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【祝福祭り】ブーン系創作板クリスマス・短編投稿祭

44 ◆PBwKI1rZMQ:2013/12/16(月) 22:14:22 ID:AvsYFqYU0
特設のメアド宛にTOP絵送ってみました。使えそうでしたらどーぞ。
何も来てないよー、という場合はレス頂けるとありがたいです。

45 ◆6jiCjk8pbE:2013/12/16(月) 23:37:01 ID:0JzwYXPI0
>>44
ありがとうございます
両方のサイトに反映しました!
お名前を鳥にしましたがペンネームなどあればそちらに変更しますけれど、どうでしょうか?

46 ◆PBwKI1rZMQ:2013/12/16(月) 23:44:57 ID:AvsYFqYU0
>>45
酉で大丈夫ですよー
差し支えあるようなら「うつぼでいいかな」でお願いします。

47名も無きAAのようです:2013/12/17(火) 00:25:27 ID:vqKHftVo0
TOP絵超かわいい

48名も無きAAのようです:2013/12/17(火) 19:15:19 ID:rYLuQnO2O


49名も無きAAのようです:2013/12/22(日) 16:17:02 ID:ViREBBWMO
本祭今日の19時からか

50名も無きAAのようです:2013/12/22(日) 17:09:18 ID:qlY9oxck0
今日だったのか・・・祭りフライングネタで一本書こうと思ってたけど無理そうだな

51名も無きAAのようです:2013/12/22(日) 17:21:27 ID:sppXY6gk0
本祭ってこんなに長かったのか…
書くつもりなかったけど終わるまでに一本書けそうだ

52名も無きAAのようです:2013/12/22(日) 18:16:34 ID:8jrRxh460
こっちの祭はするの?
絵祭は無くなったってことでいいんだよね?

53 ◆6jiCjk8pbE:2013/12/22(日) 18:29:26 ID:P1T6qOmg0
>>52
祝福祭りはやりますよー
10分絵祭りはどうなんでしょうか……

54名も無きAAのようです:2013/12/22(日) 18:48:36 ID:rjN7Tbxc0
絵祭何があったの?

55 ◆6jiCjk8pbE:2013/12/22(日) 18:55:15 ID:P1T6qOmg0
再度説明をば

【日程】
※終了 『宣伝』 予告期間(〜12/22 12:00)
本スレへの宣伝、またスレ立てができます。計画をじっくり練る人や大長編を望む人たち(短編祭なのに…)のために用意しました。
ここで作品をまるまる投下しちゃうのは「早漏組」と分類されます。早すぎ。

『本祭』 作品投稿期間(12/22 19:00〜12/25 23:00)
祝福の時間です。
作品の投下を行ってください。

『後夜祭』 感想投稿期間(12/26 0:00〜12/27 23:00)
主に本スレにて感想を言い合って祝福してください。個別スレをageたりしてもいいと思います。
感想文や感想作品を投下されると、本編投下をした人たちは祝福された気持ちになるでしょう。積極的に祝福しましょう。
ここで本編を投下するのは「遅漏組」です。サンタさんはもう行っちゃいましたよ。


【予告・宣伝について】
・「作品名」と「名前(コテ or 酉)」と「宣伝であること」の必要事項をレスに含め、本スレに投下してください。作品アピールや作者アピールは自由です。
・個人的意見ですが絵の予告はとても熱いと思います。誰かやってください。
・個別スレを立ててその中で宣伝してもいいです。ただ、スレの中に祝福祭参加の意思を示してください。


【作品について】
『テーマ』
・テーマを含めない作品は祝福祭に参加できません
・祝福の解釈は自由です。かなり広めにストライクゾーンはとっておきますのでいつも直前に作品が出来上がってなくてカオスに走っちゃう勢の皆さんもご安心ください
・祝福を必ずテーマに含めてください
・つまり裏テーマのみの作品は参加を認めません
『媒体』
・ブーン系はもちろん、絵や小説、漫画、詩、動画、音楽など、「ブーン系」と「祝福」に関連があればどのような作品も参加可能です

56 ◆6jiCjk8pbE:2013/12/22(日) 18:56:16 ID:P1T6qOmg0
【投稿について】
・一人何作品でも投下OKです
・祝福祭本スレに投下する文章作品は30レス以内にまとめ、30レスより多くなる作品はスレ立てをお願いします。個別スレの場合は祝福祭参加の意思を示してください
・本スレへの投下は他の作品が投下されていない時にことわりを入れると人格批判をされないで祝福されるでしょう
・本スレへの文章作品のながら投下はやめてください。後ろが詰まります
・VIPやシベリアへの投下をした作品は本スレへ報告をいただけるとありがたいです


>>55の裏テーマは消し忘れました
気にしないでください

57 ◆6jiCjk8pbE:2013/12/22(日) 18:57:50 ID:P1T6qOmg0
当祭りをまとめてくださるサイト様

色鉛筆様
ttp://blog.livedoor.jp/colored_pencil/


日程などの説明>>55
投下についての説明>>56
まとめサイト様>>57

58 ◆6jiCjk8pbE:2013/12/22(日) 19:00:55 ID:P1T6qOmg0
祝福祭り開催です
みなさんよろしくお願いしますー

59名も無きAAのようです:2013/12/22(日) 19:50:17 ID:UBLckUSo0
えっ、いつのまに十分絵祭りやらない流れになってんの
なんも問題起きてなくないか?

60名も無きAAのようです:2013/12/22(日) 22:04:51 ID:l9pvzwdo0
>>59
問題起きまくってるよ
本スレで話題になってないから判らないだけで、佐藤まで動く大惨事

61名も無きAAのようです:2013/12/22(日) 22:12:25 ID:mE5ToZVg0
>>60
そりゃ忘年感想絵祭りっていう別のやつでしょ?講師がどうとか

こっちの方でやるのはこの祭りで投下された作品限定の十分絵祭りだと思う

62名も無きAAのようです:2013/12/22(日) 22:17:26 ID:l9pvzwdo0
ん?あれ主催が同じじゃなかったの?
感想絵スレの方も消えてるし

63名も無きAAのようです:2013/12/22(日) 22:22:37 ID:mE5ToZVg0
主催同じってマジかよ じゃあそのままお流れになるのか

64名も無きAAのようです:2013/12/22(日) 22:39:19 ID:ViREBBWMO
忘年感想絵祭はスレあったぞ?
10分絵祭の主催は絵講座スレ(消えたスレ)じゃないのか?

ちょっと誰かkwsk

65名も無きAAのようです:2013/12/22(日) 22:42:09 ID:sppXY6gk0
本人が出てきてくれればそれで一発なんだがな…っていうか誰かここに投下してよ
さみしーよ

66名も無きAAのようです:2013/12/22(日) 22:45:54 ID:hZa1SmRQ0
え?忘年感想会なんかあったの?佐藤まで動くって何事?
誰か情弱の俺に教えてくれ

67名も無きAAのようです:2013/12/22(日) 22:53:42 ID:5x0nZsXU0
>>66
荒らしが絵講座の絵師を叩く

主催者が某スレに乗り込んで反撃し大暴れ

主催者が出合い厨だとなぜか判明

大炎上

佐藤が荒らしをアク禁&絵祭スレを消して全てを無かったことに

68名も無きAAのようです:2013/12/22(日) 22:56:42 ID:hZa1SmRQ0
>>67
トンクス。思った以上に大変なことになってたんだなびっくりした

69名も無きAAのようです:2013/12/22(日) 23:45:13 ID:gANLfPss0
重そうな空気だったので、即興絵で和らげる試み。
流れも判ったことだし、みんなどんどん投下してどんどん祝福されればいいと思うよ。
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_1432.jpg

70名も無きAAのようです:2013/12/22(日) 23:55:04 ID:sxiyXD9A0
絵かわええ

若干流れ違うから詳しく知りたければ某スレ見るのが早いと思うがね

71名も無きAAのようです:2013/12/22(日) 23:57:50 ID:l9pvzwdo0
>>67
お前流れが全く違うじゃねぇかwwwwww

まぁ、これはもう話題にしたら駄目な話題らしいから、知りたい奴は自己責任で某見てこい
ただし話題はほじくり返すなよ?

72名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 00:02:56 ID:RcIZCdwc0
>>71
文句言うなら自分で書けや
あんな馬鹿らしい騒動を真面目にまとめてられっかよ

73名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 00:09:27 ID:b60PCbsM0
はいはい祝福祝福

74名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 00:29:19 ID:0oD6YcR60
流れ違ったのか、すまん知らなかった
まあそんな事よりぼっちは寂しいので誰か二番手来てくれ

75名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 05:29:03 ID:d4hKMC3o0
え?流れ違うのかもうよくわかんねぇ
まぁいいや、そんなことより祝福だぜ

76名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 12:46:57 ID:vSERMomM0
十分絵祭り企画者だけど、あそこの話はあそこの話
別にここで十分絵祭りやらない理由にはならないから、
やってもいいならここで予定通りやるつもりだよ

新しい主催者さんや参加者の反対があるなら取り潰しもやぶさかではないけれど。
まあその辺はまだ時間あるからじっくり話してくたさいな。

77名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 13:47:03 ID:c/L71arI0
ここでその話し合いをするのはすごく荒れそうだから、
一旦10分絵祭で別スレ立てて分離した方がいいんじゃないかな

78名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 14:42:17 ID:vSERMomM0
それはもう参加者達で決めてもらうしかないよ
俺が入ってしまうと話がこじれるし、平等な意見ではなくなるだろうから

79名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 15:44:22 ID:tmzG5sbI0
お前が主催なんだから点呼とって話まとめろよ
なに自分は無関係みたいに振る舞ってんの?

80名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 15:54:41 ID:vSERMomM0
言ってる意味が伝わらないかな。
騒動に関して無関係じゃないと思われてるみたいだから
俺が手を出さない方がいいって言ってるんだけど。

81名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 16:04:45 ID:gP5fRkpU0
だからそういうのも全部まとめて個別スレ立ててそこでやってくれ
本当に荒れるだけだよ

82名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 16:11:55 ID:eDKQsbtM0
某でやれ

83名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 16:47:41 ID:PYtXMkO60
ID:vSERMomM0がコンクリなら主催者代わったほうがいいんじゃね

84名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 16:59:41 ID:OED.qG2Y0
>>80
そう思うなら主催辞めろよ
何もしない、役に立たない、祭りをやったというレッテルだけ欲しい主催なんていらないわ

85名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 17:11:28 ID:WJjVCr5.O
祝福祭主催:◆6jiCjk8pbE≠10分絵祭主催:ID:vSERMomM0だから、10分絵祭が分離すればとりあえずおk
後は他所でやってくれ

86名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 18:23:01 ID:ghaFSELE0
因縁やつの単発の多さは異常
あっ(察し)

87 ◆6jiCjk8pbE:2013/12/23(月) 18:35:17 ID:.YtBGrbQ0
スレの流れを見た印象では、十分絵祭りの開催は難しいと判断しました
ですので、独断ですが祝福祭り内の十分絵祭りは中止とさせていただきたいです
楽しみにしていらした方々、絵祭り主催者さんには申し訳なく思います

祭りの主役は投下された作品と、作者さんです
ここでの内容はそれに順したものであることを望みます
祝福祭り主催を引き継いだ者としては以上です

不快に思われた方はすみません

88名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 18:45:02 ID:vSERMomM0
了解です。
じゃあやらないということで。

89fuzzy ◆foeF4/cEvk:2013/12/23(月) 18:50:48 ID:fHXol3Yk0
すみません。
流れを見ていたら不安になってきました
今回予告させて頂いた「ファジーガールのようです」は投下を取りやめたいと思います
今回はROMに徹します、ありがとうございました
みなさん頑張ってください

90fuzzy ◆foeF4/cEvk:2013/12/23(月) 18:51:55 ID:fHXol3Yk0
とりみす…?

91fuzzy ◆foeF4/cEvk:2013/12/23(月) 18:53:46 ID:fHXol3Yk0
ああ…なんということだ…もういいやモンハンしよ…

92名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:03:28 ID:1cXiWiWo0
>>89

93名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:05:17 ID:1cXiWiWo0
ひいいごめんなさい上のはミスです、気にしないでください

>>89
予告見て楽しみだったのに残念です…いずれどこかで見てみたいものです

さて、やっとこさ書き終わったので空気を読まずに投下します、長いです

94名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:06:06 ID:1cXiWiWo0





ここは、どこだろう。

一見、学校の教室。
しかし、生徒どころか、机もイスも教卓も、黒板でさえも見当たらない、がらんどう。
なんとなく左を見てみると、カーテンから淡い光が漏れていた。
この何もない教室に、黄色い薄汚れたカーテンだけがかかっているのは、どことなく滑稽で、哀れなように思えた。
私は、カーテンを開け、その光の正体と対面しようとする。
黄色い布の向こうに窓がある、というそんな当たり前のことにも安堵を覚えた。
しかし、そこから見える景色は、存在しなかった。
ただただ、まばゆい光で満たされるばかりだった。








川 ゚ -゚)さみだれホワイト夢めぐりのようですo川*゚ー゚)o





.

95名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:06:56 ID:1cXiWiWo0
「すまない、待たせた」

光の中立ち尽くしていると、後ろから声が聞こえた。
とっさに振り向く。

川 ゚ -゚)「久しぶりだな」

女の人がひとり、机に足を組んで座っていた。
ついさっきまで、机なんてどこにもなかったんだけど。
自分で持ってきたのだろうか。

川 ゚ -゚)「ああ、きみの分を忘れていたようだ」

彼女がそうつぶやいた瞬間、わたしの目の前にイスが現れた。

川 ゚ -゚)「座りたまえ」

別に反抗する理由もない。
急にイスが現れたことに驚きはしたが、わたしは黙ってイスに腰をかけた。
わたしは彼女がこの状況を説明してくれることを期待した。
しかし、

川 ゚ -゚)「もう事情はわかってくれただろう、今から改めて話すことも特にない、まあ少し休んでいろ」

彼女の口から出たのは、わたしの望んでいたものとは違った。
事情とは何なのか、わたしは何も聞いちゃいない、どうしてここにいるのかも知らない。
思わず溢れ出る疑問が声となる……はずだった。
声が出ない、どころか、唇が動かない。
ざわり、と不安が湧き上がる、しかしその不安もからだの動きとして表に出ることはない。
まるで、このからだはわたしのものじゃないみたい。
.

96名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:07:49 ID:1cXiWiWo0
足元で何かが動くのを感じた。
反射的に下を見る。
そこにあったのは、古びたピンク色のガラケー。
気になって手を伸ばそうとするが、またしてもわたしのからだは思ったように動かなかった。
しかし、今回はこのからだに不安を覚える余裕はなかった。
不意に、そのケータイが動いたのだ。
その動きは、大型の甲虫を彷彿とさせた。
思わず悲鳴を上げそうになるが、声が出ることはない。
どうしようもなくなって顔を上げると、机の上の彼女もケータイ虫を見つめていた。

川 ゚ -゚)「……ふむ、そろそろか」

彼女が立ち上がる。
赤、青、黄、ベージュ……色とりどりの無数のケータイ虫が床をうごめく。

彼女がわたしをじっと見つめる。
大きく開いた文庫本が、鳥のように空を飛ぶ。

彼女がわたしに向かって開いた手のひらを差し出す。
床に転がったたくさんのあめ玉が、とりとめなく色を変えてゆく。

かちゃり、とわたしの腰から金属音がする。
ふわふわ浮かぶおりがみが、ひとりでにちぎれて紙吹雪を散らす。

少し視線を下に落とす。
うさぎりんごがわたしの肩を飛び跳ねる。

どうやらそこにあるのは日本刀らしい。
赤ペンが壁に丸印をたくさんつけている。

川 ゚ -゚)「それで、斬るんだ」
彼女の体を無数のポップコーンが這い回る。

川 ゚ -゚)「救われたいのなら、斬るんだ」
安っぽい表彰状から、安っぽい鳳凰が飛び出す。

わたしは、小さく、しかし力強く、うなずく。
かわのせせらぎ。しずむゆうひ。

川 ゚ -゚)「それでいい」
ざーざー、ざーざー。

川  - )「それで、大丈夫だ」
ざーざーざー、ざーざーざー。





.

97名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:08:46 ID:1cXiWiWo0

音が弾ける。
ケータイ虫が、まっぷたつになる。
文庫鳥が、撃ち落とされる。
あめ玉は、粉々に。
折りがみは、袋にしまって。
りんごのうさぎは、フォークに刺されて息絶える。
赤ペンが壁に大きなバツをつけて、消える。
弾けるポップコーン。
燃え上がる鳳凰もどき。
きえるせせらぎ、きえるゆうひ。

ざーざー、ざーざー。

ざーざーざー、ざーざーざーざー。

外は、雨なのか。

いつの間にか足もとに散らばっていた鏡の破片。
その一つをのぞきこむと、

o川*゚ー゚)o

見覚えがあるようなないような、長年親しんだようなそうでないような顔と、目が合った。



.

98名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:09:30 ID:1cXiWiWo0

      *          *



場面が変わる。
ポップな色使いの、二階建てのたてものが正面に見えた。

o川*゚ー゚)o「幼稚園……?」

いかにもといった感じの幼稚園。
わたしが昔通っていたりしたのだろうか。

o川* − )o(斬る……って、何を、だろう)

幼稚園で、何を斬れというのか。

o川*゚ー゚)o(まあ、もしかしたら、おっそろしいモンスターとかがいるのかもしれないし……?)

刀を、握る。
不思議と、構えは自然とできた。


軽く、中の様子を伺う。
園児の数の割には、静かだった。

o川*゚ー゚)o「おじゃましまーす……」

一応声をかけて中に入るが、誰もわたしに気づく様子はない。
どうやら集会で、表彰めいたことをしているらしい。
幼稚園の先生らしき人と、一人の園児がみんなの前に立っている。

「――ちゃんは、―――の――、――が、とてもすばらし――たので、この――を、」

先生が何かを言っているようだが、あまりよく聞こえない。
集団との距離を、つめる。
きらりと輝く、きんいろのおりがみでできたメダルが、園児に手渡されるのが、見えた。

瞬間、わたしは駆け出していた。
助走をつけ、その他大勢のこどもたちを飛び越え、二つの人影の間に、着地。
たった今、その園児に渡されたばかりのきんいろのメダルを、捉える。
刀を抜く、構える。
メダルを真っ二つに、斬り裂く。
.

99名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:10:17 ID:1cXiWiWo0



それを斬った瞬間、その園児は、こどもは、かのじょは。

川゚ -゚)

こちらをみつめて。

川゚ー゚)

確かに、笑っていた。




.

100名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:11:01 ID:1cXiWiWo0

      *          *



マンションの一室、居間。
夜の7時。
とある家族のだんらんの場面らしい。

その中の、ひとりの女の子。

川゚ -゚)


o川*;゚ー゚)o(あの子だ……)

よくよく見ると、テーブルにはワンホールのケーキ。
あの女の子には見えない位置に、プレゼントの包みもある。

o川*゚ー゚)o(誕生日、なのかな……?)

しかしそれにしても、彼女は楽しそうでない。
無表情のまま、足をぶらぶらさせている。
主役は彼女ではないのだろうか。
と思った瞬間、お母さんらしき人が、例のプレゼントをその女の子に差し出した。
やはり、誕生日なのは、彼女のようだ。

大股で近づき、わたしはプレゼントを刀で突き刺した。



      *          *



また先ほどの家族のようだった。
遊園地、楽しげな雰囲気。
しかし、そこでも、

川゚ -゚)

彼女は笑おうとしなかった。



そしてわたしは、彼女のお父さんが買ってくれたばかりのポップコーンの箱を斬った。

空中に散らばるポップコーンを見て、やっぱり彼女は笑っていたような気がした。
.

101名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:11:47 ID:1cXiWiWo0

      *          *



また、情景がかわる。
薄暗い、学校の廊下。
カラフルな色彩を視界の端に感じ、壁に目を向ける。
どうやら、生徒の作品が飾られているらしい。
いかにも子どもらしい、思い切った構図と色合いに、無邪気な感情。
『いつからわたしは、こんな絵を描けなくなったのだろう』
歩き、それらを眺めながら、ふっとそんな気持ちが浮かんだ。
足が、止まる。
ひとつの絵から、目が離せなくなる。
わたしは、静かに腰へ腕を伸ばした。


そこから先は、いつもどおり。



      *          *



どこかの病室のようだ。
ベットで女の人が、半身を起こしている。
ベッドの横には、セーラー服姿の女の子が、ひとり。

川 ゚ -゚)

彼女だ。
ベッドの上の女の人は、彼女のお母さんだろうか。

二人は会話をしているようだったが、声は全く聞こえない。
しばらく待っていると、どうやら話が一段落したらしい。
彼女が、自分で持ってきたリンゴを手にとった。
わたしは、自分が警戒されることはないともう気づいていたから、遠慮なく歩みを進める。
刀を抜き、彼女の手の中のリンゴだけを、突き刺す。
そして大きく刀を振り、リンゴを空中に浮かせてから、斬った。

彼女はやっぱり笑っていたけど、どこか違和感を感じた。
.

102名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:12:34 ID:1cXiWiWo0

      *          *



また学校だった。
なんだか見覚えのある教室の中、前方の扉寄り。
わたしはそこに立っていた。
休み時間なのだろう、セーラー服をきた生徒たちが笑い合っている。
こちらへ向かってくる人影が見えたので、わたしは反射的にそれを避ける。

川 ゚ -゚)

たった今、扉を開けて教室の外へ出ていったのは、例の彼女だった。
彼女が引き戸を閉めた瞬間、教室の空気が変わった。まさしく文字通り。
重苦しい、鈍色の空気がたちこめる。
先ほどまで笑顔を浮かべていた女生徒たちの顔も、醜悪なものになっている。

「いっつもどおりウゼー」

「調子のりすぎ、マジ消えてほしい」

「アレもどーせズルしたんでしょ」

「ほんと、――ちゃんの―――だからってさー」

「そーそー、だからあんまりあからさまにもできねーし」

「気持ち悪い」

「カス」

「人間のゴミ」

「死ね」

「――――」

「――!―――――」
.

103名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:13:23 ID:1cXiWiWo0

伸びた爪、尖ったシッポ、曲がったツノ、きらめくキバ、つりあがった目。
彼女たちは、まるで悪魔のような姿へと変貌をとげていた。

o川*゚ー゚)o「カバン……、カバンを、探さなきゃ」

まどぎわ、前からよんばんめ。
そこの机に置いてあったカバンの中身をぶちまける。
たくさん詰めてあったぐしゃぐしゃの紙くずから、目的のものを探す。

ケータイを斬った。
かわいいカバーのついた文庫本を斬った。
でも、どっちも違う。

o川*゚ー゚)o「どっかにあるはず、絶対」

ケタケタ、と下卑た笑い声が聞こえる。
机を叩く音、引っ掻く音。

o川*゚ー゚)o「あった……」

わたしが見つけ出したそれは、大きく『100』と書かれたテスト、10枚くらい。

当たり前のように、まとめて斬った。



川  - )

扉のガラスの向こう側の彼女の表情が、わたしによく見えることは、なかった。
.

104名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:14:05 ID:1cXiWiWo0

      *          *



最初に目に入ったのは、青空へと登ってゆく煙だった。
周りを見渡すと、誰もが黒っぽい服装をしている。

「かわいそうに……―――さんだけじゃなく、―――さんまで……」

ひそめた声での会話が聞こえる。
別の方向を見ると、ブレザーの制服が視界に映った。

川 ゚ -゚)

いつもどおり、彼女だ。
親戚らしきおばさんに話しかけられている。
そのおばさんが去ったあと、彼女の手には紙に包まれたアメがあった。
包み紙を開けようとするその手を、わたしは左手に握った刀の鞘ではたき、アメを空中に落とす。
右手に握った刀で、それを斬る。
地面に、包み紙がくっついたままのアメが、ふたつ落ちる。
その横に、ぽつりぽつりと二つの点ができた。







.

105名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:14:48 ID:1cXiWiWo0

      *          *



足元に、ふわりとした感触。
床には、分厚いじゅうたん。
高い天井や、大理石の壁から察するに、ホテルのようだ。
わたしは目の前にあった大きな扉を押し開けた。
扉の向こうには。

川 ゚ -゚)

いつもどおり、見慣れた顔。
その身に纏う真っ白なウェディングドレスが、傍らの姿見が反射した光を浴び、煌く。

川 ゚ -゚)「……どうだ、綺麗か?」

うん、とっても綺麗、綺麗だよ、でも、それを言うべきは私じゃない。

川 ゚ -゚)「ありがとう、きみは本当に優しいやつだ」

やめてよ、そんなこと言わないで。

川 ゚ -゚)「やめない。
     だから、わたしを斬るんだ」

いやだ、いやだ、違う、私が斬りたいのは、あなたじゃないんだ。




だから。だから、私は。

o川* ー )o「さようなら」

そう呟いて、刀の切っ先を私の胸へ向けた。

そして。










.

106名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:15:32 ID:1cXiWiWo0

川 ゚ -゚)「やめろ」

彼女が、私の手から刀を払う。
私の相棒は大きく回転しながら、姿見へと吸い込まれてゆく。
鏡の割れる音。

川 ゚ ゚)「斬るべきなのは」

彼女が鏡の破片を踏みしめ、落ちた刀に近づき、それを拾い上げ、

o川 ゚ ゚)「わたし」

数十秒前の私と同じ格好で、彼女が刀を自分に向ける。

o川 ゚ー゚)o「わかってるはずでしょ」

o川*゚ー゚)o「おねえちゃん」

彼女が、私になっていた。
それならば、私は何だというのか。
足元に転がっている一際大きな鏡の破片を、覗き込む。

川 ゚ -゚)

そこに映っていたのは、幼稚園で、遊園地で、病院で、教室で、火葬場で見た、あの顔。
なんということだ。
私は、彼女だったのか。
暫し、呆然とする。


o川*゚ー゚)o「さよなら」

しかし私は、彼女の言葉によって動かされた。
姿見の残骸に目もくれず、彼女の腕を掴む。

川  - )「嫌だ、違うんだ、やめてくれ」

私の望んだことは、こんなことじゃない。

o川* ー )o「……」

ごとん、とも、からん、ともつかない、何かが落ちる音が響いた。

o川* ー )o「ごめんね、おねえちゃん」




.

107名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:16:25 ID:1cXiWiWo0







o川 ― )o「わたし、間違えてた、だって」




川 ; -;)





o川*;ー;)o「おねえちゃん、泣いてるんだもん」










.

108名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:17:27 ID:1cXiWiWo0

      *          *



真っ赤な夕焼け、煌く水面。

o川*゚ー゚)o「懐かしいね」

そうだ、ここは初めてキュートと家出した時に来た、ちょっと遠くの河原。

川 ゚ -゚)「あの日は、確かクリスマスイブだったな」

o川*゚ー゚)o「そーそー、お母さんとしょーもないことでケンカしてさ、
       こんな悪い子のところにサンタさんは来ませんからね、なーんていわれちゃって」

川 ゚ -゚)「キュートはずっと泣いてたな、サンタさんが来ないのやだ、って」

あの時、どうして母さんとケンカなんてしたんだろう。
まあ、思い出せないほどくだらない理由だった、というわけか。

o川*゚ー゚)o「そんなわたしを見かねて、クー姉が言ったんだよ」

川 ゚ -゚)「……素直に謝ればだいじょうぶだ、絶対にサンタさんは来る、ってな」

私たちはその時のように、川に向かい、二人並んで座った。

川 ゚ -゚)「すまんな、キュート」

川 ゚ -゚)「やっと、全てを思い出したんだ」
.

109名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:18:12 ID:1cXiWiWo0

キュートは私の双子の妹で唯一の肉親だ。
父親は私が小学生の頃に事故で死んだ。母親は、私が中学校に上がった頃に病に倒れ、高校生の時に死んだ。

キュートは小さい頃から、活発で、真っ直ぐで、人見知りのしない、誰にでも好かれる女の子だった。
私の性格は、それのまるっきり反対。
不愛想で、引っ込み思案で、暗い。
友達なんて数える程、親友と呼べる人間など、キュートを除けば全く存在しない。
小学校、高校では、周りに距離を置かれるくらいだったが、中学校では、かなりの陰口を叩かれた。
幸い、人気者のキュートと同じ学校だったから、表立ってひどいことをされることはなかったのだが。
勉強ができるという取り柄はあったが、いくら良い成績をとっても虚しさが残るばかりだった。

高校を卒業し、大学を卒業し、就職をした。
それでも二人暮らしが続いていた。
そしてある日、キュートから、結婚すると告げられた。


頭の中が真っ白になった。
キュートは、私の妹で、家族で、親友だった。
いつでも、一緒だった。
キュートを、私の手から奪われる。


そこまで思いを巡らせて、寒気がした。
私はここまで、同い年のきょうだいに、依存していたのか。
呆然としていると、カレンダーが視界に入った。
そういえば、月が変わったばかりなのに、まだめくっていなかった。
先月のカレンダーの下から現れたのは、今年最後のカレンダー。

そこで、何を思ったのか、私は。

あろうことか、サンタさんにお願いをした。

『一から全てをやり直したい』、と。

.

110名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:18:57 ID:1cXiWiWo0

      *          *



ざーざー、ざーざー。


o川*゚ー゚)o「それで、おねえちゃんは、『周りとの記憶を繋がり』を斬ろうとしたの?」

私がその言葉に頷くと、キュートは大きく溜め息をついた。

o川*゚ー゚)o「おねえちゃん、成績は良いけど、実はケッコー馬鹿でしょ」

いつの間にか、また場面が変わっていた。
最初の、何もなかったあの教室。
今は教室の中央に、椅子と机が二つずつある。
一つの椅子に、キュートが座る。

私は、座らない。
机に手を当て、少し体重をかけて立つ。

川 ゚ -゚)「要はリセットをしたかったんだ」

o川*゚ー゚)o「でも、死ぬのは怖かった?」


ざーざー、ざーざーざー。


川 ゚ -゚)「その通り、情けない話だ」

o川*゚ー゚)o「でも、そのおかげで、わたしはおねえちゃんを助けられたんだよ、多分」

川 ゚ -゚)「ふむ、今までに出てきた『素直クール』は全てキュートだったのか?」

o川*゚ー゚)o「んーん、ちがうよー。わたしだったのは、最後のドレス着てたのだけ。
       それまでは、おねえちゃんのことをなんか、こう、そばから?みてるだけ?みたいな……。
       えーっと、そーゆーの、なんていうんだっけ」

川 ゚ -゚)「傍観か?」

o川*゚ー゚)o「そーそー、それ、傍観。
       で、なんかね、このままじゃいけない、おねえちゃんを助けたい、って思ったら、あそこにいたの」

川 ゚ -゚)「……むう、不思議なこともあるもんだ」
.

111名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:19:47 ID:1cXiWiWo0
o川*;゚ー゚)o「いやもうサンタさんにお願いとかしてる時点で……しかもそれ叶っちゃってるし」


ざーざーざー、ざーざーざー。


川 ゚ -゚)「そういえば、これは、今のこの世界は、夢でいいのか?」

o川*゚ー゚)o「そーじゃないかな……そう思ってたほうがいいよ、たぶん」

ふと手元に視線をやると、長い袖が目に入った。

川 ゚ -゚)「おや、今は冬か」

o川*゚ー゚)o「……?そりゃあそうでしょ、サンタさんの季節なんだし」

よくよく見ると、私たちは裾が長めのコートを着ている。私は灰色、キュートはピンク色。
当たり前のことが目に入らない、これもまた夢の特徴か。

川 ゚ -゚)「いや、なんだかやたらと雨が降っているから、梅雨時かと」

o川*゚ー゚)o「ああ、それなら、これのことじゃないかな」

そうキュートが言った瞬間、教室に大量のテレビが現れた。
幼稚園、家族、遊園地、小学校、病院、クラスメイト、火葬場……そして、夕暮れの河原。
懐かしいブラウン管や、真新しい液晶画面に、色々な場面が写っては、砂嵐が合間に流れる。

川 ゚ -゚)「……ああ」

o川*゚ー゚)o「ね?」

ざーざー、という音は、砂嵐の音だったのか。

川 ゚ -゚)「いや、どうやら早とちりのようだったな」

o川*゚ー゚)o「……? どーゆーこと?」

川 ゚ -゚)「『途切れがちに続いてゆく夢』と、『五月雨』に関連性を見出していたのだがな」

o川*゚ー゚)o「え? さみ、なんて?」

川 ゚ -゚)「いや、こっちの話だ」

o川*;゚ー゚)o「こっちってどっち?!」

教えて教えてとしつこくせがむキュートを,、軽くいなす。

o川*゚ー゚)o「……うー、やっぱりよくわかんないけど
       ……途切れがちに続くってのは、なんかあれだね、人生に似てる」
.

112名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:20:32 ID:1cXiWiWo0

川 ゚ -゚)「は?」

o川*;゚ー゚)o「うわわ、ちょっとあんまり怖い顔しないでよう……。
       えっと、あれだよ、幸せ、とか不幸、ってさ、そんなにずーっとつづいていくわけじゃないじゃん?」

o川*゚ー゚)o「いいことがあって、わるいことがあって、それでふつうのこともいっぱいあって……、
       ていう感じの意味のことわざ? みたいのがあったような……」

o川;*゚ー゚)o「……なんだっけ、えーと、たしかうまがどーとか……、なわがどーたら……」

川 ゚ -゚)「……『人間万事塞翁が馬』と、『禍福は糾える縄の如し』、か?」

o川*゚ー゚)o「あーそうそう、そんな感じの、『バンジーの縄は猛々しい』ってやつ」

川 ゚ -゚)「言ったそばから全然違うんだが」

o川*゚ー゚)o「いや、まあ、話はそれちゃったけど、よーするに、おねえちゃんにはこれからいっぱいいいことあるよ!!
       ……ってことが言いたかった」

川 ゚ -゚)「慰め文句がありがちすぎるな」

o川*;゚ー゚)o「む、むう……だってそうとしかいいようがないんだもん……。
        おねえちゃんと仲良くなりたいって思ってるひと、実は結構いるんだよ……?」

川 ゚ -゚)「……む」

川*゚ -゚)「……いや」

川*゚ -゚)「それが良いこととは……限らない、だろう」

o川*゚ー゚)o「いやもうおねえちゃん笑っちゃってるもん、ごまかせてないもん」

私は、自分の頬に触る。

川 ゚ -゚)「……私は、笑えていたのか?」

o川*゚ー゚)o「え?あー……うん、さっきは」

川 ゚ -゚)「ふむ、そうか、ではさっさと戻ろう」
.

113名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:21:17 ID:1cXiWiWo0

o川*゚ー゚)o「え? 
       ……もどる?」

川 ゚ -゚)「……?
     いや、そのままの意味だが……目的は達成したんでな、さっさと戻ろう」

o川*;゚ー゚)o「え?! いやちょっと待ってよまさか……笑う? おねえちゃん、笑いたかったの?」

川 ゚ -゚)「全くもってその通りだが」

o川*;゚ー゚)o「いやいやおねえちゃん別に普段全然笑わないとかじゃないし、
       なんか笑ってたじゃん最初の方」

川 ゚ -゚)「ああ……いや、もし繋がりを斬ってゆく中で笑えたら、もうちょっと頑張ろうと思っていたんだ。
     あと最初のあれは私であって私じゃない、記憶の中の私みたいなそんな感じ」

o川*;゚ー゚)o「急にあいまいだよう……おねえちゃん、めんどくさくなってきてない?」

私であって私でない。
ふむ、我ながらなかなか良い言い回しではないか。
そうすると、最初私がキュートの姿をとっていたのは、『繋がりを斬る』ということを、
他の誰でもない、私の妹自身にやってもらいたかった、という願望の現れか。

o川*゚ー゚)o「ていうかそもそも、どうやって帰るつもりなの」

川 ゚ -゚)「むー……あー、いや、夢は夢らしく頬をつねるとか……。
     ん?」

o川*゚ー゚)o「え、どうしたの?」

川 ゚ -゚)「いや、なんだか急に冷えだしたなと思ってな」

o川*゚ー゚)o「あー、それもそうだね……。
       あ、もしかして」

川 ゚ -゚)「?」

o川*゚ー゚)o「いや、おねえちゃん、ちょっとカーテン開けてみなよ」










.

114名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:22:08 ID:1cXiWiWo0

      *          *



ξ゚⊿゚)ξ「全く…、ホワイトクリスマスに式を挙げることになるなんて」

( ^ω^)「おっおっ、ロマンチックで素敵だおー」

ξ゚⊿゚)ξ「キュートちゃんはいいけど、あいつがロマンチック、ねぇ」

<ガシャーン

<ウ、ウワーカガミガー!!

<アアモウ、シンロウサマハソコデジットシテテクダサイ……

ξ;゚⊿゚)ξ「……あーもう」

( ;^ω^)「早速やらかしてるお」

<ガチャ

(^ω^ )「おっ?」

( ;´_ゝ`)「あーひどい目にあった……」

ξ゚⊿゚)ξ「ひどい目もくそも、どうせあんたのせいでしょうに」

( ´_ゝ`)「ギクゥ」

( ^ω^)「口で言うなお」

ξ゚⊿゚)ξ「キュートちゃんはまだ中なの?」

( *´_ゝ`)「そうだぞーもう反則的なまでにきれいかわいいんだからなー覚悟しとけー」

( ^ω^)「いやーそれにしても、兄者があのキュートちゃんとゴールインするなんて、びっくりだお」

ξ゚⊿゚)ξ「ホントよ全く、こんなのどこがいいのかしらねぇ」

( ´_ゝ`)「おまいさんそれを言うならこのピザ男くんと結婚したあなたも大概ですぜ」

ξ゚⊿゚)ξ「は? ブーンとあんた一緒にしないでくれる? ブーンは世界一素敵な私の旦那よ」

( //ω//)「おっおっ……ツンやめるおーてれるおー」

( ´_ゝ`)「のろけめ」
.

115名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:22:55 ID:1cXiWiWo0

o川*゚ー゚)o「あれ? もうふたりとも来てたの?」

( *^ω^)「おーキュートちゃんだおー、ドレスきれいだおー」

ξ*゚⊿゚)ξ「うわー……やっぱり素敵ね」

o川*゚ー゚)o「ふふふー、ありがとー」

( *´_ゝ`)「そうであろうそうであろう、なんてったって俺の嫁さんは世界一だからな!!」

o川*゚ー゚)o「ところでわたし、こないだのデパ地下のマカロン、また食べたいなあ……一ダースくらい」

( *´_ゝ`)「おう、もういくらでも買ってくるぞ!!」

o川*゚ー゚)o「ついでにさっき壊れた姿見の請求書もあげる」

( *´_ゝ`)「構わん構わん、どんときやがれ!」

ξ;゚⊿゚)ξ(恋は盲目……)



ξ゚⊿゚)ξ「……ん?」


         川 ゚ -|┬┴┬┴


ξ゚⊿゚)ξ(誰かしら…すごいこっちみてる)

o川*゚ー゚)o「あ、おねえちゃん!」


      ビクゥΣ川;゚ -|┬┴┬┴

      川;゚ -゚))))) |┬┴┬┴ ススス


( ^ω^)「あ、もしかして、例のキュートちゃんの双子のお姉さんかお?」

川;゚ -゚) ア、ハイ……ドウモ……

( *´_ゝ`)「クーちゃん久しぶりー、ご挨拶に行ったとき以来だね」

( ^ω^)「僕らははじめましてだおー」

ξ゚⊿゚)ξ「そうね、はじめまして。私がツンで、こっちがブーン」
.

116名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:23:44 ID:1cXiWiWo0

( ´_ゝ`)「いやー双子なのにおねえちゃんと呼んでもらえるなんて羨ましい限り……
      俺の双子の弟なんてもう生意気生意気」

( ^ω^)「それでも、『おにいちゃん』なんて呼ばれた日には?」

( ´_ゝ`)「全力で殴る、気持ち悪い」

( ^ω^)「ですおねー」


<ソロソロフタリトモ、ジュンビオネガイシマース

o川*゚ー゚)o「あ、もうこんな時間?」

( ^ω^)「僕らもそろそろ行くおー」

( ´_ゝ`)「だなー……って、お? クーちゃん、どうした?」

川;゚ -゚)「エ、えーっと、あの……」

川 ゚ -゚)「……兄者さん、キュートのこと、宜しくお願いします」

川*゚ -゚)「私の大事な、自慢の妹なんです」

o川*゚ー゚)o(……)

( *´_ゝ`)「おうっ、任しとけ!」

川*゚ -゚)「……ありがとう、ございます」

<スミマセーン!ジカンオシテマース!!

( ;´_ゝ`)「うぉっと、そろそろやばいな」

o川*゚ー゚)o「……。
       ごめん、ちょっと三人とも先行っててくれる?」

( ;´_ゝ`)「え、あーまあ良いけどなるべく早くねー!」タタタ……



川 ゚ -゚)「……すまんな、遅れてしまって」

o川*゚ー゚)o「なーにやってたのよー」

川 ゚ -゚)「……絵を、描こうと思って」

o川*゚ー゚)o「絵?」
.

117名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:24:32 ID:1cXiWiWo0

川 ゚ -゚)「そう、絵だ
     夢の、目覚める直前の雪景色が、とても綺麗だったから……忘れないうちにちょっと描いておいた」

o川*゚ー゚)o「おねえちゃんの絵かー……懐かしいなー、小学校以来?」

川 ゚ -゚)「む、中学の頃はたまに描いていたんだがな、なんとなく疎遠になってしまっていてな」

o川*゚ー゚)o「わたしおねえちゃんの絵、大好きだったんだよ!
       出来上がったら見せてねー」

川 ゚ -゚)「もちろんだ」


川 ゚ -゚)「……あのさ、キュート」

o川*゚ー゚)o「?」

川 ゚ -゚)「キュートは昔から、元気で皆の人気者だったけどさ、
     やっぱりどっか無理してるのかなって、思うことが結構あったんだ
     ……でも、兄者さんの前のキュートは、なんか……」

川;゚ -゚)「こう、うまく言えないんだけどな……、
     ありのままっていうか、私が知ってるそのままの、私の一番好きなキュートなんだ、だから」

川 ゚ー゚)「彼ならお前を幸せにしてくれるよ、絶対」

川  - )「なあ、キュート」

川 ;ー;)「結婚、おめでとう」

o川*゚ー゚)o「……」

o川* ー )o「ありがとう、おねえちゃん」

o川*゚ー゚)o「おねえちゃんも」

o川*^ー^)o「おめでとう」

o川* ー )o「い、ままでほんとうに……グスッ」

o川*:ー;)o「ありがとう……」

川 ; -;)「……このバカ、泣くのは、早すぎるぞ……」

o川*;ー;)o「おねえちゃんだって、泣いてるくせにぃ……」



.

118名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:25:14 ID:1cXiWiWo0

川う -゚)「む、さすがにそろそろいかないとだめだな」

o川*;゚ー゚)o「うわほんとだ、式までいくらもない、じゃあ、またあとでね!」


o川*゚ー゚)o「……」テクテク

o川*゚ー゚)o(おねえちゃん、わたしが結婚のこと伝えてからずっと上の空だったから、元気になってよかった…….。
       それにしても、サンタさんとはねぇ……やっぱり双子って考えも似るもんなのかな)

o川*;゚ー゚)o(言えないよねぇ……わたしもサンタさんに、『おねえちゃんが元気になってほしい』、ってお願いしたなんて)


               *          *



( ´_ゝ`)「あ、やっときたきた」

o川*゚ー゚)o「おまたせー」

o川*゚ー゚)o「ところで、そっちのスピーチってドクオくんだっけ? こっちは予定通りおねえちゃんだけど」

( ´_ゝ`)「そうそう、いやーブーンがツンちゃんと結婚したときはどっちが最後に残るかヒヤヒヤだったんだが……。
      結局三人の中でドクオが最後になっちまったんだなー」

( ´_ゝ`)「あーそーいえば、クーちゃんって、キュートちゃんとは二卵性の双子なんだっけ?」

o川*゚ー゚)o「そーだよ、あんまり似てないねって、よく言われるけど」

( ´_ゝ`)「そう? さっき笑ったところなんて、そっくりだったよ?」

o川*゚ー゚)o「……」

( ´_ゝ`)「まあ、二卵性だとしても姉妹なんだし」

( ;´_ゝ`)「似てるのも当然っちゃー当然……
      って何なにどーしたの急に、あんまりぎゅっとするとドレスにシワついちゃうよ?!」

o川* ー )o「しるかばーかーばーか今度ゴデバのチョコドリンクおごりやがればーか」

( ;´_ゝ`)「いやもうそりゃあ喜んでおごらせていただきますが」

( ´_ゝ`)「……あ、そーだった忘れてたんだけど」

o川*゚ー゚)o「んえ?」

( ´_ゝ`)「いや、ドクオの、スピーチのことなんだけどね……」
.

119名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:25:59 ID:1cXiWiWo0


……
………


o川*;゚ー゚)o

( ´_ゝ`)「って」

o川*;゚ー゚)o「……いや……えーっと……」

o川*゚ー゚)o「……もう、なんかいいか……おもしろそうだし……。
       ただしお前は式が終わり次第クリスマス限定ゴデバ買ってこい」

( ´_ゝ`)「えっ」

o川*゚ー゚)o「一番高いやつな」



               *          *



川;゚ -゚)(スピーチの練習も死ぬほどしたし……大丈夫だ私、頑張れ私)

川 ゚ -゚)(……えーっと、席は)


  ξ゚⊿゚)ξ ( ^ω^)ノシ


ドンッ('A`)川 ゚ -゚)(……あそこか)

川;゚ -゚)「って、お?」

  |(;'A`)「あ」

  |(;'A`) ス、スミマセン……ブツカッチャッテ

  |'A`;)彡ピャッ

川;゚ -゚)(行ってしまった……私、そんなに怖い顔してたか……?)

ξ゚⊿゚)ξ「クーさーん? 式始まっちゃうわよー」

川;゚ -゚)「あ、すみませんすぐ行きます」
.

120名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:26:44 ID:1cXiWiWo0

               *          *



川 ゚ -゚)「……これで、ご挨拶とさせていただきます」

パチパチパチパチパチ……

川;゚ -゚)(やりきった……無事に終わった……よかった……)

ξ゚⊿゚)ξ「お疲れ様」

( ^ω^)「すごくよかったおー」

川*゚ -゚)「ありがとうございます」

スピーチまでの短い時間で、私は内藤夫妻とかなり打ち解けることができた。
この二人が、夢でキュートが言っていた『私と仲良くなりたい』という人たちだったのだろうか。
だとしたら、私をこの二人と相席にしたのは。

川 ゚ー゚)(全く…出来の良い妹をもって、私は幸せ者だ)

( ^ω^)「お、次はドクオのスピーチだおー」


    ((( 'A`)


川 ゚ -゚)(……あ)

先ほど二人が話していたドクオという旧友は、私にぶつかった彼のことだったのか。
.

121名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:27:43 ID:1cXiWiWo0

      *          *




('A`)「そしたら、こいつが言ったんですよ」

('∀`)「『それを言うならヒメマルカツオブシムシの再来だろ』ってね」

\ドッ/ \ハハハハ/

彼らの友人時代の笑える出来事を語るドクオ君のスピーチは、とても面白く、引き込まれた。

川;゚ -゚)(むう、なんだか今になって自分のスピーチがすごく恥ずかしくなってきた……)


('A`)「さて、長々と話してしまいましたが」

('A`)「本日は、二人とも本当におめでとうございます」

('A`)「お二人の幸せを心からお祈り申し上げ、ご挨拶とさせていただきます」

沸き起こる拍手。
もちろん私もそれに加わる。

('A`)「と、その前に」

('A`)「最後に、もう一つ言わせてください、私事なのですが」

('A`)「今日からピッタリ三か月前のことです、僕が兄者とキュートさんと、キュートさんの家の近くで話していたとき」

('A`)「とある方がキュートさんに忘れ物を届けに来ました」

('A`)「バカバカしい話だとは思いますが」

('A`)「その時、僕はその方に一目惚れをしてしまったのです」

('A`)「その方とは」

('A`)「ついさっき、スピーチをしていらした」

('A`)「新婦の、双子の姉」



('A`)「素直クールさん、です」


.

122名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:28:38 ID:1cXiWiWo0

('A`)「素直クールさん、」

( A )「どうか、この僕と」

( A )「結婚を前提にした、お付き合いを、して、いただけないでしょうか」



川;゚ -゚)


無数の視線が私に注がれるのを感じ、とっさに俯く。
人の結婚式のスピーチでこんなことを告げるなど、馬鹿げている、非常識だ。
こんなの受け入れるなんて、頭がおかしい。
わかっている、しかし、わけのわからない夢のせいで寝不足の頭では、思考が追いつかない。

:;o川* 、 )o;:

なんだよキュート、笑いをこらえて。
知ってたのかお前は。
ばか。

川 ー )

下を向いた顔に、なぜかにやけ面が浮かぶのを感じた。

ついに頭が変になったのか、妹の結婚式だから、クリスマスイブだから、気持ちが昂っているのか。
それとも、嬉しいのだろうか。

これは夢じゃないのかとも思ったが、今度ばかりは、雪景色を見ても覚めそうにない。

川 ゚ー )

いいだろう、受けて立とうじゃないか。
私は、顔を上げ、ドクオとやらに向かって、声を張り上げた。







《おしまい》
.

123名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:29:51 ID:1cXiWiWo0
投下終わりです。
みなさんも祝福されますように.。

124名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 19:34:34 ID:WJjVCr5.O
乙!
情景のきれいな話だった
素敵な景色をありがとう

125名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 20:05:40 ID:/jLQ7pTs0
乙!良い姉妹だなー
ヒメマルカツオブシムシが気になってぐぐったら害虫なのか

126名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 20:46:37 ID:CIV7CEVw0
読み返すとあったかい
おつ

127名も無きAAのようです:2013/12/23(月) 22:42:06 ID:rPnKGEPw0
ζ( ー *ζ花言葉は神の祝福のようです

奇跡なんか必要ない。
私はただ、友達がほしかった。
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_1433.jpg

青い薔薇の花言葉に神の祝福があるそうなので、あのゲームをもとネタに
祝福祝福

128名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 00:05:06 ID:EjL7w.5o0
>>127
色合いとかデザインとかすごく素敵
祝福乙です

129名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 01:55:27 ID:bgPs8I7s0
投下します

130从 ゚∀从5分間の祝福のようです:2013/12/24(火) 01:56:12 ID:bgPs8I7s0
从 ゚∀从「お……雪降ってる」

トポポ…

カタン

从 ゚∀从「今年のひとり誕生日パーティーはベランダでやりますか」

从 ゚∀从 テクテク

ガラッ

从 ゚∀从「ベランダさっむ」

从 ゚∀从「完全防寒しないとな」


http://imepic.jp/20131224/059500


从 ゚∀从「ブーツブーツ」

从 ゚∀从「どっこいせ」

131从 ゚∀从5分間の祝福のようです:2013/12/24(火) 01:57:05 ID:bgPs8I7s0
从 ゚∀从っ[スマホ] ス…

[スマホ]<…〜♪

从 ゚∀从「はっぴばーすでーとぅーみー」

从 ゚∀从「はっぴばーすでーとぅーみー」

[スマホ]<〜♪〜♪

从 ゚∀从「はっぴばーすでーでぃあハインー」

从 ゚∀从「はっぴばーすでーとぅーみー」

从 ゚∀从「かんぱーい」

ゴク

132从 ゚∀从5分間の祝福のようです:2013/12/24(火) 01:57:53 ID:bgPs8I7s0
从 ゚∀从「んあー」

ポカポカ


http://imepic.jp/20131224/060250


ゴク

从 ゚∀从「ひとりで飲む酒は美味い」

从 ゚∀从「あったまったし、寝るか」

ポカポカ

从 ゚∀从「どっこいせ」

ガラ

ピシャッ


<ライネンハ、カレシツクルゾー



終わり

133名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 01:58:42 ID:bgPs8I7s0
投下終わり
もともとは総合絵題用に描いたやつなので、イラストがメインです
お題は「毛糸」と「ホットウイスキー」でした

134名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 02:13:42 ID:OW.cb7y.0
やだハインちゃん可愛い…祝福乙

135名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 02:17:15 ID:bu6.6tIo0
祝福乙 ハイン可愛い。温かくていい絵だな。

136名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 07:59:37 ID:tH6JbSZk0
祝福乙!かわいい!

137名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 11:32:29 ID:Y38iZVLs0
のんびり感がいいね 祝福乙!

138名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 20:46:01 ID:W4HgW3rA0
投下します。

139名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 20:47:14 ID:W4HgW3rA0


( ∀ )「あ――…いってえな……くそっ」


悪態をつきながら街を歩く。

傷だらけの体を嘲笑うように、あちこちでイルミネーションが輝いていた。

どうやら今日はクリスマスだったらしい。
まあ、俺には欠片も関係のない話だが。


( ∀ )「死ぬんじゃねえのか、これ」


自嘲混じりの言葉も、カップルの愛の囁きの合間に埋もれていく。



( ゚∀゚)聖夜に彼らは出会うようです


.

140名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 20:48:49 ID:W4HgW3rA0


煌びやかなイルミネーション。

それを見ながら体を寄せ合うカップル。

幸せそうな笑顔。


忌々しい。何もかも、忌々しい。



幸せそうな空気の中、ずたぼろの体を引きずって歩く俺に目を向ける奴は滅多にいない。

たまに視線を感じるが、それもすぐに消える。
幸せの最中に、わざわざ面倒事に関わりたくないのだろう。至極当然のことだ。

.

141名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 20:49:57 ID:W4HgW3rA0


( ゚∀゚)「はあ……」


体を動かすのが億劫になった時、目の前に巨大な建物が見えた。

風を凌ぐのにもちょうどいいと思い、壁に寄って腰を下ろす。


( -∀-)「……寒いな」

風は凌げたが、いかんせん寒い。
時期が時期だから当たり前だとは思うが。

どこからか聞こえる軽やかなメロディをBGMに、先程までの記憶を回想する。


俺は、喧嘩に負けたのだ。

.

142名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 20:50:57 ID:W4HgW3rA0


俺はあちこちをふらふらする根なし草だ。


特別珍しいことじゃない。この辺りはそんな奴で溢れかえっている。

だから俺達にとって、喧嘩に負けることは自分の居場所を奪われるということだ。
ショバ。いや、縄張り、か。


そして俺は負けた。

元々、滅法喧嘩が強いわけではない。
そんな奴が多勢に囲まれて勝てるわけがなかった。


――――いや、敗因など今更どうでもいい。

重要なのは、俺はこれからどこに行けばいいのかということだ。

.

143名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 20:52:15 ID:W4HgW3rA0


( -∀゚)「……」


痛む顔を撫でる。思いきり腫れていた。

殴られたせいか血を流したせいか、多分両方だろうが、頭がうまく働かない。


( -∀゚)「(俺、死ぬのかもな)」


それもいい気がした。

どうせ帰る場所などないのだ。それならここで凍え死んだ方がいい気がする。


そんな自虐的な思考に身を任せていると、ふと濃い陰が落ちた。



ξ;゚⊿゚)ξ「あんた、大丈夫?」



心配そうな顔をした女が、俺を見下ろしていた。

.

144名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 20:53:14 ID:W4HgW3rA0


ξ;゚⊿゚)ξ「怪我してるじゃない、大丈夫なの?」

( ゚∀゚)「……何だよ、お前」


正直面喰った。好き好んで声をかけてくる奴がいるとは。

女は俺のまとっているそれと対照的な、白い毛皮のコートを着ていた。
これから恋人とデートですとでも言いだしそうなほど、綺麗な服と顔をしている。


ξ;゚⊿゚)ξ「私の家ここから近いから行きましょう。手当てしてあげる」

(;゚∀゚)「はぁ!? てめっ、触るな!」


差しのべられた手を、触れられる直前で振り払う。
女は「きゃっ」と小さく悲鳴を上げて腕を引っ込めた――――と思いきや、鬼のような顔で俺を睨む。


ξ#゚⊿゚)ξ「あったまきた! 意地でも手当てしてやるんだから! 来なさい!」

(;゚∀゚)「うお、ちょ、待ってって、おま――――」

.

145名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 20:53:58 ID:W4HgW3rA0


引きずられるような形で、俺は女の家に連れ込まれた。


救急箱からガーゼだの消毒液だのを取り出す女の背中をぼんやりと眺める。

さっきまで着ていたコートは既に脱いでいた。
こいつ、あんなめかしこんで、どこかに行く予定じゃなかったのか?


ξ゚⊿゚)ξ「じっとしてなさい」

言うや否や、乱暴に消毒液をぶっかけられた。しみる。
殴られた時の痛みには到底及ばないが、しみるものはしみる。思わず顔を顰めた。


( ゚∀゚)「なんつー乱暴な女だ」

ξ゚⊿゚)ξ「我慢してよ。化膿するよりましでしょ」

.

146名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 20:55:48 ID:W4HgW3rA0


ξ゚⊿゚)ξ「あんた、こんな傷どこでつけたのよ」


俺の腕に包帯を巻きながら、女は溜息交じりに言った。

ま、私には関係ないけど、と続け、余った包帯を切り取る。


ξ-⊿-)ξ「はあーあ、変な怪我人は拾っちゃうわ、彼氏にはふられるわ、ついてないわね」

( ゚∀゚)「ふられた……って、お前」


包帯を片づけながら、女は俺に向かって笑った。


ξ゚⊿゚)ξ「クリスマスも仕事だっていわれたのよ。でも、一目会いたくてさ。仕事が終わる時間を見計らって家に行ったわけ」

( ゚∀゚)「……」

ξ゚ー゚)ξ「そしたら、他の女と腕組んだあいつと鉢合わせしちゃったの。その場でふられちゃった。ばかよね、ほんと――――」


ばかみたいに張り切ってお洒落してさ、と女がハンガーにかけたコートを見る。

その目からぽろりと水が滴った。

.

147名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 20:57:37 ID:W4HgW3rA0


ξ;⊿;)ξ「うう、う"……うううう……」

(;゚∀゚)「お、おい」

ξ;⊿;)ξ「なによ……ばかあ……何もこんな日に、ふること、う"う"う"っ」


堰を切ったように女は泣きはじめた。
派手な色をしたスカートに暗い色の染みが広がっていく。

女がふられようがなんだろうが俺には全く関係のない話だが、このまま放置するわけにもいくまい。

とりあえずそっと女の手に触れる。と、びくりと目の前の体が震えた。


ξ;⊿;)ξ「あ、あんた、それ、慰めてるつもり……?」

(;゚∀゚)「あー……いや、その、なんていうか……」

.

148名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 20:58:35 ID:W4HgW3rA0


どうすりゃいいんだ。

恋愛なんかとは無縁の世界と生きていた俺は、女の慰め方なんて知らない。
とりあえず女の体を何度かポンポンと優しく叩く。これじゃ幼児扱いだ。


ξ;⊿;)ξ「ふう"う"う"っ……」

(;゚∀゚)「あーと、その、なんだ、男なんざ星の数ほどいるんだからよ」

ξつ⊿;)ξ「うう"う"う"う……」

(;゚∀゚)「その……美人なのに、泣いたら……、ああもう! どうしろってんだ!」


俺が大声を上げると、女は今俺の存在に気付いたかのように、視線を俺に向けた。

スンスンと鼻を鳴らしながら、乱暴に涙を拭く。目が真っ赤になっていた。


ξ;ー;)ξ「ふふっ、ふふふ」

(;゚∀゚)「な、なんだよ急に笑い出して」

ξ;ー;)ξ「あんたが急に変な声出すから、思わず笑っちゃった」

.

149名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 20:59:28 ID:W4HgW3rA0


ξう⊿゚)ξ「はあ、泣いたら少しすっきりしたわ」

( ゚∀゚)「そりゃよかったな」


我に返ると、手当てはとっくに終わっていた。

俺に帰る場所なんてないが、いつまでもここに居座るわけにはいかない。
無視できる程度におさまった傷みを抱えて立ち上がる。


ξ゚⊿゚)ξ「え?ちょっと、どこに行く気!?」

( ゚∀゚)「もう用はねえだろ。邪魔したな」

ξ゚⊿゚)ξ「待ちなさいよ!」


女は慌てたように俺を引っ掴んだ。
体のどこからかグキリという音が聞こえた。本当に乱暴な女だ。

.

150名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 21:00:25 ID:W4HgW3rA0


ξ゚⊿゚)ξ「まだ私お礼言ってなかったわ。ありがとね」

( ゚∀゚)「なんだそれ。逆だろ」


怪我の手当てをした奴がお礼を言うなんて聞いたことがない。変な女だ、と思った。


ξ゚⊿゚)ξ「ねえ、あんた行くところあるの?」

( ゚∀゚)「……お前に関係ねえだろ」

ξ゚⊿゚)ξ「なさそうね」


無視か。だが事実なので黙る。
女は先程までとうってかわった弾んだ声で「それじゃあさ」と続けた。

.

151名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 21:01:21 ID:W4HgW3rA0


ξ*゚⊿゚)ξ「私の家にいなさいよ!」

(;゚∀゚)「はあ!?」

ξ*゚⊿゚)ξ「ほら、私元々一人暮らしだし、これから彼氏もいないしさ。寂しいじゃない」

(;゚∀゚)「知らねえよ! 何言ってんだいきなり!」

ξ*゚⊿゚)ξ「いいじゃないいいじゃない、聖夜の出会い。ロマンチックじゃない!」

(;゚∀゚)「話聞けアホ!」


変なスイッチが入ったのか、女は鼻歌まで歌いだした。
音程のずれたジングルベルを聞いて、俺はこの女が音痴だということを知った。物凄くどうでもいい情報だ。

.

152名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 21:02:14 ID:W4HgW3rA0


ξ゚⊿゚)ξ「せっかくのクリスマスに家にこもるっていうのは不健全ね。
     そうだ、イルミネーション見に行きましょうか。二人でカップル共を蹴散らしてやりましょう」

( ゚∀゚)「本当にやったら警察沙汰だな。というか俺がここに住むのは決定なのか」


まさかこんなことになるなんて、数時間前の俺に予想できただろうか。

初対面の女の家に連れ込まれ、手当てされ、泣かれ、慰め、ほぼ強引だが住処が決まった。

一番驚きなのが、あんな荒くれた生活をしていた俺が
「この女と暮らすのも悪くないかもしれない」と思っていることだ。

本当に、なんてこった。

.

153名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 21:03:48 ID:W4HgW3rA0


ξ゚⊿゚)ξ「それじゃ行くわよ! えーっと……ジョルジュ!」

( ゚∀゚)「なんだそれ」

ξ゚⊿゚)ξ「あんたの名前よ。私からのクリスマスプレゼント、ありがたく受け取りなさい」

( ゚∀゚)「……まあ、嫌いじゃねえな」

ξ゚ー゚)ξ「うっし! じゃあカップル共を血祭りにあげるわよ!」




女の腕に抱かれた黒猫は、少し恥ずかしげに「にゃあ」と鳴いた。



おしまい

.

154名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 21:04:54 ID:W4HgW3rA0
投下終了です。
皆様に祝福あれ。

155名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 21:08:36 ID:VwM.k4rM0
祝福乙です
最後の最後で意表をつかれたわ、また読み直してほっこりした

156名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 21:10:49 ID:wNZE8Bfg0
祝福乙
ところで黒猫どこから現れたんだ……?
なんにせよツンもジョルジュも末永く爆発しろ

157名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 21:14:50 ID:FJVHTGoU0
祝福乙ー
ジョルジュはいったん病院連れてって病気持ってないか確認してこないとな

158名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 21:29:22 ID:fWilX0bEO
投下します

159名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 21:31:23 ID:fWilX0bEO


ξ*゚⊿゚)ξ「私ね、ブーンと付き合うことになったの!」

川 ゚ -゚)「ん……?」

目の前で頬を染めている巻き髪の女は津田ツン、私のクラスメイトである。
高校に入学して最初の席が隣だったことからぎこちない会話をしたのが、彼女との最初の思い出だ。

ちなみに初対面の彼女に対する印象といえば何だこの巻きグソ女というものだったが、
それを本人に言ったことはないしこれからも言う気はない。
だって、言ったらたぶん私の命はないだろうから。

ツンとはなんだかんだで気が合った。
そんなわけで一年と八ヶ月ちょっと、つるんでいるわけである。
今では親友ともいえる間柄だろう。

ツンは面倒な女だ。
しかし親しくなるにつれてそれは照れ隠しのきつい態度なのだと知れたし、そこも魅力のうちなのだと思う。
今のツンは私に対してはわりといい女だ。

160名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 21:32:55 ID:fWilX0bEO

ところでツンが名前を出したのが本名内藤ホライゾンなのにあだ名はブーンというおかしな男である。
入学して最初の席で彼は私の斜め後ろ、ツンの真後ろの席であった。
素直、津田、内藤、私達は二年の最初の席でも同じ位置関係からスタートした。

今のブーンの席はというと窓際の一番後ろという特等席である。
彼はそれを存分に満喫し、よくその時々の担当教師に叱られている。
実に羨ましい。

そんな彼はそんな生活に見合った相応の成績であるし、本人もそれを笑いの種にしている。
ブーンの魅力はひとえに彼の朗らかな人柄なのだ。

で、目の前のツンは頬を染めながら何と言ったのだろうか。

川 ゚ -゚)「……ワンモアプリーズ」

ξ*゚⊿゚)ξ「し、しょうがないわね! 特別なんだからね」

そう前置きをして、ツンは言った。

「私、ブーンと付き合うことになったの」と。



川 ゚ -゚)始まっていないし、終わらないようです


.

161名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 21:33:57 ID:fWilX0bEO


川 ゚ -゚)「……というわけでな、どうやらねーちゃんは失恋したようだ。慰めろ」

ノパ⊿゚)「いきなりそんなこといわれてもどうしたらいいんだ……」

川 ゚ -゚)「手始めに私の大好物のチョコミントアイスをおごってくれ」

ノハ;゚⊿゚)「中学生の妹にたかるなよ!?」

ツンからの告白は帰路で行われた。
私は自転車、彼女は電車を使っての通学で、学校から駅までの僅かな距離の中で私は爆弾を投げ付けられたのだ。

帰宅してすぐ、私は着替えもせずにリビングに出したばかりのこたつに陣取った。
そして、先に帰宅していたジャージ姿というなんともいけてない格好の妹にお使いを頼んだのだった。

川 ゚ -゚)「いいだろ、ヒート。私は今傷心中なんだよ……」

ノパ⊿゚)「……ねーちゃん、そのツンって人のことそんなに好きだったの?」

川#゚ -゚)「私が好きだったっぽいのはブーンだ! なぜかよくレズに間違われるんだが、まさか妹にやられるとは思わなかった!!」

ノハ;゚⊿゚)「ご、ごめん……。というか『っぽい』って何?」

川 ゚ -゚)「自分でも確信がないんだ」

162名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 21:35:22 ID:fWilX0bEO

そう、私は自分のブーンへの気持ちが恋愛感情なのだと言い切ることができない。
というのも、これが私の(おそらく)初恋だからである。

振り返ってみれば男友達はそれなりにいた。
中学まで一緒だった仲良しの幼なじみも男だ。
しかし、彼らは私にとって女友達と変わらない存在だった。

ブーンも最初はそうだった。
しかしいつからか、私は彼に特別を感じていた。

ブーンは絵に描いたような善良な男なのだ。
普段は友人らと悪ふざけもする。
だけど本当の頑張りどころで輝く。

川 ゚ -゚)「いいやつなんだ。誰にでも平等で、嫌味もなくて。他人のために命を懸けられる人間というものを、私は初めて見たんだ」

ノパ⊿゚)「命を、懸ける……?」

川 ゚ -゚)「ああ」

今年の夏休みあけすぐの出来事だった。
私の通う学校の近くには小学校もあるから、朝は狭い歩道が人で埋まるというのも見慣れた光景だ。
暑い、とても暑い日だった。

その日も私はいつも通りに登校した。
人が多く、いつものようにサドルからは降りて、押して歩いていた。
だらだらと流れる汗を拭っていた私は、誰かの叫び声がするまで気付かなかった。

163名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 21:36:29 ID:fWilX0bEO

キキーッ、という甲高い音。
何かが思い切りぶつかったような大きな音。
そして一瞬、すべての音が消えたのだ。

私は生まれて初めて交通事故の現場に遭遇した。
はっとして音のした方に目を向けた。
私は驚いた。
それはもう、声も出ない程に。

私の視線の先には、電柱に激突した乗用車があった。

ノハ;゚⊿゚)「そーいや、ねーちゃん言ってたなぁ。二学期早々やなもん見ちゃったって」

川 ゚ -゚)「そう、それだ。本当に怖かったんだぞ」

ノパ⊿゚)「私は見たくないなぁ……」

ヒートはしみじみと言った。

事故現場は悲惨だった。
車の前の方は電柱に激突した衝撃でぐちゃぐちゃだった。
ガラスの破片が大量に散っていたのをよく覚えている。

その近くには人が転がっていた。
そこはちょうど横断歩道の上だった。
次の瞬間には私は走りだしていた。

164名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 21:37:32 ID:fWilX0bEO

ブーン!
そう叫びながら私は駆け寄った。

川 ゚ -゚)「知ってるやつが倒れてたんだ。私は自転車の存在なんて忘れていた」

ノパ⊿゚)「あ、だから自転車のフレーム歪んでたんだ…」

川 ゚ -゚)「手を話したときに思い切りガードレールと電柱に叩きつけてしまったらしい。
     あの時後ろを歩いてた友達が後から報告してくれたよ」

ノハ;゚⊿゚)「そりゃあ、あんなひどい状態だったら私だってねーちゃんに報告するぞ……」

自転車の修理にはそれなりの費用がかかった。
本来なら事故を起こした迷惑な運転手に請求してやりたかったが、それはさすがに無理だった。
とにかく、私はそれほど必死だったのだろう。

ブーンに一目散に駆け寄った私は、まず彼の怪我を確認した。
目に見える傷は大きくないように見えた。

川 ゚ -゚)「しかし、誰かが呼んだ救急車で病院についていったらな、脚を骨折してた」

それ以降、私はブーンの登下校の世話をやくようになった。
彼の家は学校の近くだから、私は朝早く彼の家まで迎えに行って荷物を自転車にのせてやった。
ブーンが松葉杖を使わなくなるまでの間だったが、その間に私は彼のいろんなことを知った。

趣味は料理で意外と家庭的であることとか。
休日は近所のファストフードでアルバイトをしているとか。
もっともっと、たくさん知った。
学校で話すよりもいろんなことを知った。

165名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 21:38:40 ID:fWilX0bEO

ノパ⊿゚)「そういや事故の方はどうだったの? ブーンさん以外の話とかさ」

川 ゚ -゚)「ああ、ブーンがかばった小学生は擦り傷だけだったよ。
     車の方はスクラップだが、運転手もぶつかった衝撃で気絶したくらいでたいした怪我もなかったらしい」

ノハ;゚⊿゚)「ってことは、一番の重傷が……」

川 ゚ -゚)「無関係のブーンだったわけだな。本当に悪運の強いやつだ」

私はヒートが文句をいいながらも持ってきてくれたアイスを食べる。
冷たくておいしかった。

ノパ⊿゚)「結局、ねーちゃんは二人のことどう思ってるの?
     私は好きな人できたら突っ走るタイプだから、ねーちゃんの考えてることがわかんないんだよ」

川 ゚ -゚)「私はブーンとツンを……」

ブーンには、うまい表現はできないものの特別な感情を抱いている。
これは否定しようのない事実である。

しかしツンは私の大切な友人だ。
彼女の幸せそうな顔を見ていたら私の気持ちも温かくなったのも事実なのだ。

川 ゚ -゚)「なあ、ヒート、大切な親友と好きな人が恋人になった時、人は必ずしも祝福できないものなのだろうか」

ノパ⊿゚)「へ?」

166名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 21:39:59 ID:fWilX0bEO

川 ゚ -゚)「私はな、思うんだ。
     この世界の全ての恋が、少女漫画や恋愛小説のような激しいものばかりではないんじゃないかって」

好きな人を取られたことが殺意に繋がることは実際あるのかもしれない。
しかし実際、この国で起きる殺人事件のほとんどは身内によるものだ。
つまりフィクションの世界では普通のことも、現実ではそう起こりえないことなのだろう。

そもそも私の気持ちは、ついさっき気付いた程度の淡いものだ。
私にとってはきっと、天秤にかける余地もない。

ノパ⊿゚)「あのー……ねーちゃん?」

川 ゚ -゚)「なんだ、ヒート」

ノハ;゚⊿゚)「ねーちゃんってさ、すごく偏った恋愛ものばっか見てきたんじゃない?」

ヒートは気まずそうに言った。

ノパ⊿゚)「少女漫画だってさ、中には親友のために好きな人を諦める女の子はいるよ。
     みんながみんな恋愛しか考えてないわけじゃないし……」

川 ゚ -゚)「そうなのか……?」

ノハ;゚⊿゚)「そうだよ! 初恋だって甘酸っぱい思い出に変わるんだよ!?」

ここで私は、改めて自分の嗜好を振り返ってみた。
私は実はわりて高齢の女性向けの「嫁姑、血なまぐさい女のバトル!」みたいな漫画が好きである
ついでに正真正銘の恋愛小説は読んだことがない。
恋愛要素のあるサスペンスが好きなのだ。

川 ゚ -゚)「そうか……どうやら私の認識は間違っていたようだ……」

ノパ⊿゚)「ねーちゃんの恋愛観こえーよ」

とにもかくにも、こうして私は自分の思いを整理し区切りをつけることができたのだった。
ヒートにはただ感謝するばかりである。
今度彼女の大好物のハンバーグを作ってやるとしよう。

167名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 21:41:15 ID:fWilX0bEO


数日後、私とツンはいつものように帰り道を歩いていた。

ξ゚⊿゚)ξ「でね、クリスマスだし家で集まってケーキでも、って思ってるんだけど」

川 ゚ -゚)「私はいいが……ブーンと過ごさなくていいのか? 付き合い初めて初めてのクリスマスだろう」

ξ゚⊿゚)ξ「ほら、あいつ、お人好しだから……。クリスマスは人手不足だからってバイトのシフト入れられちゃったんだって」

その場面はすぐに頭の中に思い浮べられた。
ツンというものがありながら要領の悪い男だ。

川 ゚ -゚)「なら、せっかくだからツンのお祝いにしよう。しぃたちも呼ぶんだったら丁度いいだろ」

ξ;*゚⊿゚)ξ「な、そういうのいいから! 恥ずかしいし!!」

川 ゚ー゚)「照れるなって。私たちが気合い入れて二人の仲を祝福してやる」

ξ;*゚⊿゚)ξ「いらない! ホントにいらないから!」

口では反対しながらも顔には嬉しさを隠し切れていない。
ブーンとの仲は二人の友人には知れ渡っている。
今さら茶化す者もいないだろう。

なんとなく、私は二人はこれからもずっと続いていくんじゃないかと予感している。
女の勘というやつだろうか。
あいにく、今までそんなもの働いたことはないが。

168名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 21:42:01 ID:fWilX0bEO

ともかく、私が言いたいことはひとつ、とてもシンプルだ。

川 ゚ー゚)「おめでとう、ツン」

友人らのこれからを、心の底から祝福しよう。

だって、私の恋は始まりさえしなかったし、友情はずっと終わらないのだから。

.

169名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 21:44:18 ID:fWilX0bEO
以上です
イブにこれを読んでるそこのあなたにも祝福あれ!

170名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 21:45:45 ID:a84s10Uk0

なんだか暖かくなれたよ

171名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 22:00:13 ID:3S8cCBs60

クーの趣味www

172名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 23:06:33 ID:a3pYs.kIO
乙!

よし、私も投下させて頂こう

173名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 23:07:38 ID:a3pYs.kIO
ミセ*゚ー゚)リ「……結局、トソンちゃんはクリスマスパーティ来なかったなあ」

ミセ*゚ー゚)リ「用事でもあったのかな。残念だけど仕方ないよね、そろそろ寝よっと」


「おやすみー」ミセ*-ー-)リ(゚、゚トソン「おやすみなさい」


ミセ;゚ー゚)リ「ひぎにゃあああああああぁぁぁ!?」

(゚、゚トソン「どうしたのですか、こんな夜更けにうるさいですよ。クリスマスとはいえ、はしゃぎ過ぎです」

ミセ;>ー<)リ「ト、トソンちゃん!? なんで私のベッドの中で、裸で縛られてるの!? 事件なの!?」

(゚、゚トソン「落ち着いてください。これは『私がプレゼント』というネタをやったら、リボンが絡まってしまった女の成れの果てです」

ミセ;゚ー゚)リ「友人のそんな成れの果ては見たくなかったな、私は! 大丈夫なのそれ?」

(゚、゚トソン「大丈夫か大丈夫じゃないかで言えば、そろそろ腕の感触がなくなってきました」

ミセ;゚ー゚)リ「早くほどかないと!」

(゚、゚トソン「待ってください!」

ミセ*゚ー゚)リ「どうしたの、こんなときに」

(゚、゚トソン「私を辱しめたり、撮影したりするなら今がチャンスですよ!」

ミセ;゚ー゚)リ「そんなチャンスはいらないっ!」

174名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 23:08:15 ID:a3pYs.kIO



(゚、゚トソンケーキより甘い友情に祝福をのようです


.

175名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 23:09:11 ID:a3pYs.kIO
ミセ*゚ー゚)リ「えっと、こっちを引っ張るとここがほどけて」

(////トソン「ぃやん、そこ違っ……! あっ、やめないで、続けてください」

ミセ;-ー-)リ「なんで私クリスマスにこんなことしてるんだろ……」

(゚、゚トソン「ふう、助かりました。しかしミセリも私にエロいことができてWin-Winでしたね」

ミセ*゚ー゚)リ「今年最大のLose-Winだったよ」

(゚、゚トソン「隣りの部屋から楽しげな声が聞こえてきて、一人で三時間もなにをやっているんだろうと三回ほど泣きましたが、結果オーライです」

ミセ;゚ー゚)リ「Lose-Loseだった!」

(゚、゚トソン「しかし、Win-Winってカタカナでウィンウィンって書くと動作音みたいですよね」

ミセ*゚ー゚)リ「なんの動作音かは絶対に聞かないからね」

176名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 23:10:07 ID:a3pYs.kIO
(゚、゚トソン「後れ馳せながら、メリークリスマスです、ミセリ」

ミセ*゚ー゚)リ「うん、その前に服を着ようよ、トソンちゃん」

(゚、゚トソン「私は裸族ですのでお構いなく」

ミセ;゚ー゚)リ「お構うよ! 自分の家で友人が全裸だったらお構うよ! 裸族のポリシーはせめてトソンちゃんの家でだけ貫いてよ!」

(゚、゚トソン「他人の家でのみ裸族ですので」

ミセ;>ー<)リ「それはただの変質者だよ!」

(゚、゚トソン「間違えました。ミセリの家でのみ裸族です」

ミセ;゚ー゚)リ「変質性には一部の変化もないから!」

(゚、゚トソン「ミセリ以外には肌をさらすつもりはないってことですよ。言わせないでください、恥ずかしい」

ミセ*-ー-)リ「……なんで友人の私に、いつも好感度メーター振り切れてるのか甚だ疑問なんだけど」

177名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 23:11:21 ID:a3pYs.kIO
(゚、゚トソン「それでですね」

ミセ*>ー<)リ「あの、トソンちゃん。さっきから胸が私の腕に当たってるんだけど」

(゚、゚トソン「当ててるんですよ」

ミセ*゚ー゚)リ「…………」

(゚、゚トソン「それで一時間半ほど前に、隣りで連想ゲームとやらが盛り上がっていたじゃないですか」

ミセ*^ー^)リ「うん、デレちゃんが提案したんだよ」

(-、-トソン「……チッ、あの泥棒猫め」

ミセ;゚ー゚)リ「聞こえないように言おうね、そういうのは」

(゚、゚トソン「それで私も、そのなんちゃらゲームとやらに興味を持ちまして」

ミセ;゚ー゚)リ「連想の部分なくなったらゲームしか残らなかったね! 確実にあんまり興味ないよね!」

(゚、゚トソン「やってみたいと思うわけですよ。例えばクリスマスといえば、ミセリはなにを連想しますか?」

ミセ*゚ー゚)リ「まあいいけど強引に話を進めたね、まあいいけど。私はクリスマスといえばサンタさん!」

(゚、゚トソン「では二文字隠してクリ○○スと言えばなにを連想しますか」

ミセ;゚ー゚)リ「そういうゲームじゃないからこれ! 次に連想するのサンタさんからだからっ!」

(゚、゚トソン「正解はクリト――」

ミセ;゚ー゚)リ「聞きたくないし言わせないよ!? しかも正解ってなに!?」

178名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 23:13:23 ID:a3pYs.kIO
ミセ*^ー^)リ「トソンちゃん、はいこれ。クリスマスプレゼント」

(゚、゚トソン「これは」

ミセ*^ー^)リ「前に小説の『吸血鬼カーミラ』が欲しいって言ってたよね。だから、ね」

(゚、゚トソン「これはプロポーズと受け取っても?」

ミセ*゚ー゚)リ「そういう意図は一ミリグラムも含まれておりません」

(゚、゚トソン「ともあれ、ありがとうございます。今ので私の好感度が上昇し、恋人の関係になりました」

ミセ*゚ー゚)リ「なってないなってない」

(゚、゚トソン「本当は嬉しいくせに、ミセリは照れ屋ですね。しかし、困りました」

ミセ*゚ー゚)リ「どうしたの?」

(゚、゚トソン「クリスマスプレゼント用のラッピングを外した今、私がプレゼントというわけにはいかないじゃないですか」

ミセ*゚ー゚)リ「ラッピングしててもそういうわけにはいかないと思うよ」

(-、-トソン「ミセリの友情に応えるには、後は処女を捧げるぐらいしか」

ミセ;゚ー゚)リ「友情が重いよ、トソンちゃん! 私がプレゼントとなにが違うのかわからないよ!」

(゚、゚トソン「では、二人きりで過ごせるこの一夜こそが、私からのプレゼントということで」

ミセ*゚ー゚)リ「……もしかして、泊まっていくつもりだったりする?」

(゚、゚*トソン「あー! たった今、終電が発車してしまいました! 残念、これは残念ながら泊まっていくしかなさそうです! ではちょっとエッチぃネグリジェに着替えますね!」

ミセ;゚ー゚)リ「全然残念じゃなさそうだよ! 顔が輝いてるよ!」

(゚、゚*トソン「ベッドは一つしかありませんし、残念ながらこれは一緒に寝るしかありませんね!」


この後、ミセリの貞操をかけた白熱の攻防が繰り広げられたのだが、それはまた別の話。

179名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 23:14:34 ID:a3pYs.kIO
投下終了です

トソンちゃんもなぜかよくレズに間違われるそうです

180名も無きAAのようです:2013/12/24(火) 23:26:41 ID:3S8cCBs60
祝福乙
この二人は可愛いなあ

間違わ…れる…?

181名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 00:06:23 ID:hoUaDYb60
祝福乙
楽しいやりとりだった
でもトソンって間違いなく…

182名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 00:14:18 ID:p8J1fFIE0
トソンかわいいです


艦これサーバークソ重いしクリスマス始まったし投下します

183名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 00:17:43 ID:p8J1fFIE0
誰もがクリスマスを待ち望んでいるわけではない
コインに表裏があるように、幸福の裏には必ず、不幸や嫉妬などの負の感情があるのだ


その感情は、まるで水蒸気のように人々から立ち昇り
まるで雷雲のように、形を成して
今宵、最も望まれている存在に、襲い掛かってくる


そう、子供たちに夢と幸せを運ぶ、『サンタクロース』に


グリーンランド国際サンタクロース協会は、その負の塊を『SHIT』と名付け、対策を取る事にした
人員を増強し、配達サンタ一人につき『護衛サンタ』を六名配置
SHITからの妨害を阻止する役割を果たす

護衛サンタには、負のエネルギーを打ち消す『祝福の加護』を施した武器を支給
状況に応じて、多種多様な戦いが出来るように一年かけて訓練を積む
全ては、幸せな聖夜を守るために


そして今夜も


命がけのプレゼント配達が始まるのであった




『弾丸に祝福をのようです』



.

184名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 00:18:56 ID:p8J1fFIE0
( ´∀`)「…今年もこの場所にやってきたモナ」


日本で最もSHITの襲来が激しい街『VIP』
華やかなイルミネーションの輝きを、上空から見下ろす彼らにしか見えないおびただしい数の『黒い影』が遮っていた


( ゚∀゚)「ひえー、おっかねえなぁ。タマが冷えるぜ」

( ´_ゝ`)「それはお前がしっかり防寒していないからだ」


トナカイが引くソリに乗る白髭のサンタを中心に
スノーボードやスケートで空を飛ぶ若い六人のサンタが空に浮いていた


川 ゚ -゚)「噛み千切られんように気をつけるんだな。毎年この場所だけは格が違う」

(;'A`)「やめてくれよ姐さん。股間が竦みあがっちまうぜ」

(´^ω^`)「信じて送り出した護衛サンタがSHITに堕とされて帰ってきた…薄い本が厚くなるな!!」

( ^ω^)「やだこの子サンタの癖に穢れきってるわ…」


配達サンタの不安も余所に、護衛サンタは軽口を叩く
いつしか、プレゼント配達は命がけの仕事になってしまった
彼を護衛していたサンタの殆どは、この街で再起不能になってしまう
今宵もそんな惨劇を目にしなければならないのか。彼の気はとても重かった


( ´∀`)「…行くモナよ」


しかし、クリスマスにサンタの身など二の次だ
彼らには、子供たちに幸せを運ぶという使命があるのだ
トナカイに鞭を走らせ、黒い影に向かって降下を始めた

185名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 00:20:26 ID:p8J1fFIE0
しかし、今年ばかりは事情が違った


( ゚∀゚)「そんじゃ、露払いはこの俺が」

(;´∀`)そ「モナッ!?」


今までは『護る』スタイルを推し進めてきたが
彼らは『攻める』姿勢を見せた


( ゚∀゚)「一番手、ジョルジュ!!推して参るぜ!!」


彼が背負った袋から取り出したのは、『火炎放射器』

      shit
( ゚∀゚)「『汚物』は…」

( ゚∀゚)「消毒だァァァーッ!!」


星屑が混ざった灼熱の炎が、目の前の影をなぎ払う
灼かれた影は悲鳴のような音を立て、蒸発する
夥しい数の影に、ぽっかりと穴が開いた


( ゚∀゚)「ハハッ!!さぁ突っ込むぜ爺さんよぉ!!」

(;´∀`)「ハァッ!!」


その穴に向かって、トナカイを全力で走らせる
影は穴を埋めようと迫るが、一寸遅かった


(;´∀`)「ぬ、抜けた!!」


影の層を抜け、街へと突入
しかし、上空と地上、そして左右と
四方から影が迫ってきていた

186名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 00:20:33 ID:NN5WuG560
vsサンタか 面白そう

187名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 00:22:11 ID:p8J1fFIE0
( ゚∀゚)「さぁさぁ、おいでなすったぜ野郎共!!」

川 ゚ -゚)「見れば分かる」

('A`)「やれやれだぜ」

( ^ω^)「素敵なパーティしましょ!!」


ジョルジュは背後に火炎放射器を向ける
前方からの影に対しては


川 ゚ -゚)「莫迦共が、『糞』の分際で…」

川 ゚ -゚)「このクールの前を遮るんじゃあないッ!!」


FN ミニミを構えたクールが対応する
女性が扱うには余りにも大きな機関銃だが、手馴れたようにコックレバーを引き
トリガーを引き絞り、掃射する

銃口から火を纏い発射された5.56x45mm NATO弾が着弾と同時に弾け飛ぶ
油にに洗剤を落とすかのように、影はその姿を霧中に消していった


('A`)「ドクオくんも参りますよっと」


連射式散弾銃MPS AA-12を取り出し、右翼から襲い来る影に向かって連続して発砲
錐のような形状で襲い掛かってきた影が、数百発の散弾で粉々に飛び散った
もちろん一撃では終わらず、着弾する度に影はその姿形を失っていく


( ^ω^)「ブーン、イクのぉ!!」


無数のM136 AT-4ロケットランチャーを自分の周りに滞空させ、次々と放つ
左翼の影は亜音速で迫る対戦車弾に切り裂かれ、爆発で木っ端微塵に砕け散った
バラバラに引き裂かれた影の塊にも容赦なく放っていく

188名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 00:24:45 ID:p8J1fFIE0
( ´_ゝ`)「っとぉ、この兄者さん、見逃しませんよぉ」


死角であるソリの下から忍び寄ってきた影を、兄者は見逃さなかった
S&W M29の銃口を向け、44マグナム弾を浴びせる
四方に比べて量は少なかったので、直ぐに消し去ることが出来た


( ´_ゝ`)「ん…?」


そして気付いた


|∴∵∴∵∴∵∴(・)∴∴.(・)∴∵∴∵∴∵|


一際大きな影の存在を

189名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 00:26:28 ID:p8J1fFIE0
( ´_ゝ`)「あらー…デカいっすなー…」

(;´∀`)「なんっ…あれ…」


巨人の姿をしているSHITは、空中を大股で歩き迫ってくる
今までの有象無象とは違い、アレに襲われたらひとたまりも無いだろう


(´^ω^`)「そこでこのショボン様の出番ってわけさーーーーーーーーーーーー!!!!!」


ショボンの袋が金色に輝き、体を包み込む
質量は増幅し、その材質は金属へと、形状は『巨人』へと変化していく


|::━◎┥「ウオオン!!決戦兵器『ジングル・ベル』!!」


変身が完全に完了すると、ショボンは両の拳を突き合わせた
鐘の音が高らかに鳴り響き、辺りを振るわせる


|∴∵∴∵∴∵∴(・)∴∴.(・)∴∵∴∵∴∵|「tanasinn」


|::━◎┥「メリー・クリスマス!!!死ね!!!!!!!」


不幸が生み出した巨人と、祝福で出来た巨人
対極する二つの巨人が、聖夜の空で激突した―――――

190名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 00:28:16 ID:p8J1fFIE0
―――――
―――



(;´∀`)「終わった…モナ…」


朝日が昇り始めるころ、プレゼント配達は終了し
影の姿も、文字通り『見る影も無く』消え去っていた


川 ゚ -゚)「お疲れ様でした」

(;´∀`)「いや、君達こそ」


護衛サンタも、誰一人失うことなく帰路につく
その顔には『やりきった』という満足感が浮かんでいた


(;´∀`)「それにしても君達…恐ろしく強いモナね」

川 ゚ -゚)「いえ、それほどでも。祝福あってのSHIT退治ですし」

川 ゚ー゚)「それに、これほど『楽しい』ことは他に無いですからね」

(;´∀`)「…ハハ」


そう言って微笑んだ彼女に、乾いた声で笑い返した
不覚にも、来年も襲い来るであろうSHIT達が哀れだと思いながら




おしまい

191名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 00:31:41 ID:ZZmWwzcI0
祝福乙
みんなかっこよかったぞ

192名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 00:34:45 ID:p8J1fFIE0
あとがき


本当は嘘予告で済ますはずだったんだけど手が止まらなかった
今は反省している

FN ミニミとM136 AT-4ロケットランチャーはほむほむが使用した銃器です
ミニミのコックレバー引く動作がかっこよすぎます

MPS AA-12はエクスペンダブルズのシーザーが良く使う連射式ショットガン
つい先日3のティザー映像が流れて脳汁だだ漏れまくりです

S&W M29はご存知『ダーティー・ハリー』から
1はマグナムの魅力がたっぷりのシリーズ最高傑作と言っても過言ではないでしょう

193名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 00:35:03 ID:tCUfUVa60
祝福乙
姉妹と百合が豊作で色んなところがワッフルワッフル

194名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 01:05:06 ID:6xQDs2460
祝福乙。
今さっき書き上がったので投下します

195名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 01:06:24 ID:6xQDs2460
( ´∀`)「……ですから、これらはあなたが持っていて然るべき品物モナ。お気持ちは分かりますが、それでもあなたは彼の唯一の肉親モナ。それに」

( ><)「受け取りません。あなたには私の気持ちなんか分かんないんです。一切合財あなたに差し上げますから、捨てるなり売るなりどこかに展示するなり、好きにすればいいんです」

( ´∀`)「…………分かりましたモナ。これだけ言ってもお受け取りにならないのであれば、もう何を言っても仕方ないモナね。でも、せめてこれだけは受け取って欲しいモナ。モナが思うには、あなたにはこれを読む義務がありますモナ」

( ><)「いや、いいんです。これも持っていっ( ´∀`) 「それでは、失礼しますモナ」

( ><)「ちょっ……」

196名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 01:07:23 ID:6xQDs2460

------後の世に『神の手を持つ男』と称されし彫刻家《オーギュスト=ワカッテマス=ローラン》




戦乱の最中に失われ、平和と共に姿を現したとされる彫像




彼の稀代の傑作『天使』に纏わる、知られざる『物語』------





原作:Sound Horizon『Roman』より『天使の彫像』


( <●><●>)天使の彫像のようです

197名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 01:08:16 ID:6xQDs2460
( ><)「まったく……折角の誕生日なのに嫌になるんです」

物心ついたときには父も母もいなかった。母が病死し、それを受けた父が僕を孤児院に預けたと告げたのは、その孤児院の院長だった。院には当然ながら似たようなやつが沢山いて、彼らのと暮らしの中、会ったこともない母への仄かな悲しみと、父への確かな憎しみは日を増すごとに膨らんでいった。

( ><)「なんでこんな奴の手記なんか……どうせろくなこと書いてないんです」

そうなのだ。僕を捨て、母を殺したような男のことなど知ったことか。後に僕を産ませた男が有名な彫刻家と知ったが、どうせ奴は母に余計な心労をかけたに違いない。だから彼女は病を患うことになってしまったのだ。世間でどれだけ持て囃されようと、そういう男なのだ。僕にとっての奴は。

( ><)「でも……モナーさんのことだからきっと感想か何かを求めて来る気がするんです。それはそれで面倒だし、適当にさわりだけ読んどいて乗り切るんです」

本当は暖炉にでもくべて、モナーさんには紛失したとでも言っておけば良いのだろうが、何故だかそんな気にもなれず、その薄汚れたノートを開いた。

198名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 01:09:28 ID:6xQDs2460

------

( <●><●>)「………」

世間では、『物言わぬ冷たい石に生命を灯す』などと持て囃されているようですが、それは驕りというものです。ただ、あるものを有るように受け止め、その思いを象っているだけなのですから。目の前の石の塊も、本当は何を語りかけているのか分かっています。あとはそれを如何にして形作るのか……


(*‘ω‘ *)「さっさと部屋から出てくるっぽ!このモヤシ!」

( <●><●>)「……なんですか騒がしい。まだスケッチが終わっていないんですから、静かにしていて欲しいと何度言えば分か(*‘ω‘ *)「んなこと言ってもう何日経ってると思ってるっぽ!ただでさえモヤシなんだからいい加減なんか腹に入れるっぽ!」

( <●><●>)「……分かりました。ではあと30分程したらそちらに行きますよ」

(*‘ω‘ *)「そう言って3日も出てこなかったのはどこのどいつだっぽ!くたばる前にとっととアトリエから出るっぽ!」


作品の構想を練るため自宅を兼ねているアトリエに篭っていると、妻の嵐のような声が飛んできます。この行程を終わらせないにせよ、ある程度切りのいいところまで作業していたいのですが、そうするときっと彼女はアトリエにまで押しかけてくるでしょう。それだけはなんとしても避けたいところですし、今回は折れるとしましょう。

199名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 01:10:24 ID:6xQDs2460
( <●><●>)「「いただきます」」(*‘ω‘ *)

( <●><●>)「……もう1年になりますか。あなたが押しかけて来てから。いい加減、愛想が尽きてもいい頃合じゃないですか?」

(*‘ω‘ *)「あんふぁがふぉうふぁ( <●><●>)「口の中を空にしてから喋りなさい」

(*‘ω‘ *)「……あんたが創作をやめたら出てってやるっぽ。無愛想だしろくに飯も睡眠もとらないし。あたしはあんたの作品と、それを創ってるときのあんたが好きだから、こうしてできる限りのサポートをしてやりたいだけだっぽ。それにしてもここまで実生活が破綻してたとは思わなかったけど」

彼女の意匠を返すならば、私もまさかここまで強引な女性だとは思いませんでした。もっとも、なんの前触れも無く自宅に押しかけ、私の私生活のサポートをしたいと申し出てきたときに察しておくべきだったのでしょうが。

200名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 01:11:18 ID:6xQDs2460
(*‘ω‘ *)「で、あんたは寝る間も惜しんで何を創ってるっぽ?」

( <●><●>)「まだ言えませんよ。実を言うと、まだ構想がはっきりかたまっていないんです。そのかわり、出来上がったら真っ先にあなたにお見せしますから、期待していてください。」

(*‘ω‘ *)「ふん。打ち込んでくれるのは嬉しいけど、せめて体には気を使えっぽ。ここでぶっ倒れられたらそりゃあたしだってちったあ悲しいっぽ」

半ば押し切られる形で夫婦という関係になりましたが、今となっては彼女がいないことには食事もままならなくなってしまいましたし、共に暮らしていくうちに、いつしか彼女に対して少なからぬ情愛を抱いている自分がいました。白いキャンパスに、石膏に、彫り出す石に対してすら、彼女の姿が浮かぶ程に。

201名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 01:12:29 ID:6xQDs2460

------

彼女と共に暮らして、どれだけの時が経ったでしょう。いつものように呼ばれて着いた夕食の席で、彼女から思いもよらない言葉が出てきました。思えば、これが私達の運命の転機だったのでしょう。

(*‘ω‘ *)「……子供が出来たっぽ」

( <●><●>)「……えっ」

(*‘ω‘ *)「だから、子供が出来たっぽ。あんたとあたしの。男の子だっぽよ」

( <●><●>)「ちょ、いや、えっ……えー……」

(*‘ω‘ *)「なんだその反応は。嬉しくないのかっぽ?あんたとあたしとの、愛の結晶だっぽよー?」

( <●><●>)「いや、あなたそんなこと言う人間じゃないでしょう。嬉しいですよそれは。嬉しいんですが、あまりに唐突すぎてどうやって反応すべきか分かりかねてるだけですって」

(*‘ω‘ *)「名前詐欺かっぽ。……まあ、それこそあんたも喜んではしゃぎまわるようなキャラじゃないし、嬉しいならそれでよしとしてやるっぽ。……医者の話では、予定日は概ね12月の終わり頃になるそうだっぽ。今の作品に随分手間取ってるようだけど、愛する妻の出産には立ち会えるようにするっぽよ」

( <●><●>)「もちろんですとも。では、食べ終わったらもう少しアトリエに向かいます。あなたもあまり無理をしないように、私に気にせず休めるときに休んでいてください。あなた一人の体ではないんですから」

(*‘ω‘ *)「お互い様だっぽ。ああ、それで、名前だけど、あんたが考えるっぽ。折角だから芸術家先生にハイセンスな名前を付けてもらうっぽ」

( <●><●>)「名前……ですか……では、ワカッテマスの息子ということで、ワカン(*‘ω‘ *)「ざけんなっぽ。DQNネームかっぽ」

( <●><●>)「ふむ……では、ビロードというのは?特に意味は無いのですが……」

(*‘ω‘ *)「意味まで考えてから物を言って欲しいっぽ。まあでも、ビロードね……いい名前だっぽ。こいつの名前はビロードだっぽ!じゃ、さっさと食器を片付けるっぽか。」

( <●><●>)「無理しないでくださいよ……本当に」

202名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 01:13:34 ID:6xQDs2460

その後も何度も体を休めるように言いましたが、彼女は頑なに私のために働いてくれることを辞めませんでした。

( <●><●>)「ちんぽっぽさんもそろそろ辛い時期でしょう。今夜の食事は私が作りますから待っていて下さい」

(*‘ω‘ *)「どけっぽ。どうせあんたどこに何があるか分かりゃしないんだから初めからあたしがやった方が手っ取り早いっぽ。あんたはいいから働けっぽ!」


( <●><●>)「ああ!危なっかしいですね。私がやっておきますから横になっていなさい」

(*‘ω‘ *)「ちょっとふらっとしただけで大袈裟だっぽ。いきなりんなこと言われるのもキモいしあんたはいつもどおりアトリエにこもってるっぽ」


( <●><●>)「……良いですか。何度も言いますが、あなたのお腹にはビロードがいるんです。少しでも無理をしたらビロードもあなたも参ってしまうでしょう。良いから休んでいなさい」

(*‘ω‘ *)「あーもううるせえっぽ。あたしがくるまでほとんど生活できてなかったあんたに何ができるっぽ。あたしはこの程度じゃくたばらないからさっさと作業にもd」

それどころか、彼女達のために急ピッチで作業を進める私に着いてきてくれた、着いてきてくれてしまったせいで、ただでさえ身重の彼女の体は、ついに限界を迎えてしまいました。

( ;<●><●>)「だから言ったでしょう!あなたに倒れられては元も子もないんです!私のことは何も気にしなくて良いから、あなたは寝ていなさい!」

(*‘ω‘ *)「……んなこと言ったって……あたしがいなきゃあんた食事も睡眠もろくに取らないんだから……」

( ;<●><●>)「つべこべ言わない!街の大きな病院に手配しておきましたから、お産まではそこにいなさい!全部済ませたら私もそっちに行きますから!」

不満気な彼女をむりやり説き伏せ、どうにか病院に入れさせました。

その後、私達にどういう運命が待っているかも知らずに----

203名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 01:14:31 ID:6xQDs2460
祝福されるべき聖夜。窓の外の吹雪。待ちかねた報せ。受け取るが早いか、ろくに戸締まりを確認せず私は家を飛び出しました。

( ;<●><●>)「ちんぽっぽさん!!」

(*‘ω‘ *)「来たっぽか……随分早いっぽね……仕事はどうしたっぽ……?」

( ;<●><●>)「あなたのお産の方が余程大事ですよ!大丈夫なんですか!?」

(*‘ω‘ *)「大丈夫だと思うなら今すぐ代われっぽ……陣痛で……死にそう……」

可能な限り速く病院まで駆けつけましたが、彼女と語らう時間も無く、最後の言葉を聞き取りきることも出来ないまま、分娩室へと運ばれて行きました。思えば、この時点で彼女はもう、自分の運命に気づいていたのでしょう。

(*‘ω‘ *)「…………あんた……もし……ビロードが生まれたら……どんなことがあってもそれを祝福して欲しいっぽ……この子は……あたしたちのビロードは……確かに望まれて生まれてきたんだっぽ……だから……この言葉だけは……必ず……」

204名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 01:15:29 ID:6xQDs2460








(*‘ω‘ *)「しあわせに……おなりなさ0102……」

205名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 01:17:16 ID:6xQDs2460
------

1時間、待ちました。出て来る気配はありませんでした。

2時間、待ちました。扉は冷たく閉ざされたままでした。

3時間、待ちました。心なしか扉の向こうの空気が変わったように思いました。きっとすぐ出てくるでしょう。

4時間、待ちました。出てくる気配は未だありません。

5時間、待ちました……


(-@∀@)「お子様は無事に生まれました。しかし……」

目の前の白衣の男が、よく分からないことを喋っています。

( <●><●>)「いや、そんなことはどうでもいいから早く妻に会わせてくださいよ。そこをどいてください!」

男を押しのけて分娩室へと入りました。愛する妻が横たわっていました。出産は無事に終わったようです。これほどまでに長い時間、ずっと頑張ってきたので、声をかけなければいけません。

( <●><●>)「よく……頑張りましたね……全部、終わりましたよ……」

妻は何も答えてくれません。きっと眠っているのでしょう。温もりが静かに引いていく彼女の体を抱きしめると、何故だか涙が流れてきました。いくら止めようとしても、体が言うことを聞きません。




( <○><○>)「ああ……あああ……ああああああああああああ!!!」




小さく、また私にとって最も愛しい焔は、既に消えていました。

206名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 01:18:29 ID:6xQDs2460
いったいどこで間違えたのだろうか。彼女を私のところから離したことか。彼女と愛し合ったのが駄目だったのか。私が彼女に世話をさせなければ……それとも、彼女と出会わなければこんなことにはならなかったのだろうか……冷たくなった妻の傍らで、どれだけ自問自答しても答えは出てきません。雑音のように耳をつんざく何かの泣く声が、ただでさえ滅茶苦茶になった私の思考をかき乱します。


泣く声----産声----子供----


そうだ。奴だ。奴がいなければ彼女が死ぬことはなかった。奴が彼女の焔を奪ったのだ。

( <○><○>)「奴さえいなければ……」

憎悪は留まることを知らず、私の心を黒く塗り潰していきます。

( <○><○>)「あれを殺さなければ……あれを殺して取られたものを取り返さなければ」

うわ言のように繰り返し殺意を口にしながら、ふらふらと子供の下へ足を進めます。

( <○><○>)「今、ここでこの両手で……」

207名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 01:19:12 ID:6xQDs2460
私の手が首に触れたまさにその瞬間、何かを察した子供が激しく泣き出しました。その声は、さきほど愚かな考えを胸に抱くきっかけになったように、私の心からどす黒い感情を吹き飛ばしました。

( <●><●>)「----!!」

( <●><●>)「私は……私はなんということをしてしまったんだ……!」

彼女の生きた証がこの世に小さな輝きを身に宿してから一番最初に受け取ったのは、誕生を祝う『祝福』の言葉ではなく、『憎悪と怨嗟』に塗れた両手でした。それも、よりによって実の父親からの。


きっと愛する前に憎んでしまった愚かな私には、あの子を育てる資格など無いのでしょう。孤児院の前に、私からの唯一のプレゼントであるビロードという名前と共に置き、逃げるようにその場を立ち去りました。

208名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 01:20:00 ID:6xQDs2460
( <●><●>)「母親の灯を奪ってこの世に灯った小さな焔……その輝きを憎んでしまった愚かな私の、これが最後の悪足掻きです……」

あれ以来、一度も立ち入らなかったせいですっかり埃を被ってしまったアトリエに足を踏み入れ、脳裏にちらつく、彼女ともう生涯会うことの無いであろうビロードの姿を重ね合わせ、形造っていきます。

( <●><●>)「皮肉なものですね。あれほど停滞していたのにどんどん手が進んでいきますよ……あなたが生きていれば、今の私を見て何を言うでしょうね。それでも、これが私の償いなんです……」

黙したまま、何も語らなかった冷たい石は、やがて人のそれに変貌していきます。そして、私の天使が形造られていくにつれ、過労からか私の体にも少しずつ限界が訪れていきました。

209名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 01:20:45 ID:6xQDs2460
( <●><●>)「まだだ……まだ終わる訳にはいかないんだ……もうすぐで……私の……」

かん。私の体が悲鳴を上げます。

かん。目の前の色が一瞬だけ消えました。

かん。口の中が不自然に濡れています。

かん。タオルで拭ってみると、赤黒い何かが目につきました。

かん。もはや、目で石を見ることも叶いません。

かん。……それでも何故か、誤ったところを彫るといったことは全くありませんでした。

( <●><●>)「いや……これが必然なんだろう……この石には……彼女達が…………」

もはや私を動かしているのは気力だけでした。一挙手一投足に付随する痛みと、今にも遠くなりそうな意識を必死で堪え、目の前の彫刻に私の焔を刻み込みます。そうしなければ私は、あの子、ビロードを祝福することなど出来ないのだから。

------

どれだけの時間が経ったのでしょうか。どこまで彫り進めたのかすら曖昧な程に朦朧とする意識の中、突然に眼前に天使が舞い降りて来ました。その顔は、まるで----

210名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 01:22:06 ID:6xQDs2460








( <●><●>)「ああ、もう思い残すことはない……やっと……笑っ……て……」

211名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 01:22:49 ID:6xQDs2460
------

僕を捨て、母を殺したような男のことなど知ったことか。僕を産ませた男は有名な彫刻家だったが、どうせ奴は母に余計な心労をかけたに違いない。だから彼女は病を患うことになってしまったのだ。世間でどれだけ持て囃されようと、そういう男なのだ。だから僕は奴を父と認める気も無いし、許すつもりも無い。これまでも、もちろんこれからも。

しかし、彼も彼なりに苦悩懺悔し、贖罪をした。一度は憎んだこの僕を、それでも祝福してくれた。だから……今だけは……1年で一番祝福されるべき日、そして僕の生まれてきた日である今日だけは……

( ><)「もう良いんです……パパ……」

212名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 01:24:18 ID:6xQDs2460
------後の世に『神の手を持つ男』と称されし彫刻家《オーギュスト=ワカッテマス=ローラン》



戦乱の最中に失われ、平和と共に姿を現したとされる彫像



彼の稀代の傑作『天使』に纏わる、知られざる『物語』------



( <●><●>)天使の彫像のようです



213名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 01:26:25 ID:qgsu34qw0
乙!

214名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 01:28:40 ID:vEyNhbLM0
祝福乙
新着レス何度もクリックしまくったよw
>>210が表示されたとき、丁度広告が天使の絵になってちょっと泣いたw

215名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 01:29:32 ID:x6Qxak4U0
あとがき

本当はこれ祭になんの関係もなくずーっと温めてたんですが、祝福の要素が無い訳でもないなー、と思い立ち、折角の機会なので書ききって見ました。その結果がこの有り様です。すいませんでした。

216名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 01:31:37 ID:MqwmnJ5Q0
祝福乙!

217名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 04:46:20 ID:AVI3ql.M0
祝福祭!いい響きですね!!

投下します!!!!

218僕とシューちゃんの結婚披露宴へようこそ!!のようです:2013/12/25(水) 04:47:45 ID:AVI3ql.M0
( ^ω^) 「皆様、大変長らくお待たせいたしました。まもなく新郎新婦が入場してまいります。
   ∞   どうか盛大な拍手をもってお迎えくださいませ。」

( ^ω^) 「カメラをお持ちの方はどうぞお二人の幸せな姿を写真に収めて差し上げてください。
   ∞   祭壇横の通路などがベストポジションとなっております。」

( ^ω^) 「……ただ一点、バージンロード内には入らないようにご注意くださいませ。
   ∞   馬に蹴られてお怪我をなさっても我々、責任を取りかねますので。」

   \ドッ!!/   \HAHAHAHAHA!!/    \うまい!/

うーん、会場の中は盛り上がってるなぁ、なんだか緊張してきたぞ……!
僕はあんまり人前に立つのって得意じゃないからね^^;
でもシューちゃんに恥をかかせないために頑張るよ!シューちゃん!
今日は良い結婚式にしようね、シューちゃん!

lw´‐ _‐ノv 「……米。」

んもうシューちゃん!照れちゃって可愛いなぁ!
じゃあいこっか!会場のみんながシューちゃんのドレス姿を待ちわびているんだよ!

lw´‐ _‐ノv 「……」

あれ?どうしたのシューちゃん?
もしかして僕何かマズいこと言っちゃった!!??うわぁぁぁぁごめんねシューちゃん!!!!

lw´‐ _‐ノv 「ドレス姿じゃなくて、花嫁姿。重要。」

!!!!!!!!!!!!!!!!!
そうだね!!!!そうだよね!!!!!!やっぱりシューちゃんはかわいいなぁ!!!!!!!!!

219僕とシューちゃんの結婚披露宴へようこそ!!のようです:2013/12/25(水) 04:48:26 ID:AVI3ql.M0
\アイラービューフォエーバーあーなーたーだーけーのことー♪/
                          _
( ^ω^)ξ゚⊿゚)ξ('A`)川 ゚ -゚)ζ(゚ー゚*ζ( ゚∀゚)o彡゜ノパ⊿゚)(´・ω・`)(`・ω・´)
( ´∀`)( ・∀・)(,,゚Д゚)(*゚ー゚)(*゚∀゚)(#゚;;-゚)/ ,' 3ミ,,゚Д゚彡( ´_ゝ`)(´<_` )
(*‘ω‘ *)( ><)( <●><●>)<ヽ`∀´>( ,,^Д^)( ^Д^)*(‘‘)*川д川  @@@
(・∀ ・)(-_-)( ´ー`)(=゚ω゚)ノ( ゚д゚ )从'ー'从('、`*川从 ゚∀从( ФωФ)@#_、_@ _、_
|゚ノ ^∀^)( ∵)( ゚∋゚)lw´‐ _‐ノvJ( 'ー`)し\(^o^)/|  ^o^ || ^o^ |/^o^\(  ノ`)( ,_ノ` )y━・~
∬´_ゝ`)l从・∀・ノ!リ人o川*゚ー゚)o/ ゚、。 /|;;;;| ,'っノVi ,ココつ彡⌒ミ(-@∀@)( ,'3 )
ミセ*゚ー゚)(゚、゚トソン(´・_ゝ・`)( ^^)( ・3・) 「結婚おめでとう!」 ( ´_ゝ`)(゜3゜)<_プー゚)フ,(・)(・),
( ∴)( `ハ´)(‘_L’)( ・□・)ハハ ロ -ロ)ハ【+  】ゞ゚)(’e’)|(●),  、(●)、|( ^ω^)ィ'ト―-イ、
川 ゚ 々゚)('(゚∀゚∩爪'ー`)y‐(//‰ ゚)▼・ェ・▼マト#>Д<)メ(・(エ)・)⌒*リ´・-・リ( ^^ω)以`゚益゚以
N| "゚'` {"゚`lリ(  ゚∀゚ )(゜д゜@彡 l v lミ( l v l)〈::゚−゚〉(;TДT)||‘‐‘||レ( ‘∀‘)i!iiリ゚ ヮ゚ノル
イ从゚ ー゚ノi、从´ヮ`从ト リi、゚ー ゚イ`!( "ゞ)リハ´∀`ノゝ从リ ゚д゚ノリli イ ゚ -゚ノl|(ノリ_゚_-゚ノリゝヽiリ,,゚ヮ゚ノi
|::━◎┥(十)/▽▽/◎ ) =| )[ Д`]爪゚ー゚)瓜゚∀゚)爪゚A゚)( ・−・ )〃∩ ∧_∧ノリ, ^ー^)li
( ´W`)( ・∀  ∀・)(;;・∀・;;)リ´−´ル<(' _'<人ノ<゚Д゚=>(=゚д゚)< ゚ _・゚> ⊂⌒(  ・ω・)
ハソ ゚−゚リ(  ゚¥゚)( `ー´)( ノAヽ)(゚A゚* )| l| ゚ー゚ノlミ*゚∀゚彡¥・∀・¥ `ヽ_っ⌒/⌒c

うわぁ、見てよシューちゃん!こんなに沢山の人達が来てくれたよ!
これもみんなシューちゃんの可愛さの賜物だよね!
シューちゃんもそう思うよね、シューちゃん!

lw;´‐ _‐ノv 「……」

あれれ?シューちゃんどうしたのかな?すごい汗だよ!?
…………!!!!もしかして、具合が悪いのかな!!!!!!?????
大変だ!!!!!この中にお医者さんはいらっしゃいませんか!!!!!!!!
助けてください!!!!!シューちゃんを!!!!!!!!助けて下さい!!!!!!!!!

lw;´‐ _‐ノv 「ガラにもなく緊張してるだけさ。らしくないね。」

そうなんだ!よかった!!

220僕とシューちゃんの結婚披露宴へようこそ!!のようです:2013/12/25(水) 04:49:17 ID:AVI3ql.M0
( ^ω^) 「皆様、本日はご多忙の中、本籍にご臨席いただき誠にありがとうございます。
   ∞   それではこれより、斉藤家・素直家、両家のご結婚披露宴を開催いたします。」

( ^ω^) 「ご紹介が遅れました。本日この良き日に司会を努めさせていただくのは、私、内藤ホライゾン。
   ∞   新郎、新婦とは二人が高校生の頃からの知人でございます。」

( ^ω^) 「何を隠そう二人が結婚する切欠を生み出したのもこの私でございまして、
   ∞   本日の司会へかける情熱も一入と……おっと失礼、このお話の続きは後程とさせていただきます。」

( ^ω^) 「兎にも角にも、不慣れ故に至らぬこともあろうかと存じますが、どうぞよろしくお願い致します。」
   ∞

うわあ、ブーン君もすごく気合入ってるね!
燕尾服に蝶ネクタイなんてオシャレ!かっこいいなぁ!

lw´‐ _‐ノv 「君だって負けてないさ。すごく素敵だと思うよ。」

ふおおおおおおおおおおおおおおお!!!!シューちゃんが褒めてくれた!!!!!!!!!!!
すっっっっっごく嬉しいよ!!!!!!シューちゃんも最高に可愛いよ!!!!!!!!!
シューちゃんかわいいよ!!!!!!!!!!!!
シューちゃん!!!!!!!!かわいいよ!!!!!!!!!!!!

( ^ω^) 「さて、このめでたき日にご媒酌の労をお取り下さいました、長岡商事社長の長岡様より
   ∞   新郎新婦のご紹介ならびに、ご挨拶をお願い致します。」
  _
( ゚∀゚) 「えー、ただ今ご紹介にあずかりました、長岡でございます。
      本日は皆様ご多忙のところ斉藤家、素直家両家の披露宴へご出席いただきましてありがとうございます。」
  _
( ゚∀゚) 「この度は新郎の斉藤くんの上司ということで、媒酌人の大役を仰せつかりまして……
      しかし、この歳になりましてもこのような場はどうしても緊張してしまうもので――――

221僕とシューちゃんの結婚披露宴へようこそ!!のようです:2013/12/25(水) 04:50:44 ID:AVI3ql.M0
  _
( ゚∀゚) 「以上をもちまして、媒酌人の挨拶とさせていただきます。」

( ^ω^) 「ありがとうございました。
   ∞   それでは、続きまして新郎、新婦両名の恩師である荒巻様よりご挨拶をいただきたいと思います。」

( ^ω^) 「続きまして、お二人の初めての共同作業となります、ケーキ入刀の時間でございます。
   ∞   カメラをお持ちの皆様は――――

( ^ω^) 「続きまして、ご来賓の方々よりご祝辞を頂戴したいと思います。
   ∞   まずは新郎のご友人である高木様より―――ー

( ^ω^) 「ここで、祝電が多数届いておりますのでご披露させていただきます。」
   ∞

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


( ^ω^) 「さて、皆様そろそろお腹が空いてくる時間帯ではございますが、もう少々お待ちください。」
   ∞

( ^ω^) 「新郎の健一郎様、新婦のシュール様よりご挨拶がございます。」
   ∞

( ^ω^) 「それでは健一郎様より、よろしくお願いいたします。」
   ∞

はい!!

222僕とシューちゃんの結婚披露宴へようこそ!!のようです:2013/12/25(水) 04:51:56 ID:AVI3ql.M0
皆さん今日は僕とシューちゃんの披露宴に来てくださって本当にありがとうございます!
シューちゃんと結婚できて、そのうえこんなに沢山の人達に祝ってもらえるなんて僕は本当に幸せ者です!
なんたってシューちゃんは世界で一番かわいいAAですからね!そうだよねシューちゃん!?

lw´////ノv 「……niceという言葉には米(rice)が隠れている。つまり米は素晴らしいものだ。」

んもう、照れちゃって!かわいいなあもう!

えーっと、シューちゃんの何が素敵って、もう全部素敵なんですけど、まずは見た目の可愛らしさだよね!
サラサラの長髪かわいいよ!ショートにした時も可愛かったけどね!シューちゃん自身が可愛いからね!
もっさりした雰囲気と可愛さが調和して唯一無二の魅力を生み出してるよねシューちゃん!
でも見た目だけじゃないんだよね!シューちゃんはもともとAAなんて無かったからね!それでも可愛かったんだよね!
皆さん知ってますか?シューちゃんは新ジャンルスレで生まれたんですよ!
VIPSSスレのシューちゃん可愛かったなぁ!クールでシュールで不思議な魅力いっぱいで!

そもそもなんでシューちゃんがシューちゃんなのか、皆さん考えたことありますか!?ぼくはあります!!
シューちゃんがシューちゃんである所以はシューちゃんの行為のシュールさにある!!
そう思っている人も多いと思いますが、それだけじゃないんです!!
もちろんシューちゃんはシュールなんですけれど、シューちゃん自身がシュールな目に巻き込まれることもあります!!
そんなときに普通の人ならどうしますか!?混乱したりツッコミを入れたりするでしょう!?シューちゃんは違います!!
シューちゃんはシュールな出来事をシュールなままに受け入れて、順応することができる、強い子なんです!
超現実という異常を否定せずに受け入れる姿勢!それこそがシューちゃんの魅力なんです!!!!

それでですね、ここからはノロケ話になっちゃうんですけど、そんな強いシューちゃんも取り乱しちゃうことがあるんですよ!
皆さん信じられないって顔してますね!?僕も初めて見た時は凄くビックリして、益々シューちゃんが大好きになりました!!

223僕とシューちゃんの結婚披露宴へようこそ!!のようです:2013/12/25(水) 04:53:06 ID:AVI3ql.M0
実は僕は以前、交通事故にあったことがあるんです!
原付きでトラックと接触しちゃって、軽い怪我だったんですけど事故が事故だけに検査で入院したんです!
その時もう僕たちは付き合ってて、友達伝いに僕のことを聞いたシューちゃんがバイトを抜けだしてお見舞いに来てくれたんです!!
病室に飛び込んできたシューちゃんといったらもう普段の冷静さなんてどこにも無くて、息は荒いし汗はダラダラ――

――汗!?シューちゃんの汗!?シューちゃんの汗ペロペロしたい!!クンカクンカしたいよぉ!!!!
息の乱れたシューちゃん凄くいやらしいよ!!妖艶でかわいいよ!!!!ちゅっちゅしたいよぉ!!
シューちゃん!シューちゃん!シューちゃんうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!

……すいません!取り乱しました!!
何が言いたいかというと、普段はあんな落ち着いたシューちゃんが僕のためにあんなに取り乱してくれた!!!
シューちゃんが!!!僕のために!!!!!!取り乱してくれた!!!!!!!!!
シューちゃんの弱い一面を見て、僕のシューちゃんへの無限大の愛が更に無限大の愛になったんです!!
ああ嬉しいよ!シューちゃんありがとう!本当にありがとう!!!!
シューちゃん!!生まれてきてくれてありがとう!!!僕と結婚してくれてありがとう!!!!!


みなさん!!!!


僕とシューちゃんは今日!!!!!



結婚します!!!!!!!!!!!

224名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 04:53:51 ID:AVI3ql.M0
.



( ^ω^)←トラックの運転手
   ∞


.

225名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 04:54:38 ID:AVI3ql.M0
きれいな部屋だなぁ!スイートルームなんて初めてだよシューちゃん!!
シューちゃんはこういうの経験ある?

lw´‐ _‐ノv 「エベレスト山頂に根を張る稲穂。」

前人未到ってことだね!!すごいやシューちゃん!!!!とってもシュールだよ!!!!!!
それにしても緊張したなぁ!まだ手足がカチコチだぁ!!
ねえシューちゃん、僕は立派にシューちゃんの旦那さんできたかなぁ!?
シューちゃんに恥かかせたりしてないよね!?

lw´‐ _‐ノv 「うむ、なかなか格好良かったぞ。それに……」

lw´///ノv 「スピーチ、嬉しかった……」

!!!!!!!??????
もう我慢できない!!!!シューちゃん!!!!痛かったらごめんね!!!!!!!!

lw;´///ノv 「ちょっ……あっ……」

ごめんね!!!!我慢できなくて押し倒しちゃった!!!!!
僕は悪くないよ!!!?シューちゃんが可愛すぎるのがいけないんだよ!!!!?
ねえシューちゃん!!!!シューちゃん!!!!!!

lw;´///ノv 「わかったから、先にシャワー浴びさせて。今、汚いし……。」

シューちゃんに汚いところなんて無いよ!!シューちゃんは全部きれいだよ!
レロレロしちゃうぞー!!ちゅぱちゅぱしちゃうぞぉー^^

lw*´///ノv 「んっ……あっ……!」





lw*´///ノv 「電気……消して……」

226名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 04:56:16 ID:AVI3ql.M0
携帯電話の着信音で目を覚ます。
古びたアパートの6階、ゴミだらけの狭い室内、平らな布団の中にシューちゃんの姿は無い。
着信画面を見ると、アルバイト先の居酒屋の電話番号が表示されている。


もしもし、おはようございます。斉藤です。
……クリスマスの予定ですか?いえ、特に無いですけど……。
はい、はい、あ、はい。まあ、出られないわけじゃないですけど……はい、すいません。
ええ、あ、はい、入ります。11時からラストまで、はい、わかりました。
……あの、年末はできれば実家に帰省したいなって思って……はい、難しいですか、はい、わかりました。
はい。わがまま言ってすいません。休まず出ます。それじゃあ失礼します。
あ、はい。お疲れ様です。


……夢から覚めなければ、どれだけ幸せだっただろう。
もしもほんの3分前に鍵のかかっていないドアから殺人鬼が入ってきて、眠っている僕の首を掻き切ってくれていたら、
僕はきっと、この先の人生のどんな瞬間より幸せな笑顔で最期を迎えることが出来ただろう。

シューちゃんのいないこの地獄で、僕は死ぬことも出来ずに、無為に歳を重ね、そして狂っていくのだろう。

ああ、シューちゃん。どうして君は、どこにもいないんだろう。

227名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 04:57:31 ID:AVI3ql.M0
「ゆうべは おたのしみでしたね。」

……え?

「一晩考えたが、ライスシャワーにはコシヒカリよりも庄内26号の方が向いていると思われる。」

窓の外から聞こえてくるこの声は、もしかして……

lw´‐ _‐ノv 「コシヒカリは香りや弾力に優れるが、粘りがやや強すぎるからな。」

シューちゃん!!!!どうして居るの!!!!!!?
あ、雲から顔を出してるシューちゃんも凄く可愛いよ!!!

lw´‐ _‐ノv 「どうしてって、妻が夫の傍にいるのは当たり前じゃないか。
        中々来てくれないから、こっちから迎えに来たんだよ。」

lw´‐ _‐ノv 「はやくおいで。雲の上で、みんな君が来るのを待っている。」

そうか、シューちゃんは天使だったんだね!だから僕を迎えに来てくれたんだね!!!?
そうとわかったらノロノロしてられないぞ!!今すぐそっちに行くからね!!

228名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 04:58:38 ID:AVI3ql.M0
.





       シューちゃん!!!!!シューちゃん!!!!!!!!!!





.

229名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 04:59:26 ID:AVI3ql.M0
.


薄汚れた窓の向こう側



コンクリートの手摺を乗り越えて



真っ白な世界へ、君を迎えに行こう


.

230名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 05:00:06 ID:AVI3ql.M0
.




天を目指す僕の魂は重力に絡め取られ、冷たいアスファルトの上で粉々に砕け散った




.

231名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 05:00:55 ID:AVI3ql.M0
以上です さようなら

232名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 05:22:46 ID:pckAmeck0
斉藤健一郎 幸せにな


233名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 08:25:24 ID:x/B87J/I0
不覚にも泣いた
シュールと幸せにな
祝福乙

234名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 15:32:50 ID:aDjZaBLk0
勢いだけで今朝から祭用の短編書いてる。間に合うだろうか……

235名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 16:04:08 ID:I2SndIx.O
>>234
遅漏組になったっていいじゃないか
頑張れ

236名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 16:48:14 ID:A8AHTrng0
>>179
ギャグセンス分けて欲しい、面白かった!

237名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 19:04:51 ID:ZZmWwzcI0
イラストで祝福投下します

http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_1435.jpg

(*゚ー゚)「祝福祭もいよいよ終盤!
    本祭は本日23:00まで」

(#゚;;-゚)「感想投稿の後夜祭は、
    明日26日の0:00から、27日23:00まででふ」モグモグ

(*;゚ー゚)「ちょっとお姉ちゃん、ファミチキ食べてないでちゃんと仕事してよ!!」

238名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 22:30:03 ID:KJU4Oxtg0
ふぁみちきたべたい投下します

239くたびれミセ*゚ー゚)リのクリスマスのようです:2013/12/25(水) 22:31:08 ID:KJU4Oxtg0

ミセ* ー )リ 「(朝9時に家を出てバイト先、休むことなく働き続け……)」

ミセ* ー )リ 「(ひたすら一心にバーコードを読み取む12時間、辛かった)」

ミセ* ー )リ 「(煌びやかな街や浮かれきった人々には目もくれず、まっすぐに帰宅する)」

ミセ* ー )リ 「(誰もいない自宅で寝るだけのクリスマス。でも、寂しくなんてない)」

ミセ* ー )リ 「(今はただ、落ち着けるのがうれしい……)」



ミセ* ー )リ 「ただいまあぁ…」

(゚、゚トソン 「おかえりなさいミセリさん
・と     寒かったでしょう? はいこれ、ブリ照り」

ミセ;゚ー゚)リ 「!!? ああ、はい」
  つ・と

(゚、゚トソン 「お部屋あったかいですよ。おこた入ってゆっくりしましょう」

(゚、゚トソン 「ケーキも買ってきましたよ。
      せっかくですからね、ちょっと奮発しちゃいました」

(゚、゚トソン 「まぁ今日くらいちょっと豪勢にしたってバチh」

ミセ;゚ー゚)リ 「あのさ、トソン」

(゚、゚トソン 「はい」

ミセ;゚ー゚)リ 「なんで、いるの?」




240くたびれミセ*゚ー゚)リのクリスマスのようです:2013/12/25(水) 22:32:12 ID:KJU4Oxtg0

(゚、゚トソン ?

ミセ;゚ー゚)リ 「ここ、アタシの家」

(゚、゚トソン 「はい」

ミセ;゚ー゚)リ 「はいじゃなくて」

ミセ;゚ー゚)リ 「どうやって入ったの」

(゚、゚トソン 「合い鍵持ってますから」

ミセ;゚д゚)リ 「ぇぇぇ、何で!? 何で持ってるの」

(゚、゚トソン 「作りましたから」

ミセ;゚д゚)リ 「ェー、いつの間に、ェエエ……!?」

(゚、゚トソン 「嘘ですよ。針金です」

ミセ;゚д゚)リ 「どの道怖いんだけど!?」




241くたびれミセ*゚ー゚)リのクリスマスのようです:2013/12/25(水) 22:33:04 ID:KJU4Oxtg0

ミセ;゚д゚)リ 「ていうかコレはなに」
  つ・と

(゚、゚トソン 「ブリの照り焼きです」

ミセ;゚д゚)リ 「知ってるよ! なんで、直に、持ってきたの!?」
  つ・と

(゚、゚トソン 「あったかいでしょう?」

ミセ;゚д゚)リ 「あったかいよ!?
         いや用途っていうか色々間違ってるっていうか」

(゚、゚トソン 「味には自信ありますよ。おばあちゃん直伝です」

ミセ;゚〜゚)リ 「な、ならせめて、お皿に載せて食べられるように出してほしかったかなー」

(゚、゚トソン 「ミセリさんならかぶりつくかと」

ミセ;゚д゚)リ 「玄関でブリ照りかぶりつかないから!」




242くたびれミセ*゚ー゚)リのクリスマスのようです:2013/12/25(水) 22:33:53 ID:KJU4Oxtg0

ミセ;゚ー゚)リ 「あー、まあなんでもいいや。ねえ、これ」

(゚、゚トソン 「なんですか、冷めちゃいました?」

ミセ;゚ー゚)リ 「お皿でもなんでもいいから置かせて」

(゚、゚トソン 「食べないんですか」

ミセ;゚ー゚)リ 「手洗ってないし、うがいもまだだし」

(゚、゚トソン 「そういう問題ですか?」

ミセ#゚д゚)リ 「どの口が言うのよ」

(゚、゚トソン 「まあ、健康を気遣うのはえらいと思いますよ、小学生みたいで」

ミセ#゚ー゚)リ 「褒めてるのか貶してるのか…。それよりお皿!」

(゚、゚トソン 「どうぞ」
−と

ミセ;゚〜゚)リ 「ノートパソコンはお皿じゃないけど後で拭けばいいかもう……」




243くたびれミセ*゚ー゚)リのクリスマスのようです:2013/12/25(水) 22:34:53 ID:KJU4Oxtg0

ミセ;゚ー゚)リ 「あー、もう手がべたべた」

(゚、゚トソン 「手づかみなんてはしたないことするからです」

ミセ#゚ー゚)リ 「誰のせいよ誰の!」

(゚、゚トソン 「はい、これで拭いてください」
∫と

ミセ*゚ー゚)リ 「ああ、ありg」
   つ∫

ミセ;゚д゚)リ 「ってこれアタシのストール!!」
   つ∫

(゚、゚トソン 「さわり心地良いですよ」

ミセ;゚д゚)リ 「高かったからねー!
       あぁ、これもべたべただわ。洗わなきゃ……」




244くたびれミセ*゚ー゚)リのクリスマスのようです:2013/12/25(水) 22:36:28 ID:KJU4Oxtg0

ミセ#゚ -゚)リ 「ああもう、あーもうっ」

(゚、゚トソン 「お疲れですか」

ミセ#゚ -゚)リ 「今日一番の労働が自宅にあるなんてね」

ミセ#゚ -゚)リ 「なんで帰っていきなり洗濯してるんだろ……。
         しかも手洗い」

(゚、゚トソン 「トソン流サプライズですよ。驚きましたか?」

ミセ#゚ -゚)リ 「殺意を覚えるくらいには」

(゚、゚トソン 「憎しみからは何も生まれませんよ」

ミセ#゚ -゚)リ 「一瞬の快楽は得られると思う」

(゚、゚トソン 「一理ありますね。殺っちゃいますか」

ミセ ゚ -゚)リ 「死にたいのか貴様は」




245くたびれミセ*゚ー゚)リのクリスマスのようです:2013/12/25(水) 22:37:13 ID:KJU4Oxtg0

(゚、゚トソン 「聖夜にミセリさんの家に来るしかやることのない人生です。
      それも悪くありませんね」

ミセ#゚ -゚)リ 「他にもっと選択肢あったでしょうに。なんでウチを選ぶわけさ」

(゚、゚トソン 「ミセリさんなら一人寂しいクリスマスを
       自宅で何もせずダンゴ虫のように丸まって、だらしなーく過ごしていると思ったので私が来てあげたんです」

ミセ#゚ー゚)リ 「あのねぇ…、普通にバイト入れてるから」

(゚、゚トソン 「おかげで十時間も一人で潰すハメになりました」

ミセ;゚д゚)リ 「そんな待ったの!? 何やってたのよ」

(゚、゚トソン 「ジェンガとかオセロとか七並べとか…」

ミセ;゚д゚)リ 「一人で!? 惨めにも程があるでしょうに…」




246くたびれミセ*゚ー゚)リのクリスマスのようです:2013/12/25(水) 22:38:17 ID:KJU4Oxtg0

(゚、゚トソン 「いいんです、これからミセリさんとめいっぱい楽しむんですから」

ミセ;゚ -゚)リ 「あのさ、流石に哀れには思うけど、アタシ疲れてるの」

(゚、゚トソン 「私の軽妙なトークで癒して差し上げます」

ミセ;゚ -゚)リ 「アンタと喋っても疲れ以外感じないから。帰って」

(゚、゚トソン 「……。今晩だけで良いんです。お願いします」

ミセ ゚ -゚)リ 「ムリ。いますぐ倒れ込みたいくらいなの」

(゚、゚トソン 「ジェンガとトランプが散乱してるので寝る場所はありませんよ」

ミセ;゚ -゚)リ 「なんで片付けッ…! あーもういいから帰って」

(゚、゚トソン 「えー」

ミセ ゚ -゚)リ 「えーじゃない。帰るの」

(゚、゚トソン 「イヤです」

ミセ#゚ -゚)リ 「お願いだから!」

(゚、゚トソン 「一人はイヤなんです」




247くたびれミセ*゚ー゚)リのクリスマスのようです:2013/12/25(水) 22:39:07 ID:KJU4Oxtg0

ミセ#゚ー゚)リ 「……アタシじゃなくたって他にいるでしょ!?」

(゚、゚トソン 「どこにいるというんですか」

ミセ#゚д゚)リ 「アンタなんかそこそこ可愛いんだから
         テキトーにぶらついてりゃ一晩や二晩慰めてくれる男いるわよ!」

(゚、゚トソン 「私に何をしろと」

ミセ#゚д゚)リ 「股開けッつってんだよ!」

(゚、゚トソン

ミセ#゚д゚)リ

(゚、゚トソン

ミセ;゚ -゚)リ

(゚、゚トソン 「そういうはしたない発言は控えた方が」

ミセ;゚ -゚)リ 「いや、あの、勢いというかなんというか……」




248くたびれミセ*゚ー゚)リのクリスマスのようです:2013/12/25(水) 22:39:58 ID:KJU4Oxtg0

(゚、゚トソン
O[]と <マタヒラケッ ツッテンダヨ

ミセ;゚д゚)リ「ちょっ、何録ってんの!?」

(゚、゚トソン
O[]と <マタヒラケッ ツッテンダヨ マタヒラケッ ツッテンダヨ

ミセ;゚д゚)リ「ループやめて!」

(゚、゚トソン
O[]と < マタヒラケッ ツッテンダヨ!

ミセ;゚д゚)リ「音量! ご近所聞こえる! ごめんなさい! 許して!」

(゚、゚トソン
O[]と

ミセ;゚ー゚)リ

(゚、゚トソン 「バイト先、大学の駅前でしたっけ?」

ミセ;゚ー゚)リ 「やめてください……。何をするのか分からないけどやめてください」

(゚、゚トソン 「私はミセリさんと過ごしたいんです」

ミセ;゚ー゚)リ 「はい」

(゚、゚トソン 「飲みましょう。お酒いっぱい買ってありますから」

ミセ;゚ー゚)リ 「はい、飲みます。いくらでも飲ませていただきます!」




249くたびれミセ*゚ー゚)リのクリスマスのようです:2013/12/25(水) 22:40:41 ID:KJU4Oxtg0

 ▼ 一時間後...


(-、-*トソン


ミセ;゚ー゚)リ 「まさかチューハイ2缶で寝るとは……」

ミセ*゚д゚)リσ 「もぉー何で先に寝てんのー」

“(-、-*トソン

ミセ*゚ー゚)リ 「ほんっと自分勝手なんだから」


ミセ*゚〜゚)リ 「ブリ照りおいしー。あとでレシピ聞こうかな」
 つ=

(-、-*トソン

ミセ*゚ー゚)リ 「気持ちよさそうな顔で寝ちゃってまーまーまー」

ミセ*゚ぺ)リ 「先寝られたら、かえって寂しくなっちゃうじゃないのよ、ッたく」


(-、-*トソン


ミセ*゚ー゚)リ 「十時間も退屈だっただろうなぁ……」

ミセ*゚ー゚)リ 「それでも待ってたのよね、おかげで散々な目にあったけど」

ミセ;゚ー゚)リ 「あ、まだパソコン拭いてない……。
         クリスマスに何やってんだろ、掃除とか洗濯とか」




250くたびれミセ*゚ー゚)リのクリスマスのようです:2013/12/25(水) 22:41:38 ID:KJU4Oxtg0

ミセ;-д-)リ 「はぁー、くったびれた」

ミセ*゚ー゚)リ 「でも、何にもない一日よりマシか。話のネタにくらいはなったかな」

ミセ*゚ー゚)リ 「バイト終わって帰ってきたら、
         ピッキングして家に入り込んだ友達がブリ照り持って出迎えてくれた」

(-、-*トソン

ミセ*゚ー゚)リ 「……」

ミセ;゚ー゚)リ 「ダメだ、人に話したら色んな意味で心配されそう」

ミセ;-ヮ-)リ 「ま、まあ、忘れられないクリスマスにはなった、うん」

(-、-*トソン

ミセ*゚ー゚)リ 「今日のは貸しだかんね。今度色々付き合ってもらうわよ」

ミセ*゚ー゚)リ 「バイト代入ったし、一日買い物しちゃうんだから覚悟しなさいよ」

(-、-*トソン




251くたびれミセ*゚ー゚)リのクリスマスのようです:2013/12/25(水) 22:42:34 ID:KJU4Oxtg0



(ぅ、-*トソン 「ん」

ミセ*゚ー゚)リ 「あ、起きた?」

(゚、゚*トソン 「ぷれぜんと、わすれてました」

ミセ*゚ー゚)リ 「プレゼント? あ、クリスマス……」

(゚ー゚*トソン 「ねっくれす、かってきましたよ! みせりさんのおかねで!」

ミセ;゚ー゚)リ 「あ、アタシのお金なの…?」

(゚ー゚*トソン 「ひきだしのさんまんえん!」

ミセ;゚д゚)リ「アレ使ったの!? えー、えぇぇ……。
        今日一番のショックだけど、ま、まあいいわ、気持ちだけでもうれしいわ、ありがとう」




252くたびれミセ*゚ー゚)リのクリスマスのようです:2013/12/25(水) 22:43:42 ID:KJU4Oxtg0

(゚ー゚*トソン 「わたしがつけてあげますね」

と(゚、゚*トソン

と( 、 *トソン


ミセ*゚ー゚)リ 「どしたの? トソン?」

( 、 *トソン 「みせりさん」

ミセ*゚ー゚)リ 「ん?」



( 、 *トソン 「きもちわるいです」

ミセ;゚д゚)リ 「え、ちょ、待って! 耐えて!

( 、 *トソン 「ムリでうs」

ミセ;゚д゚)リ 「待ってちょっとちょっとなんで胸に顔を埋めるのどこに吐こうとトソンやめて
         やめええええぇぇぇぇぇぇぇあぁぁぁああ〜〜〜あったかい〜〜〜〜〜〜〜……」


( 、 *トソン ゲロゲロゲロゲロ…

ミセ*;ー;)リ 「(最ッ悪だわ、最悪のプレゼントだわ……)」




253くたびれミセ*゚ー゚)リのクリスマスのようです:2013/12/25(水) 22:44:50 ID:KJU4Oxtg0

 ▼ 翌日...




  ,_
(゚、゚トソン 「ミセリさんなんか臭いますね」

ミセ#゚д゚)リ「オメーのせいだよ!」






おわり




254名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 22:51:10 ID:7QMM2XYY0
ミセリが可哀想すぎるよ……笑ったけど


GJ!

255 ◆6jiCjk8pbE:2013/12/25(水) 23:15:26 ID:8ujEDDLw0
皆様お疲れ様でした
たくさんの投下ありがとうございました!

引き続き0:00からの後夜祭をお楽しみ下さい
私は後夜祭で本気出す

256名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 23:18:07 ID:BDuwkW6.O
一先ず本祭乙

257名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 23:41:01 ID:DZXN/IVw0
本祭おつー

258名も無きAAのようです:2013/12/25(水) 23:50:45 ID:mNmV50vY0
本祭乙!

259名も無きAAのようです:2013/12/26(木) 00:19:49 ID:4eXCAaoQ0
本祭乙 さて読んでくるか…

260名も無きAAのようです:2013/12/26(木) 00:26:51 ID:mYiubrTc0
本祭乙乙

261名も無きAAのようです:2013/12/26(木) 01:03:27 ID:3vZfgGfU0
本祭乙ー

262名も無きAAのようです:2013/12/26(木) 14:42:46 ID:IKyHSPQ60
本祭乙!

263名も無きAAのようです:2013/12/26(木) 21:25:08 ID:gFVu8BtE0
幾つか感想


( ・∀・)『 祝福のようです 】(゚、゚トソン

上げて落として、作者の意図に見事にはまった気がする作品。心の中で笑ったり叫んだりしてた。
正反対の祝福の作用の仕方が楽しかった。
幸せになれよー、と祝福を送りたい。


crossing of blessing のようです

途中、お前らアレのこと忘れてんだろwwと思ったがそれはそれ。
関係のなかった人たちが、不思議な所で繋がって、助けられていく。
そんな連鎖がクリスマスの奇跡なんだろうなぁ。心が温かくなった。


川 ゚ -゚)さみだれホワイト夢めぐりのようですo川*゚ー゚)o

夢みたいな夢と、覚めてから。
最初はどこか不安定で切なくてちょっと怖かったけど、最終的には凄く温かかった。
キュートがとても可愛い。これからの彼らをもっともっと見ていたい。


川 ゚ -゚)始まっていないし、終わらないようです

言ってしまえば、恋と友情の物語。だけど、王道だからこそ共感できる部分。
最後の一文がとてもいい。好きだ。
勘違いされがちで、ちょっと偏ってる川 ゚ -゚)だけど、周りもいい人だなぁ。

264名も無きAAのようです:2013/12/26(木) 23:13:46 ID:ngbQJstY0
後夜祭始まってるのかな……?

( ゚∀゚)聖夜に彼らは出会うようです
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_1437.png
最後の一文でおおっと思った
読みながら首をかしげたとこがいくつかあったんだけど、この一文でなるほどーっと
いいほのぼのでした祝福乙

265名も無きAAのようです:2013/12/27(金) 19:26:09 ID:wHXYleBk0

( ・∀・)『 祝福のようです 】(゚、゚トソン
http://blog.livedoor.jp/colored_pencil/archives/1796738.html

意図の分かりやすいタイトルで、祭りとか関係なく開きたくなる
切り取って絵になるような印象的なシーンがあって雰囲気で魅せる話だと思っただけに
『祝福効果』『願望反転』みたいな能力バトルじみた単語が浮いてたのはちょっと残念だったかな
トソンがひたすら不憫だったお話
祝福が人生にどんな影響を与えてきたのか想像するのは楽しかった


从 ゚∀从5分間の祝福のようです
http://blog.livedoor.jp/colored_pencil/archives/1829922.html

かわ! いい!
色鉛筆のやさしいタッチが吐息や雪にぼやける冬の景色を思わせる
一枚目のちんまりしたデフォルメ絵も好き
女の子らしい感じのハインでした

266名も無きAAのようです:2013/12/27(金) 19:41:19 ID:GXLhpKTcO
23時まで後夜祭だっけ

今祭はトソンが複数の作品でヒロイン各として頑張っていた印象がある
二つはミセリに絡んでいただけともいう

267名も無きAAのようです:2013/12/27(金) 20:20:28 ID:1vLP.TDs0
感想絵描きたいけど、時間が足りない…
後夜祭すら遅刻になる場合は小説感想&絵スレに上げればいいかな?

268名も無きAAのようです:2013/12/27(金) 20:32:31 ID:GXLhpKTcO
>>267
感想絵貰えた人は嬉しいだろうしせっかくの祭り作品だから
個人的にはここでも良いんじゃないかなって気がしないでもないけど

269名も無きAAのようです:2013/12/27(金) 20:37:05 ID:fKIsiDD.0
( <●><●>)天使の彫像のようです

切なくも美しい雰囲気の作品。
( <●><●>)が命をすり減らして彫像を完成させる場面が特に好き、ぞわぞわした。
原作の曲は聞いたことはあるけれど、あんまり聞き込んだことはなかったので、今度しっかり聞いてみようと思う。


('A`)聖夜にサンタがやって来たようです川 ゚ -゚)

やっぱりこの二人は良いなあ。回想にあった、中学の時の夏の様子が素敵。
もう一つ印象に残ったのが、混み合った通りのカップル達の表現。鬼気迫る何かを感じた……いや別に泣いてないし


『弾丸に祝福をのようです』

短いけれど、世界観がすごくよく出てて好き。
やっぱり銃器は素敵、みんなかっこいい。


( ゚∀゚)聖夜に彼らは出会うようです

最初、随分展開が急だなと感じたけど、最後の一文で変な声出た。
見返してすごく納得、ほっこり。
二回目以降は、全ての場面が微笑ましく感じる作品。


僕とシューちゃんの結婚披露宴へようこそ!!のようです

前半のテンションの高さにおおうwwって、ラスト近辺でおおう……ってなった。
目覚めてからの情景描写がすごく好き、魅せ方がうまい。


( ・∀・)『 祝福のようです 】(゚、゚トソン

真逆の祝福を受けた、対照的な二人が印象的な作品。
最後の畳み掛けるような展開がすっごく好き。
(゚、゚トソンにはこれから幸せになって欲しい。
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_1439.jpg


どの作品も本当に素敵だった、祝福乙です。

270名も無きAAのようです:2013/12/27(金) 22:14:09 ID:wHXYleBk0
( ゚∀゚)聖夜に彼らは出会うようです
http://blog.livedoor.jp/colored_pencil/archives/1829887.html

なるほど。なるほど?
改めて読むとツンの語りがあまり自然でないのと、
「怪我人」と言ってしまってるのはマイナスだなー
でも、読後感は悪くなかった
こういうほのぼのとした話は好き


川 ゚ -゚)始まっていないし、終わらないようです
http://blog.livedoor.jp/colored_pencil/archives/1830472.html

おー、綺麗
単にタイトルが利いている話が好きなのもあるが、読後感が良い
出だしの物騒な物言いに笑ってしまったけど、
クーの趣向から言えば自然なのかな、人付き合いに長けていそうではないし
小さな成長の物語。大人になるってこういうことかもね、面白かった

271名も無きAAのようです:2013/12/27(金) 22:42:54 ID:wHXYleBk0

僕とシューちゃんの結婚披露宴へようこそ!!のようです
http://blog.livedoor.jp/colored_pencil/archives/1847765.html

うるさい、以上の感想が出てこない……www
ある意味現実より救いのあるオチかもしれない、乙


('A`)聖夜にサンタがやって来たようです川 ゚ -゚)
http://blog.livedoor.jp/colored_pencil/archives/1847892.html

今より確実に鮮やかに光り輝いていた、子供の頃に広がっていた世界を垣間見た
牛乳瓶のふたとか集めるのに必死だったあの頃ね
ナリダスの消え方素敵じゃないですか
風船もなんでか好きだったよなぁ、デパートで配ってたりすると心が躍ったもので

純粋さを思い出させてくれる良作でした
ドクオらしい妬み僻みといった感情も含め、子供っぽさに溢れている

272名も無きAAのようです:2013/12/27(金) 22:59:29 ID:B4cWbki.0
川 ゚ -゚)さみだれホワイト夢めぐりのようですo川*゚ー゚)o

はじめは何が起こっているんだと置いてかれ気味だったけど、無秩序に出てきたいろんなものたちが川 ゚ -゚)の人生にかかわるものだと気づいた時におぉぉとなった。
あのアイテムは、この出来頃につながるのかとワクワクしながら読んだ。
雰囲気の変わる後半は、涙がボロボロとでてきた。
主人公の不器用さがたまらなく愛しい。('A`)GJ! なんかもう、本当に幸せになれ!

273名も無きAAのようです:2013/12/27(金) 23:17:14 ID:B4cWbki.0
从 ゚∀从5分間の祝福のようです

ハインの冬の一コマ。何が起こるってわけじゃないんだけど、こういうのんびりとした時間は好きだなぁ。
そえられたイラストが可愛くて、これはとてもいいものだと思った。
短いんだけど、なんだか暖かい気持ちになれた。ホットワインが飲みたくなってきた。


(゚、゚トソンケーキより甘い友情に祝福をのようです

百合! 百合!
アグレッシブに迫ってくる(゚、゚トソンがいろんな意味でやばいw
とりあえずミセ*゚ー゚)リさんは全力で逃げた方がいい。
なんというかこの二人がキャッキャしてると、安心感があっていいな

274名も無きAAのようです:2013/12/27(金) 23:38:51 ID:B4cWbki.0
( ゚∀゚)聖夜に彼らは出会うようです

途中で、ん? とは思ったけど、綺麗に騙された。
シンプルなんだけど、とっても好き。
最後まで見てから読み返すと、ξ゚⊿゚)ξの態度ががらりとかわって見えるのがとてもいい。
このξ゚⊿゚)ξには幸せになってもらいたいなぁ、とてもいい女だ。



川 ゚ -゚)始まっていないし、終わらないようです

タイトルが絶妙だなぁと。ラストの一文が、とても好き。
最後まではっきりと表されることのなかったブーンに対する感情が、タイトルの『まだ始まっていない』という言葉にピッタリで切なくなった。
ブーンへの思いは始まらなかったけど、いつかは始まる新しい恋が幸せなものになるといいなぁと思った。

この話、ヒートとのやりとりがリアル姉妹っぽくてとてもかわいい。
仲の良い姉妹なんだろうなぁ。

275名も無きAAのようです:2013/12/27(金) 23:57:07 ID:B4cWbki.0
( <●><●>)天使の彫像のようです

元ネタにはない、芸術家夫妻のやりとりがとても魅力的だった。
病弱じゃなくて、強情で強気な奥様がすごく魅力的だった。いい奥さんだったんだなぁ。
彼の妻に対する愛情と嘆きが、胸にグッと来た。彼のしたことは許されないんだけど、その気持はわからなくもないなぁ。
彼が現実の息子とちゃんと向きあえていたらどうなっていたんだろうと、そんなことをつい考えてしまう話だった。


くたびれミセ*゚ー゚)リのクリスマスのようです

ミセ*゚ー゚)リと(゚、゚トソンの掛け合いが強烈で面白かったw
けっこうひどいこと言ったりやったりしてミセ*゚ー゚)リを振り回し続ける(゚、゚トソンだけど、ミセ*゚ー゚)リが好きなのがなんだかんだで分かるのが可愛い。
そして、彼女のことをなんだかんだで理解しているミセ*゚ー゚)リの姿もかわいい。
この二人、本当にいいコンビだなぁ。

276名も無きAAのようです:2013/12/28(土) 00:13:29 ID:1XiGjuSIO
もう28日か
本祭も後夜祭も含めてみんな乙かれ様でしたー

277名も無きAAのようです:2013/12/28(土) 00:30:43 ID:BX2CsBJ60
主催の本気マダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン

278名も無きAAのようです:2013/12/28(土) 00:40:54 ID:NfUISA12O
投稿者さん達も勿論乙だけど、主催引き継いだ◆6jiCjk8pbEもほんとに乙。
これだけ荒れた企画が祭として形になったのは、新主催が頑張ってくれたお陰だと思ってる。
企画ラッシュのほとぼりが覚めた頃にでも、今度はあんた発案の祭に乗ってみたい。


…ところで本気マダー?

279 ◆6jiCjk8pbE:2013/12/28(土) 01:02:49 ID:C.47vl2w0
皆さんお疲れ様でした
たくさんの作品、感想、絵をありがとうございました
結局感想は間に合わずこんな時間になってしまい申し訳ありません

特に進行などしていなかったですが、このお祭りが続いたのはブーン系が好きな皆さんがいたからだと思います
感想はなんらかの形でどこかに投下できたらいいなぁと……

楽しい期間をありがとうございました

それでは良いお年を

280名も無きAAのようです:2013/12/28(土) 07:34:42 ID:3kXwTgEUO
乙!

281名も無きAAのようです:2013/12/28(土) 18:14:00 ID:F.hTFAGs0
ごめんねカーチャン盛大に遅れてごめんね


('A`)聖夜にサンタがやって来たようです川 ゚ -゚)
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_1443.jpg

クリスマスを祝えなかったドクオの、最後の「子供のクリスマス」のお話。
「サンタさんの来る子供のクリスマスはもう終わったけど、
お前はこれからいくらでも大人としてクリスマスを祝えるんだよ」って伝えたくなるけど、
きっと言わなくたって本人が一番わかってんだろうなあ。

282名も無きAAのようです:2014/01/02(木) 10:31:27 ID:FaDH09jQO
>>281
遅れたけど、GJ!
話に出てきたモチーフがいっぱいで、見てるだけでも楽しい
おまえさんの絵は愛を感じて好きだ

284名も無きAAのようです:2015/03/14(土) 19:28:00 ID:vWD121aQ0
( ^ω^)


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