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( ^ω^)百物語のようです2013( ω  )

414名も無きAAのようです:2013/08/11(日) 02:42:19 ID:NE1qcFrg0

内藤はカニバリズム嗜好の持ち主であった。
兆候は幼少期から端を覗かせていた。始まりは血液に興奮したことからだった。
自身の指から流れ出る紅い鮮血を舐めた瞬間、これほどの甘美なものが自身を作り上げていることに感動した。
それから定期的に自身を傷つけては流れ出る血液を貪るようになった。
そして、徐々に興味は広がっていった。

他者の血液の味が気になった。
輸血パックから得る血液は物足りなかった。自身とさして変わらぬということしかわからなかった。
どうしても、生きた身体から欲しかった。

その矢先、母が死んだ。
失血死だった母の顔は酷く青白かった。母は、命の源である血液を失ったから死んだのだった。
内藤の血液に対する執着は増していった。

最初は偶然だった。迷子が家の前で泣いていたから招き入れただけのことだった。
親元に帰す気持ちで招き入れた。そこに一つとして嘘はない。
ただ内藤の耳元で悪魔が囁いただけのことだ。

今この子の血液を貪ったとして、知る者は誰一人としていない、と。
こんな機会二度とない、帰してしまっていいのか、と。

内藤はあっさり自身の悪魔に負けた。
泣き叫ぶ子の首筋に歯をたてた。犬歯が食い込むように、無理に柔肌を食い破った。
それから丹念に舌を這わせ、時にえぐって貪った。一滴もこの聖なる液体を零したくなかった。
子はあまりの恐怖に気絶していた。その眼から流れる涙も舐め取った。
塩辛いはずのそれは甘くて、何故か内藤も涙を流していた。
そして、気付いた。自身が望んでいる血液は身体からできている。



ならばその身体を食せばすべて自分のものになるのではないか?



祝福の鐘の音が聞こえたようだった。
内藤は自身の閃きが素晴らしいものであると感じていた。
倫理的にも法律としても許されないものであるとわかっていた。それでもこの欲は抑えられなかった。
しかし理性を捨てきることはできなかった。
だから一年に一人、夏に攫って一年をかけてゆっくりと消費していくことを自身の掟とした。

夏であることに理由はない。ただ初めて他者の血を得たのが夏だっただけのことだ。
攫うのは子供がいい。弱く庇護されるべき存在でありながらも精力に満ちているような子供がいい。
柔らかい身体も心惹かれるじゃないか。痛みに恐怖に苦痛に顔を歪める様のなんと愛おしいことか。

内藤は自身の歪みを自覚していた。
何故歪んだかは考えなかった。生来のものであるとしか思えなかった。
自身を突き動かす衝動が本能的なものであるとしか、わからなかった。


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