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マト ー)メ M・Mのようです
474
:
名も無きAAのようです
:2014/02/24(月) 20:14:09 ID:4cu/qweg0
僕は一体、彼女に何ができるのだろう?
僕が彼女に出逢ったのは、あの暑い夏が終わり、秋の足音が聞こえ始めた頃だった。
僕と彼女が一緒に過ごしたのは、肌寒い風が頬を撫ぜ始めた頃のほんの一時だった。
ほんの数週間。
一ヶ月にも満たない短い間。
それが僕と彼女が作った『過去』だった。
僕は一体、彼女に何ができたのだろう?
こうして僕の語る物語もいよいよ終わりに近付いてきたが、実のところ、この物語における僕の出番はもうほとんど残っていない。
失くした『過去』と対峙する為に旅立った彼女を僕は見送って、その後のことはもう、人伝に聞いた話でしかないのだ。
あの月曜日以降は彼女の物語ではなく、彼女と僕、二人の物語なのだと彼女は言っていた。
けれど、そうだとしても、結局その真実の待つ場所へと彼女は一人で赴いたのだから、やはり僕の語る物語は彼女が主役の彼女の物語なのだ。
僕は所詮何者でもなく、この物語においてだって狂言回しに過ぎなかった。
無理にでも彼女を引き止め、殴ってでも説き伏せて、意地でも最後まで彼女と一緒にいたならばどうなっていただろう?
いつだったかも述べたようにそんな夢想をしたところで過去も現在も変わりはしない。
それでも時折ふと、僕はそんな『もしもの可能性』に思いを馳せてしまう。
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