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マト ー)メ M・Mのようです
610
:
名も無きAAのようです
:2014/03/10(月) 22:22:09 ID:N78RRPuQ0
足を踏み入れかけて、止まる。
すぐそこに探し続けてきた『過去』が、求め続けきた『真実』が待っているというのに、足が竦む。
胸の鼓動が激しくなり、ぼやけた視界で倒れない為に壁を掴んだ。
手が震え、自分を鼓舞する為に出そうとした声は掠れた音となって地下に消えた。
心にあるのは一つの懸念。
一つの恐怖。
マト −)メ「(『過去』は知りたい。でも、記憶を取り戻したら、もしかしたら、私は……)」
―――今度は今の記憶を忘れてしまうかもしれない、と。
記憶喪失、つまり全生活史健忘は「自分に関する記憶(過去)」が思い出せなくなる逆行性健忘だ。
これには様々なパターンがあるが、どの場合においても運良く記憶が戻った際にある状態に陥る可能性がある。
それは「『記憶を忘れていた間の記憶』を忘れる」という可能性だ。
そしてそれは通常の記憶喪失とは異なり、『忘れてしまったこと』それ自体を忘れてしまうと言われる。
記憶がなかった間のことは客観的な時間経過で分かるのだが、わざわざ記憶喪失中の記憶を取り戻そうとする人間は少ないだろう。
だってそれは【記憶(じぶん)】を失くした状態のことであって、つまり、『自分』ではないのだから。
【記憶(じぶん)】ではない――『自分』だったのだから。
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