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('A`)シャーロック・ドクオのようです

253x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 16:11:57 ID:UbAOyOrk0

唾をのみ込み、彼は続ける。

「……でも、感じるんだ。あの人は、俺たちを切り捨てる。
 俺たちがしくじって、自分の身に火の粉が降りかかるようなことになれば、
 容赦なく、俺たちを消すんだ……。
 ここで任務をほったらかして逃げようが、爆弾と心中しようが、
 どちらにせよ、俺たちに逃げ場はない……」

その言葉に、部下たちは沈黙する。

254x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 16:12:38 ID:UbAOyOrk0

「思うに、あんたはそれで俺たちと一緒に来たんだろ?」

車掌を指しているのだろうが、肝心の彼は俯いている。

「あの人は、賢い。でも賢いからこそ、捨てることを躊躇わない。
 自分のために働く駒は、大切にする。
 でもただ一つの勝利という目的のため、駒に愛着など持たない。
 ……あの冷たい顔で、俺たちを踏み台にしていく」

(;゚ー゚)(……モララー)

255x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 16:13:22 ID:UbAOyOrk0

「俺には出来ないよ……。俺たちがしくじって、強盗で捕まったときも、
 俺は押さえつけられるお前たちを背に、自分だけ逃げることが出来なかった」

「……リーダー」

「……うぅ」

「ずっと前から決めてただろ?『死ぬときは三人一緒だ』って。
 爆弾は列車の前部にある。運が良ければ、ここだったら生き残れるかもしれない」

「……」

256x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 16:14:03 ID:UbAOyOrk0

「いや、生き残ってみせようか。俺たちはこんな危機、何度も越えてきたじゃないか」

「……リーダーーーーーーーーーーー!!!!!!!1」

「……あqwせdrftgyふじこlp;!!!!!1」

(;゚ー゚)「……ありゃりゃ」

小太りと小柄が泣き崩れる。
そして三人は、互いの顔を見つめ合い始める。

257x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 16:14:52 ID:UbAOyOrk0

「感傷的になる前に、現実的なことを考えようぜ。
 爆破するなんて、俺ァごめんだ。他にどうにかできねぇのか?」

車掌が突然口を挟み、感動的な雰囲気を凍らせる。

しぃは、やりとりする彼らに目を凝らす。

(*゚ー゚)「……あ!」

そして、しぃには分かってしまった。
『例のモノ』の在りかが。

258x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 16:15:35 ID:UbAOyOrk0

 = 平成のジェームズ・ボンド =

259x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 16:16:17 ID:UbAOyOrk0

(;><)「……んんんんん」

ワカンナイデスはチョーヤバい。
何てったって爆弾なのだ。
そんなのチョーヤバいに決まってる。

(;><)カタカタカタカタカタ

(大男)カタカタカタカタカタ

恐怖で足をカタカタ震わせながら、ドクオの元へ向かう。
大きい変なおっさんも、一緒に来る。

260x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 16:17:00 ID:UbAOyOrk0

さっきから列車が速く走りすぎである。
ワカンナイデスにとったら、歩くどころか、立つのが大変なのだ。

ワカンナイデスは、頑張った。
サディスティックディテクティブ、ドクオに言われたことをやったのだから。

彼の指示で、従業員たちとワカンナイデスは、手分けして列車を探ることになった。
犯人が絶対、列車に乗っているのが分かったらしいからだ。
ワカンナイデスは、うるさい大きなおっさんと組まされて、運転室に行かされた。

(大男)「ふぅ。死にたくないよ〜(泣)」

261x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 16:17:41 ID:UbAOyOrk0

(;><)(……僕の没個性化を図ろうなんてふざけるな、なんです)

別に問題はなかった。いや、問題はあった。
大きなおっさんが、何やら同じような感じなのだ。

ワカンナイデスは、なんかムカついた。
キャラ被るから、ムカついた。

(;><)(こいつ僕のマネを……)

262x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 16:18:23 ID:UbAOyOrk0

(大男)(ああ、怖くて足がカタカタしちゃうなぁー……)

(;><)(怖くて足がカタカタしちゃうんです……)

いつ爆発するか分からない。
そんな宙吊り状態の恐怖に、足を震わせてしまう。

やっとのことで、ドクオの元へと辿りつく。
ドクオはかなり真剣な表情だ。

263x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 16:19:08 ID:UbAOyOrk0

(;'A`)「なんか分かったか!?」

(;><)(大男)「分かんないです!!!!!!!!」

(;><)(……)

(大男)(……)

(;><)(……)

ワカンナイデスは、チョー不本意だ。

264x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 16:19:53 ID:UbAOyOrk0

ドクオはあんまり聞いてない。
それどころではないようだ。

(;'A`)「五十分を切った……。おい!まだ加速できるか?」

乗組員「これ以上は……。あと少しで限界です!」

(;'A`)「加速してくれ!最高速でぶっ飛ばせ!」

乗組員「これで本当に最後です!これ以上は安全装置が作動してしまいます!
     でも、どうしてこんなに加速するのですか……」

265x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 16:20:48 ID:UbAOyOrk0

ドクオはあんまり聞いてない。
それどころではないようだ。

(;'A`)「五十分を切った……。おい!まだ加速できるか?」

乗組員「これ以上は……。あと少しで限界です!」

(;'A`)「加速してくれ!最高速でぶっ飛ばせ!」

乗組員「これで本当に最後です!これ以上は安全装置が作動してしまいます!
     でも、どうしてこんなに加速するのですか……」

266x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 16:21:33 ID:UbAOyOrk0

(;'A`)「最高速で走れば、犯人を列車から逃げられない!
    そうすれば、爆破を阻止できるかもしれない!
    終点に着くまで、取り敢えずぶっ飛ばしてくれ!
    着いた後のことは考えておく!兎に角、早くしてくれ!」

乗組員「成程!了解です!!」

(;'A`)「……あとは出来ることは。
    犯人を見つけて、交渉することだけだ……」

267x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 16:22:29 ID:UbAOyOrk0

近くの乗客が『爆弾』と言うのを聞く。

(;'A`)「……」

見回せば、既にパニックが起きている。
『死にたくないよ』と、中年女性の叫び声が聞こえた。

もう、全て伝わっているのだ。
乗組員たちが集まって、こんなに必死にしていたら、隠し通せる方がおかしい。

268x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 16:23:12 ID:UbAOyOrk0

急げ、と自らを鼓舞して、ドクオは廊下の人混みの間をスルスルと抜けていく。

(;'A`)「ボイラー室行くぞ!」

乗組員たち「はいっ!!!!!」

(;><)「……」

ワカンナイデスは、頑張ったことを認めさせたかったが、
ドクオが切羽詰まった顔で駆けていったので、十年ぶりに空気を読む。

269x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 16:23:56 ID:UbAOyOrk0

(;><)ガタガタガタガタガタ

(大男)ガタガタガタガタガタ

ワカンナイデスは足がガタガタ震えるが、一向についていかないとマズイ気がした。

もう怖すぎて、眠くなってくる。
状況はチョーヤバいのは分かるのだが、どうにもこうにも眠いのだ。

270x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 16:24:43 ID:UbAOyOrk0

必死になってセカセカしている乗務員たちを見ると、考えてしまう。

(;><)(……僕もなにかしなくては!)

そうだ。

ワカンナイデスは、平成のジェームズ・ボンドなのだ。
こんなとこで、うだうだしてはいけないのである。

271x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 16:25:39 ID:UbAOyOrk0

(;><)「……そうなんです」

(大男)「……へ?」

(;><)「……僕は」

(大男)「……え、え?」

(;><)「……やる時はやる男なんです!」

(大男)(……あれ。なんかこの人、かっこいいぞ)

272x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 16:26:25 ID:UbAOyOrk0

(;><)「平成のジェームズ・ボンドを舐めるななんですぅー!!!!!!!!!」

(大男)(おおおおおおおおおおおおおおお)

ジェームズ・ボンドは、廊下を全速力で駆け抜ける。

電力室の前に置かれた、消火器の裏側に何かある。

(;><)(ん!?……あれは、なんです)

273x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 16:27:09 ID:UbAOyOrk0

黒い箱。


おかしい。
チョーおかしい。

あの箱は、憎きリア充どもの下にあったはず。

274x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 16:29:35 ID:UbAOyOrk0

ついてきた大きいおっさんの無線機が鳴る。

『応答せよ。第三車両と第四車両に、
 新たな爆弾を三つ発見した。応答せよ』

(大男)「ふんぎゃああああああああああああああああああああああ!!!1」

(;><)「ぴぎゃぴぎゃぴぎゃああああああああああああああああ!!!1」

275x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 16:30:31 ID:UbAOyOrk0






夜また来ます
それで完結じゃあ!

276名も無きAAのようです:2011/10/20(木) 21:22:01 ID:k4nhSUBU0
きてたのかしらなかった

277x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:35:42 ID:5xuLYzhg0

 = 迷走 =

278x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:36:41 ID:5xuLYzhg0

アナウンスが流れる。

「大変申し訳ございません。この列車は台風の影響によりまして、
 停車予定のシベリア駅を通過します。お客様には、大変深くお詫び申し上げます」

乗客たちが、更にざわつきだす。
『どういうことだよ!?』という怒りの声が上がる。

(男)「パネェっすwwwwwwwwwwwwwwwwww」

(女)「無いわーーwwwwwwwwwwwwwwwwww」

279x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:37:26 ID:5xuLYzhg0

内臓に揺るがすように続く走行音が、一層激しくなってきている。

「探偵さん!!!」

(;'A`)「どうした!?」

「カーブです!!!このスピードでは、車体がどうなるか……」

(;'A`)「なんだって!?」

ドクオは、慌ててしまう。
カーブのことなど、全く考慮していなかった、と。

280x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:38:08 ID:5xuLYzhg0

爆音と共に、雷光がほとばしる。近くに落雷したのだろうか。
座席の客の顔を、瞬間的だが、真っ白に照らした。

(;'A`)「……列車は、落下するのか!?」

「そうならないことを願うしか……」

(;'A`)「くそっ!!」

「ああああ!もう、すぐそこです!!何処かにつかまって下さい!!」

(;'A`)「うお!」

281x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:38:49 ID:5xuLYzhg0

乗客たちが、金切り声を上げる。

ドクオの体は、ゆっくりと右側へと持っていかれる。
そして第四車両の後部座席の近くで、壁に激突する。

(;'A`)「うっ!」

右肩に鈍い痛みが走った。

ペットボトルやら、雑誌やらが床へと一斉に転がった。
同時に天井の棚から、乗客の荷物がいくつも落ちる。

282x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:39:32 ID:5xuLYzhg0

「大丈夫ですか!?」

続いていた揺れは、ようやく収まった。

(;'A`)「落ちなくて良かった……」

そして更に乗務員は続ける。

「それから……」

(;'A`)「どうした!?」

283x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:40:13 ID:5xuLYzhg0

「悪いニュースが二つ……」

(;'A`)「なんだ!?」

「爆弾が、さらに三つ見つかりました。この車両です!」

(;'A`)「……あぁ、そのことか。二つは把握してた。三つもあったか」

乗組員が驚きで戸惑ったが、ドクオは更に質問を続ける。

(;'A`)「それから、もう一つは!?」

「向かい風で速度が落ちています!!!」

284x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:40:57 ID:5xuLYzhg0

(;'A`)「な、なんだって!?」

「このままだと、終点へ辿りつけません」

(;'A`)「……そうか」

避難の可能性も、閉ざされてしまったのだ。

(#'A`)「ふっざけんな!絶対捕まえてやる!!」

徐々に細胞を蝕んでくる、絶望の侵入を振り切ろうと、
ドクオは第四車両を全速力で走り抜ける。

285x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:41:37 ID:5xuLYzhg0

最後に見た時点で、既に『00:00:20:00』は過ぎてしまった。
時間はもう、ほとんど残されていない。

犯人は絶対に潜んでいるはずだ。
どうして、犯人の一人や二人見つからないのだ。

(;'A`)「鍵!!!!!!!」

乗組員「はい!!!」

重い鉄の扉の、鍵穴がゆっくりと回った。
薄暗いボイラー室の扉が開く。

286x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:42:39 ID:5xuLYzhg0

そして照明が点けられる。中へと大股で進んでいく。

(;'A`)「……」

突然、立ち止まる。
後ろで緊張が広がった。

「……何か分かりました!?」

('A`)「……」

指が震えている。
いや指だけではなくて、肩も眉間も震えている。

287x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:43:22 ID:5xuLYzhg0

(#'A`)「……クソが!!」

ドクオは予告なく、急に走り出す。
そして棚の上にあった花瓶を、思い切り蹴飛ばした。
花瓶は、勢いをつけて床に落ちる。そして、バラバラに砕け散る。

「……!?」

乗務員は、突然の奇妙な行動に絶句する。
そして慌てながら、息切れするドクオの背中に問いかける。

('A`)「……なんだ」

「……え?」

288x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:44:02 ID:5xuLYzhg0

なんだ。

簡単なことじゃないか。

どうして、真っ先にこの場所へ来なかったのだ。

('A`)「……犯人の居場所が分かりました」

「えぇ!!!???」

ドクオは、入り口に集まった乗務員たちを掻き分けて、走り去った。

289x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:44:46 ID:5xuLYzhg0

 = 対決 =

290x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:45:31 ID:5xuLYzhg0

「……あの探偵!」

「……え?」

「カメラを壊しやがった!」

(;゚ー゚)「さすがね。名探偵」

小型テレビに、いくつにも分割されて映し出される監視カメラの映像。
その内のいくつかに、砂嵐が入っている。

291x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:46:23 ID:5xuLYzhg0

「また一個壊された……」

「何処のが!?」

「ボイラー室のだ!!花瓶に仕掛けられたやつだ!」

濡れかけのシャツを激しくなびかせて、リーダー格が唸った。
近くにいるというのに大声で叫ぶ。

言葉が暴風に飲み込まれていくのだ。
舞い降りてきた自然災害が、巨大なノイズを撒き散らしている。

292x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:47:05 ID:5xuLYzhg0

「アイツら、俺たちのところまで来るんじゃないか!?」

「鍵を閉めよう!リーダー!」

「駄目だ。外からは閉められない」

「じゃ、一体どうすれば!?」

293x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:47:50 ID:5xuLYzhg0

慌てふためく彼らに向けて、車掌が言い放つ。

「……無駄だよ。俺たちに逃げ場はない」

「……え!?」

(;゚ー゚)「……」

投げかけられた、車掌の突然の諦めの言葉。
残る皆は、続ける彼へと視線を向ける。

落雷がもう一度、その場にいる全員の視界を、蒼白く包んだ。

294x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:48:33 ID:5xuLYzhg0

「あの毒田っていう探偵はな、潔癖なんだよ」

「……は?」

「世間じゃ、社会と市民の味方みたいに言われてるがなぁ。
 結局のところ、あいつはただ、犯罪者が嫌いなのさ」

(;゚ー゚)「……」

295x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:49:15 ID:5xuLYzhg0

「いや正確には、人の醜い部分が嫌いなんだな。人は人の領域を犯し、傷つけあう。
 そういう醜さを、ぶん殴って、踏み潰して、粉々にしてやりてぇんだ。
 でも人が人である以上、決してそういう悪の部分から逃れることはできない。
 だからあの男は、自分自身でさえも嫌いなんだ」

「……なんでアンタがそんなこと?」

「だが、あいつの意地とか才能とかは、そういう部分に根差してる。
 正義の味方なんかじゃねぇ。あいつはまるで、ハイエナだ。
 一度獲物にされれば、地獄までしつこく追いかけまわす。逃げられねぇよ」

296x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:49:58 ID:5xuLYzhg0

犯人たちは、完全に呆気に取られる。言葉の真意が掴めないのだ。
そして、何故そんなことを知っているのかという理由も。

理解が置いてけぼりになった彼らを待たずに、車掌が再び口を開く。

「ほらな」

297x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:50:49 ID:5xuLYzhg0

次の瞬間だ。

最後尾のドアが、突然蹴り開けられた。
その後、半分開かれたままのドアは、何度も蹴りつけられる。
壁に衝突して、鈍く重い音が響く。
その苦々しい雑音は、犯人たちの鼓膜を痛烈に震わせる。

車内から漏れる光を遮るシルエットが浮かんだ。

悪魔のようだ。

298x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:51:35 ID:5xuLYzhg0

計画は全て狂わされた。
背後で渦巻く嵐。そして扉の前に立つ男が、暴走させた列車によってだ。
そして残された最後の出口までをも、この男は塞ごうとしているのだ。

蹴り開けたその足は、震えている。
膝から僅かに流血していた。
重い鉄のドアを何度も蹴ったせいだ。
正気の沙汰ではない。

高い笛のような音が、息切れして漏れる空気に混じっている。
影になっている口元が、僅かに動き始めた。

299x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:53:59 ID:5xuLYzhg0

('A`)「……死ぬほどムカつく」

「……何故、この場所が分かった?」

リーダー格の男が、静かに言い放った。
緊張に支配される自らを、鼓舞しているようだった。
彼は口をすぼめ、息を吐き出す。

('A`)「……お前たちがすぐ現れないから、頭が真っ青になった。
   心臓に悪いぜ、こんなの」

300x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:54:47 ID:5xuLYzhg0

「……何が言いたい?」

(#'A`)「探偵が足跡を見逃すと思うなっつってんだよ!!あー、ムカつく!!」

ドクオから怒りが吹き上がる。

床を突き破る勢いで蹴りつけた。
足の裏にも血が滲みそうだ。

よろけながら、犯人達に近づく。

301x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:55:28 ID:5xuLYzhg0

部下二人は、いかにも戦闘態勢で拳を握る。

リーダー格は、床に雨水が残っていたのか、と考える。
あの床は、こげ茶で足跡が分かりづらかった。
いや当事者には分かりづらいものほど、探偵には分かりやすいのだろうか。

「……失敗したな」

(;゚ー゚)「……」

302x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:56:11 ID:5xuLYzhg0

('A`)「それで、しぃ。お前はここで一体、何してるんだ?」

(;゚ー゚)「……何をしようと、アタシの勝手じゃない?」

ノイズに掻き消されそうだ。
しぃは言葉を辛うじて捻り出す。
睨み付けてくるドクオをしっかりと見返した。

('A`)「まぁ、事情は後でじっくり聞くとして」

崩れそうなほど垂らしていた上体を直立させ、犯人と向き合う。

303x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:56:51 ID:5xuLYzhg0

('A`)「交渉だ。爆破を止めて欲しい」

「……それは無理だな」

呆気なく断られる。
芯が篭った声だった。

ドクオは動揺する。
予想していなかったわけではなかった。

304x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:57:43 ID:5xuLYzhg0

('A`)「……頼む。お前たちの望みはなんだ?」

「……望みじゃない」

鼻を擦りながら、主犯格は続ける。

「俺達にはただ、義務がある。引くことのできない事情もある」

絶望的な言葉が響く。

(;'A`)「……」

305x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:58:28 ID:5xuLYzhg0

ドクオは感じ取った。

言葉を紡ぐ主犯格の顔に、嘘偽りがないことを。
単なる脅しやハッタリではないのだ。

自爆テロだろうか。

それに主犯格だけではない。

手すりに項垂れる小太りの男、少年のように小柄な男も、
顔に浮かんでいるのが、諦めの色なのだ。

今日のために、計画を練って、準備を整えて、
最後の最後で、あのような表情を作るだろうか。

306x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:59:13 ID:5xuLYzhg0

「……爆破は止められない」

(;゚ー゚)「……」

(;'A`)「……頼む。あの政治家と関係がない者たちもいる」

蚊の鳴くような声だ。

「……飲めない」

主犯格の男は、床を見つめている。
前髪が、風に靡く。

307x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 22:59:55 ID:5xuLYzhg0

(;'A`)「……」

「……残り時間は、もう十分もないだろう。
 一緒に心中しようじゃないか、名探偵」

誰一人として動かなかった。
探偵も爆弾魔たちも。凍り付いている。

絶望に飲み込まれそうなドクオと犯人たちの横で、
クスクスと笑っている、しぃ以外は。

(*゚ー゚)「交渉中、失礼しまーす!」

308x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 23:00:39 ID:5xuLYzhg0

突然、軽快な声を上げる。
不気味なまでの明るさだ。
この状況で、何が楽しくてこんな声を上げるのだ。
狂気にしか思えない。

跳ねるような足取り。
彼女は中心へとやってくる。

主犯格の男に向き合う。
歯の見える笑顔を作った。

309x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 23:01:19 ID:5xuLYzhg0

「……」

(;'A`)「……?」

(*゚ー゚)「アタシの職業は泥棒です」

口を押さえながらも、高い笑い声を漏らす。
笑いを押し殺そうとする子供のようだ。

310x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 23:02:01 ID:5xuLYzhg0

ドクオは一人で考えていた。

泥棒が腰を上げるとき、その目的はなんだろうか。
任された潜入をすっぽかしてまで、すべきこととはなんだろうか。

その答えが浮かび上がる前に、しぃがもうそれを口にしていた。

(*゚ー゚)「解除スイッチ、頂きました♪」

しぃの中指には、銀の腕時計がぶら下がる。
リーダー格の男が握りながら、ずっと見つめていたはずの腕時計だ。

311x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 23:03:31 ID:5xuLYzhg0

彼は焦りながら、ジャンパーのポケットに手を突っ込み、そして言う。

「……!」

(*゚ー゚)「葛藤しながら、ボタンに何度も指を当ててるから、分かっちゃった。
    このボタンを押すと、爆破解除の電波が送られるんでしょ」

「……お前」

(*゚ー゚)「……いつ言おうか、一人でずっと迷ってたんだけど、
    実はもう解除されてるんだよね」

312x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 23:04:15 ID:5xuLYzhg0

「……結局お前は、そこの探偵のスパイだったんだな」

男の声が震えている。
その理由は、怒りか、悲しみか、悔しさか。

膝から崩れ落ちていたドクオが、安堵の息を漏らしながら口をあんぐりと開ける。
上半身を包んでいた絶望の塊のような緊張感が、緩やかに溶けていったのだ。

同時に、しぃを疲れた瞳で見据えながら、言った。

('A`)「おい、女泥棒」

313x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 23:04:59 ID:5xuLYzhg0

(*゚ー゚)「はい?」

('A`)「……ふざけんなよ」

(*゚ー゚)「……」

('A`)「……一っ言も言わずに、勝手に行動しやがって」

(*゚ー゚)「……ごめんね」

('A`)「……」

(;゚ー゚)「……って!」

314x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 23:06:06 ID:5xuLYzhg0

拳銃があった。
ドクオの顔に向けられている。

主犯格の親指が、すぐにそれを装填する。

「……お前が憎い」

('A`)「……」

「……お前がいなければ。お前が邪魔さえしなければ、
 俺たちはもう今頃、本当の自由を手に入れていたんだ」

315x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 23:06:47 ID:5xuLYzhg0

部下二人が『リーダー』と唸り、全てを台無しにしてくれた、と付け足した。

ドクオの驚いた顔は、主犯格が言葉を全て吐き出した頃には、
不気味なほど冷静な顔に変わっていた。

体勢をゆるりと立て直しながら、自らを捕えている銃口を睨み返す。

('A`)「……そいつは済まなかった。
   だが列車を爆発して大量殺人を図るような奴らに、
   施してやる同情は持ち合わせてないな」

316x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 23:08:26 ID:5xuLYzhg0

「……お前だけでも殺してやりたいよ」

トリガーに人差し指を掛ける。
心なしか、僅かに振動している。

ドクオは車掌の男を見て、そっと口元を緩ませる。
この場所へ来たときから分かっていたことだったが、
いざ目の前にすると、どうしようもなく滑稽で、笑えるものなのだ。

317x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 23:09:29 ID:5xuLYzhg0

下手糞な変装じゃないか。

318x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 23:10:16 ID:5xuLYzhg0

('A`)「おい、ショボン。いつまで其処でふざけてんだ」

「……ははは」

('A`)「旧友がピンチだぞ?」

「ごめんよ。ドクオ」

319x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 23:11:09 ID:5xuLYzhg0

車掌の男が、一瞬のうちに銃を蹴り上げた。
舞い上がった銃は、雨降りしきる暗闇の中へと溶けてゆく。

外れかけのカツラから、男はたれ眉毛を覗かせた。

次の瞬間、リーダー格は地面へと仰向けに倒れている。
膝の裏に、強烈な打撃が飛んできたのだ。

320x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 23:11:56 ID:5xuLYzhg0

(´・ω・`)「拳銃を握る指にリアリティが欠けているね。
     君は犯罪者になるには、優しすぎたってことかな」

「……アンタは!?何者だ!?」

銃声が辺りに響き渡る。

たれ眉毛が、胸元から取り出した新たな銃を撃ったのだ。
銃弾は、頭上の闇夜を突き抜けていく。

犯人たちは、その音に恐怖して顔を伏せる。

321x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 23:12:42 ID:5xuLYzhg0

(´・ω・`)「しがない情報屋の素性を知るなら、
     未来へ繋がる逃げ道を知っておいた方がいい。
     僕の独断と偏見は、君たちを逃がしてもいいと言っている」

「……!?」

(´・ω・`)「停車駅のホームの逆の、鉄柵を乗り越えて走るんだ。
     ホームには絶対近寄るんじゃないよ。
     君たちの始末屋は、今頃そこに派遣されている」

322x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 23:13:36 ID:5xuLYzhg0

目を丸くしながら、犯人の三人はタレ眉毛男を見つめている。

(´・ω・`)「兄者という男を探して、北へ行け。偽造のプロだ。
     君たちの存在は、社会の表舞台から消える」

「……アンタ」

(´・ω・`)「いいね、ドクオ?君は不服かもしれないが、彼らはまぁ、未遂だ。
     このまま放置しておいて、殺されるには値しないさ。
     それに彼らが、今日ここで爆弾魔なんかやってるのは、事情があるんだ」

323x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 23:15:38 ID:5xuLYzhg0

('A`)「……」

('A`)「あー、おkおk。別にどうでもいいさ。
   ただ散々そいつらに、追いつめられてさ。色んな意味で。
   むかむかしてるんだけどな」

射るような眼差しを向ける探偵を、犯人たちは恐る恐る見つめ返す。
彼らは先程の倒れたままの姿勢で、デッキの手すりの前にうなだれていた。

324x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 23:16:32 ID:5xuLYzhg0

永遠にも思える凍りついた時間は、穏やかさを取り戻し、溶解し、流れていく。

全てが終わったのだ。

犯人たちの横に転がっていた小型テレビから、
『爆弾のタイマーが全て止まりました』という、安堵の叫び声が聞こえてくる。

325x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 23:17:15 ID:5xuLYzhg0

同時に、

(;'A`)「ふぁあ!」

という声にならない声を出して、ドクオがデッキの床へと崩れ落ちる。

(´・ω・`)「大丈夫かい?」

(;'A`)「そんな訳ないさ。もう懲り懲りだ、こんなの。本気で死ぬかと思ったよ」

横隔膜から無理矢理捻り出したように、粗くて苦しそうな溜息を吐きだした。

326x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 23:17:58 ID:5xuLYzhg0

(;'A`)「途中犯人が見つからないうえ、電車が落ちそうになったとき、
    責任感に押しつぶされそうだった……。これで本当に終わったんだな」

(´・ω・`)「……」

(*゚ー゚)「……」

(;'A`)「二人とも人が悪いじゃないか。おい、ショボン。
    どうしているなら教えてくれなかったんだ……」

(´・ω・`)「……ごめんよ。組織の計画だったから、君を呼ぶと都合が悪かったんだ。
      君には迷惑をかけっぱなしだね」

327x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 23:18:40 ID:5xuLYzhg0

(;'A`)「そうか。やっと五百万の出所が分かったよ。あの封筒は……」

(´・ω・`)「……狐が壊した窓の修理費さ。受け取ってくれるかい、ドクオ」

('A`)「……今日のことは知ってたのか。俺たちが乗るって」

(´・ω・`)「いや、まったく。君たちとは完全なる偶然で乗り合わせたんだよ。
     本当は僕一人で、今日の計画を全て止める予定だった。
     極秘のルートから入手した情報でね。僕は正体を偽って、潜り込んだ。
     けど彼らは最初から、僕のことを完璧に信用してなかったみたいだった。
     だから、しぃを借りて解除スイッチの在り処を探ったんだ。
     彼女の判断は多少勝手だったかもしれないけど、
     彼女がいなければ爆発を止めることができなかった。許してあげて欲しい」

328x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 23:19:34 ID:5xuLYzhg0

ドクオは依然、床の上で意気消沈していた。
虚空を睨み付けて、険しい顔を浮かべている。

(;'A`)「おい、女泥棒」

(*゚ー゚)「……何?」

(;'A`)「もう物は盗らない約束だったよな?」

329x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 23:20:19 ID:5xuLYzhg0

(*゚ー゚)「……もしかして、信用ポイントまた減っちゃう?」

('A`)「……いや」

緩やかに減速を始めていた列車の上で、ドクオは後部ドアの向こうから、
泣きながら駆け寄ってくる探偵助手の姿を捕えた。

同時に発した『追加だよ』という覚束ない声は、
勢いを弱め始めた雨音にさらわれていった。

330x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 23:21:09 ID:5xuLYzhg0



FIN.

331x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/20(木) 23:23:27 ID:5xuLYzhg0

終了ーーーーーーー!!

死ぬかと思った。
もう絶対こんな書くの辛い長編書かねえぞおおおおお!

終わりのほう、結構投げてるので疑問とか残ると思いますが。


支援してくれた方々、有難うございました。

332名も無きAAのようです:2011/10/20(木) 23:28:44 ID:vjGkr1ZkO
ショボンかっこいいな、乙。

333名も無きAAのようです:2011/10/21(金) 18:36:51 ID:4v1aO6GY0
うっひょううっひょううっひょう

334名も無きAAのようです:2011/10/21(金) 19:45:03 ID:TTVmdC2YO
きてたんだな、乙!

335名も無きAAのようです:2011/10/22(土) 00:39:05 ID:ITibIDLUO
引っ越して来たばっかりなのに凄い投下量 
相変わらずここのワカッテマス君はいいキャラクターだ

336335:2011/10/22(土) 01:26:51 ID:ITibIDLUO
>>335はワカンナイ君だった

337335:2011/10/22(土) 01:30:18 ID:ITibIDLUO
また間違えてた、ワカンナイデス君だった

338x ◆3C8zs.ICS6:2011/10/22(土) 20:38:13 ID:6m5KZzO60



次回は最近微妙に忙しいので、
いつになるか未定ですが、
九話は新しいとんでもないモノを書いてやります。

いや、とか言って甘えておふざけ路線に走るんだよなぁ…

339名も無きAAのようです:2011/10/26(水) 22:01:22 ID:MIlNku3A0
今回みたいのはレス数結構多いから
前後編に分けるといいと思うよ

340名も無きAAのようです:2011/10/26(水) 22:11:34 ID:aSlTaS8gO
面白かった!

341名も無きAAのようです:2012/01/19(木) 01:37:59 ID:yBvX85qk0
とんでもないモノカモン!

342名も無きAAのようです:2012/02/05(日) 13:16:28 ID:xaI22jt.C
まだかなー

343名も無きAAのようです:2012/05/05(土) 21:04:18 ID:ZBPe8vN.O
まだかなまだかなー

344名も無きAAのようです:2012/05/05(土) 22:02:41 ID:EwnJyC72O
あがってたから投下あったのかと思った 
九話はまだかな

345名も無きAAのようです:2012/05/07(月) 02:34:20 ID:M0XPpyN2O
今1話から読んできた。
すっげー面白かった。
絶対に完結させてくれ。
本当に頼みます。

346名も無きAAのようです:2012/11/18(日) 21:35:35 ID:7UH8O8Gw0
カモン

347名も無きAAのようです:2012/11/19(月) 21:52:32 ID:4.gF0aucO
もう1年か…
時のたつ早さにゾッとするわ

せめて生きてるかどうかだけでも…

348名も無きAAのようです:2012/11/26(月) 10:43:03 ID:nVU/WPPg0
1,いいものを追求するあまり書けなくなったパターン
2,もういいや、と投げてしまったパターン
3,死んだ

多分1

349名も無きAAのようです:2013/03/12(火) 09:30:09 ID:ZrwWzXuQ0
死んだか?

350名も無きAAのようです:2013/07/23(火) 20:21:03 ID:oX358Jvk0
最初から一気読みして来たけど続きはまだなのか…

351名も無きAAのようです:2015/01/27(火) 16:29:18 ID:hecH5hcc0
それでもいつの日か

352名も無きAAのようです:2015/05/06(水) 19:32:18 ID:0WtLev620
まだかにゃー


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