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マト ー)メ M・Mのようです

847名も無きAAのようです:2014/05/20(火) 23:10:18 ID:T7e4Lln.0


  僕が彼女に出逢ったのは、あの暑い夏が終わり、秋の足音が聞こえ始めた頃だった。
  僕と彼女が一緒に過ごしたのは、肌寒い風が頬を撫ぜ始めた頃のほんの一時だった。

  ほんの数週間。
  一ヶ月にも満たない短い間。
  それが僕と彼女が作った『過去』だった。

  僕は一体、彼女に何ができたのだろう?
  僕は彼女にとっての何かになれたのだろうか?
  きっとこれから先も、何度でも秋が訪れて彼女との日々を思い出す度に、僕はそんなことを考えるのだろう。

  結局、その答えは訊かなかったまま。
  だから僕はただ目を閉じて、あの時僕の隣に立っていた彼女の笑顔を思い出すのだ。


  僕の話は本当にもうこれでおしまい。
  あの後少ししてから僕とミィは別れて、それっきりだ。

  ただ一つ言えることがあるとするならば、あの世界でひとりぼっちだった少女は、もう独りじゃない。
  未来が見える瞳しか持っていなかった彼女は、他にも沢山、数え切れないほど様々なものをその胸に抱いている。
  それはきっと、僕にとっても幸せなことだった。


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