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( ^ω^)は街で狩りをするようです
145
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 18:49:22 ID:M92hnJG20
ノハ;゚⊿゚)「ショボン。ビロードの服に、爪で引っ掛けられたような痕があるぜ。だとしたら……」
(;><)「ジョルジュさんを助けてください! このままじゃ殺されるんです!!」
ビロードが目下に指を刺して縋った。
だが、ショボンとヒートの表情は依然として曇っている。
(;´・ω・`)「……しかし、彼は……」
俄かには信じられない発言であった。
現にジョルジュは人肉を喰らう獰猛な獣と化している。
にも拘らず、ビロードのみを救うのは腑に落ちない事である。
思考を巡らせている内に、ショボンはジョルジュと目を合わせた出来事を思い出した。
そして一つの可能性を立てる。
あれはもしかすると、此処にいるであろう我々を探していたのではないかと。
それからクローン兵の初撃を被弾した事、あれはビロードを庇ったとも取れる。
しかしながらあくまで可能性なのだ。
一個人の観察から立てた推測なのだ。
事実に至らせる材料は揃っていても、解明すべき対象が特別種のセカンドとあれば迂闊に手を出せない。
ショボンは、最もジョルジュをセカンドたらしめる要素をヒートに差し向けて尋ねる。
(;´・ω・`)「……彼は、人を喰らっている。これにどう説明をつける?」
ノハ;゚⊿゚)「それは……それにしても、腑に落ちない事が多すぎる」
(;´・ω・`)「ああ、依然正体は不明だ。どちらを手助けするか、もう少し様子を……いや、もはや我々は撤退すべきかもしれないな」
146
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 18:49:31 ID:KQZ47c8k0
やっぱり理性があったかジョルジュ!!
147
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 18:50:32 ID:M92hnJG20
(;><)「何で助けないんですかショボン!? ジョルジュさんは人間なん――――」
言いかけたビロードを襲ったのは、まず音圧であった。
僅かに遅れ、目の覚めるような色の閃光が立て続けに路地へと降り注いだ。
誰も予兆せぬ突然の事であった。
( 〓 )「――――回避しろ!」
更に蒼光は爆音を伴い上空から降り注ぐ。
滅多撃ちだ。
生身の人間ならそう思うだろうが、熟練のサイボーグ達は不気味なまでに正確な射撃に対し、口を開けて驚愕した。
クローン兵の腕と銃のセットを、秒間で2セットのペースで消し炭にしているのだ。
クローン兵とて生身の人間と懸け離れたデザインドヒューマンだ。
近代サイボーグと戦闘しても十分渡りゆける身体能力を持つ。
そんな彼女達が地を飛び跳ねようが地を転がろうが、蒼き閃光は腕だけを撃ち抜いて行く。
抵抗反撃の余地はない。
防戦、退避も許されぬ一方的な蹂躙だ。
148
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 18:53:16 ID:M92hnJG20
( 〓 )「体感して初めて理解したが……アーマーシステム、これ程とは……」
闖入者の攻撃が終わった。
路地に犇くのはジャンクの残骸と、片腕を失い沈黙したクローン兵達であった。
裂傷と大火傷を一緒くたにした腕の断面から零れる血はない。
高速且つ高熱の攻撃は止血作用すら残していったようだ。
加えて彼女達は痛覚が鈍い。
混乱せずに現状を受け入れる彼女達の統制は見事なまでである。
しかし同時に歯がゆさも伺えた。
総勢20といる誇り高きスタンレーの尖兵、その誰もが成す術もなくじゅ蹂躙され、
闖入者を見上げて睨みつけるのが精一杯となったのだから。
戦慄するショボン、ヒート、ビロード、クローン部隊。
そして胸に何を抱くか定かではないが、ジョルジュすらも上空を見上げた。
149
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 18:54:25 ID:KQZ47c8k0
誰だってあんな顔のが来たら見上げちまうよ
150
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 18:55:50 ID:M92hnJG20
一斉に上空へと注がれる視線と、偽りの星雲の煌きを浴びるそれは、漆黒の鎧であった。
両腕と腰に携えた銃口から立ち上る銃撃の硝煙。
蒼き輝きを放つバーニアンとイジェクト。
銀色の瞳を持つ、機械仕掛けの猟犬の顔貌。
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「…………」
B00N-D1が愛機BLACK DOGを身に纏った最強の戦闘形態だと、その場の誰もが知っていた。
ショボンはブーンに拝跪するように愕然と膝をつけ、思い切り膝つく地に拳を突きつけた。
銃を奪われたクローン兵達は二人を囲うような配置取りをした後、総じて直立不動した。
ミ,, Д シ《……ガルルルゥゥゥ……》
処分の危機から解放された獣、ジョルジュは、何事もなかったかのようにその身を正し、降り立った鎧と向き合った。
151
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 18:58:58 ID:xcex.K2w0
初遭遇、街狩り大好きだ
152
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 18:59:20 ID:M92hnJG20
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「…………………………》ミ Д ,, シ
有機的な身を持つ獣、無機質な身を持つ獣。
人ならざる姿を持つ両者は、静かであった。
何かを語ろうともせず、威嚇の唸りもあげず、銀と赤の双眸で睨みあうのであった。
兜から漏れる金の髪、血に染まった銀の髪。
対照的で相容れそうに無い両者を煽るように、場に熱風が吹き荒れた。
常人ならば途端に苦悶する高温の風を、両者は指一つ動かさず、共に浴びた。
153
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:00:49 ID:M92hnJG20
突風は、更なる闖入者の訪れを知らしめるものであった。
INDIGA(インディガ)。
土色をベースに黄金色を施したYOGA製最後の戦闘用ドロイドが、7機の編成で介入した。
全長4メートルを超える巨躯に搭載されたバーニアンとエアーイジェクトが生む流れこそ、突風の正体であった。
両脚両腕を伸縮自在させる高機動戦闘ドロイドINDIGAは、全身に機関銃、火炎放射、レーザーと豊富な武装を秘めている。
手足は細く、反して図体は太いというアンバランスなボディ、そこに座する細長の頭部が緑色のモノアイを光らせている。
モノアイを始めとする機関の情報収集を元に、INDIGAの高度なAIは命令遂行の為に人間以上に思考するのだ。
人間以上、つまり、冷酷且つ非人道的な行動を何の疑いもせずにやってのけるのがドロイドの本質だ。
そして、欠陥である。
この欠陥を埋めた戦闘兵器の完成品こそHollow-Soldierである。
しかし、皮肉にも彼女達は今、旧時代の兵士に銃を突きつけられているのだ。
配置を速やかに終え、機関銃による圧力でクローン兵を制圧したINDIGAが外部スピーカーより告げる。
AIの電子的な声による語りではなかった。
『――テロ首謀者、モララー・スタンレーは逮捕された!
貴様等もテロに加担する反乱分子と見做し、逮捕する! 速やかに投降せよ!
貴様等のマスター、モララー・スタンレーの命は、我々の握る銃で左右されているぞ!』
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「その声、モナーさんか」
『ブーン、すまない……君の手を煩わせる事に……ましてや、こんな事になるとは、私は……』
総統、モナー・ヴァンヘイレンの肉声であった。
154
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:02:28 ID:M92hnJG20
( 〓 )「フン、抵抗しようにも腕ごと奪われているというのに、新しい権力者も随分臆病な事だ」
皮肉に対しモナーは反論せず沈黙する。
ドロイドも特に思考せず、銃を構えたまま静寂を保っている。
( 〓 )「まあいい。大人しく投降してやる。たった今、マスターからもそう命令された。
我々も任務を全うし果せた。結果的には失敗のようだがな」
( 〓 )「B00N-D1、最後に聞かせてもらおうお。何故邪魔をした。奴はセカンドだ。
貴様はセカンドを保護しようというのか」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「ジョルジュ隊長を殺すのは僕の役目だ。
それに、まだだ。まだジョルジュ隊長がセカンドになったとは分からない」
( 〓 )「戯言を」
クローン兵は肘から先のない腕をジョルジュに向け、無感動に言い放つ。
止血効果が切れて血を滴る腕の断裂面を敢えて向けたのは、血に飢えた獣を挑発したとしか見えない。
( 〓 )「そいつはもう、人を喰らうセカンドだ」
侮辱に対し激情を放ったのはジョルジュではない。
機械仕掛けの猟犬の方であった。
155
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:03:33 ID:M92hnJG20
左腕を振るう。激情のまま無意識に取った動作はそれだけであった。
しかし重量感と速度を伴った動作は、クローン兵を圧倒させるに十分過ぎるものだった。
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「黙れ、さっさと去れ」
何よりB00N-D1自身の冷やかな声が、例えようのない殺意を孕んでいた。
サイバーウェアで制御された彼女達は、無意識に、じりと地を鳴らした。
( 〓 )「……好きにするがいい。ビロード・ハリスも貴様達に預けておこう」
( 〓 )(尤も、貴様等にはどちらの重要性も理解できないようだがな)
クローン兵隊を臨時で代表した者が最後に胸中でごちると、彼女達は潮らしく片手を上げて投降した。
INDIGAに圧されるように歩いてゆく。
恐らく第3階層のセントラル警察に身柄を渡されるだろう。
モララー・スタンレーが徹底した監視を受ける限り、彼女達が武器を取る事もないはずだ。
ブーンは一度息を吐く。
これで騒動の発端となったスタンレー一味は排除した。
後は――――
156
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:05:04 ID:M92hnJG20
『ショボン、ビロードを頼む』
(;´・ω・`)「ブーン!?」
不意に入信した無声通信。頭に入った声に対し、思わずその場で叫んでしまったショボン。
屋上から身を乗り出してブーンを見るが、ブーンはショボンに一目もくれず、
『ジョルジュ隊長は僕に任せろ』
ジョルジュと対峙したまま、そう続けた。
(;´・ω・`)「ブーン、すまない。僕はまた誰かに頼ろうとしていた。
ましてや敵のクローン兵に判断を委ねてしまった。
そして結局、君に頼ってしまう事に……」
『構わない、ショボン。君は店で客に酒を持て成していた方がずっといいお。
ウィルス絡みの仕事は僕が片付けてやる。それに、これは――――』
157
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:06:03 ID:hxJCgslI0
支援支援
158
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:07:05 ID:M92hnJG20
ミ,, Д シ《…………》
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「――――僕とジョルジュ隊長の約束だ」
――――後は、目の前の男に集中するのみ。
ようやく舞台は整った。
果たして、彼は人間なのか。
果たして、彼はセカンドなのか。
それとも、もっと別な、何かなのか。
様々な憶測が脳裏を巡るが全て定かではない。
確かな事はただ一つ。
送別の時という事だけである。
159
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:09:01 ID:M92hnJG20
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以(ジョルジュ隊長……!)
人であって欲しいと願うばかりだが、心の奥底に眠る可能性をどうしても払拭出来ずにいた。
一刹那の後、血を血で洗う殺し合いに転じるという可能性を。
ブーンは、武装解除しないどころか、今一度アーマーシステムの再チェックを密かに行う。
ジョルジュには伺いようのないデジタルグラフィックスでエネルギー装填率、バッテリー残量を表示。
強制パージまで残り13分、だがエネルギー及びバッテリーの残量は一体のセカンドを屠るに十分だ。
ジョルジュが如何様な攻撃を繰り出してこようと対処出来るのを、ブーンは至って冷静に確認した。
言い返せば、いつでも殺せるという安堵を得たとも言えた。
アーマーシステムの攻撃及び移動速度の恐ろしさを、B00N-D1は文字通り身を持って体感している。
それは揺ぎ無い自信でもある。
相手がどんなセカンドであれ追随を許さぬ、それがアーマーシステムだ。
両腕に変形した武器庫、テールノズル、どちらも射撃可能。
いつでも、撃てる。
従ってブーンは試みる―――――ジョルジュとの対話を。
開かぬ猟犬の口先から、くぐもった声が漏れる。
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「……ジョルジュ隊長」
160
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:10:30 ID:M92hnJG20
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「奴等は去った。もう監視カメラを気にする必要だってない。貴方はもう、自由だ」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「だからジョルジュ隊長、喋れるんなら、何か言ってくれ」
ィ'ト―-イ、
以` 益 以「頼むお……」
ミ,, Д シ《…………》
ミ,, Д シ《………………》
ミ,, ∀ シ《………………ヘッ》
161
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:11:51 ID:M92hnJG20
ミ,, ゚∀゚シ《待ちわびたぜ、ブーン》
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「ジョルジュ隊長、やっぱり……」
ミ,, ゚∀゚シ《ああ、自我を保ってるぜ》
ブーンは頭部を背に収納し、肉眼と呼べる双眸で改めてジョルジュと見合った。
(; ゚ω゚)「ではどうしてクローン兵を喰った!? 獣染みた行為をどうして!?」
ミ,, ゚∀゚シ《……酷く》
162
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:13:29 ID:M92hnJG20
ミ; ゚∀゚シ《酷く、腹が減っててな、腹が。それに、喉も渇いてた。
酷い渇きと餓えだった。思わず喰っちまったんだよ、アイツ等ならいいんじゃねえかって。
クククク、中々美味いもんだぜ? 人の肉って。この体だからか、それともアイツ等が特別美味いのか知らねえが》
(; ゚ω゚)「う……ジョルジュ隊長……」
ミ; ∀ シ《なあブーン、お前には俺がどう見える? お前の鎧に映る俺は、醜い化物だ。
人を平気で喰っちまえる化物だ! ウ、ク、クッククククク!!
ああ! 喰い足りねえ! 喉も渇いた! ずっと我慢してたんだよ! 分かるだろ!?
お前の血を流されてずっと縛り付けられたんだ!》
(; ゚ω゚)「……誰かを喰おうって言うのか……?」
ブーンは思わず疑ってかかってしまったが、ジョルジュは邪な笑みを消して、フンと鼻を鳴らし、
ミ,, ゚∀゚シ《その口ぶり、やっぱり化物に見えちまうか》
当然、ブーンは狼狽した。
カマをかけられたと言えばそうなるが、試すにしても自虐的すぎる。
しかし、そんな事をジョルジュに言えるはずもない。
ジョルジュにとっては重要な問題だったのだ。
(; ゚ω゚)「ジョルジュ隊長、僕は、そんなつもりじゃ、」
慌ててブーンは取り繕うが、
163
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:13:32 ID:KQZ47c8k0
実写版のブランカみたいなジョルジュさん!!
164
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:16:50 ID:M92hnJG20
ミ,, ゚∀゚シ《分かってる。分かってたさ。自我を保てようと俺は此処にいちゃいけねえって。
俺は血に飢えた獣だ。獣は人と一緒にゃいられねえ。
人を獣に変えちまう病気を振り撒く、セカンドなんだ》
ジョルジュは困惑するブーンを宥めるように、落ち着いた調子で遮る。
タチの悪いカマかけも、それは改めて確認しなければならない事だったのである。
ブーンのように免疫と自分の身を守る力を持ち合わせる者であれば、自分のような化物とだって共にいられるのだろう。
だが、ブーンが見せた懸念とは、非力な市民に対しての事であった。
ジョルジュはそれを再確認し、脳裏に描かれ続ける友との別れを酷く惜みながら、静かに続けた。
ミ,, ゚∀゚シ《俺は、人とは相容れない存在なんだな》
(; ω )「ジョルジュ隊長……」
ジョルジュの言葉は寂しげに響いた。
今、彼の目には、相対する鎧が映し出す変わり果てた自分の姿がある。
そして脳裏には恐怖を張り付かせたビロードの顔があった。
仲間と呼んでくれた少年ですら、今の自分に怯えていた。
手を差し伸べてくれる市民はいないのだ、そうジョルジュは悲観して止まなかった。
だが、目の前の男だけは違う。
見込んだとおりの男は、化物になった俺に対し、まず対話する事から初めてくれたのだ。
ミ,, ゚∀゚シ《ブーン》
ミ,, ゚∀゚シ《約束を果たそうと、来てくれたな。俺は、お前に……》
165
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:18:30 ID:M92hnJG20
ミ,, ゚∀゚シ《……感謝す――――》
ミ; Д シ《ぶっはぁあっ!?》
突然、ジョルジュは夥しい量の血を吐いた。
爪で傷つけないよう掌で胸と腹を押さえ身体を撓ませた。
苦しそうに唸り続け、終いには膝を着き、尚も血反吐を足元に広げた。
ぴんと張っていた翼も萎れたように閉じ、丸くも歪な背を激しく痙攣させた。
大型の虫か何かが背中で蠢いているようである。
(;゚ω゚)「ジョルジュ隊長!!」
ブーンは咄嗟に駆け寄り、背に触れようとした。
だがジョルジュは腕で振りのけ、血走った目を向けて叫ぶ。
ミ; Д シ《その手で触るんじゃねえ!》
166
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:19:26 ID:M92hnJG20
(; ゚ω゚)「――そうか、抗体が……」
抗体。セカンドにとって最悪の劇薬。
重要な事を失念していたと気づき、ブーンは酷く動揺した。
制御を忘れられた巨体は尻餅をついて、じっと腕を見つめた。
配線、回線、配管を通り全身に巡る蒼き光、その動きは、指の関節部分で顕著に現れていたのだ。
直に手で触ろうと抗体がジョルジュの身を焼くことはない。
それでもジョルジュは、ブーンの持つブルーエネルギー、抗体が、恐ろしくて堪らなかった。
ミ; Д シ《そうだ。俺は、毒されていたんだ……ずっとな。お前の抗体は俺にとって猛毒だ。
治療法でも抑制法でもない、ただの、毒だったんだよ。
別にお前やツン博士を恨んじゃいねえ。こんな結果になるとは誰も思わなかったろうよ……》
ミ; Д シ《なに、その内良くなる。外の連中でも喰えば毒も抜けるはずだ》
ミ; ゚∀゚シ《……それが、獣になっちまった俺の、これからの生き方でもある……》
(; ω )「……ジョルジュ、隊長……」
167
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:21:55 ID:M92hnJG20
ミ; ゚∀゚シ《なあブーン。セカンドウィルスってのは、何なんだろうな。
人智にも及ばぬ存在ってのは分かる。だが、我々人類にこれから何を齎す?》
ミ; ゚∀゚シ《一度は人類と文明を破壊し尽した存在が、今度は俺に力を与えている。
傷つかぬ身体、車よりも速く走れる脚……空を飛べる翼。
人が持たぬ人が望み描いた物を与えてくれるウィルスと考えるべきなのか?》
そこで、ジョルジュは立ち上がり、しっかりと地に足をつけ、ブーンに問うた。
ミ,, ゚∀゚シ《ブーン。お前はどう思う》
(; ω )「……ジョルジュ隊長、僕は、」
( ω )「僕は、ボストンで知った事がある。
この世界に取り巻くウィルスは、禁断の果実に等しい存在なんだと」
( ω )「邪な考えを持つ者が悪戯に手にすれば、たちまち悲しみと憎しみを生み出す代物と化してしまう。
或いは、この禁断の果実を好奇心を抑え切れない弱い者の前に差し出せば、垂涎の思いで彼等は縋り付くかもしれない」
( ω )「オットー・サスガは人類を成長をウィルスに願いもしたが、本当は違った。
彼がウィルスを解明しようとしていたのは事実だが、彼は好奇心に屈服したに過ぎなかった。
そう。ウィルスに可能性を求めたのではなく、強大な力を持つウィルスに依存しようとしていただけだった。
それは大きな間違いだった。人として外れた道を行くものだった」
168
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:23:45 ID:M92hnJG20
( ω )「僕はオットーを認めない。彼の考えを肯定すれば、生き残った我々人類の努力は全て水泡と帰してしまう。
ジョルジュ隊長、今日までの貴方が抗ってきた努力の全ても、否定する事になる」
ミ,, ゚∀゚シ《ウィルスに非はないと考えるか》
( ω )「僕が許せないのは欲望に狂った者全てだ。クローン兵とモララー・スタンレーは断じて許さない。
そして可能性を食い破る地上の獣、セカンドが存在する事を許したくない」
( ω )「両親の殺害したセカンドを殺すまでは……僕は死ねない」
( ^ω^)「…………或いは、貴方を治す治療法を見つけるまではね」
ミ,, ∀ シ《…………ハッ》
ミ,, ゚∀゚シ《泣かせてくれるじゃねえか、クソガキ》
(; ^ω^)「からかわんでください」
( ^ω^)「……ジョルジュ隊長、人の可能性は無限だと思います。歴史に学べば、その事は文字通り歴然だと分かります。
人類は何度も障害にぶちあたってきたが、宇宙というステージにも飛びたてた。
まあ、運悪くセカンドウィルスに出会ってしまいましたが……それは恨みますけどね」
ミ,, ゚∀゚シ《なるほどな》
169
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:25:23 ID:M92hnJG20
ミ,, ゚∀゚シ《だが、想像してみろ。人類がセカンドウィルスと付き合えるような未来が訪れたら、お前はどうする?
現に俺とオットー……いや、ギコ・アモットがウィルスとの付き合い方の一つを確立させちまった。
もしかすると、世界には俺のような人種が存在するかもしれねえ。この大陸にもだ。
もし世界中が俺のような人間になっちまったら、お前やツン、ビロードは孤立しちまうかもしれねえぞ》
(; ^ω^)「ジョルジュ隊長、それは……」
( ^ω^)「それは僕にとっては何とも途方もなく、遠い未来の世界のように思えますお」
ミ,, ゚∀゚シ《はっはっは。だろうな。正直、毒さえ抜けりゃ俺は死ぬ気がしない。
サイボーグのお前がこの先何年生きるのか、見ものだぜ》
( ^ω^)「はは……それにこうして、僕は貴方と友人のままでいられる。孤立してるだなんて思わないでしょう」
ミ,, ゚∀゚シ《…………ああ、互いに、な…………》
( ^ω^)「……貴方と殺し合いを演じずに済んだのは、本当にホッとしました」
( ^ω^)「……ジョルジュ隊長」
ブーンは視線を落とし、長い髪で表情を隠し、声を震わせて続けた。
( ω )「ジョルジュ隊長、僕は寂しい。そして不安です。
過酷な地上で生きる事を強いられてしまった貴方の、これからの行く先々が、不安で仕方がない」
弱弱しく呟くブーンに対し、ジョルジュは声を荒立てて返す。
ミ#゚∀゚シ《ああ? 舐めてンのか? 俺を誰だと思ってる? 軍人時代の俺の渾名を知らねえのか?》
170
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:27:07 ID:M92hnJG20
( ω )「命知らずの」
ミ,, ゚∀゚シ《特攻野郎》
ジョルジュは鼻を鳴らし嘲笑する。
ミ,, ゚∀゚シ《ったく、我ながら物騒な渾名をつけられたもんだ。
誰が言い出したのか知らねえが、他になかったのかよ……クソが》
ミ,, ゚∀゚シ《生きるも死ぬも、ずっと命懸けだ。もう死に場所を決めてもらう必要はねえ。
テメエに頼む理由も無くなった。これからは、俺自身が決める》
ミ,, ゚∀゚シ《……今はもう、肩から荷が下りたような気分さ……》
偽りの夜空を眺め籠もった息を吐くジョルジュの顔は、どこか清々しく見えた。
もう何の迷いもないのだろう。
目の前に現れた新しい道を、ただただ歩いて行く。
それは途方もなく危険に満ちた道程となろう。
171
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:28:39 ID:KQZ47c8k0
Aチーム!!
172
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:28:54 ID:M92hnJG20
( ω )「…………」
だが、彼なら歩いてゆけるだろう。
老衰で眠るように死を迎える、そんな死に方に向かって。
新しくスタートした人生を、決して無碍に終わらせぬ意味のあるものにしてしまうのだろう。
『セントラル』で生きる我々がそう目指すように、人ならざる姿となった彼も、きっと。
( ^ω^)「……分かりました」
ミ,, ゚∀゚シ《……ああ。俺はさっさと地上に出るとしよう。此処を汚す訳にもいかねえからな》
ミ,, -∀-シ《まあ……あいつ等にゃ、よろしく頼んだぜ》
( ^ω^)「残念ですが、それは引き受けられない頼み事です。
外で生き永らえたいなら耳を鍛えるといい。そろそろ貴方の耳でも聞こえる頃でしょう」
173
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:30:04 ID:M92hnJG20
( ω )「…………」
だが、彼なら歩いてゆけるだろう。
老衰で眠るように死を迎える、そんな死に方に向かって。
新しくスタートした人生を、決して無碍に終わらせぬ意味のあるものにしてしまうのだろう。
『セントラル』で生きる我々がそう目指すように、人ならざる姿となった彼も、きっと。
( ^ω^)「……分かりました」
ミ,,゚∀゚シ《……ああ。俺はさっさと地上に出るとしよう。此処を汚す訳にもいかねえからな》
ミ,,-∀-シ《あいつ等にゃ、よろしく頼んだぜ》
( ^ω^)「残念ですが、それは引き受けられない頼み事です。
外で生き永らえたいなら耳を鍛えるといい。そろそろ貴方の耳でも聞こえる頃でしょう」
174
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:30:57 ID:M92hnJG20
ミ,, ゚∀゚シ《ああ? 何を言って――――》
バイクのエンジンが鳴らす甲高い音、それに混じり僅かに耳に入る聞き慣れた声。
ジョルジュは溜息を吐きながら掌底で頭を押さえた。
長年苦楽を共にしてきた仲間と一言も交わさず別れるというのは、我ながら水臭いとジョルジュは思っていた。
しかしブーンの鎧に映る化け物の我が姿を、願わくば彼等にだけは見せずに去りたかった。
从 ;∀从「ジョルジュ―――――――――ッ! 無事か――――――ッ!?」
ガイル「隊長ォォォォ!! 隊長ォォォオオオオオオオオ!!」
(;'A`)「ちょっ! 暴れないでくださいガイルさん!」
ミ,, ゚∀゚シ《あの馬鹿共……》
そして、例え彼等が送別を望みに来たとしても、その優しさに甘んじるつもりも無かった。
腹に溜め込んだ思いはブーンに全て吐き出すつもりであったのだ。
そうして吹っ切れた所に、仲間の情に触れれば、後ろ髪を引かれる思いを酷く味わうだろう。
そう、思っていた。
175
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:31:37 ID:KQZ47c8k0
なんと?!
176
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:32:01 ID:M92hnJG20
(;´・ω・`)「ジョルジュさん!」
ノハ;゚⊿゚)「ジョルジュ!」
(;><)「ジョルジュさぁ――――――ん!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「ジョルジュさん! ナイトウ!」
続々と集まる馴染みある顔触れ。
皆、化け物を見るような目をしておらず、まるで怪我を負った友人を見舞いに来たかのような表情だ。
ビロードが本気で心配そうに見ている。
どれもこれも、嘘のない顔だ。
B00N-D1が憎たらしく笑んでいるを伺えば瞭然だ。
《ったく、面倒臭い連中に好かれちまったもんだな……》
そう皮肉を浮かべ、ジョルジュは表情を悟られぬよう、髪で顔を隠した。
___
177
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:33:34 ID:M92hnJG20
―――――暗黒の空、荒廃した大都市。
嘗て大都市が吐き出した空気に汚染された空は、もう殆ど回復しているようである。
極まりなく広がる闇夜で輝きを放ち点々と存在する星々は、小さくも確かな存在感を放っている。
そう感じるのは偽りの空に慣れていたからであろうか。
任務といえば日の出と共に開始し、日没と共に帰還するのが大抵であった。
屈強なパイロット、ジョルジュ・ジグラードですら、夜空に美しさを覚えたのはパンデミック以前に遡る。
ジョルジュは奇妙な感覚を全身で感じていた。
自分自身も暗黒の中の一部になるほどに暗いだろうに、明るい風景が見えた。
何の変哲もない木々も、流れゆく雲も、星も。
遠くに見える朽ちたビルやタワーですらも廃墟が醸し出す独特の破壊美として心を打つ。
空気の流れすらも見えるのではないかと思えた。
月明かり以外に照明を伴わない地上の、草木の息吹すら聞こえてしまいそうな静けさ故なのか。
それとも、人ならざる存在と化した故の、新しい五感がそう見せているのか。
いや、双方の賜物なのだろう。、
ジョルジュは複雑な思いで白い息を吐いた。
ミ,, ゚∀゚シ《ブーン、お前はいつも、こんな風に外を見ていたのか》
傍らで聞く他の者には意味の分からない言葉であった。
ブーンは少し間を空けた後、頭を掻きながらジョルジュに返した。
178
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:36:28 ID:M92hnJG20
( ^ω^)「いえ……恥ずかしながら、そんなゆとりを持てずにいましたお。
それに僕とアンタじゃ、違って見えるのかもしれませんし」
ミ,, ゚∀゚シ《そうか……なら、俺は色々見て回るとする。
バトルスーツ無しで歩き回るのはもう御免だと思っていたが、空一つ見上げるだけでも乙なもんだ》
ξ゚⊿゚)ξ「旅、ですか……最初の旅先は決まってるんですか?」
ミ,, ゚∀゚シ《とりあえず、ニュージャージーへ向かおうと思う》
(;^ω^)「ニュージャージー……」
ξ;゚⊿゚)ξ「アタシ達の故郷を、ですか」
ミ,, ゚∀゚シ《お前らの次の探索場所だろうよ。新たな資源の発見を議会も期待するだろうし。
俺にしか出来ない事があるかもしれねえ。まあ、何かあれば逐時報告するつもりだ》
ジョルジュは手首に巻かれた携帯端末を見せて言った。
( ^ω^)「無茶だけはしないでくださいお」
ミ,, ゚∀゚シ《どうかな? どうにも無茶しちまう性分でね……まあ、肝に銘じておくよ。
では、ニュージャージーで再会するとしよう、ブーン》
( ^ω^)「はい! その日を楽しみにしてますお!」
179
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:38:24 ID:M92hnJG20
春麗「ジョルジュ隊長、平穏な旅になるとお祈りします」
ミ,, ゚∀゚シ《お前とは一度も隊列を組んだ事がなかったな。残念だ》
春麗「何をおっしゃいますか。貴方には羽がありましょう。
例えバトルスーツがなくとも共に空を飛べるではありませんか。
いつか共に作戦が出来る事を願います」
ミ,, ゚∀゚シ《……そうだな、それは良いアイディアだ》
ガイル「隊長ォ……」
ミ,, ゚∀゚シ《ガイル……チーム・アルドリッチを頼んだぞ》
ガイル「……Yes,Sir!」
ガイルは見事なまでに背筋を立たせ、微動だにせず敬礼し続けた。
しかし堪えていた涙がここで流れ出し、顔といえば大の大人が見せる物とは思えぬほど破顔してしまった。
春麗も敬礼した。ガイルとは対照的に一筋の涙も見せず軍人然とした態度を見せている。
泣きたいのは山々なのだが、春麗は自分が強い女である事を証明し、ジョルジュの門出を飾りたいのである。
必死に敬礼姿勢を続けるガイル、春麗を見つめ、ジョルジュはハッと気づいた。
今まさにこの時こそ、退役と呼べる瞬間なのだと。
ジョルジュは五本の細長い爪をキンと鳴らして揃え、敬礼でガイルに応えた。
もう軍服に身を包む事が叶わぬ異形の姿。
しかし、敬礼するジョルジュの姿は、紛れもなく軍人のそれであった。
180
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:39:52 ID:M92hnJG20
一斉に敬礼姿勢を解く。
ガイルは涙を拭い、朗らかな笑顔を見せて言った。
ガイル「……隊長、故郷と文明が恋しくなったら気軽に呼んでくれ。バトルスーツで何でも届けてやらぁ」
ミ,, ゚∀゚シ《それは有難いなガイル。液体化食料はコーラ味、飲み物はビールだ。ホットドッグも忘れるなよ。
これは絶対だ。無人の球場を眺めながら摘んでみるのが、今の俺のささやかな夢なんだよ》
冗談かどうかはさておき、退廃した球場を独り占めにするジョルジュの堂々たる姿を思い浮かべると、
ガイルは勿論、一同は口の端を吊り上げずにはいられなかった。
ミ,, ゚∀゚シ《ま、当分はショボンが詰めてくれた食料で恋しさを凌ぐとするよ》
と、大きなリュックサックを持ち上げ、ジョルジュは呆れたような笑顔を見せる。
阿部「タッパーに俺の特製カレーも入れといた。最後に取っておけよ。
じゃなきゃショボンの飯なんか食えなくなるぜ」
(´・ω・`)「黙れよ阿部さん。ジョルジュさん、少量ですが酒も入ってます。
旅路の楽しみにして頂ければ幸いです。それこそ味は保証できませんがね」
ミ,, ゚∀゚シ《ハッハッハ。酔えりゃいいさ、酔えりゃ。酔えるのか分からないがな》
181
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:40:56 ID:KQZ47c8k0
ガイルの……ホット……ドッグ……ッ
182
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:42:24 ID:M92hnJG20
('A`)「ジョルジュさん」
次に声を掛けたのはドクオであった。
ドクオとジョルジュは、荒巻暗殺に関して些か遺恨を残した仲である。
今日という日に至ったのも全て、ドクオが容疑を掛けていたモララー・スタンレーであったのだから、
それを軽視してしまっていたジョルジュが複雑さを覚えたのは無理もなかった。
ミ,, ゚∀゚シ《ドクオ。お前には悪かったと思っている。お前は正しかった。
これに関しては皆申し訳なく思っているだろう》
いつになく、ジョルジュは悪びれた態度を見せながら言う。
いや、もしかすると、こんな謙遜を見せるのは両チームの確執が始まって以来なのかもしれない。
ドクオは照れくさく頭を掻いた。
ミ,, ゚∀゚シ《だがな、何か抱えている事があるんなら、遠慮なく言っちまったほうがいいぜ》
('∀`)「ご心配には及びません。強力な協力者がいますから」
( ^ω^)「何かあったら僕にも頼ってくれお、ドクオ」
('A`)「おう。ま、今はお前の修理が最優先だけどね」
183
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:44:18 ID:M92hnJG20
ノハ;゚⊿゚)「私の改造も忘れないでくださいね! 何かあったら駆けつけます! ジョルジュさん!」
(;´・ω・`)「ええい、耳元で喚くな! まだちょっとビビってるくせに!」
と、ヒートはショボンの背後から顔だけを出して叫んだ。
ミ,, ゚∀゚シ《借りたままじゃ癪だ、レッドヘアー・リーパー。いつか借りは返すよ》
爪をキンと鳴らして返したジョルジュ。
ヒートは引きつった顔で、何度も頷いて見せるのが精一杯であった。
( ´Д`)「ジョルジュ君」
次に口を開いたのは、モナー・ヴァンヘイレンであった。
白衣、私服とラフな格好が並ぶ中、彼はやはりきっちりとスーツに身を包み場に臨んだ。
ミ,, ゚∀゚シ《総統閣下、アンタまで俺の送別なんかに付き合うなんてな。収拾はついたのか?》
( ´Д`)「一応カタはついた。安心してくれたまえ」
ジョルジュの言う通り、モナーが送別に出向いたのは皆には意外な事だった。
しかも護衛も伴わずにである。
モナーは、ブーン達と同じく一人の友人として彼に別れを告げたかったのである。
184
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:47:17 ID:M92hnJG20
( ´Д`)「ジョルジュ君、すまなかった。私さえ、もっとモララーを疑っていれば……」
それに詫びねばならぬのは他でもない自分だと、モナーは責め立てた。
モナーは深々と頭を下げ、ジョルジュの言葉を待った。
総統のその姿には一同驚いたが、護衛を付けずに内輪での送別にする事の意味を、これで理解した。
ミ,, ゚∀゚シ《頭を上げてくれ……総統、アンタにゃ感謝してるんだ。
俺の為に居住許可を取り計らってくれたのはアンタだった》
ミ,, ゚∀゚シ《今回の件でもアンタは良くやったよ、総統。誰もアンタを責めたりしないさ。
議会が綺麗になってよかったじゃねえか》
ミ,, ゚∀゚シ《セントラルを頼むぜ》
( ´Д`)「言われずともな。それが総統に祭上げられた、愚かな私の責務だ」
( ´∀`)「……だから、と言うのも変だが、いつでも戸を叩くといい。
セントラル代表として君の帰りを歓迎しよう。
ただし今日のように寒空の下になるのだろうが、肘を付けるテーブル、それにコーヒーさえあれば会話には事足りるはずだ」
ミ,, ゚∀゚シ《勿論、市民にゃ内緒でな。知られたら大変なスキャンダルだ》
( ´∀`)「はっはっは。いや、タフだね君は。見習いたいものだ。
ジョルジュ君、良い旅になることを祈る」
185
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:49:12 ID:M92hnJG20
( ><)「ジョルジュさん!」
<_プー゚)フ「外に出るのはもっと先かなーって思ってたのに、まさか出れちゃったよ!」
ひょこっとツンの影から出てきたのは二人の少年であった。
エクスト・プラズマンとは直接面識のない者が大半だが、まず、父リレントの名が彼を何者か知らしめるのに役立った。
そしてツンから彼との出会いの経緯を説明され、今回の作戦の功労者の一人であるエクストを皆は歓迎した。
阿部「エクスト、デカイ声出すんじゃない。穴倉の真上とはいえ、ここは外だぞ」
<;プー゚)フ「さ、サーセン! 先生!」
しかし阿部だけは彼に厳しい。
また悪戯な行動を起こさぬかと、エクストをずっと見張り続けていた。
エクストは阿部に弟子入りを懇願したのだ。
孤児であるエクストを思うツンの頼みもあり、阿部もそれを快く引き受けたのだが、
当面は自分の店の店員としてこき使ってやろうと算段を立てているのを、エクストは何も知らない。
そのケツを虎視眈々と狙っている事を、エクストは知らない。
阿部(……いや、青いな、まだまだ。もうちょっと先かね)
186
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:51:20 ID:M92hnJG20
(;><)「何だかわかんないんですけど、ゾッとしたんです!」
<;プー゚)フ「お前もかビロード! うおおお! 何かがここを狙ってる気がする!
まさかセカンドか!? ブーン! 反応を捉えてるんじゃないのか!?
(;^ω^)「その反応を捉えないように静かにしてくれお」
ξ;゚⊿゚)ξ「とんでもなく元気なのと知り合ってしまったわね……」
<_プー゚)フ「お姉ちゃん!! 今日からラボで遊んでもいい!?」
ξ;‐⊿-)ξ「あーはいはい。好きに使いなさいな」
ミ,, ゚∀゚シ《ハッハッハ、こりゃ、ますます騒がしいラボになるな、ツン博士》
ξ;゚ー゚)ξ「本当にね。頭痛の種が増えたわよ」
肩を空かすツンだが、実のところ満更でもなかった。
様々な事情と境遇を抱え、入学すらままならないビロードがどのように同世代の友人と知り合うか、ツンは不安であった。
エクストのわめき声に頭痛こそ抱えるだろうが、少なくとも、悩みの一つは無くなりそうだ。
187
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:52:03 ID:M92hnJG20
ミ,, ゚∀゚シ《ビロード、友達が出来たか》
ツンやブーンがそう安心するように、ジョルジュもまた安心していた。
エクストという歳の近い少年と無邪気に戯れるビロードを見て、ジョルジュは嬉しそうに口元から牙を見せる。
一種のPTSD患者のヒートや、年端のいかぬエクストは獣染みた彼に素直に怯えたが、ビロードは違った。
先刻、ジョルジュに手を差し伸べられ恐怖したビロードであるが、今はもう陰りすら残っていない。
( ><)「はいなんです!」
あどけない笑み。
無邪気で人懐っこいビロードが見せていたものであった。
( ><)「でも、ジョルジュさん」
ビロードはてってとジョルジュに駆け寄り、その小さな手を差し伸べた。
( ><)「ジョルジュさんもずっと友達なんです!」
ビロードが、人ならざる人となったジョルジュに、握手を求める。
差し出された小さな手を前にジョルジュは固まった。
触れただけでウィルスに作用する強力な免疫の持ち主だ。
触れる物を傷つけるシザーハンズの持ち主は、憂いと戸惑いを一緒くたに顔に出す。
188
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:54:15 ID:M92hnJG20
どうしたらよいものか。
どうすれば少年の偽りのない優しさに触れる事が出来るのだろうか。
悩むジョルジュより先に答えを出したのはビロードであった。
袖に覆われた右腕を掲げる。
それと対角して存在する、拘束衣に覆われた腕を合わせろ、と促している。
奇しくもそこは、ジョルジュを散々に痛めつけたポッドが搭載されていた部位である。
ミ,, ゚∀゚シ《……ああ、そう言ったのは俺だったな。皆を大切にしろよ、ビロード》
( ><)「はい……!」
腕と腕を合わせる、少年と異形の人間。
それは誰の目にも感動的な光景に映った。
ツンは目尻を拭い、ヒートですら感極まって涙した。
ドクオとガイルに至っては恥ずかしげなく号泣する始末だ。
( ^ω^)(ジョルジュ隊長、ビロードの事、ありがとうございますお)
ブーンは、ビロードの成長を誇らしく思った。
189
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:56:26 ID:M92hnJG20
('∀`)「へへ……じゃ、ここらで御暇させて頂きましょうかね」
ξ゚ー゚)ξ「そうね……別れは惜しいけど。ジョルジュさん、いつでもご連絡ください。
我々チーム・ディレイクは喜んで貴方の生活をサポートします」
阿部「ショボンの店で一杯やるとしようか」
(´・ω・`)「そういう予定でしたしね。ジョルジュさんがご出席出来ないのは残念ですが……」
( ´∀`)「彼が飲まない分は私が責任持って飲むとする」
ノハ;゚⊿゚)「ええ!? そ、総統閣下が、いいんですか? 本当に」
( ´∀`)「議会員共が私を連れ戻すまではな。今日は私が奢らせてもらう」
<_プー゚)フ「ひょーっ! 太っ腹だぜ総統閣下ァ!!」
阿部「これ、言葉に気をつけんか」
一同は賑やかな喧騒を振舞いながらエントランスへ向かった。
ミ,, ゚∀゚シ《さて……俺も行くとするかね》
彼等の後ろ姿を一瞥し、ジョルジュは踵を返そうとしたが、車椅子に座るブーンがそれを呼び止めた。
( ^ω^)「待てお、ジョルジュ隊長」
ξ゚⊿゚)ξ「このまま黙って行くつもりなら許しませんよ?」
190
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:58:19 ID:KQZ47c8k0
しぇん
191
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 19:59:08 ID:M92hnJG20
ミ,, ゚∀゚シ《……ああ?》
ガイル「そうだ、水臭いぞ隊長」
春麗「まさか、忘れてた、だなんて言わせませんよ?」
ξ゚ー゚)ξ「ってわけで、後は二人に任せてアタシ達も戻りましょうか、『セントラル』に」
( ^ω^)「ああ、これ以上はヤボってもんだお」
意味深な笑みを見せて去りゆく4人。
別れを飾る最後としては味気なく、ここに来て憎たらしささえ覚えるものだが、
森の奥から近づいてくる気配に気づいて合点が行った。
ミ,, ゚∀゚シ(……ったく、二人きりにさせようってか?)
学生の甘ったるい恋愛か、冗談じゃない。
意図的に用意されたシチュエーションに、ジョルジュは心中で毒づく。
しかし、それより気になる事があった。
192
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 20:01:01 ID:M92hnJG20
思えば何故、今まで姿を見せなかったか。
第4階層で起こした騒動に収拾つけているとは、モナーがここに登場した事で思えぬし、
IRON MAIDENの不具合だと責務を問われているのなら、今頃ツンだって議会にしょっ引かれていたはずだ。
そうであれば、そのけったいな紅いドレスを着飾る為に時間を割いていたのか。
確かに、普段白衣ばかり来ている彼女とは見間違えるほど美しい。
歳も離れているせいか、これまで女という風にあまり意識して見ていなかった分、この時に限っては胸が揺らいだ。
しかし人ではない自分が、彼女に対し女として好感を抱いてよいものか。
背徳的とも言える罪悪の念が押し寄せる。
ジョルジュは交錯する胸中から何と声を掛けていいのやら言葉を見出せず、押し黙った。
そんなジョルジュを見かね、彼女はいつものようにぶっきら棒に、始めた。
从 ゚∀从「よう。何だよその顔。どうせおかしく思ってんだろ、私がこんなドレス着ててよう」
いつも通りのハインリッヒであった。
呆気に取られたジョルジュは必死に無表情を保ち、同様に返した。
どうしてか分からないが、無様に取り繕うような姿だけは絶対にハインリッヒには見せたくなかった。
ミ,, ゚∀゚シ《仰る通りだハイン。なまじ白衣ばかり見ていたんでな。こっちが恥ずかしくなっちまう》
と、何とか演じきってジョルジュは安堵する。
いつも通りだ。送ってきた日常と何ら遜色のない、慣れたやり取り。
193
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 20:02:16 ID:M92hnJG20
从 ゚∀从「……そんなに似合ってないか?」
しかし、ハインリッヒが見せたのは、日常と懸け離れた姿であった。
それは身に纏うドレスとよく似合う女そのものの表情、物腰。
あの男勝りなハインリッヒがどうして女らしい。
流石のジョルジュも面を食らいつつ、なるほど、二人きりにしたのはこういう事かと納得する。
確かにツン・ディレイクあたりには見せれぬ姿だ。
ならば、その配慮に甘んじようではないか。
ジョルジュは意を決して口を開いた。
ミ,, ゚∀゚シ《……似合ってるぜ。そうしている方がいいとすら思う。
いや、違うな。戦う女と知ればこそ、そう思うのかもしれないな》
ミ,, ゚∀゚シ《綺麗じゃないか、ハイン》
从 ゚∀从「そっか……そりゃ、良かったな……へへっ」
194
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 20:04:56 ID:M92hnJG20
ミ,, ゚∀゚シ《ああ。俺みたいな化け物なんかにゃ、勿体無いくらいだぜ》
从 ∀从「化け物なんて、そんな事言うなよ」
ミ,, ゚∀゚シ《だが、事実だ。俺は、お前とはもう一緒にはいられない。
その姿を見れただけで幸せ者なんだろう。ああ、目に焼き付いたさ。
瞼を閉じれば見えるのはきっとペニー……死んだペニーではなく、今のお前だよ》
ミ,, ゚∀゚シ《それで俺は、充分だ。この先充分、やっていける。
お前の為に必死に生きていけるさ》
从 ∀从「……キス」
ミ,, ゚∀゚シ《……なんつった?》
从 ゚∀从「キスしろ。そうすりゃ信じてやる」
ミ; ゚∀゚シ《そ……そんな事できるか! 俺は感染者だぞ!?
たちまちお前も仲間入りだぜ!?》
ミ,, ゚∀゚シ《できるか……そんな事……手だって握れやしねえのに……》
195
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 20:06:17 ID:M92hnJG20
从 ゚∀从「へえ……じゃあ、してえんだ? キス。私と」
ミ,, ゚∀゚シ《したいしたくないの話をしてるんじゃない、出来ないと言っているんだ。
仮にお前が化け物になりたいんだとしてもだ、それは頼めない注文だ》
ミ,, ゚∀゚シ《お前の双肩に『セントラル』が掛かってると本気で思ってるんだ、俺は。
それを俺やお前の色沙汰で蔑ろにしてしまえば、あいつ等に何て説明すりゃあいいんだ》
从 ゚∀从「んな事ァ分かってるよ。だからな、感染しないようにしてもらったんだよ、ツンに」
ミ,, ゚∀゚シ《感染しないように……?》
从 ゚∀从「忘れたか、ビロードの免疫」
ミ; ゚∀゚シ《……お前、まさか、その為に……」
从 ゚∀从「ドレスくらい私だって持ってらぁ。議会の連中におべっか使ったり苦労してんだぜ?
ダンスパーティに浮かれた少女みてーに長い時間鏡に向き合ってたんじゃねえさ。
抽出した免疫が有効かどうか、テストしてたんだよ、この身を持ってな」
ミ; ゚∀゚シ「ば、馬鹿かテメエ!? 無茶なマネしやがって! 本当にセカンド化しちまったら――」
196
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 20:08:58 ID:M92hnJG20
从 ゚∀从「セカンド化しちまったら、しちまった。そのくらい覚悟しての事さ」
ハインリッヒは不敵な笑みを浮かべ、ジョルジュにゆっくりと歩み寄った。
豊満な胸をボロボロに化した白色の装甲にあてがい、爪先を立てて顔を近づける。
痛々しく変異したジョルジュの首に、ハインリッヒが腕を回す。
吐息が頬に触れ合うのを二人は感じた。
透け通るような白い頬を持つ美女。
蒼白く染まる頬を持つ吸血鬼のような醜い男。
从 ゚∀从「お前とは、命懸けになるくらいが、調度良いんだよ」
赤いルージュに彩られた唇が、牙を隠せぬ唇に重ねられた。
舌を交わせるような接吻ではなかったが、月明かりの下交わされる禁断の関係とあれば、これを置いて何を情熱的と言えようか。
ジョルジュも、ハインリッヒも、例えようのない恋情を、しばし共に感じ合った。
197
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 20:10:33 ID:M92hnJG20
しかし、ジョルジュは気づいたようにハインリッヒを離した。
そして逃げるように翼をはためかせ、空へ上がった。
从 ゚∀从「ジョルジュ……?」
戸惑うハインリッヒを上空から見つめながら、声を飛ばした。
ミ,, ゚∀゚シ《だめだ! こりゃクセになっちまう!》
思わぬ言葉にハインリッヒは大いに笑った。
月を背景に浮かぶジョルジュに向かって叫ぶ。
从 ゚∀从「いいんだぜー!? 帰って来たければいつでもよ!」
ミ,, ゚∀゚シ《お前に甘えに帰ってきてると知れりゃメンツが立たねえよ!
ブーン達ディレイクやガイルに笑われるのは癪ってもんだ!》
从 ゚∀从「はははっ! それは同感だ!」
198
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 20:12:07 ID:M92hnJG20
ミ,, ゚∀゚シ《……ハイン、さようならは言わないぜ》
从 ;∀从「……ああ! 元気でな! 死ぬんじゃねえぞ!!」
ミ,, ゚∀゚シ《死んでたまるかよ!だけどな! お前がババアになる頃に治療法が見つかるのはゴメンだぜ!》
从 ;∀从「言うこと欠いてそれか!? バーカ!!」
ミ,, ゚∀゚シ《ハハッ!》
199
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 20:13:02 ID:M92hnJG20
ミ,, ゚∀゚シ《――――! ――!》
最後の言葉は、翼がはためく音で掻き消えていたかもしれない。
だが、もう言葉を交わさずとも想いは伝わるだろう。
塞き止めていた涙が溢れ嗚咽を漏らすハインリッヒは、だから笑っていた。
月明かりを受け、異形のシルエットが浮かぶ。
翼を今一度大きく開閉し、尾を振り、獣の唸りを勇猛に響かせた。
そして、そのちっぽけな黄色の背景から飛び出て、あっという間に暗闇の中に溶け込んでいった。
从 ゚∀从「神よ、どうか……ジョルジュを……」
ハインリッヒは涙を拭い目を凝らして行方を追い、そして祈った。
暗黒の街に身を投じた、愛する者の――――願わくば、永遠の平穏を。
.
200
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 20:16:34 ID:M92hnJG20
「ククククク、ハハハハハハ………………」
爪;'ー`)y‐「ハーッハッハッハハハハハハハハ!!!」
.
201
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 20:17:33 ID:M92hnJG20
爪;'ー`)y‐「ジョルジュ! よくぞやってくれた! よくぞ見せてくれた!
フハハハハハハハッ! やはり私は正しかった!
私の見立て通り! セカンドウィルスとは意思で制御できるものであった!」
爪;'ー`)y‐「屈強なる意思……それこそが真にウィルスを制御する力……!
出会い唐突ゆえ人類は虚を突かれたが、次は違うぞ!
もはやホライゾン・ナイトウもビロード・ハリスも、ウィルスを殺す力など必要ない!」
爪'ー`)「セカンドウィルスは我ら人類に、光明を見せてくれよう!!」
『セントラル』の街並みを捉えた映像に言い放ち、フォックス・ラウンジ・オズボーンは燻る煙草を握り潰す。
火種の熱さを忘れてしまう熱い情熱が胸を焦がす。
どんな美酒を持っても味わえぬ陶酔感に、フォックスはしばらく酔いしれた。
第38話「美女と野獣」終
202
:
◆jVEgVW6U6s
:2012/03/01(木) 20:20:37 ID:M92hnJG20
以上、第38話でした。お疲れ様でした。
次の投下は未定です。
4月に開催されるブーン系タッグバトルに参加しますので、
もしかするとそちらのほうに集中するかもしれません。
だけど今月中にもう一話投下したいところ・・・!
203
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 20:33:25 ID:KQZ47c8k0
乙でした!!
自分のペースで続けて下せぇ
204
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 21:32:10 ID:qWkLdB1EO
乙!ハッピーエンドで良かった……!
最後の別れは思わずニヤリとしちゃったよ
205
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 22:38:16 ID:cymmXAtkO
よかった!誰も死ななくて。
ジョルジユが人の心を持ったままでいられて。
この先保っていられるかはまた別の話だろうが。
ブーンも旅先でジョルジュに会って協力できるといいな。
美女と野獣の演出、にくいねぇ。
206
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 23:36:54 ID:q0IeuEmY0
乙
いい話をありがとう
207
:
名も無きAAのようです
:2012/03/01(木) 23:49:32 ID:58z0kRVg0
この絶倫め!!
208
:
名も無きAAのようです
:2012/03/02(金) 00:11:24 ID:KIvys34gO
乙!
ジョルジュ隊長格好良すぎ。人の心が残っててよかった
でもフォックスはやっぱり見てたんだな……毎度の事ながら何とも言えない読了感だよ
いよいよ物語合作の続きかな?楽しみにしてる
209
:
名も無きAAのようです
:2012/03/02(金) 03:41:20 ID:cQn7Fv26O
乙
210
:
名も無きAAのようです
:2012/03/02(金) 05:04:14 ID:39iq8gSUO
乙!
211
:
名も無きAAのようです
:2012/03/09(金) 09:21:39 ID:DF7EWmyIO
>>111
ブーン系でイクラちゃん版を昔見た記憶がある
なんだっけ…
212
:
◆jVEgVW6U6s
:2012/03/22(木) 02:06:42 ID:cTi871Zg0
>>211
たぶんワードナかと。
あの最低なあらすじが大好きでついパクっちゃいました
今月投下は厳しいです。その内またドバッと立て続けに投下致しますん
213
:
◆jVEgVW6U6s
:2012/04/05(木) 03:31:22 ID:CkB5Pck60
凄く今更なんですが
>>82
と
>>83
の間に凄く大事なレスを入れ忘れたようです
(#゚∀゚)「この俺に同情してんのか!? ああッ!?
免疫持ちのテメェなんかにゃわからねえさ! 俺の気持ちなんかよ!
俺は感染している! じきに化け物になっちまうかもしれねえ!
違う……! 俺はもう、人間離れしちまった化け物なんだよ……!」
フェイスカバーの奥で、人ならざる瞳が一層赤みを増して輝いた。
(;><)「…………わかんない、です………」
(#゚∀゚)「だろうよ。二度とそんな目で俺を見るんじゃねえ、クソガキが!」
(;><)「で、でも!」
(;><)「……ジョルジュさんも友達が出来ないって事は……分かるんです……」
(#゚∀゚)「…………」
( ゚∀゚)「…………そうだったな……」
ジョルジュはビロードを離し、彼の目線まで膝を折る。
涙で少し潤みのある無垢な目を見つめながら、ジョルジュは彼の肩をそっと手を乗せて言った。
( ゚∀゚)「悪かった、ビロード。本当にすまなかった。
俺達、仲間なのに酷い事言っちまったな……許してくれ」
(;><)「いえ、そんな! 僕はその……僕なんかの為に皆戦ってくれて、
何て言ったらいいのか、その……わ、わかんないんですけど、その、」
214
:
名も無きAAのようです
:2012/04/24(火) 07:22:10 ID:yehQAbU.O
>>212
あぁ、ワードナかスッキリした
久しぶりに読んでみるかなサンクス
215
:
名も無きAAのようです
:2012/10/19(金) 18:34:52 ID:rOrA3ttQ0
前回の投下から半年以上か(´・ω・`)
216
:
名も無きAAのようです
:2013/03/14(木) 09:50:22 ID:nEMls4oQ0
もう飽きたのかな
217
:
名も無きAAのようです
:2013/05/11(土) 19:54:08 ID:pxH3DNDY0
もう1年かー
218
:
名も無きAAのようです
:2013/05/14(火) 09:08:42 ID:QHdAt.O.O
まってる
219
:
名も無きAAのようです
:2013/06/12(水) 18:03:29 ID:M6Zdb4S.0
ばあさんや、続きはまだかの
220
:
名も無きAAのようです
:2013/06/15(土) 02:34:13 ID:6z9xYnaI0
じいさん1年前に読んだでしょう
221
:
名も無きAAのようです
:2013/10/16(水) 01:04:34 ID:UACRAI5EO
1年半か……
生存報告ぐらいはそろそろ欲しいところ
222
:
名も無きAAのようです
:2013/10/25(金) 18:33:27 ID:6zXmPcSY0
タッグバトルこけてやる気無くなってしまったんかな
続き読みたいわ
224
:
名も無きAAのようです
:2013/10/30(水) 04:05:20 ID:5cjo/vXAO
続き期待
225
:
名も無きAAのようです
:2014/02/08(土) 04:07:53 ID:P8KE9oJsO
ageイトーイ
久しぶりに読み返してる
続き待ってるぜ!
226
:
名も無きAAのようです
:2014/02/08(土) 16:57:09 ID:2DleYPvIO
上がってるから続きが来たのかと
待ってるぜ
227
:
名も無きAAのようです
:2014/04/09(水) 14:35:26 ID:SXyWvcGI0
はよ!
228
:
名も無きAAのようです
:2014/04/10(木) 21:34:45 ID:udEu8BGM0
でも今復活してもかつてのまとめサイトが軒並み停止してまとめてもらえないのが悲しいところだよな
どっか拾ってくれんのかね?
229
:
名も無きAAのようです
:2014/06/10(火) 16:01:48 ID:NjivbuncO
意欲的に更新してるまとめに頼んで見るとか
自分が使ってるまとめの中じゃ、今でも週1更新してるブンツンドーとかやってくれるかも
まぁそれもこれも作者が帰ってこないことには意味がないが・・・
230
:
名も無きAAのようです
:2014/09/12(金) 05:54:57 ID:qq8q1xQQ0
久々に読んだらやっぱり面白かった
全体的にクオリティ高いし、続きが楽しみだったんだけどなぁ
231
:
名も無きAAのようです
:2014/11/30(日) 14:53:50 ID:PL5awNdU0
追い付いたー
面白かったです
またいつか、続きを楽しみに待ってます!
232
:
名も無きAAのようです
:2015/06/08(月) 15:40:06 ID:4VLQG/.oO
もう3年も経ったのか…
233
:
名も無きAAのようです
:2015/08/04(火) 04:28:23 ID:7GgriaN.0
飽きちゃったのかなあ...
234
:
名も無きAAのようです
:2015/08/04(火) 21:24:09 ID:gxMq2CjA0
あげんじゃねえよ天かす野郎
235
:
名も無きAAのようです
:2015/08/14(金) 08:08:21 ID:mqg4iSCw0
うるせえよ
236
:
名も無きAAのようです
:2015/08/14(金) 17:28:07 ID:7W8UaryA0
邪魔になるから無意味に上げんな
237
:
名も無きAAのようです
:2015/08/14(金) 17:29:07 ID:B3ddVe0k0
天かすだけに揚げるなってか
238
:
名も無きAAのようです
:2015/08/14(金) 17:46:08 ID:a/1cdRFEO
て、天かすは美味しいんだなぁ
239
:
名も無きAAのようです
:2015/08/20(木) 01:22:46 ID:vV9uinwU0
作者はボカロ上げたりライブしたり音楽ばっかやってるからな、残念ながらもうこっちに興味ないんだろうな・・・
240
:
名も無きAAのようです
:2015/08/20(木) 01:42:08 ID:ve1CaC0E0
また天かすが沸いたか
241
:
名も無きAAのようです
:2015/09/27(日) 07:14:19 ID:Vvtr0cm.0
揚げたてやで
242
:
名も無きAAのようです
:2015/09/28(月) 18:30:57 ID:wO7s2T8Q0
パリパリ〜
243
:
名も無きAAのようです
:2015/09/30(水) 20:06:49 ID://WhTG5Y0
うまそう
蕎麦にかけたい
244
:
名も無きAAのようです
:2016/02/19(金) 14:46:57 ID:K8DfRz7k0
スマブンにイトーイ出ないかな
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