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(´・ω・`)【宣伝】バーボンハウスのようです

21名も無きAAのようです:2014/01/02(木) 20:35:05 ID:gHkC5.kg0

( ^ω^)「…もういいお。」

 過去の映像が途切れた。否、男が、グラスから視線を外したのだ。
その様子を、バーテンダーは黙って見つめている。

( ^ω^)「もう、いいお。思い出したお。」

 男は視線を、バーテンダーに向けた。
暗く、虚ろで、宙を彷徨っているその視線は…まるで廃人のようだ。

(´・ω・`)「もう、いいのかい…君はまだ
      思い出していないことがあるんじゃないのかい?」

 バーテンダーは慎重に、言葉を紡いでいく。
黙って、男は首を横に振り、否定の意思を表した。

(´・ω・`)「では、聞こうか。」

 グラスに手を伸ばし、座る男の目の前に掲げてみせると
バーテンダーは、それを一口、含み、飲み込んだ。

(´・ω・`)「何故、この酒が嫌いなんだい?」

( ^ω^)「……」

 視線を宙に彷徨わせて、男は暫く黙っていた。
答えられないわけではないと、付き合いの長い、幼馴染である
バーテンダーには、すぐわかった。

(´・ω・`)「…無理して、答えなくてもいいよ。」

 思い出して欲しいのは、また別のことだと、バーテンダーは慰めの言葉をかける。
ありがとうと、礼を述べた男に再び苦笑を返すと、彼はグラスを揺らした。
何をしてるのか、男が問いかける前、再びグラスを置いた。

(´・ω・`)「君は、ある出来事がきっかけで、これを嫌いになった。」

(´・ω・`)「でも君は、ある出来事をきっかけに
      それを克服することが出来た。」

(´・ω・`)「思い出してごらん…」

 優しく、はっきりとした響きを持つ彼の声を聞き、導かれるように
男は、再びグラスを覗き込んだ。


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