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( ^ω^)しん・かたながり2014のようです

1名も無きAAのようです:2014/01/23(木) 23:18:10 ID:xL9OWOaY0
前に嘘予告に投下した奴を練習も兼ねてながらで投下していくつもりです


投下用の酉はこちら
     ↓
【 ◆U0QTkY.0LM 】

66 ◆U0QTkY.0LM:2014/01/27(月) 23:23:45 ID:Ve4uz/6.0
それによって素直さんがよろけ、踏み込んでいた左足を後ろへ引く。
内藤はその『隙』を突き、広く動きやすい場所を確保する為に彼女の左側から背後へと移動しようと思ったが、そう簡単には行かない。

素直さんは内藤が右上へと弾いた事で生じた『刀』への衝撃を頭上で円を描くように受け流し、その流れで今度は左上から斬りつけてくる。
内藤はまたも咄嗟に刀身で受け止めるが、今度は受け流せない。
そのまま上下の鍔迫り合いになり、押し合いの構図になる。

だが、そのまま拮抗とはならない。
男女で力の押し合いとなれば、彼女ではなく彼の方に部があるのは明白である。

(;^ω^)「ぐっ、おぉっ!」

川 ゚ -゚)「くっ……」

そのまま素直さんの方へと踏み込み、勢いよく押し込む事で、彼女がまたも体勢を崩す。
そして今度こそを生み出した『隙』を逃がさない。
内藤はお互いの立ち位置を入れ替えるように、踏み込みつつ素早く回り込んだ。

67 ◆U0QTkY.0LM:2014/01/28(火) 00:18:39 ID:ffgt/4ms0
川 ゚ -゚)「……っ、正直……私は君の事を見くびっていたのかもしれない……」

ほんの少しだけ息を乱しながら、素直さんが言う。

(;^ω^)「……はっ……はっ……」

対する内藤は呼吸を切らし、肩で息をしていた。
文字通り立場は変わったものの、未だ迷いのある内藤にとって一転攻勢とは言えない。
間違いなく有利な立場ではあったがそれでもなるべく距離を置く事を第一に考える。

川 ゚ -゚)「考えてみれば当然だな……ほんの少し、私に剣術の心得があろうと、女が男に力で勝るはずもない」

素直さんはそう言うと、内藤に向けていた『刀』から左手を離し、右腕を下ろす。
一見すると降伏とも取れる行為である。

(;^ω^)(……?素直さん、一体何を……?)

しかしどう見てもそれは違う。
何故なら彼女は左手を握ったまま正面へと突き出しているからだ。
あからさまに何かをしようとしていると思うが、内藤はそこに斬りかかったりは出来ない。

【……まずい相棒!そいつを斬れ!早く!】

突如としてブーンが叫ぶ。
しかしそれが出来るなら、内藤は最初から何も悩んでいない。
それどころか言いようのない不気味さ……俗に言う『嫌な予感』のようなものに、内藤はむしろ小さく後退する。

川 ゚ -゚)「しかし、しかしだ。それなら別の『力』で勝ればいい」

素直さんの左手が蒼白い光を放つ。
それは、内藤の右手から『刀』が現れた時の物とは少し違うが、それと同種の光であるようにも見えた。

68名も無きAAのようです:2014/01/28(火) 00:31:19 ID:ffgt/4ms0
うーむ、ひとまずここまで


やっぱり、地の文の「素直さん」に関してはどうするべきか。素直さんで通すにしても『素直さん』で表記した方が違和感は無いんだろうか?

それともここまでの整合性を重視してこのまま普通の素直さん表記で行くべきなんだろうか?

ブレまくってるのでもし良ければ読者側としての意見を頂けたら助かります

69名も無きAAのようです:2014/01/28(火) 00:55:21 ID:F5fWmREM0
おつ

しれっと次から素直でいっちゃえば?

素直さんだと内藤視点なのかなと思いつつ後に内藤は〜とくるからちょっと違和感あるかな

70名も無きAAのようです:2014/01/28(火) 01:41:43 ID:4NejP3GQ0
おつ

>>69の違和感は俺も感じるが素人目にはそこまで気にならない程度って感じ
伏線として置いておきたいならそのままでもいいんじゃないか

71名も無きAAのようです:2014/01/28(火) 23:30:49 ID:klUfePQY0
意見ありがとうございます
やっぱり違和感は無いに越したことは無いという結論で、次回からは素直表記で行きます
というか素直さんでも素直でも問題はないことに気がついたというか……

それと今日は疲労が理由で再開はなく、明日に繰り越しさせて頂きたく奉り早漏

72 ◆U0QTkY.0LM:2014/01/30(木) 12:04:20 ID:FNI9RErg0
(;^ω^)(ブーン、あれは……)

内藤が心で問いかける。
だが、ブーンがそれに答える暇は無かった。

川 ゚ -゚)「【氷刀雪兎《ヒョウトウセット》】……お前の『力』を、私達に示してくれ」

素直が握っていた指を開き、その隙間から蒼白い光が弾ける。
内藤は目を瞑らなかった。
そして見た。

『光』が一瞬で形を作り、素直の繊細な細い指の中で、美しい『鞘』になったのを。

【……あの鞘は、俺達『刀』に『銘』を付与するための道具】

(;^ω^)(???)

ブーンの声。
独り言のように呟くそれは、本当に独り言らしかった。
何を言っているのか理解出来なかったのも、きっと内藤のせいではないだろう。

73 ◆U0QTkY.0LM:2014/01/30(木) 12:07:44 ID:FNI9RErg0
【相棒。俺を捨てて逃げろ】

そして突然そんな事を言った。
内藤は今度こそ言葉の意味を理解できなかった。

(;^ω^)(……は?何言ってんだお……そんな事)

【「そんな事したら身を守る物が無くなる」ってか?
 安心しろ、素直の狙いは『刀』だ。
 俺を置いて逃げればお前は傷一つなくこの戦いからドロップアウトできる】

要は身代わり。囮。
蜥蜴の尻尾。
内藤の身を守るにはこれ以上なく安全な提案だった。

(;^ω^)(いやそうじゃなくて!)

しかし。

(;^ω^)(僕の心を読んでるんだから、言いたい事は分かってるはずだお……。
      いくら僕でも、その後ブーンがどうなるのかはなんとなく想像がつくお!)

内藤はそれを受け入れない。

74名も無きAAのようです:2014/01/30(木) 12:38:44 ID:DhHCSTAQ0
きたか
熱いの一発頼むぜ

75 ◆U0QTkY.0LM:2014/01/30(木) 16:58:44 ID:FNI9RErg0
【別に、お前が思ってる程酷いことにはならねえさ】

(;^ω^)(それは少なからず酷いことになるって言ってるようなもんじゃないかお!)

内藤が心で吠える。
しかしブーンはなだめるように言う。

【落ち着け……俺はただの『道具』だ。そして持ち主はお前】

(;^ω^)(僕はそんな風に思ってないお!)

【ただの事実だ。それに、現時点では『俺』を手に入れる事を望んでいなかった、お前は】

(;^ω^)(……そ、そんな事……)

【ないことないよな。だからもう良い。お前は大人しく退場しろ。その事を責める奴なんて誰も居ないんだ】

図星を突かれてしまい言葉に詰まる。
その上で、ブーンはそんな内藤を、言外に「俺も責めない」と、そう言っているのだ。

76 ◆U0QTkY.0LM:2014/02/01(土) 17:46:36 ID:vg1Ji63g0
川 ゚ -゚)「……雪兎、これが私の心なのか……」

左手に持った『鞘』を見つめながら素直が呟く。
『氷』のように冷たく光を透く鞘。
その表情はどこか切な気で、それでいてやはり無感情だった。

(;^ω^)「……っ……」

それを見て内藤の背筋に悪寒が走る。
直感的な恐怖だった。

【なんとなく勝ち目の無さが分かっただろ?だから、逃げろ】

(;^ω^)

【おい相棒、聞こえてるか?】

(; ω )

【おい……】

内藤はブーンの声に反応しない。
それどころか、刀を構えたまま石のように固まってしまった。

そんな内藤をまるで気にもとめず、素直は動く。
彼女は両手の『刀』と『鞘』を向き合わせると、一気に根元まで差し込んだ。

77 ◆U0QTkY.0LM:2014/02/01(土) 18:32:39 ID:vg1Ji63g0
川 ゚ -゚)

光は無かった。
代わりに、ガラスが割れるような音がした。
日の昇った屋上の片隅に冷たい風が吹く。
季節外れの北風ではない。そもそも自然現象でもないし、本当は風ですらなかった。

『冷気』だった。

それは、素直を中心に発生した『冷気』だった。

川 ゚ -゚)「【氷刀雪兎・冬《ヒョウトウセット・フユノメイ》】」

その場で太陽に刀をかざしながら、自身や余裕のような『何か』を含んだ声で素直が言う。
現在進行形で『冷気』を撒き散らしている素直の『刀』は、刀身から先程までのような金属感が完全に消え去り、透き通っている。
まるで氷のように。氷よりも氷らしく、冷たく。

そして『冬』。

刀身には小さく、そう刻んであった。

78名も無きAAのようです:2014/02/01(土) 19:56:05 ID:KzDC2NrE0
しえん

79名も無きAAのようです:2018/10/19(金) 13:54:18 ID:09RlEh4k0
川 ゚ -゚)「死にたくなければ――」

(;^ω^)

素直が『刀』を構え、氷柱のような切っ先を内藤を射抜くように向ける。
内藤は息を吸うのも忘れ、凍りついたように動けなくなった。

そして次の瞬間。
絶対零度の如き冷風が屋上を駆け巡り、内藤の背筋を駆け上がった。


川 ゚ - )「――動くなよ」

そして、素直の姿が掻き消える。


【後ろだ相棒ォーッ!】

(;^ω^)そ

ブーンの声が内藤の脳を揺さぶるのとほぼ同時。
内藤は殆ど反射のように、背後に刀を刀を構え直そうとその身を捩る。

瞬間、内藤の視界が白に染まった。

( ^ω^)「なっ、にが――」

80名も無きAAのようです:2018/10/19(金) 14:07:09 ID:09RlEh4k0
目が眩む程の閃光。

内藤の双眸を焼くかのように光り輝いたそれは、青白く、そして冷たい。
目を擦ろうと右手を動かした内藤は、そこでよようやく『異常』に気が付いた。

( ^ω^)「……え」

腕を動かそうと脳が信号を発する。
発している筈だった。
しかしその感覚は、途絶している。

まるで『凍りついたように』うごかない自身の右腕。
内藤の背中を嫌な汗が伝う。
呼吸が苦しくなり、顎が小刻みに震え、奥歯が鳴る。

ブーンの声はない。
まるで凍てついた時の中に取り残されてしまったような恐怖。

恐る恐る、自身の右腕を確認した内藤が目にしたもの。

それは。
足元から突き上がる氷柱に呑まれ、切り離され、氷漬けになった自らの右腕と刀であった。

81名も無きAAのようです:2018/10/19(金) 14:15:11 ID:09RlEh4k0
( ^ω^)「あ」

間の抜けた声が喉元を通り過ぎていく。

( ^ω^)「あ、あ、あ」

一度漏れ出したそれは、絖るようなしつこさと粘性をもっていて、最早内藤の意思で塞き止めることは出来ない。

内藤はその場に膝をつき、残された左手で、凍り付いた断面を握る。
赤黒い氷が左手の熱で溶け、制服に吸い込まれていく。

( ;ω;)「ああああああああああ!!!!」

痛みと、恐怖と、混乱。
氷とともに溶け出したそれらが、雪解け水と雪崩のように、内藤の心を押し潰した。

82名も無きAAのようです:2018/11/08(木) 14:04:25 ID:NXEkm8b.0
ちょこっと更新されとるやんけ


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