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('A`)は監禁されてしまったようです
1
:
名も無きAAのようです
:2012/08/23(木) 01:10:45 ID:mpY97bZgO
・お題消化型のながら投稿です
・現在のお題
恋愛要素なし
蜘蛛の糸
限界
365日
・鬱ものの予定
・至らないところが多々ありますがご容赦ください
171
:
名も無きAAのようです
:2012/09/13(木) 23:45:31 ID:xiNDINlUO
鍵をなくしたことに気付いたクーの取り乱しっぷりは少し異様だった
つまり、見られたくないものが、クーの家の中にはあるのだ
私は優しさを装って、提案する
ζ(゚ー゚*ζ「クーは、落とし物のコーナーに行ってきなよ、私は家に電話してみながら道を辿ってみるから」
冷静さを欠いたクーは私の言う通りに動いた
でもね、鍵は私が持ってるんだ
ショッピングモールを出て、クーの住んでいるマンションまで急ぐ
いくら時間稼ぎをしているとはいえ、どうなるかわからない
まぁ、何かあったらまた別の方法を取ればいいだけの話だ
ζ(゚ー゚*ζ(死んでないといいけど)
そう思いながら歩く
死んでいたら、どうしようか
そのまま死体を持って帰ろうかな
最悪、首だけでも
ζ(゚ー゚*ζ(今日は無理だけどね)
172
:
名も無きAAのようです
:2012/09/13(木) 23:47:36 ID:xiNDINlUO
マンションまであともう少し、という時にクーからメールが来た
一応確認する
夕焼けのせいで少し画面が見にくい
なんとか解読すると、見つからなかった、と書いてあった
ζ(゚ー゚*ζ(返事はマンションに着いてからにしよう)
携帯をしまう
少し緊張する
気分が高揚していた
ζ(゚ー゚*ζ(鬱田くん、)
もし、クーが殺していたなら
私はクーを殺すだろう
だって、
ζ(゚ー゚*ζ(泥棒はいけないことだもの)
エントランスに入って、階段を上る
エレベーターは監視カメラがあるかもしれないから、やめた
ζ(゚ー゚*ζ(三階だから上れないことはないし)
夕方五時を知らせるチャイムを聞きながら階段を上る
息が上がっている
階段のせいだけじゃない気がする
ζ(゚、゚*ζ(早く、部屋へ)
クーの部屋は、一番角だ
そこに向かうついでに、メールを送る
「見つかったよ!
たまたまお巡りさんと会って、鍵を探してるって伝えたの
そしたら、交番まで連れていってくれて一番新しい鍵の落とし物を見せてくれたんだけど、それがクーのやつだったの!
交番の場所がクーの家に近かったから、そのままクーのマンションの近くで待ってるね」
173
:
名も無きAAのようです
:2012/09/13(木) 23:48:45 ID:xiNDINlUO
きちんと送られたことを確認してから、ポケットにしまった
ζ(゚‐゚*ζ「ふー…」
深呼吸をひとつ
クーの部屋の前
中には、鬱田くんがいる
できれば生きててほしい
ζ(゚ー゚*ζ(私のために)
インターホンを鳴らす
……物音はしない
もう一度
……反応はない
駄目押しで、もう一度
……静かだ
新聞受けの、蓋を開ける
中の様子が見えないことくらい知っている
でも、こういうのってけっこう怖いんだよね
ζ(゚ー゚*ζ「……」
そのままプレッシャーを与えてみる
ζ(゚ー゚*ζ「…………」
…………………………………………………………………………鬱田くんが、必死に隠れようとしている気がした
174
:
名も無きAAのようです
:2012/09/13(木) 23:49:57 ID:oaW4xF6c0
怖い怖い。
175
:
名も無きAAのようです
:2012/09/13(木) 23:51:07 ID:xiNDINlUO
なんか、それがむかついた
ζ(゚ー゚*ζ「うーつだくーん?いるんでしょうー?」
呼び掛けてみた
返事は、ない
ζ(゚ー゚*ζ「いるんでしょうー?」
いるのは、分かってるんだよ
ζ(゚ー゚*ζ「ねぇーってばー、鬱田くん」
なんで返事しないのかな
せっかく助けに来たのに
ζ(゚‐゚*ζ「鬱田くん、返事してくれないから、勝手に話すね」
むかつく
ζ(゚ー゚*ζ「鬱田くんが助けてくれって叫んだら、私はあなたを助けるよ、警察を呼んで、クーを拉致監禁犯として逮捕してもらうの」
鬱田くんは、何も言わない
ζ(゚ー゚*ζ「でも鬱田くんがそれを望まないなら、私は私のために鬱田くんを助ける、手段を選ばずに、ね」
なるべくなら穏便に済ませたいよ
クーは一応、友達だし、鬱田くんは生きてるみたいだし
ζ(゚ー゚*ζ「取り引きだよ、どっちを選ぶのかは鬱田くんの自由だけど、私は助けてって言ってほしいかな」
ほら、早く助けてって言ってよ
あの雨の日みたいにさ!
176
:
名も無きAAのようです
:2012/09/13(木) 23:52:51 ID:xiNDINlUO
ζ(;ー゚*ζ「鬱田くん、」
なぜか、私の目から涙が流れる
変なの、どうして悲しいんだろう
ζ(;ー;*ζ「……わかった、助けてって言ってくれないんだね」
次々涙がこぼれる
胸が苦しくなる
生きているのに、返事をしてくれなかった
、クーに負けた気分
クーは、鬱田くんのこと嫌いなのに、鬱田くんはクーを選んだ
悔しい、
ζ( ‐ *ζ「後悔しても知らないから」
蓋を手放す
パタン、と閉まる音が、やけに響いた気がした
歩きながら涙を拭う
そういえば今クーはどこにいるのかな
携帯を取り出すと、メールが来ていた
どうやら、私が話し掛けている間にショッピングモールを出たらしい
もう少し時間の余裕がある
でも、おとなしくマンションの外で待っていよう
考えなければいけないことがたくさんある
ζ( ー *ζ(鬱田くんを、おしおきしなきゃね)
私よりもクーを選んだことを後悔させる
そして、
ζ( ー *ζ(泥棒した罪は、ちゃんと裁かないとね)
177
:
名も無きAAのようです
:2012/09/13(木) 23:54:23 ID:xiNDINlUO
夏休みに入っても、クーとはマメに連絡を取っていこうと考えていた
そうすれば、クーの隙を見て鬱田くんを助けられると思った
ほぼ毎日のようにメールをして、都合さえ会えば遊ぶようにした
でもそれだけでは不十分だ
下準備を、しなければならない
大きな鞄
ライト
手袋
凶器
ガムテープ
縄
服をたくさん
それから、鍵
ζ(゚ー゚*ζ(……これくらいかな)
決行は、お盆がいいだろう
お盆になったら、帰省する人が多いから人が少ない
都合がいいことに、クーは帰省しないそうだ
お母さんと喧嘩したそうだ
ζ( ー *ζ「……もう少し、」
もう少しで助けられるよ、鬱田くん
178
:
名も無きAAのようです
:2012/09/13(木) 23:54:58 ID:d3iDjMHU0
デレこわい支援
179
:
名も無きAAのようです
:2012/09/13(木) 23:56:04 ID:xiNDINlUO
深夜に、私は家を抜け出した
今の私の服装は、男にしか見えないと思う
シークレットブーツで10cmごまかしているし、男物のジーンズを履いている
髪は、黒いニット帽の中に押し込めてある
多分、誰も気付かない
気付くと、呼吸が荒くなっていた
深呼吸をするけど、なかなか治まらない
ζ( ‐ *ζ(大丈夫…)
何度も言い聞かせる
やっぱり、人を殺すのは、ウサギやネコとは違うんだ
ζ( ‐ *ζ「……」
でもやらなきゃ
階段を、一歩一歩踏み締める
足音を、立てないようにしなきゃ
クーの、部屋の前に立つ
手袋をはめながら、耳を澄まして、中の様子を伺う
……静かだ
きっと寝ている
ポケットから合鍵を探り当てる
鍵穴に、それを差し込んで、ゆっくりと、右に回す
かちり、と音がした
ζ( ‐ ;ζ(……開いた)
ドアノブを回して、扉を手前にひく
するりと中に入って、すぐに閉めた
ライトをつけて、靴を脱いだ
玄関には、クーのサンダルと、男物の靴があった
時間は限られているけど、やらなければいけないことはたくさんある
まず、鬱田くんを探す
とりあえずリビングに行こう
180
:
名も無きAAのようです
:2012/09/13(木) 23:57:56 ID:xiNDINlUO
ζ(゚ー゚*ζ(あ、)
すぐに見つかった
彼はソファで寝ているようだった
ζ(゚ー゚*ζ(よかった、)
そう思うと同時に、むかついた
ζ(゚ー゚#ζ(やっぱり、わかってて返事しなかったんだ)
彼には、少し痛い目にあったほうがいいかもしれない
私は、キッチンに向かい、冷蔵庫のコンセントを抜いた
コードもギタギタに切ってしまう
炊飯器のコンセントも同じようにする
鬱田くんを起こさないようにしながら、リビングに入る
テレビのコードも、切っておこう
……その隣のチェストに、抽象画が飾ってあるのを見つけた
ζ(゚、゚*ζ(懐かしい)
あれは私が中学生の時に、授業で描いたものだった
テーマは、「自分の好きなもの」
だから私は、前日に殺したネコの絵を描いた
ζ(゚、゚*ζ(特別、ネコが好きなわけじゃないんだけどね)
むしろ、どんなに刺しても静かなウサギが好きだ
ただ、たまたまその直前に殺したのがネコだった、というだけ
ζ(゚ー゚*ζ(……マメだね)
私は、クーからもらったものは全て物置にしまってしまったのに
181
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 00:00:04 ID:IYiJbBDUO
クーの部屋に入る
ベッドのほうに、ライトを向けないように気をつける
鞄をあさり、縄とスタンガンを出す
万が一起きてしまったら、すぐにスタンガンを使うつもりだ
意外なことだけどスタンガンを使えば必ず気絶するわけじゃないそうだ
あくまでも、気休めでしかない
布団をそっとめくり、まず手を縛る
川 - )「…………」
何度か身動ぎはしたけど、起きなかった
次に、口をガムテープで塞ぐ
川 - )「んん……」
ζ(゚、゚*ζ(あ、起きるかも)
もう、乱暴にしてもいいだろう
彼女には起きてもらわなければいけないのだから
足を思い切り掴んで、縄で縛り上げた
川; - )「んー…!?」
ζ(゚ー゚*ζ「おはよう、クー」
私はいつもみたいに優しく微笑んであげた
182
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 00:02:53 ID:IYiJbBDUO
体を、誰かに触られたような気がした
その手を振り払おうとして、手が動かないことに気付いた
川 - )(あれ?)
文句を言おうとしたら、 何かで口を覆われた
そして、足首を握り締められて、縛られた
川; - )「んー…!?」
ζ(゚ー゚*ζ「おはよう、クー」
その声は間違いなく、デレのもので
川; - )(なんで!?なんでいる!?)
ζ(゚ー゚*ζ「ふふ、来ちゃった」
ライトに照らされた彼女は、いつも通りの笑みを浮かべていた
ζ(゚ー゚*ζ「まさか、クーが鬱田くんを監禁してるとは思わなかったよ」
川; - )「!!」
そうだ
見られてしまったんだ
どうしよう
嫌われた
絶対に嫌われた
ζ(゚ー゚*ζ「あのね、クー」
川; - )「ん、んー!!」
ζ(゚ー゚*ζ「鬱田くんはね、私のものなんだよ」
川; - )「……」
川; - )(やっぱり、デレは鬱田のことを…)
ζ(゚ー゚*ζ「あ、でもね、好きとか恋とか、そういうのとは違うの」
もそもそと、何かをいじりながらデレは言う
ζ(^ー^*ζ「ただのね、殺したい人なんだ」
川; - )「…?」
183
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 00:05:26 ID:IYiJbBDUO
ζ(゚ー゚*ζ「ずっと前に約束したんだ、鬱田くんを殺すって」
川; - )(なにを、)
なにを、言っているんだろう、この子は
私の知ってるデレは、かわいくて平等で少し変わった本とホラー映画が好きな、私の、憧れの人、なのに
ζ(゚ー゚*ζ「だから、クーが鬱田くんを殺したのかもしれないって思った時は、すごーく怒ってたんだ」
ζ(^ー^*ζ「くるうお姉さんと同じ、泥棒じゃないか、って」
川; - )(違う、)
そんなつもりなかった
ただ、デレが鬱田のことを忘れるまで監禁するつもりで、
川; - )(好きなんかじゃ、ない)
ζ(゚ー゚*ζ「でも鬱田くんを監禁したのも泥棒だよね、泥棒は、いけないことだよね」
川; - )(…やだ、)
ζ(^ー^*ζ「クーも、くるうお姉さんと同じ目に遭わないとね」
まち針の入ったケースを片手に、デレが微笑んだ
川; - )(やめて、)
デレが何をする気なのか、わかってしまった気がする
川; - )(神様、)
もしいるなら、私はあなたを呪うよ
私の好きな人の、こんな姿なんて、
川; - )(見たくない……)
184
:
閲覧注意
:2012/09/14(金) 00:07:29 ID:IYiJbBDUO
爪の裏には、神経が集中してるんだって
かの有名なマゾヒストのアルバート・フィッシュも、快楽を求めるあまりに、そこに針を刺そうとして、あまりの痛さに断念したんだとか
ζ(^ー^*ζ「刺さったら痛いだろうねー」
川; - )「んー!!」
ふるふるとクーが首を振る
そんなことしたって、無駄だよ
ずっとやってみたかったことなんだ
ζ(゚ー゚*ζ「えいっ」
足の指先に、一本刺してみる
川; - )「――!!!!」
声にならない悲鳴をあがる
クーの目が、ぐるんって回って、白目を剥いた
もっと指に刺そうと思ったけど、暴れるからちょっとやりにくい
スタンガンを当てて、スイッチオン
川; - )「っ!!」
スタンガンはね、なかなか気絶しない代わりに、一瞬体を麻痺させるらしいよ
はい、もう一本
川; - )「んん゛ー!!」
両足の親指に、赤と青のお花が一本ずつ咲いた
ζ(゚ー゚*ζ「かわいいね、似合ってるよ」
褒めたのに、クーは何も言わない
本当はもっと奥に突き刺したり、本数を増やしたりしたいけど、長く遊ぶためにはここで打ち止めにするのが最良の選択だと思う
またあとで、刺せばいいしね
185
:
閲覧注意
:2012/09/14(金) 00:09:36 ID:IYiJbBDUO
ζ(゚ー゚*ζ「次はねぇ…これかな?」
この間、刃を替えたばっかりの、新品同様の素敵なカッターナイフ
それをクーに見せてあげる
ζ(゚ー゚*ζ「カッターナイフって、引くと切れるけど刺そうとするとなかなか刺さらないんだよね」
説明しながら、太ももにぶっすり
あ、やっぱりなかなか入らない
ζ(゚ー゚*ζ「うーん、こうかなー?」
ぐずぐずと、前後にかき混ぜながら、押し込めてみる
川; - )「っ! っ!!」
ζ(゚、゚*ζ「少しだけ入ったかなー?」
昔、イヌにもやったことがあったけど、人はもっと大変だ
諦めて、引っこ抜く
川; - )「ぅー……ふー…」
ζ(^ー^*ζ「やっぱりナイフで刺してからが一番かな」
ぶすり、とナイフで穿つ
川; - )「ぁ゛っ、――!!」
ナイフを引き抜いて、今度はぐりぐりしながら、カッターナイフを突き刺す
それから、カッターナイフを真横に倒した
パキッと爽快な音が部屋に響いた
川; - )「……ぅ!!」
思わずクーが暴れる
でもすぐに動きが止まる
そうだよね、体に異物が刺さってるんだもん
痛いに決まってるよね
なかなかいいやり方だ
四肢全てに薄刃の杭を打ち込んだら、静かになるかもしれない
「よし、がんばるね」
私はクーにそう言って、左の太ももにナイフを突き立てた
186
:
閲覧注意
:2012/09/14(金) 00:11:20 ID:IYiJbBDUO
色々な道具を使った
クーの体は、一言では言い尽くせないような状態だった
体のあちこちから、白銀の薄刃が飛び出ていた
ピーラーを使って皮を剥かれた二の腕は、赤い肉と薄いクリーム色の脂肪が見えていた
スタンガンを当てすぎたせいで、お腹には火傷の跡が残っていた
両手両足の指先からは赤青白緑黄色のお花がたくさん咲いている
爪は、ハサミと爪切りで頑張って剥いてあげた
途中で、ガムテープが外れてしまったから、口は直接縫ってあげた
そのせいで、拷問している途中に嘔吐したクーは、吐瀉物が詰まったらしく、そのまま死んでしまった
ζ(゚、゚*ζ「…あっけない」
クーの鼻から垂れている吐瀉物を見ながら、思わず呟いてしまった
ガムテープなら、すぐ剥がせたんだけどね
ζ(゚ー゚*ζ(うん、鬱田くんを殺す時には気をつけよう)
早く殺しすぎたのは残念だけど、練習台としては優秀だったと思う
ζ(^ー^*ζ「ありがとうね、クー」
クーの部屋を出て、持って来たタオルで顔を拭う
替えの洋服に着替えたら、すぐに帰ろう
それから、部屋に戻って寝て
ζ(゚ー゚*ζ(一週間くらいしたら、鬱田くんを迎えに行こう)
187
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 00:12:17 ID:IYiJbBDUO
起きたら、部屋は静まり返っていて、人の気配がしなかった
('A`)(また出かけたのか)
最近、素直は井出口とよく遊ぶようになった
俺としては助かる
嫌いな者同士で暮らすのは、なかなか難しいことだからだ
('A`)(飯でも食うか)
時計を見れば、午後三時で、飯というより間食のほうが正しいかもしれなかった
冷蔵庫を開ける
が、冷気はなかった
代わりに、なんともいえない臭いがした
(;'A`)「げぇ」
どうやら冷蔵庫が壊れたらしい
(;'A`)(食い物全滅か)
素直が帰ってきたら、教えないと
素直が帰ってきたら、教えないと
仕方がないので、水を汲んで飲んだ
('A`)(……それにしてもすごい臭いだ)
こういうのは、意識し出すとなかなか消えないものである
('A`)(寝るか)
帰ってきたら、きっと素直が起こすだろう
188
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 00:13:09 ID:IYiJbBDUO
次に起きた時、もっとひどい臭いが鼻を突いた
(;'A`)「うぇ…」
時計を見ると、午後一時だった
それまでまったく起こされなかった
ということは、素直は最低一日帰ってきていないことになる
(;'A`)「冷蔵庫直ってないんだな」
食べ物が一斉に腐るとこんなひどい臭いがするのだろう
それにしたって、ひどい
(;'A`)(ちょっとテレビでもつけて、気を紛らわせるか)
しかし、スイッチを入れても、うんともすんとも言わなかった
('A`)「…これも壊れた?」
そんなまさか
ついこないだまでなんともなかったのに
('A`)「はぁ…」
こうなると、もう寝るしかない
水を汲もうと、キッチンに向かう
(;'A`)(ひどい臭いだ)
……でも、冷蔵庫の中のものが全部腐ったからといって、ここまで臭うものだろうか
一応冷蔵庫にも扉がついているのだから
189
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 00:14:18 ID:IYiJbBDUO
('A`)「…………」
感覚を研ぎ澄ましてみる
甘酸っぱい、吐き気を催す臭い
その中に、鉄臭い臭いが混じっている気がした
しかも、素直の部屋から、漂っている気がした
(;'A`)(まさかね)
あいにく、足枷の鎖は素直の部屋まで届く長さはない
……もしも、素直が最初から出かけているのではなく、部屋で死んでいるとしたら
しかも、誰かの手によって殺されていたとしたら
(;'A`)(誰が?どうやって?)
ζ(゚ー゚*ζ「でも鬱田くんがそれを望まないなら、私は私のために鬱田くんを助ける、手段を選ばずに、ね」
不意に、井出口の言葉が響いた
ζ( ‐ *ζ「後悔しても知らないから」
(;'A`)(まさか、まさか)
(;'A`)「お、おい!素直!」
不安だった
あんなに嫌いな奴だったのに、今は心配だった
(;'A`)「素直!いるんだろ、なぁ!」
必死に、叫ぶ
(;'A`)(早く返事しろよ!)
(;'A`)「なぁ!冷子!クー!」
(;'A`)(いつもみたいに、怒ってくれよ)
今なら、ムカつかないから
(;'A`)「素直…」
190
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 00:17:22 ID:IYiJbBDUO
( A )「…………」
もう、なんにちたったのかわからない
においは、しない
わからない
いまは、むしがうるさくて、いやだ
だまっていると、むしが、かおにつく
はらっても、つぶしても、すぐにくる
( A )「おなかすいた」
どうして、すなおがしんだのだろう
しにたいとおもっていないひとほどしんでいく
せかいは、おれのおもうとおりにならない
( A )(はやくしぬべきなのはおれなのに)
うごけない
なにもできない
しぬ、かもしれない
…あしが、みえる
かたあしだけ
( A )「…、いもうと」
……ごめん、やっぱりしにたくない
ずっとしにたいって、しぬべきだって、おもってたのに
いでぐちとやくそくもしたのに
たすけてほしい、っておもってるんだ
( A )(やくそく?)
やくそくって、なんの?
……ピンポーン、って、おとがした
もういちど
( A )(あ、)
「クー?」
ききおぼえのあるこえだった
それから、またピンポーンって
191
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 00:18:12 ID:IYiJbBDUO
( A )(いでぐち?)
ζ(゚、゚*ζ「クー?いないの?」
( A )(たすけて、)
( A )「たすけて、」
( A )「たすけて…!」
ζ(゚、゚*ζ「…鬱田くん?なんでクーの家に…」
( A )「たすけて!」
それだけさけんだら、きがぬけて、おれは
192
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 00:19:50 ID:IYiJbBDUO
花束と、本を持って私は歩く
お見舞いに行くのに、ヒールのある靴はまずかったかな?
リノリウムの床って、けっこう響くんだよね
ζ(゚‐゚*ζ(…次からやめよ)
そう考えながら、私は回想する
あの日……
メールをしても、まったく返事が来なかったクーを心配して、家に行った
そしたらなぜか、失踪した鬱田くんの声がした
「たすけて」って、か細い声が
私は、動揺しながら警察を呼んで、クーの家を開けてもらった
そしたら、クーが中で死んでいた
鬱田くんは、リビングで気絶していた
足枷をされていたのは、なぜなのだろう
警察はそれを聞こうとしていたけど、鬱田くんは心身が衰弱していてまともに話は聞けなかった
結局、クーを殺した犯人はわからないし、鬱田くんがなぜクーの家で監禁されていたのかわからない
……というのが、表向きの話
真相は、私だけが知っている
193
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 00:20:38 ID:v0I48ww.O
こえー……
194
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 00:22:28 ID:PDBkk42sO
ラストまで書いたんだな、今から読むよ
195
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 00:24:38 ID:IYiJbBDUO
ζ(゚ー゚;ζ(さすがに警察の人に事情聴取された時は緊張したけど)
それでもすぐに解放されてしまったから、よかった
(‘_L’)「玲香」
背後から、聞き慣れた声が聞こえた
ζ(゚ー゚*ζ「あ、お父さん」
(‘_L’)「見舞いか」
私の荷物を見て、お父さんは言った
ζ(゚ー゚*ζ「うん、けっこう長く入院してるからそろそろ必要かなって」
(‘_L’)「そうだな」
お父さんは無口で見た目が少し怖いけど、とても優しい
鬱田くんが、私のクラスメイトで身寄りのない人だと伝えたら、病状がよくなるまでここに置いてもいいと言ってくれた
(‘_L’)「早くよくなるといいな」
ζ(゚ー゚*ζ「うん、そうだね」
从 ゚∀从「井出口先生」
(‘_L’)「……すまないな」
ζ(゚ー゚*ζ「ううん、大丈夫」
お父さんは、看護士さんに呼ばれて行ってしまった
私は、また歩き始めた
196
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 00:26:12 ID:IYiJbBDUO
鬱田くんの病室は、隅っこにある広い個室だ
ζ(゚、゚*ζ(クーの部屋と同じ場所って、なんか複雑)
ノックをする
返事を聞かずに中に入る
どうせ、返事してくれないからいいんだ
鬱田くんは、ぼんやり窓の外を見ていた
ζ(゚ー゚*ζ「こんにちは、鬱田くん」
('A`)「……」
鬱田くんは、ゆっくりこっちを向いた
('A`)「…ああ、井出口か」
ζ(゚ー゚*ζ「そうだよ」
鬱田くんは、前と比べたら私を避けなくなった
触ろうとすると、逃げるけど
ζ(゚ー゚*ζ「お花、ここに飾っとくね」
私は空っぽの花瓶に、紫蘭を活ける
ついでに、本もそばに置く
('A`)「…ごめん、井出口」
ζ(゚ー゚*ζ「なにが?」
('A`)「いつかは忘れたけど、井出口に死にたいって、言ったよな」
ζ(゚ー゚*ζ「…うん」
('A`)「…それで、井出口と何か約束したんだよな」
ζ(゚ー゚*ζ「…そうだね」
鬱田くんは、私に会ったことは思い出してくれた
でも、
('A`)「…それが、思い出せないんだ」
でも、肝心の約束は、忘れたままだ
('A`)「なぁ、俺はお前と何を約束したんだ? 教えてくれよ」
ζ(゚ー゚*ζ「……それは、無理だよ」
197
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 00:28:13 ID:IYiJbBDUO
自力で思い出してもらわなければいけないのだ
他人から、「殺してほしいってお願いされた」と言われても、信じられるわけがないもの
それに、
ζ( ー *ζ(たまには、感謝されながら殺したい)
生き物は、言葉を喋らないから、私に殺されたことに対して何を思ったのかわからない
でも、多分いい気持ちではない
クーだって同じだ
ζ(゚ー゚*ζ「…悪者になりきれないなぁ」
('A`)「え?」
ζ(゚ー゚*ζ「なんでもない」
どうやったって、私のしていることは異常なのに感謝を求めるのはおかしいけど…
ζ(゚ー゚*ζ「鬱田くん、」
('A`)「!?」
するりと手を伸ばして、首を絞める
鬱田くんは、ぽかんとして、それから私の両手に爪を立てた
(;'A`)「う…、」
パッと手を放す
鬱田くんが、咳き込む
ζ(゚ー゚*ζ「じゃあね、鬱田くん、また来るね」
それだけ言って、病室から出た
これ以上いたら、ついうっかり殺しちゃうかもしれないと思ったから
ζ(^ー^*ζ「なーんてね」
帰りに、DVD屋さんに寄ろう
なにか新しいホラー映画が発掘できるかもしれない
198
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 00:32:12 ID:IYiJbBDUO
(;'A`)「……なんだあいつ」
病室の扉を眺めながら、思わず呟く
幸いにも、絞められたところは痛くないし、跡も残っていなかった
('A`)(素直のやつとは大違いだ)
素直のあれは、ものすごく苦しかったし、跡も残った
つまり、井出口のあれは遊びだったのだろうか?
(;'A`)(いやいや、)
もしかしたら、素直を殺した犯人かもしれないのに
('A`)「……」
とりあえず、あいつが持ってきた本を読んでみよう
この部屋は、何もなさすぎてつまらない
ぺら、とページをめくる
('A`)「あ、」
そのタイトルには、見覚えがありすぎた
一時期狂ったように読んでいたそれは、とある兄妹が奮闘する話だった
その兄妹の立場に、俺と死んだ妹を重ね合わせていたことがよくあった
('A`)(こういうの、井出口も読むのかな)
そう思うと、妙な親近感を感じてしまった
('A`)(今度、井出口と話してみようかな)
ほんの、少しだけ、興味が沸いた
199
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 00:33:48 ID:IYiJbBDUO
以上で「('A`)は監禁されてしまったようです」は終わりになります
質問、突っ込み、叱咤、随時受け付けておりますのでどうぞ
200
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 00:35:37 ID:v0I48ww.O
乙
その後('A`)とζ(゚ー゚*ζはどうなったの?
201
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 00:38:50 ID:ChKSC4920
乙
クー報われねーな
まあ、自業自得か
202
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 00:41:53 ID:IYiJbBDUO
その後の二人についてはご想像にお任せします
もしかしたら約束を思い出して履行したかもしれないし
思い出すまでにデレが我慢出来ずに殺してしまったかもしれません
とにかくデレの行動が読めない終わりにしたかったので
203
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 00:56:46 ID:PDBkk42sO
最終回テンポよかったな、前回までは伏線だったんだな
ただ('A`)のカーチャンがクルウを轢いたのはバレバレだったけど
204
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 01:02:25 ID:v0I48ww.O
確かによめないなー
個人的には親しくなって('A`)が好意を寄せはじめたところでーって考えてた
色々妄想してみるか
205
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 01:25:50 ID:IYiJbBDUO
追記
お題を提供してくれた方々へ
お題がなければ正直キャラ付けが弱かったと思います
最初のプロットではデレは変な抽象画を描かなかったし、クーが全裸で('A`)の首を絞めることもなかったですし
最初に考えていたオチよりよっぽどいいものが出来たような気がします
提供ありがとうございました
206
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 08:41:36 ID:FajE7jGM0
紫蘭の花言葉
「あなたを忘れない」
「変わらぬ愛」「薄れゆく愛」
調べてみた 乙です。
207
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 13:35:42 ID:40PD76yo0
乙です!
208
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 13:57:14 ID:6UuYxXo.0
不完全燃焼
209
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 14:21:57 ID:Nd8NrURU0
えがったなぁ乙
ドクオは第二のクーになるのかもしれないね
210
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 22:32:21 ID:Nd8NrURU0
てか
>>11
のぶちまけたような赤……伏線……
211
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 22:33:14 ID:Nd8NrURU0
>>17
だった
212
:
名も無きAAのようです
:2012/09/14(金) 23:25:46 ID:IYiJbBDUO
>>206
他にも「不吉な予感」というのもありますよ
ついでにひっそりと宣伝します
よかったらどうぞ
百物語
( ^ω^)お金を引き出すようです
(´・_ゝ・`)過去のラミカのようです
('A`)はつかれてしまったようですζ(゚ー゚*ζ
从 ゚∀从轢いてしまったようです
( ´_ゝ`)は(´<_` )の家に泊まるようです
('A`)不思議なアクアリウム?のようです
从 ゚∀从はトイレにびびるようです
爪'ー`)y‐は今日もオレオレ詐欺をするようです
片思いを成就させるようです
短編
( ´_ゝ`)不良岡っ引きの事件簿のようです(´<_` )
ξ ^ω^ξ川 'A`)アイドルマスターのようですo川 ゚∀゚)oζ´・ω・`*ζ
寄り道、のようです(他の短編含む)
213
:
名も無きAAのようです
:2012/09/15(土) 04:04:01 ID:hFQiAUHIO
いい締め方だった
文章はやや拙いけど伏線及び回収、場面転換の挟み方等々お見事でした
他のも読んでみます
214
:
◆R6iwzrfs6k
:2012/10/13(土) 18:38:14 ID:.hv.LAfQO
お知らせ
現行が書き終わるor終わりが見えかけた頃に、続編を書きます
書きたいです
ぼかした終わりに一番納得がいかなかったのは作者だったようです
きっとこいつらはこうなってああなってこんな感じになるんだろうなぁ、そういえばこの人ってどうなったんだよ、実はこの人もああだったんじゃね、などなど妄想が爆発状態でして
嘘予告で多少解消したものの欲は消えずさらにひどくなってしまいました
そういうわけで、もうしばらくお付き合い願いたいです
以上作者でした
215
:
名も無きAAのようです
:2012/10/14(日) 01:21:21 ID:ToqFHZXMO
楽しみにしとります!!
216
:
名も無きAAのようです
:2012/10/14(日) 07:22:20 ID:XYOdHIiE0
フヒヒwwww楽しみでござるよぉwwwwwwww
217
:
名も無きAAのようです
:2012/10/14(日) 08:03:17 ID:SLpsNKKE0
待ってる
嘘予告に書いてくれ書いてくれと念じた甲斐があった
218
:
名も無きAAのようです
:2012/10/14(日) 08:42:12 ID:VC5cabJo0
どうなるのか…
219
:
名も無きAAのようです
:2012/10/22(月) 07:11:12 ID:r2uF2s9g0
現行のやつもこれも好きだわ
時間はかかってもいいから両方完結させて欲しい
220
:
名も無きAAのようです
:2012/12/04(火) 06:44:40 ID:w8O9Dn6w0
とても面白かったです
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