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( ^ω^)達はアインクラッドを生きるようです。
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どーも作者です。
新しく作らせてもらいました。
設定だけ作っておいて最初の二話で終わる予定だったこの話がこれだけ続くことになろうとは。
半分くらいは終わっている予定なので、もう少しお付き合いいただければ幸いです。
話の投下の前に、各人の見た目データと大まかな設定を載せておきます。
この話は
川原礫著
『ソードアート・オンライン』シリーズのアインクラッド編を基に書かせていただいています。
基本的に設定を順守しているつもりですが、拡大解釈とまだ書かれていない設定に関しては想像で書いているので、その旨ご容赦の上、お楽しみいただけますようお願い申し上げます。
まとめ
ブーン芸VIP様
http://boonsoldier.web.fc2.com/
大変お世話になっております。
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川 ゚ -゚)「ああ」
( ゚∋゚)「分かった」
クーが花壇に近寄り、素材と作成用のアイテムを取り出す。
クックルは花壇を挟んで反対側にしゃがんだ。
その手にはお守りと栽培用のアイテムが持たれている。
川 ゚ -゚)?
クーの左側に立つモナー。
川 ゚ -゚)「どうしたモナー?」
( ´∀`)「見学もな」
川 ゚ -゚)「まあいいが」
首をかしげながらも袋とお守りを手にするクー。
左手で持ったそれを右手に持った指揮棒のようなアイテムでタップする。
川 ゚ -゚)「本来ならどこかに置いた方が良いが、
地面に置くのもな」
そう言いながら現れたウインドウを操作すると、
まばゆい光が素材とした二つのアイテムから発せられた。
川 ゚ -゚)「うむ……うをっ!」
満足げに頷いていたクーであったが、突然大声を出した。
( ´∀`)「クー!」
モナーが光の中に両手を差し入れ、生成されたアイテムを両手でつかんだ。
川;゚ -゚)「すまないモナー。突然かなり重たくなって驚いた」
( ´∀`)「クックル!埋めるもな!きっとすぐに水が出てくるもな!」
(;゚∋゚)「お、おう」
.
-
すぐそばでその情景を見て驚いていたクックルだったが、
モナーに促されてお守りと地面を素早くタップした。
モナーが両手で持った布袋、クーが生成したそれから液体が滴り始めたのは、
クックルが地面にお守りを植えることが出来た直後だった。
川 ゚ -゚)「これはもしや…」
( ´∀`)「お酒、日本酒もなね」
_
(*゚∀゚)「旨そうな香りだな」
( ´∀`)「飲んだらダメもなよ」
_
( ゚∀゚)「ひとなめ」
( ´∀`)「どれくらいの量が出来るか分からないからダメもなよ」
川 ゚ -゚)「そうだな。
徐々に滲み出す量は増えているようだが、いつまで続くのか」
( ´∀`)「文面に『しぼる』ってあったもなから、
力を加えてみるのもいいかもなね」
(´・ω・`)「モナーは分かってたの?こうなるって」
( ´∀`)「文面が『しぼる』だったのと、
出来た袋が酒袋に似ていたもなから、
もしかしてと思ったもなよ
それに日本酒はお神酒として扱われることもあるから、
【祓いの水】としての素質はあるのかもとも思ったもな」
ニコニコとしているモナーを尊敬のまなざしで見るメンバー達。
( ´∀`)「さて、これで後はクックルが植えた種を育ててくれればよいもなね」
(´・ω・`)「警戒!カウントが始まった!」
.
-
ショボンが張り詰めた声で指示を出すと、
その声に反応し、
ドクオ、ブーン、ツン、ジョルジュ、兄者、弟者、モララー、フサギコが、
武器を構えてあたりを警戒する。
それを見て、慌てて武器を構えるギコとしぃ。
('A`)「といってもカウンターが回り始めただけなのか…」
( ^ω^)「それはそれで時間が短くなって嫌だおね」
(´・ω・`)「え…なにこれ」
ショボンが狼狽えたように漏らす。
それに驚いたメンバーだったが、すぐにその言葉の意味を悟った。
(´<_`;)「これは…」
( ´_ゝ`)「多いにもほどがあるだろう」
(;・∀・)「これ全部倒すのか?マジで?」
エリアの中央からポップする大きさは自分達とそれほど変わらない赤鬼と青鬼。
そして周囲の木々の間からもわらわらと現れる。
(;^ω^)「と、とりあえずやってみるかお?」
(´・ω・`)「クックルは引き続き花壇で栽培!
クー、モナーは参戦!
クックルを扇のかなめにして、
左からしぃ、ギコ、兄者、ドクオ、モナー、モララー、ジョルジュ、クー、フサ、弟者、ブーン、ツン!
僕は後ろから投擲と指示を出す!
前には出ないでやってきた敵を潰すことだけを考えればいい!
いざとなったら撤退するからその時は即行で逃げるよ!」
「「「了解!」」」
ショボンの指示通りに半円状に描きながら並ぶ12人。
.
-
その間も全体を見て敵の数を数えていたショボンだったが、
あまりの数に数えることをあきらめかけた時、
赤鬼が棍棒を振り上げてギコに襲い掛かった。
(,,゚Д゚)「ゴルァ!」
棍棒を片手剣ではじく。
そして流れるように二閃。
鬼の身体に二つの線が走り、
HPを大幅に削る。
のぼりのような剣は、確かに強かった。
(,,゚Д゚)「…結構良いぞ」
(*゚ー゚)「ギコ君……」
ギルドに入って二ヶ月の二人も、
戦闘中に無駄口を叩くというこのギルドの悪癖に馴染んできていた。
しかし敵側にはそんなことに付き合う筋合いは無く、
容赦なく襲いかかる。
(*゚ー゚)「はっ!」
青鬼の錫杖を避け、その懐に入るしぃ。
そしてそのまま短剣を縦横無尽に振るう。
青鬼「ぐわああああああ!」
雄叫びをあげて硬直した敵を放置してバックステップで離脱。
更にギコを狙っていた赤鬼に一撃を与えた。
( ´_ゝ`)「二人とも強くなってきているな」
('A`)「まだまだこれからだけどな」
( ´_ゝ`)「どっくんは厳しいなぁ」
('A`)「どっくん言うな」
.
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(´・ω・`)「青鬼は赤鬼に比べてHPを大きく削れていない!
動きを止めるだけだから気を付けて!」
比率的に赤鬼の方が多かったのと、
波状攻撃を仕掛けてくる敵への対応によって、
前線にいる十人は最初の数撃では明確に気付けていなかったが、
後ろで状況を読んでいたショボンが気付いた。
(´・ω・`)「通常武器による攻撃を試す!」
ショボンの投げたナイフが青鬼の眉間を貫く。
大きく減るHP。
('A`)「どうするんだ!」
(´・ω・`)「確認終了!
攻撃力がそれほど高くない桃木シリーズを使っている、
ドクオ、ブーン、ジョルジュ、弟者、モララー、しぃは通常の武器に変更して!
カウント5で兄者とモナーとクーはスキルで波状攻撃!
同タイミングでチャクラムの全方位攻撃を繰り出すから、
そのタイミングで該当者は下がって武器変更!
スキル後の硬直は3未満で抑えること!
武器変更も同じく!
残った面子は範囲技の後のフォローを!
行くよ!
5!」
ギコとしぃの顔に緊張が走る。
何度か練習はしているが、緊迫した実践の場では初めてのコンビネーション。
(´・ω・`)「4!」
( ´_ゝ`)「しぃ!下がれ!ギコは前に出て溜めの長いおれのフォロー!
技は使うな!攻撃より弾くことメインにするんだ!」
(,,゚Д゚)「ご、ゴルァ!」
(*゚ー゚)「は、はい!」
.
-
(´・ω・`)「3!」
普段からは考えられない鋭い兄者の指示に戸惑いながらも体が動く二人。
(,,゚Д゚)「ゴラァ!」
(´・ω・`)「2!」
兄者の【鬼殺し】が青白く光る。
(´・ω・`)「1!」
モナーとクーの武器もそれぞれに光る。
(´・ω・`)「ゴー!」
( ´_ゝ`)「どりゃああああ!」
( ´∀`)「モナあああああ!」
川 ゚ -゚)「はっ!」
ショボンの掛け声と同時に繰り出されるそれぞれの範囲攻撃技。
三人の特殊武器による攻撃は赤鬼のHPを削り、青鬼の動きを止める。
ショボンの通常武器による範囲攻撃は青鬼のHPを削り、
赤鬼の動きを止めることに成功した。
(´・ω・`)「やっぱりか…」
武器が手元に戻ってきてからの長い硬直に身構えつつ、
それでも全員の動きを視界にとらえながらショボンが叫んだ。
(´・ω・`)「通用武器は青を削って赤を止める!
専用は逆!
僕は六秒の硬直を起こすからその間は頼む!」
「「「了解!」」」
全員の声を聴きながらショボンが帰ってきたチャクラムを掴む。
固まるからだ。
その歯痒さにはやる心を抑えるために、
全員を見渡せる位置で、
顔を上げて武器を戻していた。
.
-
元からのメンバーはもとより、
ギコとしぃも武器による特性を意識した戦いをしていることに安堵する。
傍にいる兄者が時折指示を出しているとはいえ、
入った頃の動きを思えば格段に進歩をしていることが分かる。
(´・ω・`)「でも…数が多すぎる」
視界の隅のカウントに目をやり、
全員がポリゴンに変えていく敵の数を見て逆算。
(´・ω・`)「ぎりぎりか…むりか…」
( ゚∋゚)「ショボン!」
もう一度全方位攻撃をしようかと武器を構えようとした時に、
クックルに声をかけられた。
(´・ω・`)「クックル!何か生えた!?」
( ゚∋゚)「これだ!」
(´・ω・`)「……へ?」
クックルから渡されたのは、枡。
木製の、正月に酒などが注がれる木製の四角い器である。
(´・ω・`)「…これができたの?」
( ゚∋゚)「ああ。
小さな木が生えてきたと思ったら、これが生った。
なかなかの風景だった」
そして中には、豆がぎっしりと詰まっている。
(´・ω・`)「これって…もしかして…」
( ゚∋゚)「おそらく」
(´・ω・`)「だよね。
いくつあるの?」
.
-
( ゚∋゚)b「全員分ある」
(´・ω・`)「あ、そう。
……そっか。二月か。
節分か…。なるほどねー。
鬼だし桃太郎とか一寸法師だから御伽草子系かと思いきや、
節分か」
疲れたように呟くショボン。
(´・ω・`)「…完全にお祭りイベントだったってことなのか」
( ゚∋゚)?
(´・ω・`)「なら、楽しまないとだね」
一瞬眉間に皺を寄せた後、満面の笑みを見せるショボン。
(´・ω・`)「クックル!みんなに配るよ!」
枡を片手に走り出すショボン。
( ゚∋゚)「お!おう!」
(´・ω・`)「おにはそと!!!」
片手一杯に握りしめた豆を思いっきり投げるショボン。
( ゚∋゚)「ふくはうち!」
その横で間髪を入れずにクックルが投げる。
突然のギルマスの狂行におどろくが、
豆を受けた鬼が数発の豆を受けただけで消えていく様を見て、
状況を察する。
_
( ゚∀゚)「おれの豆は!?」
( ゚∋゚)「全員分あるから一人一つずつ持って戦え!」
.
-
(´<_` )「よっしゃ!」
(*´_ゝ`)「こういうイベントもあるのか!」
ミ,,゚Д゚彡「たのしいから!」
( ・∀・)「まったくさっきまでのシリアスはなんだったんだ」
( ´∀`)「こういうのもいいもな。
ビーグルも楽しいもなね」
▼*・ェ・▼「きゃん!」
('A`)「久しぶりのクエストがこれか…」
川*゚ -゚)「そうか?いいじゃないか」
ξ*゚⊿゚)ξ「実はあんたこういうの好きなのよね」
( ^ω^)「おっおっお。ツンも好きだおね」
それぞれに枡を手にして豆を投げ始めるメンバー達。
鬼の数はそう減らないが、武器で倒すよりは効率が良いのは誰が見ても明らかだった。
(,,゚Д゚)「ゴルァ…」
(*゚ー゚)「ギコ君?」
(*,,゚Д゚)「おれ達も行くぞしぃ!」
(*゚ー゚)「うん!やろう!」
後方に下がりメンバーの行動を呆然と見ていた二人だったが、
笑いながら楽しそうに豆を投げている彼らを見て、
笑顔で枡を持って戦線に参加した。
残り時間は、10分。
.
-
_
( ゚∀゚)「よし、そろそろ終わるかな」
ξ*゚⊿゚)ξ「おりゃあ!しね!」
('A`)「あらかた終わったな」
川*゚ -゚)「うりゃ!うりゃ!消えろこら!」
( ・∀・)「…ブーン」
( ^ω^)「お?」
( ´∀`)「……ショボン…」
(´・ω・`)「なに?モナー」
( ・∀・)「ツンとクー、ちょっとストレスとか溜まってないか?」
( ´∀`)「解消させてあげなきゃだめもなよ」
( ^ω^)「お??」
(´・ω・`)「ブーンにツンの事を頼むのはともかくとしても、
あの二人は前からあれが普通だよね?ブーン」
( ^ω^)「そうだおね」
(;・∀・)「あ、そうなんだ」
(;´∀`)「そうもなか」
一部の追いつめるメンバーと、それを後ろから見守るメンバー。
残り時間が、6分を切ろうとした。
.
-
突然揺れる大地。
森の影から現れる大きな影。
その大きさは先に戦った二匹よりも一回り程大きい。
(´・ω・`)「まずは鬼を掃討!
残りは武器装備!
豆も試すよ!」
まだエリア内に入ってこないその影を確認した瞬間に走るショボンの指示。
楽しそうに鬼を追い詰めていた二人と数名も真剣な顔になり、
十匹ほど残っていた鬼を一気に消しはじめる。
それ以外のメンバーはそれぞれ武器を二つ実体化させ、
どちらでも対応できるよう準備を始めた。
残りの鬼をすべて消した時、巨大な影がしっかりと姿を現した。
川 ゚ -゚)「マーブル模様?」
ξ゚⊿゚)ξ「美的センスが無さすぎる」
遠目で見るとまだらな紫。
よく見ると赤と青が絡まった肌の色。
三本の角をもった鬼が、両手を空にあげて威嚇した。
(;,,゚Д゚)「ゴルァ」
(;*゚ー゚)「こ、これは…」
('A`)「んじゃまあおれから」
息を飲む二人をよそに、
いつの間にか足元に移動していたドクオが桃木の剣で片足を一閃。
しかしそれほどHPは減らない。
( ^ω^)「じゃあこっちかお!」
風の様に飛んだブーンもドクオが切ったのと同じ足を通常の武器で一閃。
しかし減ったHPは同じくらいだった。
.
-
ミ,,゚Д゚彡「だったらこれだから!」
ブーンの後ろから続いて走ってきたフサギコがイベント用武器で一閃。
先程よりも減らしたようだが、格別というわけではない。
ξ#゚⊿゚)ξ「あーもうまったく!」
更にその後ろから走りこんだツンが爪楊枝で一閃。
フサギコよりも更に少しだけ減らす量が多かったが、それでも微々たる違いだった。
一撃離脱を持って距離を置く四人。
_
( ゚∀゚)「げっ」
( ´_ゝ`)「この武器でも無理か」
( ´∀`)「他にもあるもなか?」
( ゚∋゚)「そしたらこれだ!」
豆を投げるクックル。
紫鬼「ぐりゅああああ!」
布が巻かれた両手を振り下ろして豆を薙ぎ払う紫鬼。
(´<_` )「結局豆か!」
武器による攻撃は全く防御態勢を取らなかった紫鬼であったが、
豆による攻撃には当たる前に対応した。
それをみて全員が豆を構える。
(´・ω・`)「やるよみんな!」
「「「「「おーーーー!!!!」」」」」
紫鬼を囲んで豆を投げるメンバー。
流石に全方位からの攻撃によって豆を体に受けてしまい、
HPを徐々に減らしていく。
.
-
(,,゚Д゚)「でもなかなか減らないぞゴルァ!」
(´・ω・`)「さっきの子鬼よりは耐久値が高いみたいだね」
残りの時間はまもなく2分。
( ^ω^)「あと一本だお!」
三本あったHPバーを、残り一本まで減らした。
勢いに乗って更に攻撃を加える。
そして最後のバーが赤く変わった。
紫鬼「ぎゃりゅあああああああ!!」
その瞬間、雄叫びと共にジャンプする紫鬼。
(´・ω・`)「散開!各自防御!」
攻撃としての跳躍には見えなかったが、まずは距離を取って防御をする。
その読みは当たり、紫鬼はただジャンプしただけであり、
着地は飛んだのと同じ場所であり、
武器も何も持っていないため地響きを上げただけだった。
いや、土煙が上がり、割れた大地も空に巻き上がった。
(;´・ω・`)「防御!」
土を飛ばすことによる攻撃。
土煙による視界を塞がれること。
それによる死角からの攻撃。
それを危惧して防御をするが、土も煙も自分達には向かってこない。
(´・ω・`)「ん?」
('A`)「なんもこない…だと?」
(,,゚Д゚)「ご、ゴルァ。こ、これはなんだ?」
.
-
土煙が紫鬼を包んでいる。
風がギコの後ろから吹き、
そのためギコが一番最初にその姿を目にした。
(*゚ー゚)「え?」
( ´_ゝ`)「ん?」
そして全員の目に映る鬼の姿。
鬼は、土によって身体を包んでいた。
( ゚∋゚)「とう!」
とりあえずクックルが豆を投げるが、土によって防がれてしまう。
('A`)「なら!」
即座に剣を手にしたドクオとブーン。
死角から、風の様に紫鬼に近寄り、
土に包まれた足を狙う。
('A`;)「くっ」
(;^ω^)「おっ?」
攻撃を与えることは出来るものの土を落とすことは出来ず、
尚且つ攻撃事態も先ほどどうようたいしたダメージを与えることは出来ない。
ミ,,゚Д゚彡「ふさもやるから!」
刀を緑色に輝かせたフサギコが紫鬼に近寄り連撃を与える。
.
-
(´<_` )「あれでもだめか」
( ´_ゝ`)「あの隙間を狙えば行けるんじゃないか?」
_
( ゚∀゚)「おっ。土がついてねぇ。
って、胸とか頭とかじゃねえかよ。
流石にあれは届かないし、スキルでジャンプしたら狙い撃ちされるんじゃね」
( ´_ゝ`)「ああ、だから」
( ゚∋゚)!
( ´∀`)「そうもなね。ここはひとつ…」
全員が、戻ってきたドクオ達三人も含めて全員が、
ある一人を見る。
( )「そう!この場はこの僕!」
枡から一粒の豆を取り出し、空高く掲げる。
.
-
(´・ω・`)「このショボンさま
.
-
ξ#゚⊿゚)ξ「さっさとやりなさい!」
.
-
(´・ω・`)「におま……はーい。
最後まで言わせてくれてもいいのに…」
川 ゚ -゚)「またタイムアップしたら恨まれるぞ」
(´・ω・`)「ちゃんとやってるって」
摘まんだ豆を一つずつ、けれど物凄い速さで飛ばすショボン。
豆はまるで吸い込まれるようにひとつ残らず紫鬼を覆う土の割れ目に入っていく。
その都度苦痛のうめきを上げる紫鬼。
(*゚ー゚)「……」
(,,゚Д゚)「……」
( ´∀`)「どうしたもな?」
(*゚ー゚)「あ…いえ…」
(,,゚Д゚)「……ゴルァ」
(´<_` )「まあ、とまどうよな」
(*゚ー゚)「あ…いえ…」
(,,゚Д゚)「……ゴルァ」
( ゚∋゚)「シュールな絵だしな」
(*゚ー゚)「え…あ…はい…」
(,,゚Д゚)「……ゴルァ」
( ´∀`)「すぐ慣れるもなよ」
(´<_` )「日常だからな」
( ゚∋゚)「うむ」
(*゚ー゚)「はあ…」
(,,゚Д゚)「ゴルァ…」
周りで喋っている間に、
13秒を残して紫鬼を倒すことに成功した。
.
-
「「「「「かんぱーい!」」」」」
.
-
おいショボンw
-
VIPのホームでは、完勝会が行われていた。
(*´・ω・`)「みんなおつかれさま」
▼*・ェ・▼「きゃん!」
ホクホク顔のショボンが、ビーグルを抱きかかえたままグラスを傾ける。
川 ゚ -゚)「そんなに良かったのか?」
(´・ω・`)「うん。サンタの袋ほどじゃないけど、容量また増えたよ」
( ´∀`)「それはよかったもなね」
ξ゚⊿゚)ξ「そういえば、ちゃんと聞いてなかったけどなんで今回のクエストやったの?
あんたにしちゃ終りの情報が無い戦闘有りのクエストに参加するなんて、
良く決めたわよね。いくらあのバカがやりたいってわがまま言ったからって」
(´・ω・`)「なんかね、凄くやりたがってたんだよ。
で、調べたらタイムアップありだし閉じ込められ系でも無いから、
いざとなったら逃げられるだろうと思ってさ。
それに、ギコやしぃにチーム戦を教えるにはちょうど良いかなとも思って」
( ^ω^)「ジョルジュは何でやりたがったんだお?」
(´・ω・`)「よく分からないんだけどね。
まあやりたいって言った責任ってことで、
獲得アイテムを着させているから、そろそろ来るんじゃないかな」
川 ゚ -゚)「獲得アイテム?」
(´・ω・`)「うん。ドクオとふさに付き添いと言う名の見張りを頼んでるから、
逃げ出したりはしないと思うけど」
ξ゚⊿゚)ξ「見張り?」
クーとツンが不思議そうな顔をする中、
ドアが開いた。
.
-
('A`)「鬼がでたぞー」
入ってきたドクオが棒読みで言うと、
後ろから入ってきたフサギコが続ける。
ミ,,゚Д゚彡「お、おにがきたぞー」
ドクオが呆れ顔なのに対し、フサギコは笑顔だ。
そして部屋の中にいたメンバーが不思議そうに見つめる中、
ドアから鬼が現れた。
∧_ ∧
( ゚∀゚)「わ、わるいこはいねがー」
頭には角が付いたヘアバンド。
手には棘が付いた金棒。
そして体は虎縞パンツ一枚。
そんな姿のジョルジュが、現れた。
そして訪れたのは静寂。
誰も何も言わず、呆然とジョルジュを見つめる。
…
…
…
…
ξ゚⊿゚)ξ「さむっ」
ツンの一言で、やっと笑いが起きた。
川 ゚ -゚)「女性の前でなんという格好をしているんだ。
本当にセクハラだぞ」
∧_ ∧
( ゚∀゚)「お、鬼装備って言うレアアイテムだったんだよ!」
川 ゚ -゚)「というか、今ジョルジュが言ったのはなまはげで、鬼じゃないんじゃないか?」
∧_ ∧
( ゚∀゚)「え?そうなの?」
.
-
( ´∀`)「なまはげも鬼の一種もなけど、節分で豆を投げられる鬼とはちょっと違うもなね。
言われているのは節分の鬼は地獄からの使いや住人で、
なまはげは髪からの使いとか言われたりするもな」
モナーの知識に本日二度目の感嘆の声が上がる。
∧_ ∧
( ゚∀゚)「えっと…」
( ゚∋゚)「とりあえず、豆まきはしておくか?」
(´・ω・`)「そうだねー」
∧_ ∧
( ゚∀゚)「え?」
クックルが枡を持つ。
そしてそれぞれにテーブルに置かれていた枡を手にする。
(*゚ー゚)「…そのために置いてあったんですね」
( ´∀`)「ほら、しぃとギコも持つもなよ」
(,,゚Д゚)「やるぞゴルァ」
(*゚ー゚)「はい!」
∧_ ∧
( ゚∀゚)「え?こういうのってもうギコの役目になるんじゃ」
( ´_ゝ`)「あきらめろ」
にやりと笑った兄者がすぐ横で構えた。
.
-
「「「「「「おにはーそと!
ふくはーうち!」」」」」
.
-
期間限定クエスト【鬼から街を守れ】無事終了。
終
.
-
本筋も待ちどうしいけど、やっぱりこういう日常編もいいな
それにしてもジョルジュの扱いが哀れすぎるw
乙おつ
-
おっつおつ
-
以上、なんとか節分前に投下できてほっとした閑話でした。
ネタ自体は去年にできていたのでもっと早く投下できればよかったのですが、
ギリギリになってしまって後悔です。
さて、昨年の話及びラストに関しては色々と感想をいただけまして、
本当にありがとうございます。
次の話は勿論ラストまでの道筋は決めてありますが、
書いていただいた感想に対しての答えは話の中に織り込むことが出来ればなと思っております。
出来るかどうかわかりませんが。
感想とおつ、本当にありがとうございます。
物凄く励みになります。
次回は本編の予定でしたが、
埋める分を閑話にするかもしれないです。
そこら辺はネタの出具合で。
今回も読んでいただけまして、ありがとうございました。
また宜しくお願いいたします。
ではではまたー。
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ギリ遭遇できなかった!
これから読むぜ、乙
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閑話おもろいわーw
>>954の髪の使いは神の使いの誤字ですかね?
おつです
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まさかここでショボン様にやられるとはwww
もうショボンに豆を投げられたい
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前回のシリアスから一転、かわいい雰囲気に和まされました。
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>>951
そその通りです!
髪と神を間違えました。
ご指摘ありがとうございます。
乙と感想、本当にありがとうございます。
次も早めに投下できるようがんばります!
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|
| 彡⌒ミ
\ (´・ω・`)また髪の話してる
(| |)::::
(γ /:::::::
し \:::
\
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第H話 閑話 ちょこのどれい
モンスターの出る森を、彼女たちは歩いていた。
(*゚ー゚)「トソンさんの加入はそんな経緯だったんですね」
(゚、゚トソン「お恥ずかしながら」
从 ゚∀从「うをりゃあああああ!」
(*゚ー゚)「いえいえ、ぜんぜん恥ずかしくなんてないですよ。
恥ずかしさで言うなら、私達の方がよっぽど」
ξ゚⊿゚)ξ「はっ!」
(゚、゚トソン「あ!聞いてますよ。
大変だったらしいですね」
从 ゚∀从「とりゃ!」
(*゚ー゚)「えー。誰に聞いたんですか?」
ξ゚⊿゚)ξ「とうっ!」
(*゚ー゚)「恥ずかしいな」
从 ゚∀从「逃がすか!」
(゚、゚トソン「デミタスさんですよ」
ξ゚⊿゚)ξ「逃げるなコラッ!」
(*゚ー゚)「ということは、デミタスさんに話した人がいるってことですよね」
从 ゚∀从「とりゃ!」
(゚、゚トソン「うちのギルメンは全員知っているかと思いますよ」
ξ゚⊿゚)ξ「覚悟!」
.
-
(*゚ー゚)「もー。
仲良いですから仕方ないですけど」
从 ゚∀从「ツン!そっちだ!」
(゚、゚トソン「ですね」
ξ゚⊿゚)ξ「りょうかい!」
(*゚ー゚)「えへへへへへ」(゚、゚*トソン
从 ゚∀从「よし!」
ξ゚⊿゚)ξ「倒した!」
川 ゚ -゚)「しぃ、トソン…」
(*゚ー゚)「何ですか?」
(゚、゚トソン「はい」
川 ゚ -゚)「警戒を怠ってはいないようだが、
たまには参加してみたらどうだ?」
(*゚ー゚)「え…」
(゚、゚トソン「ですが…」
从 ゚∀从「どうだツン?」
ξ゚⊿゚)ξ「ダメ。ドロップしてない」
从 ゚∀从「やっぱりもっと奥で採取なのか」
ξ゚⊿゚)ξ「そうみたいね」
後ろからクーに話しかけられたしぃとトソン。
フィールドダンジョンの中であるため警戒はしているが、
会話自体は続けられていた。
.
-
(*゚ー゚)「私達」
ハインが長手の鎌を一振りすると、
モンスターがポリゴンへと変わった。
(゚、゚トソン「必要だったんでしょうか」
ツンが細剣を構えて突撃すると、
モンスターがポリゴンに変わった。
川 ゚ -゚)「あー。うん。いや、まあなんだ、その」
▼・ェ・▼「きゃん!」
(*゚ー゚)「ビーグルちゃんもそう思う?」
▼*・ェ・▼「きゃん!」
( ´∀`)「ビーグルはみんなとお出かけが楽しいもなよ」
川 ゚ -゚)「モナーまでお出かけとか」
ため息混じりでクーが呟くと、
三人が困ったような笑顔を見せた。
時は一時間ほど前にさかのぼる。
(*゚ー゚)「『コカオの実』ですか?」
ここは低層と中層の境目ほどのフロア。
『バン・アレン』と呼ばれる街の入口。
転移門の無い街であるため、最寄りの街から歩いて移動してきた。
从*゚∀从「ああ、意中の相手に食べさせれば二人は一生共にいられるらしい。
NPCの間で噂されているだけで、まだ手にした奴はいないらしいけど」
ξ*゚⊿゚)ξ「だからまだ情報屋のデータベースにも載っていなけどね」
.
-
从*゚∀从「だが話自体は去年もあったらしい。
定期的に流れるということは、
おそらくはそういったイベントがあるんだろう」
ξ*゚⊿゚)ξ「バレンタインデーイベントってやつね」
(*゚ー゚)「はあ…」
ξ*゚⊿゚)ξ「反応薄いわね」
从#゚∀从「両思いの相手がいる奴はコレだから」
ξ#゚⊿゚)ξ
(;*゚ー゚)「え、いや、そう言うわけでは…。
って言いますか、ハインさんに怒られるのはまだ納得できるんですけど、
何故ツンさんにも睨まれないといけないのかが」
ξ#゚⊿゚)ξ「別に睨んでなんか無いわよ」
(;*゚ー゚)「は、はい(怖いですって)」
地図を広げてなにやら話し始めた二人から、そっと距離をとるしぃ。
川 ゚ -゚)「ツンは片思いだと思ってるからな」
(*゚ー゚)「…はい?」
背後からクーに話しかけられるが、
そのことよりも言われた内容で変な声を出してしまった。
(*゚ー゚)「で、でも手を繋いで歩いたりとかしたって」
川 ゚ -゚)「ちゃんとした告白は二人ともしてないらしくてな、
ツンにとってはそれがないから恋人じゃないらしい」
(*゚ー゚)「はあ…」
(゚、゚トソン「お相手はブーンさんですよね?」
川 ゚ -゚)「ああ」
.
-
(゚、゚トソン「とても懐の広い良い方だと思いますが、
そう言ったロマンチックな乙女の機微には疎そうな方のように見えますね」
川 ゚ -゚)「なかなか洞察力があるな」
(゚、゚トソン「いえいえ、そんなことは」
( ´∀`)「男は照れ屋さんもなよ」
川 ゚ -゚)「ブーンはただの鈍い男だがな」
(;´∀`)「もなもな」
(゚、゚トソン「そういえば、ハインさんから誘いという名の命令を受けたとこに、
女性だけで行くと聞いたんですが…」
ちらっとモナーを見るトソン。
( ´∀`)「モナーは男もな」
そのままビーグルに視線を移す。
▼・ェ・▼「きゃん!」
( ´∀`)「ビーグルはビーグルもな」
(゚、゚トソン「?」
川 ゚ -゚)「ショボンに今回の実の採取について報告したら、
レベル的には女だけで問題ないけど、
一応モナーとビーグルに同行してもらうよう言われたんだ」
( ´∀`)「ショボンから頼まれたもなよ」
▼・ェ・▼「きゃん!」
(*゚ー゚)「心強いですが、どうしてでしょうね」
川 ゚ -゚)「うむ。
ハインの暴走とかツンがぶち切れ、
ドクオの命とか物騒なことを呟いた後だったから、
思うところはあるんだろうな」
.
-
(;´∀`)「もな?」
(;*゚ー゚)「え?」
(゚、゚;トソン「そ、それはどういう」
川 ゚ -゚)「戦闘として危険ならジョルジュあたりも付けるだろうし、
それに戦闘として本当に危険なら止めるだろうから、
危惧したのは精神的な方で、命の危険は大丈夫だろう。
しかし二人が発狂した時用のスケープゴートならモララーやシャキンを呼ぶだろうから、
何故モナーだけに頼んだのか…。
うむ。わからんな」
(;*゚ー゚)「精神的…ある意味そちらの方が…」
ξ゚⊿゚)ξ「よし!
ルート確認終了!」
从 ゚∀从「一番奥のエリアにランダムで生えているらしい。
ただ途中の敵からドロップできるという情報もある」
ξ゚⊿゚)ξ「採取、ドロップとも取った人の所有物ルール」
从 ゚∀从「負けないけどな」
ξ゚⊿゚)ξ「隊列は、私とハインのツートップ、
後ろのトソンとしぃ。
最後にクーとモナーでよろしく。
これはレベルとして機動性の結果で、
他意はないからね」
从 ゚∀从「その通りだ」
川 ゚ -゚)
(*゚ー゚)
(゚、゚トソン
( ´∀`)
▼・ェ・▼
.
-
ξ;゚⊿゚)ξ「な、無いわよ?
ねえハイン」
从;゚∀从「ああ、もちろん」
川 ゚ -゚)「別に私達は何も言ってないが」
ξ゚⊿゚)ξ「と、とにかく出発するわよ!
クー、地図送ったからルート確認と指示をよろしく」
川 ゚ -゚)「はいはい」
从 ゚∀从「よし、出発だ!」
ξ゚⊿゚)ξ「おーー!!!」
(*゚ー゚)「お、おーー」
(゚、゚トソン「…おーー」
川 ゚ -゚)「はいはい」
( ´∀`)「がんばるもなね」
▼・ェ・▼「きゃん!」
意気揚々と歩き出した二人。
その後ろをしぃ達が続いた。
そして今。
彼女たちは目的の最深エリアに到達する少し前にいた
(*゚ー゚)「万が一私達がドロップさせちゃったらそれはそれで問題が」
(゚、゚トソン「ですね」
川;゚ -゚)「そこまで大人げなくは無いと思いたいが」
( ´∀`)「可能性は高いもなね」
川 ゚ -゚)「モナーまでそんなことを」
( ´∀`)「もなもな」
.
-
从 ゚∀从「終わりだ!」
ξ゚⊿゚)ξ「消えろー!」
(゚、゚トソン「順調に倒してますね」
(*゚ー゚)「ですね」
川 ゚ -゚)「…ま、いいか」
( ´∀`)「もなもな」
▼・ェ・▼「きゃんきゃん!」
その後も二人の攻撃はさえ渡り、
レベルを考慮しても恐ろしいほどのスピードで進んでいった。
从* ゚∀从「到着!」
ξ*゚⊿゚)ξ「よし!採取だ!」
目的のエリアに到着し、
我先にと周囲の木を調査し始める二人。
(゚、゚トソン「結局一回も戦いませんでした」
(*゚ー゚)「レベル差があるとはいえ、
二人とも凄すぎです」
川 ゚ -゚)「これほどとはな」
その後ろから続いて入ってくる4人とビーグル。
( ´∀`)「三人と色々話せて楽しかったもな」
▼*・ェ・▼「きゃん!……?」
( ´∀`)「どうしたもな?」
▼・ェ・▼「きゃん!」
.
-
ビーグルが周囲を見回し、
一本の木の根本に駆け寄った。
( ´∀`)「ビーグル?」
その後をモナーが追う。
(*゚ー゚)?
(゚、゚トソン?
川 ゚ -゚)?
从 ゚∀从「ダメだ、見つからない!」
ξ゚⊿゚)ξ「こっちにもない!」
エリアはそれなりに広いのだが、
採取が出来そうなポイントはそれほど多くはないため、
ハインとツンはその頃にはだいたい調べ尽くしていた。
从 ゚∀从「やっぱりここに来るまでに戦うモンスターからドロップするのか」
ξ゚⊿゚)ξ「もう少し探してみて見つからなかったら、
戻ってみましょう」
頷きあう二人。
その二人を、残りの女性三人がげんなりとした表情で見つめた。
▼*・ェ・▼「きゃん!」
木の根本を掘っていたビーグルが、
何かを見つけ、嬉しそうに振り返った。
( ´∀`)「良いもの見つけたもな?」
モナーが土の中を見ると、
そこにはピンポン球位の大きさをした茶色い玉が5つ埋まっていた。
( ´∀`)「もしかして」
モナーが1つ叩いてウィンドウを出すと、
そこには『コカオの実』と書かれていた。
.
-
っしゃ!支援
-
从*゚∀从「ビーグルえらい!」
ξ*゚⊿゚)ξ「ビーグル最高!」
ビーグルを褒め称える二人。
しかし視線はビーグルを見ておらず、
受け取った『コカオの実』をじっと見つめている。
川 ゚ -゚)「まったく。
二人とももっとちゃんとビーグルに感謝しろよ」
从*゚∀从「これでどっくんと」
ξ*゚⊿゚)ξ「これでブーンと」
(*゚ー゚)「聞いてませんね」
川 ー -ー)「まったく…」
(*゚ー゚)「クーさんもショボンさんにそれで何か作ってあげるんですか?」
川 ゚ -゚)「私が?ショボンに?何故?」
(*゚ー゚)「え?だ、だって、その」
川 ゚ -゚)「?何故だ?」
(*゚ー゚)「なんでもありません」
川 ゚ -゚)「時々しぃは変なことを言うな」
(゚、゚トソン「作ると言えば、
ハインさんは料理関係のスキルを持ってましたか?」
(*゚ー゚)「あ!そういえばツンさんは持って…」
从 ゚∀从「持ってない」
ξ゚⊿゚)ξ「持ってない」
(゚、゚トソン「ではどうやって…!
ま、まさかそれをそのまま口に押し込むつもりですか!?」
从 ゚∀从「いや、さすがにそこまではしないけど」
(*゚ー゚)「トソンさんもけっこう怖いことを言いますね」
.
-
(゚、゚トソン「『トライアのティーポット』?」
(*゚ー゚)「この前モララーさんが作ったアイテムです。
茶葉のアイテムを入れると、
スキルを持っていなくてもお茶を入れることが出来る優れもので」
(゚、゚トソン「ほー。それは凄い」
(*゚ー゚)「でも、あれは一部のアイテム専用じゃなかったですか?」
川 ゚ -゚)「この前試してみたら、
食用のアイテムなら、
トルネア草と一緒に入れればお茶に出来ることが分かったんだ」
(*゚ー゚)「そうなんですか!
トルネア草のお茶は癖のない薄味のお茶でしたから、
混ぜれば色々な味が楽しめますね!」
川 ゚ -゚)「そうだな」
(゚、゚トソン「つまり、
それを使ってドクオさんとブーンさんに食べさせる、
正確には飲んでいただくわけですね」
从*゚∀从「どっくんと…」
ξ*゚⊿゚)ξ「ブーンと…」
実を大事そうに両手で包み、
グフグフと笑う二人。
( ´∀`)「二人とも、ちゃんと読まなきゃダメもなよ」
▼・ェ・▼「くぅ〜ん」
从 ゚∀从「え?」
ξ゚⊿゚)ξ「なにを?」
( ´∀`)「タップして、テキストをちゃんと読むもなよ」
.
-
ビーグルの前でしゃがんでいるモナー。
ビーグルの前には『コカオの実』が転がっている。
川 ゚ -゚)「ん?」
慌ててウィンドウを開くハイン、ツン、クー。
しぃも開き、隣のトソンが読めるように可視モードを切り替えた。
(゚、゚トソン「ありがとうございます」
(*゚ー゚)「いえいえ」
川 ゚ -゚)「なんだと…」
(*゚ー゚)「えっと…アイテム名は、
『コカオの実』で…」
『コカオの実』
意中のものに食べさせることが出来れば、
通常のアイテムよりも高確率で連れ帰ることが出来る。
ただし、使い魔とする事が出来るのは使い魔となる属性を持つ
モンスターだけであることは変わりない。
既に使い魔としたモンスターに与えれば、
親密度を上げることが出来る。
(*゚―゚)「……」
(゚、゚トソン「……」
川 ゚ -゚)「…………」
ξ ⊿ )ξ
从 ∀从
(*゚ー゚)「えっと…その……」
(゚、゚トソン「なんといえばいいのか…」
.
-
( ´∀`)「一つもらうもなねー。
ビーグル、食べて良いもなよ」
▼*・ェ・*▼「きゃん!」
目の前の実を口に含むビーグル。
美味しそうに頬張るその姿に、モナーが表情を綻ばせる。
川 - )「………」
(゚、゚トソン「…クーさん?」
(*゚ー゚)「…やっぱりショボンさんに」
川 -)「クックックックックック」
(;*゚ー゚)「違った。笑ってた」
(゚、゚;トソン「え、ちょ、クーさん?」
川 ゚ -゚)「すまんすまん。
そっかショボンはこれを推測したんだな」
(*゚ー゚)「え?」
川 ゚ -゚)「何故その結論に至ったかは分からないが、
モナーを、と言うよりビーグルを連れてきたのはその為だろう。
ビーグルがいないと見つからなかったわけだし。
今までの常識からいえば、あんな場所は調べないだろう?」
(*゚ー゚)「確かにそうですね。
通常のポイントからは外れてました」
川 ゚ -゚)「実際、今まで誰も【コカオの実】を見付けていなかったわけだしな」
(゚、゚トソン「ですが、なぜこの時期なのでしょう」
川 ゚ -゚)「ん?どういうことだ?」
.
-
(゚、゚トソン「いえ、こんなバレンタインデーの時期にあんなうわさが流れれば、
ハインさんの様な勘違いをする人が出るのはしょうがないと思います。
情報屋さんも関わっているわりには、
使い魔に関わっているという明確な情報も流れていないわけですし」
(*゚ー゚)「そうですね」
(゚、゚トソン「何故、この時期にこんなイベントが」
川 ゚ -゚)「運営がモテない奴だけで、
リア充許すべからずとか思ってたんじゃないか?」
(;*゚ー゚)「クーさん」
(゚、゚トソン「その可能性も高いですが、
何か理由も用意してあるような気もします。
運営もそんな嫉妬心を非難されたくないでしょうし」
(;*゚ー゚)「トソンさんも否定しないし、結構辛辣だし」
川 ゚ -゚)「ふむ」
(゚、゚トソン「ショボンさんは他に何か呟かれていなかったですか?」
川 ゚ -゚)「ショボンがか?
……あとはビーグルとかニャンとかワンとか。
だがあいつのビーグル狂いは今に始まったことじゃないから流したが」
(゚、゚トソン「ビーグル…ニャン…ワン…」
(*゚ー゚)「ビーグルちゃんが『にゃん』って言うの聞いたことないですけど」
川 ゚ -゚)「私も無い」
(゚、゚トソン「前にも噂が流れたと言っておられましたけど、
去年のこの時期ですか?」
川 ゚ -゚)「いや、たしか違うはずだ。
だいたい去年のこの時期はこのフロアは解放されていなかったし」
(*゚ー゚)「そういえばそうですね」
.
-
(゚、゚トソン「では別の時期に…。
……やっぱりバレンタインデーは関係ないわけですね。
よく調べてちょっと考えればわかりそうな……」
(;*゚ー゚)「言わないであげてください」
川 ゚ -゚)「前の時はもっと期間が短くて…。
そうだ、10月の終わりくらいだな。
11月の中ごろまで聞いた気がする」
(゚、゚トソン「10月…11月…2月…。
ビーグル…ニャン…ワン…コカオの実……。
11月……ワン……?ニャン………2月!!」
川 ゚ -゚)「!そういうことか!」
(゚、゚トソン「ですね。おそらく」
(*゚ー゚)「え?な、なんですか?」
(゚、゚トソン「2月22日はニャンニャンニャンで猫の日なんです」
川 ゚ -゚)「11月1日がワンワンワンで犬の日!」
(*゚ー゚)「え?え?え?」
(゚、゚トソン「おそらくペット絡みの日に合わせて、
噂が流れるように設定されているのではないかと言う事です」
(*゚ー゚)「でもそんなこと…」
川 ゚ -゚)「ま、バカ運営のクソお遊びと言うか」
(゚、゚トソン「ゲーム内でまで恋愛にうつつを抜かすなという嫉妬か」
(;*゚ー゚)「クーさん、トソンさん」
川 ゚ -゚)b「トソン、辛辣で良い」
d(゚、゚トソン「いえいえ、クーさんこそ」
(;*゚ー゚)「この二人…」
.
-
そういうことかwwwwしえん
-
ξ゚⊿゚)ξ「ま、こんなことだろうと思ったわ」
川 ゚ -゚)「お、先にツンが持ち直したか」
ξ゚⊿゚)ξ「別に期待なんてしてなかったし」
川 ゚ -゚)「そういう事にしておくか」
ξ゚⊿゚)ξ「事実だし」
川 ゚ -゚)「はいはい」
ξ゚⊿゚)ξ「本当だし」
川 ゚ -゚)「ハインはどうした?」
ξ゚⊿゚)ξ「まだ止まってる」
从 ∀从
川 ゚ -゚)「まだダメか…」
(*゚ー゚)「…あれ?でも…」
(゚、゚トソン「口が動いてますね」
川 ゚ -゚)「…動いているな」
傍による四人。
从 ∀从「どっくんにあげちゃだめかな…
でも…
ふたりでのめば…
おなかこわす…
でも…
どっくんに…」
川;゚ -゚)「思考がループしてるな」
(;*゚ー゚)「ドクオさんもさっさと付き合っちゃえばいいのに」
(゚、゚;トソン「本当ですよ。こんな一途に思われてて、何が不満なんでしょう」
.
-
ξ゚⊿゚)ξ「ドクオになら飲ませてもいいんじゃない?
見た目はモンスターみたいなもんだし」
川;゚ -゚)「ツン、流石にそれは…」
从 ゚∀从「良いよな!そうだよな!」
(;*゚ー゚)「うわ」
(゚、゚;トソン「それで良いんですね」
从 ゚∀从「一緒に飲む!そうと決まれば帰るぞ!」
(゚、゚;トソン「結局飲むんですね」
(;*゚ー゚)「ああもうほんとにこの人は」
川 ゚ -゚)「死ぬことは無いだろう」
ξ゚⊿゚)ξ「帰ろう帰ろう…。
?モナーは何しているのよ」
( ´∀`)「もな?」
しゃがんでいたモナーに声をかけたツン。
振り向きながら立ち上がったモナー。
その足元には、ビーグルともう一匹モンスターがいた。
ξ ⊿ )ξ ゚ ゚
▼*・ェ・▼(^ω^U)
.
-
ξ ⊿ )ξ「も、モナーさん、そこにいらっしゃるのは?」
( ´∀`)「(さん?いらっしゃる?)
さっき寄ってきたモンスターもなよ。
名前は『ワン=ワン=オー』もなね。
テイミングが成功すれば使い魔にできるはずもなけど、
今まで成功したプレイヤーはいないらしいもな」
青銀色の毛並みをしたビーグルと、
真っ白いほわほわとした毛並みのワンワンオーがじゃれついて転げまわっていた。
ξ ⊿ )ξ「そう、使い魔に…」
(^ω^U)わんわんお
▼*・ェ・▼きゃんきゃん
(*゚ー゚)「どうしたんですか?あ!」
(゚、゚トソン「おや。楽しそうですね」
川 ゚ -゚)「ほほう。ビーグルに新しいお友達が出来たか」
从 ゚∀从「へー。モンスターにこんなのがいるんだな」
(^ω^U)わんわんお
固まっているツン以外の四人が駆け寄り、
その白いほわほわの毛並みをなでる。
(**゚ー゚)「もふもふ!」(あれ…このこ)
(゚、゚*トソン「もふもふですね」(…にてますね)
川*゚ –゚)「もふもふだな」(にてるな)
从*゚∀从「もふもふだ」(ブーンにそっくりだ)
( ´∀`)「この子も可愛いもなね」
▼*・ェ・▼きゅわん!
(^ω^*U)わんわんお!
.
-
ここでわんわんおwwww
-
和気藹々としている輪を目指し、ふらふらと近寄る人影。
ξ ⊿ )ξ「わんわんお…
つかいま…
わんわん…お…
つかいま…
いっしょ…
かたときもそばに…
………ン……に…そっくり………
ぐふっ……ぐふっ………ぐふふっふふうふふふふうふふふふうふふふふふうふううふふうふぐふうふううううふふふふふっふ」
(;´∀`)!
川;゚ –゚)!
从;゚∀从!
(;*゚ー゚)!
(゚、゚;トソン!
▼;・ェ・▼!
(^ω^;U)!
ξ ⊿ )ξ「わんわんおちゃーん。
こっちにもおいでー」
(((^ω^;U)お…おん…
じりじりとにじり寄るツン。
すでにビーグルを除くメンバーは立ち上がって道を開けている。
ξ ⊿ )ξ「さあ…これをおたべ…」
(((((((^ω^;U)おおおおお……
コカオの実を突き出したまま近寄るツン。
あとずさりするワン=ワン=オー。
.
-
ξ ⊿ )ξ「おたべなさい」
((((((((((((((((U;^ω^)おん!
コカオの実をワンワンオーの口に近付けようとした瞬間、
くるっと反転したワンワンオーが風のように駆け去った。
(;´∀`)「あっ!」
川;゚ –゚)「あっ!」
从;゚∀从「あっ!」
(;*゚ー゚)「あっ!」
(゚、゚;トソン「あっ!」
▼;・ェ・▼「きゃんっ!」
ξ ⊿ )ξ!
一陣の風が吹き、
何もない空間が残る。
(*゚ー゚)「居なくなっちゃいました…ね…」
ξ ⊿ )ξ「……なん……で……」
(((((…怖かったんだと思う)))))
全員が言葉を飲み込んだ。
ξ゚⊿゚)ξ「ま、べつにいいんだけど」
(((((あ、もちなおした)))))
ξ゚⊿゚)ξ「で、モナー。
どうして押さえてなかったのかしら?」
(;´∀`)「も、もな?」
ξ゚⊿゚)ξ「どうしてかしら?」
((((飛び火している))))
.
-
(;´∀`)「モナーにはビーグルがいるもなから、
他にパートナーをつくるつもりはないもなよ?」
ξ ⊿ )ξテメーニテイミングシロトカイッテネエダロウガ チッ ツカエネエ
(;´∀`)「も、もな?」
ξ゚⊿゚)ξ「でも、ビーグルに友達が出来るのはいいことよね」
(;´∀`)「そ、それは」
ξ゚⊿゚)ξ「ビーグルも友達と一緒に居られたらうれしいわよね」
▼;・ェ・▼「くぅーん」
ξ゚⊿゚)ξ「ビーストテイマーになるのは大変だし、
なった後もパートナーへの責任もあるわけだから大変だけど、
そういう事なら私がなってあげてもいいわよ」
(;´∀`)「い、いや別にどうしても必要もなとは」
ξ゚⊿゚)ξ「なってあげてもいいわよ」
(;´∀`)「え、いや、もな」
ξ゚⊿゚)ξ「なって、あげても、いいわよ」
(;´∀`)「………」
ξ゚⊿゚)ξ「あ げ て も い い わ よ」
(;´Д`)「……ありがとうもな」
▼;・Д・▼「!……くぅーん」
((((負けた……))))
ξ*゚⊿゚)ξ「じゃ、がんばろっか。
ここに居れば寄ってくるのよね」
(;´∀`)「!い、いまからもな!?」
.
-
ξ*゚⊿゚)ξ「善は急げって言うじゃない」
川 ゚ -゚)「じゃ、じゃあ私達は先に戻るとするかな。
ここは安全エリアだから攻撃を加えるモンスターは出ないはずだし。
二人は、帰りは転移結晶で戻ってくれ」
从 ゚∀从「そうだな。そうだな。それがいい」
(゚、゚トソン「それでは、お先に」
(;*゚ー゚)「お、おつかれさまでした」
(;´Д`)「!な、何の影響でワン=ワン=オーが出てきたのか分からないもなから!
さっきと同じ環境にしたほうが良いと思うもな!」
川;゚ –゚)!
从;゚∀从!
(;*゚ー゚)!
(゚、゚;トソン!
ξ゚⊿゚)ξ「それもそうね。
皆も残ってくれるでしょ。
何と言ってもビーグルの友達の為だし」
川;゚ –゚)「……ああ」
从;゚∀从「……そうだな」
(;*゚ー゚)「……もちろんです」
(゚、゚;トソン「……はい」
ξ*゚⊿゚)ξ「じゃ、まずはさっきと同じ位置に立ってみよっか」
川#゚ –゚)(モナー!)
从#゚∀从(モナー!てめー!)
(;´Д`)(モナー達だけ置いて帰るとか酷いもな!)
.
-
(;*゚ー゚)(それはそうですが…)
(゚、゚;トソン(これ…今日中に帰れるんでしょうか)
ξ*゚⊿゚)ξ「はやくはやくー」
「「「「「…はーい」」」」」
ξ ⊿ )ξ「ふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっ
早く出てこないかな
ワンワンオーちゃん
ふふふふふふふふふっふうふふふふふふふふふふふふふふ」
木陰
(^ω^;U)わんわんお……
((((((U;^ω^)おっおっおっ
ξ#゚⊿゚)ξ「どうしてでてこないんじゃーーーーー!!!!!」
(((((あんたが怖いからだー!!!!!)))))
(きゃん!!!!)
.
-
後日
ξ゚⊿゚)ξ「モナー、今日暇?」
( ´∀`)「ワン=ワン=オー探しなら行かないもなよ」
ξ゚⊿゚)ξ「そ、そんなんじゃないし」
ξ ⊿ )ξチッ ドコマデモツカエネーヤツ
(;´∀`)「な、なんと言われても行かないもなよ」
▼;・ェ・▼「きゃ、きゃん!」
また後日
从*゚∀从「どっくん、はい、お茶どうぞ」
('A`)「ああ、ありがと」
('A`)ズズッ
('A`)
('A`)
从*゚∀从「どっくん?」
('A`)
从;゚∀从「気を失ってる…」
从 ゚∀从「!」
从*゚∀从「起きたらずっと一緒!?」
終
.
-
以上、バレンタインデーネタ(?)でした。
14日になる前に投下できてよかったです。
支援、乙、ありがとうございます。
次は新しくして本筋の予定です。
ですのでちょっと時間がかかるかもですが、
また読んでいただけると嬉しいです。
ではではまたー。
.
-
乙
季節ネタいいね
-
乙乙
-
二連閑話でほんわかした後、
「これは、これ以上のシリアスが次にくるための、謂わば溜めなのだろうか」
という思考が巡り、やや肝を冷やす。
-
クリスマスイベントを運営はどんな思いで見てたんだろうなw
-
3スレ目待ってます!
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あれ
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埋め
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