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( ^ω^) ブーンが雪国の聖杯戦争に挑むようです

406 ◆IUSLNL8fGY:2013/03/25(月) 01:01:25 ID:1oiKVfdg0

刹那の間に瞬いた銃火三つに遅れ、三つの虚しい金属音と火花が散っていく。

魂蟲達の甲殻がトソンの持つUSPの9mm弾を弾いたのだ。

本来、人間の体内に潜り込ませその者の生殺与奪を得、
魔術回路として与えられるこの蟲はこれほどの硬度を持たないのだが、
クーの吸血鬼としての体質と魔力を貪ることにより、
今や魂蟲達はより獰猛により狩猟に適した形に進化していったのだ。

その結果甲触手は剣の如く鋭く、甲殻は鎧の如く発達し、
拳銃弾程度ではもはや彼らは止められなくなった。

次いで、触手が鉄のような冷たい輝きを放ち、クーの腕から一斉にトソンへと蟲達が飛び立っていく。
  _、_
( ;_ノ` )「ちっ!」

群をなして殺到する蟲達へ渋澤が冷静に手榴弾のピンを引き抜いて投げ込むも、
蟲の群れに飲まれた手榴弾は爆発する直前にズタズタに切り裂かれ、
その威力を発揮することはなかった。

小さな爆発が黒い塊となった蟲達の中で沸き起こるも、勢いを彼らが衰えさせることはなく、
トソン達は咄嗟に身を伏せた。這い蹲る形となった彼女らに蟲達が容赦するはずもなく、
降伏を示した獲物達を貪らんとするだけだ。

蟲達が羽音を一層耳障りに響かせ加速した直後、何かが飛来する音がした間もなく大爆発が巻き起こった。
火炎に飲まれた虫たちは六枚羽を燃え滾らせてぼとりと落ちていき、
爆発を避けた虫たちも鉄片によってズタズタに切り裂かれてしまった。

鮮血と炎の紅き乱舞がクーの目前で繰り広げられ、彼女は宙に尾を引いた白煙を辿っていく。


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