したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

ミセ*゚ー゚)リ 怪異の由々しき問題集のようです

315名も無きAAのようです:2013/06/22(土) 07:07:50 ID:cSkX3lNM0


 「命だに 絶えてなからば 悲しからまし」


【歌意】
命というものさえまったくなかったならば、こんなに心が痛むことなんてなかっただろうに。

【語法文法】
『命』は通常「生命」「一生」という風に訳すが、他にも「命を支えるもの」「唯一の拠り所」という意味もある。
次の『だに』は強調(最小限希望)・類推・添加とあるが、今回は現代語の「さえ」と同じように訳している。
最小限希望として訳す用法は未来に関することか若しくは願望についてでしか用いず、またこの最小限希望の用法は『だに』にしかない。
『絶えて』は副詞。「(下に打消を伴って)まったく」「すっかり」「特に」などと訳し、今回は在原業平の歌と同じく「まったく」としている。
『なからば』は形容詞ク活用「無し」の未然形。
和歌に何度も出てくる『ば』は接続助詞で、未然形に接続した場合は順接仮定条件として「〜ならば」「〜だったら」を意味する。
続く『悲しからまし』は『悲しから』で一つの語。形容詞シク活用「かなし(悲し・哀し)」の未然形。
最後の『まし』は頻出の反実仮想を表す助動詞。「〜だったなら、〜だろうに」という風に事実に反した仮定を表現する。
「〜ましかば、〜まし」「〜ませば、〜まし」「〜せば、〜まし」「〜ば、〜まし」という四種類があるのだが、今回は比較的分かりやすい最後のもの。

【特記】
参考にした歌は古今和歌集に収録された離別歌「命だに 心にかなふ ものならば なにか別れの かなしからまし」。
また在原業平の有名な歌である「世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし」。
私の命さえなかったならば、掛け替えのないものがなかったならば、こんなに辛くはなかっただろうに。

……どうでも良いですがク活用とシク活用って活用表の左側に位置する補助活用(カリ活用)が覚えにくいのは作者だけでしょうか?
自分は最後まで覚えられなかった(今も覚えてない)ので、受験生の皆さんは気を付けて下さい。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板