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マト ー)メ M・Mのようです

13名も無きAAのようです:2013/09/28(土) 06:49:06 ID:a0hWVy360

 そう言って彼女は僕の手を取り走り出す。
 事態が全く飲み込めないまま僕も引き摺られるように走る。
 公園から遠ざかっていく。
 ふと後ろを見ると、僕達がいた池のほとりに入れ違いのようにやってきた警察官達がベンチのカップルに声を掛けるところだった。

 緑の中から出て、変わる寸前の横断歩道を渡り、どんどんと街の中心部へと走って行く。
 まるで人の多い場所に行くことで誰かに見つからないようにしているかのように。


「――そう言えば変な語尾のお兄さん」  

「――はぁ、はぁ……なんだお?」

「――お兄さんはどうしてお金持ちに?」

「――はぁ? はぁ、はぁ……。ち、父親が……死んで……その遺産!」

「――そうですか」


 息も絶え絶えな僕と対照的に彼女は余裕綽々といった感じ。
 滅茶苦茶に走り続た末、街の中心部の巨大なデパートの中に入りやっと彼女は走る速度を緩め、歩き始めた。
 そこでやっと、汗だくの僕の手を放した。


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