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マト ー)メ M・Mのようです

551名も無きAAのようです:2014/03/10(月) 21:23:03 ID:N78RRPuQ0

 だから彼女はこうして僕の隣に座る前から、僕が失明したことを知っていた。
 それは何故か。

 彼女は淡々とその解答を口にする。


「あなたの疑問にお答えします。あなたの状態を知っていたのは単に、私の同僚が優秀だからです」

「同僚?」

「斥候や調査班と表現しても良いかもしれません。あなたと一緒にいた少女……彼女と同じような能力で、あなたの身体状況を把握させて頂いただけです」


 尤もあれほどまでに際立った能力ではありませんが、と都村トソンは付け加えた。


「へえ。それは、どうもだお。その際立った能力を持つミィを容易く捩じ伏せた相手に言われるとどう反応したらいいのか困るが……」

「彼女が自らの能力の使い方を理解していればあのようには行かなかったでしょうね」


 意味深なことを口にしたかと思えば、今度は彼女が押し黙る番だった。
 その横顔は見えないが、それでも僕には都村トソンが何か悩んでいるように見えた。
 ただの推測だが、彼女にとって『黙る』とは『悩む』とイコールで結ばれた動作である気がするからだ。
 会話での駆け引きで沈黙を選ぶことは少ない、況してや意味もなく黙り込むなどということはありえないだろうと。


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