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( ^ω^)ヴィップワースのようです

173名も無きAAのようです:2013/12/29(日) 03:10:23 ID:On.hHc8M0

ある日の、どこかの戦場での出来事だったか。
幾多の人間を血で染め上げて、また自らも無数の剣に貫かれながら、感じていた。
胸の奥から突如噴き出した高揚が、朱と紅に染まる頬の上から、熱い風を撫で付ける感覚を。

死を覚悟して撃ちこんでくる者たちの戦列を打ち崩しながら、湧き上がったのは征服感。
目の前で幾つもの命を散らしながらも、だが同時に訪れたのは、知った事のない感情だった。

もしかすると、死ぬのではないか。
次の瞬間には、二度と目覚めが訪れることのない一撃が来るのではないか。

だが臆しているわけではなく―――むしろ、それに満たされていた。
さほど執着もなかったはずの生と死が入り乱れさなかでは、初めての恐怖と喜びとがせめぎ合って。
互いの全存在を賭けて戦う事への喜びに目覚めた時、確かに自分は吠えていた。
それこそ自身にとって、この世に生まれ落ちて二度目に上げた産声なのだ。


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