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( ^ω^)百物語のようです2012 in創作板( ω  )

187名も無きAAのようです:2012/08/20(月) 01:34:48 ID:CIdRmbio0

 どれ程歩いたろうか。
 デレの息は既に絶え絶えとしていて、苦しそうだ。
 汗が冷えて体温も下がっているようで、それが余計に彼女の体力をうばっていた。
 ブーンは自分の腰に巻いていたシャツをデレに着せてやる。
 ほんのりと温もりを帯びていたため、デレはちょっとだけ安心することが出来た。

 携帯電話の時刻は八時過ぎ。
 電池も半分をとうに切っている。
 疲労もそうだが、お腹も空いた。
 遊ぶ時ならば無尽の体力を誇るとしても、この先に安心の無い状況では、子供は大人よりもはるかに消耗が早い。

 大きな木の根に腰を降ろし、デレを抱きしめて休憩を取る。
 デレを安心させるためではあったが、互いの体温を感じることでブーンも落ち着くことが出来た。

 時計で十分。
 二人は再び歩き出す。
 小学校でサッカークラブに入っているブーンは、あまり休み過ぎると筋肉が固まって動けなくなることを直感的に理解していたのだ。

 道の無い森を必死に歩く。
 木が作る陰で周囲は真っ暗だが、そのおかげで草が伸びておらず足元が歩きやすいのが幸か不幸か。
 二人はどんどんと森の深みへと入ってゆく。

 もう一度休憩を取ろうかとブーンが思い始めた頃、突然デレが立ち止まった。
 振り返って顔を伺うと、青ざめ硬直した表情で前を凝視している。

( ^ω^)「どうしたんだおデレ?疲れたのかお?」

ζ(゚、゚;ζ 「お、おにいちゃんは、みえないの?」

( ^ω^)「え?」


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