁ内藤君」
素直さんが依然として『刀』を構えたまま、内藤との距離をほんの一歩詰める。
表情、と語気には、相変わらず感情が見えない。
川 ゚ -゚)「そのいかにも『弱々しい奴』といった演技、程々にしてくれ」
が。その言葉の中、軸にあるものは間違いなく『苛立ち』だった。
52
:
名も無きAAのようです
:2014/01/26(日) 22:23:11 ID:fU0nyGps0
一旦中断します
53
:
名も無きAAのようです
:2014/01/26(日) 22:25:39 ID:fU0nyGps0
少し頭を整理して日付が変わる前後に再開します
54
:
名も無きAAのようです
:2014/01/26(日) 22:53:17 ID:Ci6n8oScO
明日ゆっくり読ませてもらうよーがんば
55
:
名も無きAAのようです
:2014/01/27(月) 13:53:00 ID:Ve4uz/6.0
あの後ぐっすり寝てました、再開します
56
:
名も無きAAのようです
:2014/01/27(月) 13:57:18 ID:I5c8JdW20
支援だ
57
:
◆U0QTkY.0LM
:2014/01/27(月) 14:58:10 ID:Ve4uz/6.0
川 ゚ -゚)「君に二度も『隙』を作ってやるほど、私は愚かじゃないんだ」
互いの距離は数メートル。
しかし素直さんが踏み出す一歩には、その程度の距離など一瞬で消失させてしまうような、そんな不思議な迫力があった。
内藤は思わず後ずさるが、すぐに落下防止用のフェンスに阻まれる。
(;^ω^)「え、演技って……そんな」
川 ゚ -゚)「ならばその『刀』はなんだ?何故その力を受け入れた?
答えは単純だ。君は嘘をついている。その嘘で私の背中を突き刺すために」
最早今の彼女にとって内藤とは『そういう奴』なのだろう。
あらゆる『情』に訴えかけて隙を作る卑怯者。
倒すべき『敵』。
そんな内藤の言葉を信じることで生じるメリットなど何一つとして無いのだ。
(;^ω^)「……」
内藤は何も言えない。
きっと何を言っても通用しない。
ようやく分かって、黙るしかなかった。
刀はやはり震えている。
まるでその心境に呼応するかのように、登り始めた朝日が内藤に影を落とし始めていた。
川 ゚ -゚)「…………行くぞ」
吐き捨てるような呟きの後。
逃げ場の無い内藤目掛けて、素直さんは迷い無く駆けてきた。
58
:
◆U0QTkY.0LM
:2014/01/27(月) 15:55:27 ID:Ve4uz/6.0
(;^ω^)「っ……」
内藤の体は動かない。
【相棒!とにかく相手の剣撃を防ぐ事だけ考えろ!】
ブーンの声。
素直さんは既に目前へ迫っていた。
左足を大きく内藤の方に踏み出し、 『刀』を自らの右下に構えている。
後ろには逃げられない。
内藤は咄嗟に『刀』を握り締めると刃先を左下に向けた。
川 ゚ -゚)「……っ」
(;^ω^)「ぐぅっ……!」
『刀』同士がぶつかり、甲高い金属音が鳴り響いた。
内藤は左下から斬り上げてくるような素直さんの一撃を刀身で受け止め、そのまま沿わせるようにしながら全力で右上に振る事で、強引に受け流す。
59
:
名も無きAAのようです
:2014/01/27(月) 15:58:03 ID:Ve4uz/6.0
ここで中断。目標としては一日10レスです
60
:
名も無きAAのようです
:2014/01/27(月) 20:37:05 ID:B54zuR6U0
地の文で素直にさん付けしてるのは伏線なんだよな
な?
61
:
名も無きAAのようです
:2014/01/27(月) 20:56:19 ID:RVpWqAQkO
内藤はどっちでもさん付け、さん付けしてないのはブーンの方だけであろう。
62
:
名も無きAAのようです
:2014/01/27(月) 21:05:55 ID:IVQvcpEo0
(地の文さん付けで生じる伏線ってなんだ……?)
63
:
名も無きAAのようです
:2014/01/27(月) 21:53:26 ID:Ve4uz/6.0
レスありがてぇ
内藤にとって素直さんは素直さんだから素直さんです。素直でもクールでもなく素直さんだから素直さんです。
質問にてんで的外れな事を言ってるかもしれない自分の読解力を心配しつつ再開
64
:
名も無きAAのようです
:2014/01/27(月) 22:31:28 ID:LBX/7X6k0
地の文は誰視点なの?
65
:
名も無きAAのようです
:2014/01/27(月) 22:58:14 ID:Ve4uz/6.0
うわぁ……ググってみたら第三者視点の地の文で登場人物に敬称をつけるのってタブーの一つみたいですね。なるほど。
一応、軽い伏線と言えば伏線のつもりでしたのでこのまま回収まで突っ切ります。
申し訳ありませんが違和感には暫し我慢を。指摘に感謝します
66
:
◆U0QTkY.0LM
:2014/01/27(月) 23:23:45 ID:Ve4uz/6.0
それによって素直さんがよろけ、踏み込んでいた左足を後ろへ引く。
内藤はその『隙』を突き、広く動きやすい場所を確保する為に彼女の左側から背後へと移動しようと思ったが、そう簡単には行かない。
素直さんは内藤が右上へと弾いた事で生じた『刀』への衝撃を頭上で円を描くように受け流し、その流れで今度は左上から斬りつけてくる。
内藤はまたも咄嗟に刀身で受け止めるが、今度は受け流せない。
そのまま上下の鍔迫り合いになり、押し合いの構図になる。
だが、そのまま拮抗とはならない。
男女で力の押し合いとなれば、彼女ではなく彼の方に部があるのは明白である。
(;^ω^)「ぐっ、おぉっ!」
川 ゚ -゚)「くっ……」
そのまま素直さんの方へと踏み込み、勢いよく押し込む事で、彼女がまたも体勢を崩す。
そして今度こそを生み出した『隙』を逃がさない。
内藤はお互いの立ち位置を入れ替えるように、踏み込みつつ素早く回り込んだ。
67
:
◆U0QTkY.0LM
:2014/01/28(火) 00:18:39 ID:ffgt/4ms0
川 ゚ -゚)「……っ、正直……私は君の事を見くびっていたのかもしれない……」
ほんの少しだけ息を乱しながら、素直さんが言う。
(;^ω^)「……はっ……はっ……」
対する内藤は呼吸を切らし、肩で息をしていた。
文字通り立場は変わったものの、未だ迷いのある内藤にとって一転攻勢とは言えない。
間違いなく有利な立場ではあったがそれでもなるべく距離を置く事を第一に考える。
川 ゚ -゚)「考えてみれば当然だな……ほんの少し、私に剣術の心得があろうと、女が男に力で勝るはずもない」
素直さんはそう言うと、内藤に向けていた『刀』から左手を離し、右腕を下ろす。
一見すると降伏とも取れる行為である。
(;^ω^)(……?素直さん、一体何を……?)
しかしどう見てもそれは違う。
何故なら彼女は左手を握ったまま正面へと突き出しているからだ。
あからさまに何かをしようとしていると思うが、内藤はそこに斬りかかったりは出来ない。
【……まずい相棒!そいつを斬れ!早く!】
突如としてブーンが叫ぶ。
しかしそれが出来るなら、内藤は最初から何も悩んでいない。
それどころか言いようのない不気味さ……俗に言う『嫌な予感』のようなものに、内藤はむしろ小さく後退する。
川 ゚ -゚)「しかし、しかしだ。それなら別の『力』で勝ればいい」
素直さんの左手が蒼白い光を放つ。
それは、内藤の右手から『刀』が現れた時の物とは少し違うが、それと同種の光であるようにも見えた。
68
:
名も無きAAのようです
:2014/01/28(火) 00:31:19 ID:ffgt/4ms0
うーむ、ひとまずここまで
やっぱり、地の文の「素直さん」に関してはどうするべきか。素直さんで通すにしても『素直さん』で表記した方が違和感は無いんだろうか?
それともここまでの整合性を重視してこのまま普通の素直さん表記で行くべきなんだろうか?
ブレまくってるのでもし良ければ読者側としての意見を頂けたら助かります
69
:
名も無きAAのようです
:2014/01/28(火) 00:55:21 ID:F5fWmREM0
おつ
しれっと次から素直でいっちゃえば?
素直さんだと内藤視点なのかなと思いつつ後に内藤は〜とくるからちょっと違和感あるかな
70
:
名も無きAAのようです
:2014/01/28(火) 01:41:43 ID:4NejP3GQ0
おつ
>>69
の違和感は俺も感じるが素人目にはそこまで気にならない程度って感じ
伏線として置いておきたいならそのままでもいいんじゃないか
71
:
名も無きAAのようです
:2014/01/28(火) 23:30:49 ID:klUfePQY0
意見ありがとうございます
やっぱり違和感は無いに越したことは無いという結論で、次回からは素直表記で行きます
というか素直さんでも素直でも問題はないことに気がついたというか……
それと今日は疲労が理由で再開はなく、明日に繰り越しさせて頂きたく奉り早漏
72
:
◆U0QTkY.0LM
:2014/01/30(木) 12:04:20 ID:FNI9RErg0
(;^ω^)(ブーン、あれは……)
内藤が心で問いかける。
だが、ブーンがそれに答える暇は無かった。
川 ゚ -゚)「【氷刀雪兎《ヒョウトウセット》】……お前の『力』を、私達に示してくれ」
素直が握っていた指を開き、その隙間から蒼白い光が弾ける。
内藤は目を瞑らなかった。
そして見た。
『光』が一瞬で形を作り、素直の繊細な細い指の中で、美しい『鞘』になったのを。
【……あの鞘は、俺達『刀』に『銘』を付与するための道具】
(;^ω^)(???)
ブーンの声。
独り言のように呟くそれは、本当に独り言らしかった。
何を言っているのか理解出来なかったのも、きっと内藤のせいではないだろう。
73
:
◆U0QTkY.0LM
:2014/01/30(木) 12:07:44 ID:FNI9RErg0
【相棒。俺を捨てて逃げろ】
そして突然そんな事を言った。
内藤は今度こそ言葉の意味を理解できなかった。
(;^ω^)(……は?何言ってんだお……そんな事)
【「そんな事したら身を守る物が無くなる」ってか?
安心しろ、素直の狙いは『刀』だ。
俺を置いて逃げればお前は傷一つなくこの戦いからドロップアウトできる】
要は身代わり。囮。
蜥蜴の尻尾。
内藤の身を守るにはこれ以上なく安全な提案だった。
(;^ω^)(いやそうじゃなくて!)
しかし。
(;^ω^)(僕の心を読んでるんだから、言いたい事は分かってるはずだお……。
いくら僕でも、その後ブーンがどうなるのかはなんとなく想像がつくお!)
内藤はそれを受け入れない。
74
:
名も無きAAのようです
:2014/01/30(木) 12:38:44 ID:DhHCSTAQ0
きたか
熱いの一発頼むぜ
75
:
◆U0QTkY.0LM
:2014/01/30(木) 16:58:44 ID:FNI9RErg0
【別に、お前が思ってる程酷いことにはならねえさ】
(;^ω^)(それは少なからず酷いことになるって言ってるようなもんじゃないかお!)
内藤が心で吠える。
しかしブーンはなだめるように言う。
【落ち着け……俺はただの『道具』だ。そして持ち主はお前】
(;^ω^)(僕はそんな風に思ってないお!)
【ただの事実だ。それに、現時点では『俺』を手に入れる事を望んでいなかった、お前は】
(;^ω^)(……そ、そんな事……)
【ないことないよな。だからもう良い。お前は大人しく退場しろ。その事を責める奴なんて誰も居ないんだ】
図星を突かれてしまい言葉に詰まる。
その上で、ブーンはそんな内藤を、言外に「俺も責めない」と、そう言っているのだ。
76
:
◆U0QTkY.0LM
:2014/02/01(土) 17:46:36 ID:vg1Ji63g0
川 ゚ -゚)「……雪兎、これが私の心なのか……」
左手に持った『鞘』を見つめながら素直が呟く。
『氷』のように冷たく光を透く鞘。
その表情はどこか切な気で、それでいてやはり無感情だった。
(;^ω^)「……っ……」
それを見て内藤の背筋に悪寒が走る。
直感的な恐怖だった。
【なんとなく勝ち目の無さが分かっただろ?だから、逃げろ】
(;^ω^)
【おい相棒、聞こえてるか?】
(; ω )
【おい……】
内藤はブーンの声に反応しない。
それどころか、刀を構えたまま石のように固まってしまった。
そんな内藤をまるで気にもとめず、素直は動く。
彼女は両手の『刀』と『鞘』を向き合わせると、一気に根元まで差し込んだ。
77
:
◆U0QTkY.0LM
:2014/02/01(土) 18:32:39 ID:vg1Ji63g0
川 ゚ -゚)
光は無かった。
代わりに、ガラスが割れるような音がした。
日の昇った屋上の片隅に冷たい風が吹く。
季節外れの北風ではない。そもそも自然現象でもないし、本当は風ですらなかった。
『冷気』だった。
それは、素直を中心に発生した『冷気』だった。
川 ゚ -゚)「【氷刀雪兎・冬《ヒョウトウセット・フユノメイ》】」
その場で太陽に刀をかざしながら、自身や余裕のような『何か』を含んだ声で素直が言う。
現在進行形で『冷気』を撒き散らしている素直の『刀』は、刀身から先程までのような金属感が完全に消え去り、透き通っている。
まるで氷のように。氷よりも氷らしく、冷たく。
そして『冬』。
刀身には小さく、そう刻んであった。
78
:
名も無きAAのようです
:2014/02/01(土) 19:56:05 ID:KzDC2NrE0
しえん
79
:
名も無きAAのようです
:2018/10/19(金) 13:54:18 ID:09RlEh4k0
川 ゚ -゚)「死にたくなければ――」
(;^ω^)
素直が『刀』を構え、氷柱のような切っ先を内藤を射抜くように向ける。
内藤は息を吸うのも忘れ、凍りついたように動けなくなった。
そして次の瞬間。
絶対零度の如き冷風が屋上を駆け巡り、内藤の背筋を駆け上がった。
川 ゚ - )「――動くなよ」
そして、素直の姿が掻き消える。
【後ろだ相棒ォーッ!】
(;^ω^)そ
ブーンの声が内藤の脳を揺さぶるのとほぼ同時。
内藤は殆ど反射のように、背後に刀を刀を構え直そうとその身を捩る。
瞬間、内藤の視界が白に染まった。
( ^ω^)「なっ、にが――」
80
:
名も無きAAのようです
:2018/10/19(金) 14:07:09 ID:09RlEh4k0
目が眩む程の閃光。
内藤の双眸を焼くかのように光り輝いたそれは、青白く、そして冷たい。
目を擦ろうと右手を動かした内藤は、そこでよようやく『異常』に気が付いた。
( ^ω^)「……え」
腕を動かそうと脳が信号を発する。
発している筈だった。
しかしその感覚は、途絶している。
まるで『凍りついたように』うごかない自身の右腕。
内藤の背中を嫌な汗が伝う。
呼吸が苦しくなり、顎が小刻みに震え、奥歯が鳴る。
ブーンの声はない。
まるで凍てついた時の中に取り残されてしまったような恐怖。
恐る恐る、自身の右腕を確認した内藤が目にしたもの。
それは。
足元から突き上がる氷柱に呑まれ、切り離され、氷漬けになった自らの右腕と刀であった。
81
:
名も無きAAのようです
:2018/10/19(金) 14:15:11 ID:09RlEh4k0
( ^ω^)「あ」
間の抜けた声が喉元を通り過ぎていく。
( ^ω^)「あ、あ、あ」
一度漏れ出したそれは、絖るようなしつこさと粘性をもっていて、最早内藤の意思で塞き止めることは出来ない。
内藤はその場に膝をつき、残された左手で、凍り付いた断面を握る。
赤黒い氷が左手の熱で溶け、制服に吸い込まれていく。
( ;ω;)「ああああああああああ!!!!」
痛みと、恐怖と、混乱。
氷とともに溶け出したそれらが、雪解け水と雪崩のように、内藤の心を押し潰した。
82
:
名も無きAAのようです
:2018/11/08(木) 14:04:25 ID:NXEkm8b.0
ちょこっと更新されとるやんけ
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