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( ^ω^) ブーンが雪国の聖杯戦争に挑むようです

258 ◆IUSLNL8fGY:2012/09/08(土) 23:08:40 ID:QCpLB3rI0

父達の背は彼ほど逞しくはなかったが、クーにとっては絶対であった。

牧家であった彼女の家は市場から離れており、
少し遠出をすれば獣や害虫に襲われることもあったのだが、彼らは必ず守ってくれた。

男家族の頼もしさは母や兄弟、そしてクーに安寧を与えていた。
父と長男がいればどんな苦難や危険も乗り越えられるだろう、なんとかしてくれると、
普段そんなことを思うことはなかったが、それほどまでに安全を保証されていたのだ。

だが、父は"聖戦士"達に銃弾で穴だらけにされ、兄は片腕を切り落とされてしまい、
母とクー達は乱暴されて奴隷として市場に卸された。

妹が二人いたのだが早々に売り落とされ、母は聖戦士達の元にいる。
家族は離れ離れになってしまったのだ。あんなに強い父と兄がいたというのに。

男の肩が物語る強さは彼女にとって空虚なものだった。
空虚であるだけならばまだ良い。蘇っては痛みを与える記憶がその空虚を満たそうとしてくるのだ。
喉の奥が乾いていき、目が熱くなってくる。頬を涙が伝っていく。

気道に何かが突っかかったかのように苦しかった。
それでも、心の叫びが嗚咽混じりに口から漏れ出てきた。

川 ; -;) 「私は……どうしたらいいの? どこへ行けばいいの?」

鎖に繋がれて店の前に出され、買い手を待つ日々は思考能力を奪う。

何かをする自由を与えられずただ使役され、店主の相手をさせられる。
まだ10歳の少女にとってどれほど過酷な日々だったのだろうか。


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