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ミセ*゚ー゚)リ 怪異の由々しき問題集のようです

516名も無きAAのようです:2013/08/05(月) 04:07:07 ID:kLA0APMA0
【―― 10 ――】


 病室のベッドに横たわる彼女――定子さんは、なつるが来た時にはもう冷たくなり始めていた。
 白く美しい肌は生前と同じで、その硝子細工のような美しさは命が絶えた今となっても全く変わることがなかった。 

 昨日までは、元気だったという。
 病院側が外出の許可まで出せるほどに。
 ……授業参観に行くという約束ができるほどに。

 それが消え去る前に一際強く輝く炎と同じだとは誰も気付くことはできなかった。


(  ∇)「…………」


 けれど、だとするならば私達が見た定子さんは幻覚だったのだろうか。 
 少なくとも、幽霊……ではないだろう。

 足があるとか涙の雫が残っていたとかいうことではなく――“彼女が息を引き取ったのは、携帯が震えたすぐ後だったのだから”。

 ハンガーラックに綺麗に掛けられたシックなレディーススーツはクリーニング屋から受け取った時のままのようだ。
 その下に置いてある箱の中身はあのハイヒールだろう。
 戸棚に化粧品が見えることからも、本当に直前まで授業参観に行くつもりだったということが分かった。


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