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( ^ω^)が高校バスケで日本一を目指すようです
1
:
名も無きAAのようです
:2011/10/10(月) 21:30:37 ID:6njKUImk0
まとめサイト様(現在停止中?)
http://vipteam.blog74.fc2.com/
覚えてくれている人がいたら、お久しぶりです。今まですみません。
覚えていない人、知らない人はよろしくお願いします。
359
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:40:49 ID:UbeHmtXM0
(´・ω・`)(うまくハマれば二桁差くらい開いてくれるかな、なんて思ってたけど…)
(´・ω・`)(いかんせん相手が相手だ。そう上手くはいかないか)
(´・ω・`)(ギコ君がまだ大人しくしている、というのがもっぱらの脅威…)
(´・ω・`)(だがしかし、負けて折り返すよりは随分とマシ)
(´・ω・`)(そして大きく突き放すことに成功していた場合よりも)
(´・ω・`)(もし下手に点差を開けることに成功して…『勝ち』を意識してしまえば…)
(´・ω・`)(そんな状況で、ギコ君がクラッチタイムに入ってしまったら…)
(´・ω・`)(試合はようやく折り返したところ。それこそ修正不可、だっただろう。
みんなよくがんばってくれている。本当に)
(´・ω・`)(だがこのまま現状維持では意味がない。ジリ貧だ)
(´・ω・`)(『起爆剤』が、必要だね)
360
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:42:45 ID:UbeHmtXM0
( ^ω^)が高校バスケで日本一を目指すようです
第11章 勝利への呼び水
.
361
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:43:27 ID:UbeHmtXM0
(´・ω・`)(試合が動くのを待つわけにもいかない。それじゃあ遅すぎるんだ)
(´・ω・`)(酷かもしれないが…こちらから、動く)
(´・ω・`)「エクストくん」
<_プー゚)フ「はっ!はいっ!」
(´・ω・`)「出番だ。後半スタートから行くよ。アップは済んでるね?」
<_;プー゚)フ「お、おいっす!」
(;=゚ω゚)ノ(……俺か?)
(´・ω・`)「流れを変えたい。なんとしても、ね」
(´・ω・`)「エクスト君の機動力で、速い展開に持ち込む。狙いは、今北を焦らせること」
(´・ω・`)「焦れば、必ずミスが出てくる。そのほつれを突くよ」
(=゚ω゚)ノ(…そりゃそっか、ヨウ)
(=゚ω゚)ノ(入らない…いや、打つことすらできないスリーよりも、展開を早くして2点を積み重ねていくほうが
確実だもんなヨウ)
362
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:44:58 ID:UbeHmtXM0
(´・ω・`)「すまないが、エクスト君と交代だ―――
(=゚ω゚)ノ(いいんだヨウ、先生。気を遣ってくれなくたって。だけど…)
(= ω )ノ(無様だヨウ…みっとも…ねーヨウ…)
(´・ω・`) ―――モナーくん」
(;=゚ω゚)ノ(えっ?)
( ´∀`)「了解ですモナ」
( ´∀`)「先生ww気を遣わなくていいですモナwww適材適所、ってのはわかってますモナww」
( ´∀`)「正直、僕は足が遅いですモナ、だから僕も、エクストを出すべきなんじゃないか、って言おうかと
思ってましたモナ」
(´・ω・`)「そうかい。すまないね」
363
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:45:42 ID:UbeHmtXM0
(´・ω・`)「そういうことだ、しんどいとは思うけど…頼むよイヨウくん」
(=゚ω゚)ノ「えっ?」
( ´∀`)「展開を早くできれば、イヨウ君にシュートチャンスが生まれる確率が上がるモナ!」
(;´∀`)「もちろん、展開が速いのは素直クールにとっても得意分野だろうから…君が難儀するのも
わかってるんだけど、モナ」
(=゚ω゚)ノ「……任せとくヨウwwwww」
( ^ω^)「おっおっwww頼むお、イヨウwwwwこのままじゃVIP高のスリーポイントシューター内藤ホライゾンが
誕生してしまうおwwww」
(=゚ω゚)ノ「てめっ!wwwwww」
( ^ω^)「おっおっおっwwwwww」
_
( ゚∀゚)「インサイドもしっかり頼むぜ、エクスト!マッチアップはどーする?かわるか?」
<_プー゚)フ「いえ、大丈夫っす!鈴木ダイオード、初見ではないですし!」
_
( ゚∀゚)「把握!ノッポは任せたぜ!」
<_プー゚)フ「うぃっす!」
364
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:48:15 ID:UbeHmtXM0
(;=-ω-)ノ(よかったヨウ、交代じゃなくて……)
(=゚ω゚)ノ(なんとかしてスリーを…)
……ちょっと待て。
(#=゚ω゚)ノ( 俺 は 何 を 『 ホ ッ と し て い る 』 ん だ ! ? )
.
365
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:50:55 ID:UbeHmtXM0
(#=゚ω゚)ノ(…カッコ悪すぎだろーがっ…!)
(=゚ω゚)ノ(…いや)
八つ当たりはよそう。たとえその対象が、自分であっても(それを八つ当たりというのかどうかは置いといて)。
(=゚ω゚)ノ(受け止めるんだ)
過酷な現実を。
非力で矮小な自分を。
全てはそこから始まるのだ。
そして、信じよう。
(=゚ω゚)ノ(クーを…倒す!!!!)
(´・ω・`)「そろそろ5分前だ。フロアに戻って、シューティングしよう」
366
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:54:07 ID:UbeHmtXM0
――ビーーーーーーーーーーーッ!!!
審判「ハーフタイム終了!第3クォーターを始めます!」
('A`)「っし、行こう」
( ^ω^)「このまま突っ走る!お!」
_
( ゚∀゚)「集中!いこーぜっ!」
(=゚ω゚)ノ「…おうヨウ!」
<_プー゚)フ「おいっす!」
<_プー゚)フ「内藤さん」
<_プー゚)フ「パス、出しますから!」
( ^ω^)「おっ!頼んだお!」
367
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:55:30 ID:UbeHmtXM0
――ダムッ…
<_プー゚)フ「いっぽーん!いきまっしょい!」
( ・∀・)「彼は…!」
从'ー'从「15番、エクストプラズマン…ポジションは、ポイントセンター!」
( ><)「VIP高も攻めの采配なんです!」
(,,゚Д゚)(このタイミングでルーキーを…)
(,,゚Д゚)(あの15番はビデオで観た程度の情報しかないが…なかなかの腕だというのはわかってる)
(,,゚Д゚)(190cm近い長身。ポイントガードをこなしながら、中からも外からも攻撃に参加してくる。
かと思えば普通にポストプレーもしてくる。ある意味、オールラウンダーの究極型…)
(,,゚Д゚)(だが)
368
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:56:56 ID:UbeHmtXM0
――きゅっ
/ ゚、。 /「ボールおkです!」
「今北のセンターが…!?」
「VIP高のポイントガードにマッチアップ!?」
(,,゚Д゚)(ダイオードがあの15番と面識がある、ってのはラッキーだったぜゴルァ)
・
・
・
・
・
369
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:01:34 ID:UbeHmtXM0
――試合のおよそ1週間前。今北産業大学附属今北高校バスケ部寮 ギコ&ニダーの部屋
(,,゚Д゚)『監督からVIP高の試合のビデオを借りてきたわけだが』
(,,゚Д゚)『この15番がなあ…なんでもできるってレベルじゃねーぞゴルァ!』
<ヽ`∀´>『身長的には十分センターで通用する高さニダね、だけどインサイドプレーヤーがマッチアップすると
外に引きずり出されることになるニダ…』
(,,゚Д゚)『かといって普通のガードがマッチアップしてもえらいミスマッチになるな。そのミスマッチをインサイドに
持ち込まれると、ちと辛い』
――コンコン
(,,゚Д゚)『?はーい!』
『ダイオードです。今、大丈夫ですかー?』
(,,゚Д゚)『鍵開いてるぞー!入ってくれゴルァ!』
『はい。失礼します』
370
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:02:35 ID:UbeHmtXM0
/ ゚、。 /『お疲れさまです』
<ヽ`∀´>『どうしたニダ?』
/ ゚、。 /『あ、いえ、洗濯終わったので。洗濯物を届けにきました』
(,,゚Д゚)『おっと、もうそんな時間だったのか。すまんなゴルァ』
/ ゚、。 /『ベランダに干しておけばいいですか?』
<ヽ`∀´>『そ…そこまでしなくていいニダよ!』
/ ゚、。 /『いえ、そんな…。でもニダーさんがそんなこと言うなんて珍しいですね』
<ヽ`∀´>『どういうことニダ?』
/ ゚、。 /『こういう雑用、誰よりも人にやらせたがるタイプだと思っていたので』
<;ヽ`Д´>
371
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:03:35 ID:UbeHmtXM0
<;ヽ`Д´>『ウリのことをなんだと思っているニダ…』
<ヽ`∀´>『とりあえず、干すのはウリがやるニダ!』
/ ゚、。 /『わ、わかりました…でもいいんですか?やりますよ?』
(,,゚Д゚)『いーんだよ、ダイオード』
(,,゚Д゚)『こいつ今日、俺とのフリースロー対決負けたからな、洗濯当番だったんだよ』
(,,-Д-)『まさか取りに行くのを忘れてたとは……』
<ヽ`∀´>『そ…それもそうなんだけどニダ!』
(,,゚Д゚)『ん?』
<;ヽ`Д´>『2m近い大男が嬉々として家事をやる姿…なんか怖いんだニダ…』
/ ゚、。;/『何気にひどいこと言ってますよ、気づいてます?』
372
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:05:35 ID:UbeHmtXM0
(,,゚Д゚)『ま、干すのはニダーに任せとけゴルァ』
(,,゚Д゚)『あ、そうだ。ダイオードも観てくか?』
/ ゚、。 /『これは…ラウンジ学園ですか?』
(,,゚Д゚)『いんや、VIP高』
/ ゚、。 /『把握』
(,,゚Д゚)『おっと、なんか飲むか?わざわざ洗濯物も届けてもらったことだし』
(,,^Д^)『まあ、水かお茶かポカリしかねーんだけどな!遠慮すんな!ギコハハハハ!』
/ ゚、。 /『あ、ありがとうございます。じゃあ、お茶を』
(,,゚Д゚)「ポカリじゃなくていいのか?うまいのに」
/ ゚、。 /『むし歯になるといけないので…』
(;,,゚Д゚)『そ…そうか(やっぱ変わってんなこいつ…)』
373
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:06:22 ID:UbeHmtXM0
(,,゚Д゚)『ほい、お茶』
/ ゚、。 /『いただきます』
/ ゚、。 /『しかしなぜこんなビデオが?』
(,,゚Д゚)『次の全体ミーティングのときにみんなで観る予定だったんだがな、暇だったし監督に借りてきた』
/ ゚、。 /『なるほど。…どうしてラウンジ学園ではなくVIP高の試合を?』
/ ゚、。 /『どちらかと言えば、対策を練るべきはラウンジ学園では?』
(,,゚Д゚)『まあ…こいつらには一度ギリギリまで追い詰められたことあるし…な』
/ ゚、。 /『…それだけですか?』
(;,,゚Д゚)(…鋭いな…ほんとに15歳かこいつ?)
(,,゚Д゚)『この4番がな、腐れ縁みたいなもんでよ』
374
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:09:45 ID:UbeHmtXM0
(,,゚Д゚)『中学時代の総体、県決勝。勝てば名門今北の推薦がほぼ確実』
(,,゚Д゚)『とにかく名を挙げたかった。少なからず自信もあったしな』
(,,゚Д゚)『だがこの4番…ドクオ率いるVIP北中学は強かった』
(,,゚Д゚)『ここで負けたら推薦がもらえない――そんな理由で、俺はこいつを壊した』
(,,-Д-)『……味を占めちまったんだろうな』
(,,゚Д゚)『晴れて県優勝。全中ではすぐに負けちまったが、俺は名門への切符を手にした』
(,,゚Д゚)『しばらくはそのやり方でいた。だけど、すぐに思い知らされた』
(,,゚Д゚)『高校入学直後のインターハイで、な』
(・∀・)
.
375
:
名も無きAAのようです
:2011/11/27(日) 21:10:31 ID:gNmypWnI0
追いついた。支援
376
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:10:37 ID:UbeHmtXM0
(,,゚Д゚)『FOX学院、ジエン』
(,,゚Д゚)『手も足も出なかった。同じ一年だったのに、な』
(,,゚Д゚)『だけどそのFOX学院も、決勝では、ひろゆき高校に惨敗』
/ ゚、。 /『ひろゆき高校はまあ…正直、次元が違いますもんね』
(;,,゚Д゚)『言うなよ…気が遠くなるだろw』
(,,゚Д゚)『目がさ、覚めた気がした』
(,,゚Д゚)『あんなやり方じゃ、勝てねえ。気持ちよくねえ、って』
(,,゚Д゚)『そしてVIP高は上がってきた』
(,,゚Д゚)『ドクオと共に、な』
(,,゚Д゚)『自分がやってきたことを「反省してまーす、これからは心を入れ替えて
一生懸命がんばりまーす」なんて、美談にするつもりも、ましてや正当化するつもりもない』
(,,゚Д゚)『ただ、あいつと…ドクオと闘いたい』
(,,゚Д゚)『自分の悪行を棚に上げてるのは、わかってんだけどな』
/ ゚、。 /『ギコさん…』
(,,゚Д゚)『オフレコで頼むわw』
377
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:17:06 ID:UbeHmtXM0
<ヽ`∀´>『干し終わったニダ〜』
(,,゚Д゚)『乙』
/ ゚、。 /『乙です』
<ヽ`∀´>『さ、ビデオの続きでも観るニダ』
(,,゚Д゚)『そーだな、この15番をどーするか…』
/ ゚、。 /『…あれっ』
(,,゚Д゚)『?』
/ ゚、。 /『僕、こいつ知ってます』
<ヽ`∀´>『なぬっ』
(,,゚Д゚)『全中か?』
/ ゚、。 /『はい』
<ヽ`∀´>『ダイオードの中学は確か全中ベスト4だったニダね』
/ ゚、。 /『ええ』
378
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:17:46 ID:UbeHmtXM0
(,,゚Д゚)『こいつと…対戦したことあるのか?』
/ ゚、。 /『いえ、対戦したことはないです。ただ、やたらと絡まれましたね』
――<_プー゚)フ「おいっ!お前より俺のほうが上手いんだぜ!」
――<_プー゚)フ「俺のプレー観に来いよ!度肝抜かさしてやっからさ!」
――<_プー゚)フ「おーっ!初戦突破したか!さすが俺のライバル!」
/ ゚、。 /『…てな具合に』
(;,,゚Д゚)『見た目どおりのウザさだな…』
<ヽ`∀´>『で、こいつ…この、エクストってやつのチームはどうだったんだニダ?』
/ ゚、。 /『えーっと確か…』
――<_プー゚)フ「ありえねえ!この俺が2回戦ごときで負けるなんて!」
――<_プー゚)フ「言っとくけどな!これが俺の実力に直結するわけじゃねえ!あいつらだ!
あいつらがまともに動かないから――」
/ ゚、。;/『…だったかなあ』
379
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:19:29 ID:UbeHmtXM0
/ ゚、。 /『やたらと絡まれるし、気になってもいたのでちょうどその2回戦の試合を観ていたんです』
(;,,゚Д゚)『「気になってた」って…お前まさかウホッ。か?』
/ ゚、。;/『違いますよ!!!!』
<ヽ`∀´>(全力の否定……)
/ ゚、。 /『彼のいた中学は、大会前の下馬評ではかなり上位に食い込んでくるであろうと
予想される名門だったんです』
/ ゚、。 /『勝ち上がっていけばいずれ当たるかもしれませんでしたからね、偵察も兼ねて』
(,,゚Д゚)『…どうだったんだ?』
/ ゚、。 /『ひどいもんでしたよ。なぜこんなチームが全中に出ているのだ、ってくらいに』
(,,゚Д゚)『……ほう』
/ ゚、。 /『決して弱いチームではなかったんです。むしろ、非常にバランスが取れていていいチームでした』
/ ゚、。 /『ですが、彼――エクストは己の才能に溺れていた』
/ ゚、。 /『なまじセンスがあるだけに、全中に出場できたのは自分のおかげだ、とでも思っていたのでしょうか』
/ ゚、。 /『味方を顧ない身勝手なスタンドプレーに流れを無視した強引なシュート…』
/ ゚、。 /『負けて当然のチームでしたね』
380
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:20:11 ID:UbeHmtXM0
/ ゚、。 /『そして見る限り、そのスタンスは変わっていないようです』
/ ゚、。 /『「ポイントセンター」だかなんだか知りませんが、おそらく彼は自分に酔いたいだけです』
/ ゚、。 /『シュートも決め、アシストも決める…。そんな、試合の中心にいる、という自分に』
(,,゚Д゚)『どーしよーもないナルシストってことか』
<ヽ`∀´>『でもナルシストとは似たようなもので…バスケは自信や強気がけっこう重要なスポーツじゃないかニダ?』
/ ゚、。 /『それはそうなんですが…エクストはちょっと個性が…いや、アクが強すぎますね』
/ ゚、。 /『アクをよっぽどうまく、こまめにすくえるようなチームじゃないと…そんなチームあるかどうかわかりませんけど』
(,,゚Д゚)『なるほど、な』
381
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:21:32 ID:UbeHmtXM0
――同時刻・クーの部屋
川;゚ -゚)『………』
□ <ドガガガガガガガガガガッ!!!!!
川;゚ -゚)『スネーク!スネーーーーーーク!!!!!!』
―――――――――――――
382
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:22:56 ID:UbeHmtXM0
<_プー゚)フ「久しぶりだなっ!!!!」
/ ゚、。 /「試合中だよ…」
<_プー゚)フ「お得意のエリア(インサイド)で戦うか!?!」
/ ゚、。 /「やめとくよ。普通にやろ」
<_プー゚)フ「俺のすごさ!とくと見せつけてやるぜっ!」
――ダムッ!
/ ゚、。 /(なかなかに速い…!僕がガードのディフェンスに不慣れなのを別としても、だ!)
<ヽ`∀´>「中入ってくるニダ!」
(,,゚Д゚)「ちっ…観るのとやるのじゃ大違い、ってか!」
――きゅっ
ダイオードを抜ききれてはいないものの、インサイドへ侵入してこようとするエクスト。
完全にカバーに出るわけではないが、一歩、エクストの方へと踏み出すギコ。
その瞬間を見逃さないのがドクオだ。
ギコの死角を取り、ノーマークとなる。
383
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:25:00 ID:UbeHmtXM0
<_プー゚)フ「ドクオさん!」
――びゅっ
('A`)「おう!」
――ばしっ
('A`)「見せ場はまだまだこんなもんじゃないんだけどな、っと!」
――しゅっ
ドクオのミドルシュート。
入るか入らないか―いまだボールは空中にあるにもかかわらず。
('A`)「ディフェンスだ、戻れ!」
――パシュッ
('A`)「どーよ、うちのルーキーは。手ごわいだろ」
(,,゚Д゚)「けっ。言ってろ」
今北産大附今北 41-46 VIP高校
384
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:26:49 ID:UbeHmtXM0
(*゚ー゚)「ナイッシュー!」
(-_-)「後半先手だ!」
――ダムッ…
川 ゚ -゚)(5点差、か)
川 ゚ -゚)(手を抜いているつもりはないのだが…。ここまで強くなっているとは)
川 ゚ -゚)(だが不安材料は多いだろう、徹底的に突かせてもらう)
(=゚ω゚)ノ(打ってくるのか…!?)
――ダムッ!
(=゚ω゚)ノ(ドライブかっ!いい加減…)
('A`;)「イヨウっ!」
(=゚ω゚(゚Д゚,,)がしっ
385
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:28:00 ID:UbeHmtXM0
(=゚ω゚)ノ「しまtt…(この位置でスクリーン!?完全に油断してたヨウ…!)」
('A`)「7番は俺が行く!イヨウはギコを!」
(=゚ω゚)ノ「おおっ!」
――ダムッ
(,,゚Д゚)「スイッチしてきたか」
(=゚ω゚)ノ「点はやんねえヨウ!」
(,,゚Д゚)「クーに意識が向きすぎてるのかは知らねえけどな」
(,,゚Д゚)「これでも、名門今北のキャプテン張ってんだわ」
――ダムッ!
(,,゚Д゚)「あまりナメないでくれ」
(;=゚ω゚)ノ「ぐうっ!」
ギコの激しいドライブ。
多少の接触なら厭わないプレーがギコの持ち味だ。
386
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:29:11 ID:UbeHmtXM0
華麗で無駄のないクーのプレーとはまた違う。
ギコもクーも、それぞれの長所を活かしたプレーを行っている。
クーはその体格のため、可能な限り無駄な接触を避ける。
だが、ギコは――
(=゚ω゚)ノ(当たりが…つええっ!)
ディフェンスポジションに入ろうとするイヨウであるが、ギコに弾き飛ばされ、体勢を崩す。
「突破した!」
「またVIP高の6番のところからだ――!」
「替えなくてよかったのか!?『剛』の4番に『柔』の7番!VIP高の6番にはきついんじゃないか!?」
<_プー゚)フ「カバーおkっす!」
強引にインサイドに侵入してきたギコ。
それを阻むためにエクストがカバーに出るが、ギコはそれでも強引に突っ込んできた。
<_プー゚)フ(身長差は10cmちょい…!そのまま来るか!?クラッチ入れてくるか!?)
ギコが一旦、ボールを下げる。
<_プー゚)フ(クラッチ…!?いや、パスか!?)
387
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:32:45 ID:UbeHmtXM0
ダブルクラッチからのシュートか、それともボールを一旦下げてのパスなのか。
そのどちらにも対応できるよう、片方の腕でシュートコースを防ぎ、もう片方の腕と足でパスコースを塞ぐ。
アルファベットの『K』のような体勢だ。
足も出しておけば、キックボールのヴァイオレーションとはなるが、とりあえずは相手の攻撃を止めることが出来る。
そのために片足を広げたエクストであったが、それが仇となった。
――ダンッ!
<_;プー゚)フ(股下にパスを…!?くっそ俺がシャケだったらこのまんま精子ぶっかけてやんのに…!)
――ばしっ
そのパスを受け取ったのは当然――
/ ゚、。 /「っ!しっ」
――ガコンッ!
ダイオードだ。余裕を持ってのボースハンド(両腕の)ダンク。
今北産大附今北 43-46 VIP高校
388
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:34:21 ID:UbeHmtXM0
――ダムッ…
<_プー゚)フ「くっそ、すんませんっした!一本、いきましょ!」
「なあ、今気付いたんだけどさ」
「おう?」
「VIP高の15番…あんだけでかいのにガードにまわってきてるってことはさ、もしかしてスリーもあんのか?」
「わっかんねえ…それがどうかしたか?」
「いや、もしそうならさ、VIP高はインサイドの8番のマッチョ以外の全員がシューターってことになるよな…?」
「うわ、ほんとだ、やべえ…」
<_プー゚)フ(そう、そうやって思わせ…俺がこの鈴木ダイオードを引き付けつつインサイドに侵入して…ディフェンスが中に寄ったところで
外にいる先輩たちに捌く!)
<_プー゚)フ(それが、俺が出ているときのベストなパターン)
<_プー゚)フ(だけどそれは、『インサイドが脅威だ』という前提があってこその話)
<_プー゚)フ(素敵なスリーポイントショー開催の前に…俺もインサイドでしっかり得点する必要がある)
<_プー゚)フ(だが相手は全中ベスト4…身長も約2m。簡単にはいかねえ)
<_プー゚)フ(ポストアップからのワンオンワンじゃあ、正直勝算は低い…そもそもの場数が違うし!)
<_プー゚)フ(だったら…ドライブからのワンオンワン!これしかねえ!)
389
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:36:53 ID:UbeHmtXM0
<_プー゚)フ(そうと決まれば…)
――ダムッ…ダムッ…
「お!VIP高の15番、ワンオンワンを仕掛ける気か!?」
「VS今北14番!ルーキー対決だ!」
「ポジション的にはVIP高の15番が有利か!?アウトサイドだし!」
<_プー゚)フ「行くぜ、鈴木ダイオードっ!」
――ダムッ!
( ・∀・)「ワンフェイクから一発で抜いた!」
从'ー'从「やっぱりインサイドプレーヤーのダイオード君には分が悪いでしょうか…」
( ><)「そうかもしれません…けど!」
<ヽ`∀´>「カバー!ニダ!」
<_プー゚)フ(そりゃそーくる、っしょ!)
カバーに来たニダーの目の前でバックチェンジ。右腕にあったボールを、背中側を通して左側へ。
一瞬も止まることなく、エクストはスムーズにゴール下付近へ。
<_プー゚)フ(もらった…!)
390
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:37:52 ID:UbeHmtXM0
/ ゚、。 /ぬっ
<_;プー゚)フ「な!?」
――ばちぃっ
「ブロック――――!!!」
「ルーキー対決、第1ラウンドは今北が制した!!」
<_;プー゚)フ(なんで!?)
<_プー゚)フ(なんで…抜いてたはずだったのにしっかり併走されてたんだ!?)
<ヽ`∀´>「ルーズ取ったニダ!」
('A`)「エクスト、ぼーっとすんな!速攻出るぞ戻れっ!」
391
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:40:08 ID:UbeHmtXM0
――ダムッ!
(,,゚Д゚)「おおおお!」
ドクオとギコの、走りながらの1対1。
('A`)(こいつならここいらで体を強引に割り込ませてくるはずだ!)
(,,゚Д゚)「おらあっ!」
('A`)(読み的ちゅ…!?)
――ごりっ
('A`;)「ぐっ…(強さとキレが…増した!?)」
強引にレイアップの体勢に入るギコ。
そして、思わず反射的に手を出してしまうドクオ。
392
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:41:59 ID:UbeHmtXM0
――ザシュッ
('A`;)(しまった…)
――ピィッ!
審判「ファウル、緑4番!バスケットカウント、ワンスロー!」
(,,゚Д゚)「しゃあっ!」
今北産大附今北 43-46 VIP高校
(;^ω^)「ドクオ…」
('A`)「すまん、つい手を出しちまった」
('A`)(さっきのキレ…まさか…)
393
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:44:05 ID:UbeHmtXM0
――ダムッ…
フリースローライン上で数度ドリブルをつき、呼吸を整えるギコ。
(,,゚Д゚)「ふーーー…」
(,,゚Д゚)(気持ちいいな)
(,,゚Д゚)(俺の時間が、来そうだ)
――しゅっ…
フリースローが放たれる。
その瞬間、言いようのない違和感を覚えた男がいた。
('A`)(フォームが…いつもと若干違う!?)
('A`)(それにあの軌道…)
('A`;)(!!…まずい!)
('A`;)(あの野郎…『置き』にきやがった!)
('A`;)「気をつけろ!!」
394
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:45:30 ID:UbeHmtXM0
「わざと外してくるぞ」――その一言が出る前に。
――がつっ
フリースローは外れる。
そして。
――ばしっ
/ ゚、。 /「ナイスパスですね」
(,,゚Д゚)「…さすがだぜゴルァ」
<_;プー゚)フ「―――――!!!」
外れはしたものの、思いのほか跳ね上がらなかったボール。
そのため、ジョルジュとエクストはほんの僅かではあるがタイミングを外された形となる。
だがそのイレギュラーなタイミングにも対応してきたのがダイオードだった。
幸か不幸か、外れたボールはダイオードにとって絶好の位置へ。
そしてそのまま……
/ ゚、。 /「よいしょ、っと」
――がしゃんっ
……叩き込んだ。
リバウンドを取ろうと跳び上がったエクストの両腕と絡みながら。
395
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:47:13 ID:UbeHmtXM0
――ピィッ!
審判「ファウル!緑15番!バスケットカウント、ワンスロー!」
<_;プー゚)フ「まじかよ…!」
「リバウンドをダイレクトで押し込みやがった!」
「すげえぞ今北の14番!」
「3点プレーが…5点プレーになるぞ!?」
('A`)(やられた…この野郎…)
(,,゚Д゚)「狙い通りに外すのも技術のうち、ってな」
ダイオードは冷静にワンスローを沈める。
今北産大附今北 45-46 VIP高校
396
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:48:08 ID:UbeHmtXM0
「今度は今北が一気に詰めてきたぞ!」
「第2ラウンドも、ルーキー対決は今北だ――!!」
続いて、VIP高校の攻撃。
<_プー゚)フ「目に物見せてやる…俺だってやれんだっ!!」
――ダムッ!
(;^ω^)「エクs…」
<ヽ`∀´>「ウェーーーーハハハハッ!計画通り!」
/ ゚、。 /「パスは出させない感じで!」
<_;プー゚)フ(挟まれた!?)
_
( ゚∀゚)「エクスト!?こっちだ!」
<_プー゚)フ「くっ…ジョルジュさんっ…!」
/ ゚、。 /「簡単にパスを出させないためのダブルチームなんだけどなあ」
――ボグッ…
<_;プー゚)フ「あっ…!」
397
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:49:07 ID:UbeHmtXM0
苦し紛れのパスは、ダイオードの腕に当たり、阻まれる。
落下したボールはニダーが広い、速攻が繰り返される。
――ダムッ!
(,,゚Д゚)「おおおっ!」
('A`)(さっきのキレ…フリースローのときの『わざと外し』…このタイミングで火が付いてきたのか!?)
('A`)(逆転させるわけにはいかない。ここは意地でも…)
――びゅっ
('A`)(くっ…パスか!)
――ばしっ
川 ゚ -゚)「流れを得る絶好の好機だな」
ボールを受けたのはクー。
ハーフラインを少し越えた辺りだ。
398
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:50:15 ID:UbeHmtXM0
(=゚ω゚)ノ「行かすかぁっ!」
前に回り込もうとするイヨウ。
だがクーはボールを受けると同時に急ストップ。
(=゚ω゚)ノ(まずい、ここはクーのシュートレンジ…)
速攻のタイミングでのロングスリーポイントシュート。
いくらなんでもめちゃくちゃなタイミングではあるのだが、判断を焦ったイヨウはブロックのために
跳びあがってしまう。
(;=゚ω゚)ノ「やば…」
シュートフェイクにかかり、空中にいるイヨウをドライブでかわし、何事もなかったかのようにクーはレイアップを
沈める。
今北産大附今北 47-46 VIP高校
「逆転だ―――!」
「第3クォーターは今北の猛チャージ!!」
399
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:51:57 ID:UbeHmtXM0
(´・ω・`)(まずいな)
――ビーーーーーーッ!
審判「タイムアウト、緑!」
たまらずタイムアウトを申請するショボン。
各々のベンチへ戻ろうとする選手陣。
/ ゚、。 /「…まだ、勘違いしてるのかな?」
<_プー゚)フ「…なに!?」
/ ゚、。 /「自分ひとりで試合を動かせるなどと…まだ思っているのかな、って」
<_プー゚)フ「…どういう意味だ」
('A`)「エクスト!何してる!?」
/ ゚、。 /「おっと、僕も怒られる前に戻らなきゃね」
400
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:52:37 ID:UbeHmtXM0
――( ^ω^)「君はいま…『自分なら今北相手でも渡り合える』、そう言ったおね?」
――( ^ω^)「高校バスケをなめちゃいけないお」
――( ^ω^)「選手としてのレベルは関係ないお。僕は君よりも長く高校バスケの世界にいるお。
だから、わかるんだお。そういう驕りは、きっとチームにとって命取りになるお」
『そういう驕りは、きっとチームにとって命取りになるお』
<_プー゚)フ(俺は…驕ってるのってのか…?)
401
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:53:18 ID:UbeHmtXM0
――VIP高校ベンチ
(´・ω・`)「さて、見ての通りだが正直流れはよろしくない」
(´・ω・`)「うちがやりたいことを向こうにやられている…速攻の連発、だ」
(´・ω・`)「そして『起爆剤』として投入したエクスト君も、どうやら今北はしっかり研究してきたようだね」
(´・ω・`)「…となると、こちらも戦法を変える必要がある」
(´・ω・`)「ドクオ君、イヨウ君、エクスト君によるスリーガードでいこう」
(´・ω・`)「3人でのボール回しをメインにオフェンスを組み立てる。内藤くん、ジョルジュ君はガシガシ攻め立ててくれ」
(´・ω・`)「無論、隙が生まれたらガードの3人は躊躇わず攻めてくれて構わない。まずは、この状況を安静にしよう」
(´・ω・`)「そしてガード3人のうち、一人は常にセーフティーを確保しながらボールをまわして欲しい」
(´・ω・`)「カウンター速攻への対策としてはもちろんだが、できるだけ中を空けて内藤君とジョルジュ君を攻めやすくしてあげよう」
402
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:54:15 ID:UbeHmtXM0
――今北ベンチ
(■_■)「いい感じだ。ターンオーバーからの速攻が続いて、向こうは間違いなく焦っている」
<ヽ`∀´>「それもこれもダイオードのおかげニダ!あの15番を上手く封じ込めてるニダ!」
(,,゚Д゚)「確かにな。いくらあの15番が正統派なポイントガードではないにしても…あの封じ込め方は完璧だった」
/ ゚、。 /「無駄がなさ過ぎるので。いい意味でも悪い意味でも」
/ ゚、。 /「彼にセンスがあるのは認めます。そのセンスゆえにゴールへの最短ルートを無意識に感じ取っているんでしょう。
その嗅覚ばかりは天性のものとしか言いようがありません」
/ ゚、。 /「ですがそれは逆に言えばコースを予測するのは簡単だ、ということです」
/ ゚、。 /「アイシールドのパンサーみたいんもんですよ」
(;,,゚Д゚)(たとえがまたわかりにくい…ようなわかりやすいような…)
(,,゚Д゚)(…にしても、だ)
(,,゚Д゚)(あの15番の動きはまさしくセンスの塊だ…だが、それを簡単に止めちまう、ってのもまた恐ろしいもんだぜ)
403
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:54:59 ID:UbeHmtXM0
――ビーーーーーーーーーーーッ!
審判「タイムアウト終了です!」
(´・ω・`)「点差はたかだか1点だ、あわてず行こう」
(■_■)「修正点は特にない。落ち着いて行け」
――ダムッ…
('A`)「っし、回していこう!」
(=゚ω゚)ノ「おうヨウ!」
<_プー゚)フ「はいっ!」
/ ゚、。 /「またずいぶん後ろにポジションを取ってくるね、ボール回しに徹するのかな?
それとも…諦めた?」
<_#プー゚)フ「黙ってろ!」
404
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:55:56 ID:UbeHmtXM0
――びっ…ばしっ びっ…ばしっ
( ^ω^)(ドクオ、イヨウ、エクスト…この3人のボール回しをメインに攻めるということは)
――きゅきゅっ
( ^ω^)(この状況を、僕とジョルジュでなんとしてでも変えなくちゃいけない、ってことだお)
( ^ω^)(細かいフェイクもきっちり入れつつ揺さぶりながらタイミングを見て…)
(^ω^ )(飛び込む!お!)
――ぎゅっ
今北⑧(なんつー鋭いカットだよ!?振り切らr…)
<_プー゚)フ「内藤さん!」
――びゅっ
405
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:57:33 ID:UbeHmtXM0
( ^ω^)「おっ!」
――ばしっ
鋭いカットでノーマークとなり、エクストからのパスを受けるブーン。
やや振り切られた形となった今北⑧は、数瞬遅れてボールマンのブーンのディフェンスにつこうとする。
しかし、今のブーンにとっては少々の遅れは大きなアドバンテージ。
ほんの僅かではあるが、遅れてディフェンスについてきたことによる今北⑧の体重移動の微妙なズレを
即座に見抜き、ワンフェイクからのドライブで見事にかわす。
( ^ω^)(このままレイアップいけるかお…?)
<#ヽ`∀´>「打たせんニダーーーーッ!」
( ^ω^)(状況は2対1のアウトナンバー!冷静に対応すれば大丈夫だお)
( ^ω^)「ほっ!ジョルジュ!」
カバーに来たニダーをしっかりと自分に引き付けてから、逆サイドのゴール下にいるジョルジュへとパスを送る。
_
( ゚∀゚)「ナイスパァスッ!」
406
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:58:29 ID:UbeHmtXM0
――ずだっ
膝を思いきり深く曲げ、びょんと跳び上がるジョルジュ。
ボールを掴んでいた両腕をぐるりと大きく一周させ、
_
(#゚∀゚)「おおおおおりゃああああっ!」
そのまま豪快にリングへ叩き込んだ。
今北産大附今北 47-48 VIP高校
「8番も負けじとダンクだーーーー!」
「両腕でのウインドミル!超ド派手だな!」
_
( ゚∀゚)「マッチアップ、かわらない方がよかったんじゃねーか?」
<ヽ`∀´>「ぐぬぬ」
407
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:00:02 ID:UbeHmtXM0
(,,゚Д゚)「ふっ」
――しゅっ
('A`;)「(スリー…!?まずい!)リバウンドーーーーーっ!」
――バシュッ
(,,゚Д゚)「しゃああっ!」
「スリーだ!」
「マーク外れてなかったのに!強引にねじ込んできたぞ!」
「今北の4番もノってきた!」
今北産大附今北 50-48 VIP高校
('A`;)「くっそ…なんであれが入んだよ…」
(,,゚Д゚)「どうした!?やり返してこいよゴルァ!丸くなりやがって!」
('A`)「………」
408
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:00:53 ID:UbeHmtXM0
――ダムッ!
「今度はVIP高の4番が抜いたーーー!」
(;,,゚Д゚)「んなっ…パス回しするんじゃねーのかよゴルァ!?」
('A`)「パス回そうと思ったんだけどな、おまえ油断してたし。行かせてもらうぜ」
――きゅっ
(,,゚Д゚)(ストップした…ミドルか!?)
――ずだっ
(,,゚Д゚)(シュートだ!振り切られてない…ブロックできる!)
――ずだっ
ドクオのジャンプに合わせて、ギコもブロックを試みようと跳ぶ。
しかし…
(;,,゚Д゚)(打たない…!?)
('A`)(ありがとな、ひっかかってくれて)
409
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:01:47 ID:UbeHmtXM0
通常、ジャンプシュートはジャンプが頂点に達したときにボールをリリースする。
その理由としては、できる限り高い位置でボールをリリースすることでブロックされることを
防ぎたいから、ボールが描く放物線の起点を高くし、高いアーチでのシュートを打ちたいから、などが挙げられる。
余談ではあるが、インサイドプレーヤーがゴール下でのシュートを打つときは、主にブロックされることを
防ぐために、肘の角度を浅くし、腕を伸ばしたようなフォームになることが多い。
この場合のドクオは、そのジャンプが頂点に達しても、シュートを放たなかった。
当然のことなのだが、ジャンプの頂点というのは、上向きの運動が下向きの運動に変わる瞬間のことだ。
ジャンプが頂点に達したら、あとは重力に従って落下していくのみ。
しかし、落下を始めてもドクオは尚、シュートを打たない。
タイミングを外すために落下しながらシュートを打つ場合もあるが、ドクオの場合は違った。
('A`)(よーするに)
そう、「始めからシュートを打つつもりなどなかった」のだ。
ドクオの落下に次いで、ギコも落下を始める。
走りながらブロックの体勢に移ったギコだったため、その体は慣性のままに流れようとしていく。
しかし、ギコはドクオがシュートを打つつもりがないことに気づいていない。
そのため、ドクオが落下を始めてもなおボールを持っているのは、タイミングを外してシュートを放つため、と考えていた。
だから、ボールから意識を逸らすわけにはいかない。
慣性で流れていきそうな体を強引にその場に保つ。
だがそれは無理な体勢を強引に保つということ。
つまり――
――ピィッ!
審判「ファウル、白4番!ツースロー!」
410
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:03:45 ID:UbeHmtXM0
(,,゚Д゚)「てめっ、最初から打つ気なかったな…!」
('A`)「いやあ、これもある意味シュートフェイクでしょ」
(,,゚Д゚)「言ってくれるじゃねーか…!」
そしてフリースローラインに向かう際、すれ違いざまにーー
('A`)「エクスト、2本目そっちに外すからな」
<_プー゚)フ「……!?」
('A`)「目に物見せてやるんだろ?」
('A`)「余計なこと考えちまってるみたいだしさ。集中して、この一本決めてくれよ」
<_プー゚)フ「……!」
( ^ω^)「ドクオ、きっちり!だお」
('A`)b「任せとけ、外すわけないだろ」
411
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:04:39 ID:UbeHmtXM0
一本目。
――ぱしゅっ
今北産大附今北 50-49 VIP高校
('A`)「ふう」
……二本目。
('A`)(頼むぞ…!)
――がつっ…
(,,゚Д゚)(ドクオがフリースローを外しただと…!?)
(,,゚Д゚)(…まさか!?)
(;,,゚Д゚)「ニダー!ダイオードーーー!」
412
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:05:30 ID:UbeHmtXM0
<_プー゚)フ(ほんとに俺の方に外してきた…!しかも俺が一番手を伸ばしやすいとこに…!)
<_プー゚)フ(フリースローが外れて、なおかつ「自分の方に飛んでくる」って確信さえあれば、俺の方が
一瞬だけ早く反応できる!)
<_プー゚)フ(ドクオさんがこの緊迫した状況でわざわざチャンスを与えてくれたんだ…期待には絶対に応えてみせる!)
リバウンドの際のポジション争い、スクリーンアウト。
身体能力、技術はもちろんだが、ボールの落下地点を瞬時に予測する能力、加えてそれを実行に移す瞬発力も重要となる。
落下の予測、一瞬の飛び出しというという点においては、このプレーではエクストは圧倒的有利な立場だった。
「どこにボールが飛んでくるのかがわかっていた」のだから。
しかし狙い通りにシュートを外す、という行為はシュートを決めることよりも遥かに難しい。
加えて、自分の方へシュートを外すと宣言した味方を信頼することも、だ。
ほんの、ほんの僅かなズレでさえも、外れるときには大きなイレギュラーとなる。
そこで結果的に見当違いなタイミング・方向にリバウンドを試みれば、相手と争う間もなく易々と
リバウンドを与えることになってしまうからだ。
<_プー゚)フ(左手が…届いた!)
<_プー゚)フ(このまま…!)
――ぽんっ
手中に収まったボールを、そのまま空中でタップし、丁寧にリングへと押し返す。
413
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:06:28 ID:UbeHmtXM0
<_プー゚)フ(来い…!)
――ぱすっ
今北産大附今北 50-51 VIP高校
<_プー゚)フ(よし!)
「再逆転ーー!今度はVIP高の15番がダイレでねじ込んだ!…ダンクじゃなかったけど」
「タイミングどんぴしゃだったぞ!…ダンクじゃなかったけど」
「すげえ反射神経だ!…ダンクじゃなかったけど」
「ってかむしろボールがVIP高の15番の方に跳ねたようにも見えたぞ!…ダンクじゃなかったけど」
「まさか狙って外したってのかよ!?…ダンクじゃなかったけど」
<_;プД゚)フ(うるっせーーーー!そしてしつけーーーっ!!)
<_;プー゚)フ(身長あるやつがみんなダンクできると思うなよ!?)
<_;プー゚)フ(てかラスト二人!明らかに無理矢理乗っかってきてんじゃねーかああああああ!)
414
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:07:49 ID:UbeHmtXM0
('A`)「狙い通りに外すのも技術のうち、なんだっけ?」
(;,,゚Д゚)「ぐっ…」
('∀`*)ニマァ「ってことは俺もなかなかにテクニシャン、ってことか」
(,,゚Д゚)(その顔でテクニシャン言うななんか腹立つ。あとニマァって笑うなほんと怖い)
('A`)
415
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:09:20 ID:UbeHmtXM0
_
( ゚∀゚)「ナイスリバン、エクスト!」
( ^ω^)「あーんど、ナイッシュー!だお!」
<_プー゚)フ「うぃっす!ディフェンスいきましょっ!」
<_プー゚)フ(……そうだ)
きっと、気づいていなかったわけではない。
自らの驕りに。自惚れに。
<_プー゚)フ(ただ…!)
認めたくなかっただけなのだ。
本当は自惚れているんじゃないか、と沸き上がってくる無意識と向き合うことを放棄し、ただただ突っぱねていた。
<_プー゚)フ(だけど……!)
(,,゚Д゚)「ダイオードっ!」
――びゅっ…ばしっ
/ ゚、。 /「ナイスパスです!」
それを他人から指摘されたとして、素直に受け入れられるわけがない。自分は、そこまで素直ではない。
416
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:10:03 ID:UbeHmtXM0
<_プー゚)フ(……だけどっ…!)
――ダムッ!
<_;プー゚)フ「うぐっ…(パワー勝負かよ…!)」
/ ゚、。 /「せあぁっ!」
――ガコンッッ!
「また今北14番のダンクーー!?」
「すげぇ!すげぇよ!すごすぎる!なんなんだよあいつ!?」
「無双モード突入か!?」
今北産大附今北 52-51 VIP高校
417
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:10:45 ID:UbeHmtXM0
言葉よりも。
/ ゚、。 /「……ふん」
<_プー゚)フ「……へへっ」
こうして行動で見せつけられてしまうと、嫌でも納得せざるを得ない。
<_プー゚)フ(俺は天才なんかじゃ…ない)
だが。
もしかしたら本当は。
少しだけ、わかっていたのかもしれない。
そして。
そんな自分を変えたかったのかもしれない
<_プー゚)フ(だってーー)
自分自身で、VIP高校バスケットボール部を選んだのだから。
418
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:11:48 ID:UbeHmtXM0
<_プー゚)フ「あっさりやられちまいました、すんません!さーっドンマイドンマイ!、切り替えましょ!」
('A`)(…ったく。…けど)
(=゚ω゚)ノ(…なんかスッキリした顔になってるなヨウ)
(=゚ω゚)ノ(俺も…ぼーっとしてなんていられねーヨウ!)
――ダムッ…
( ・∀・)「展開がかなり速くなってきたね。そのくせ、どちらもなかなかシュートを外さない」
从'ー'从「お互いに、成功率の高い堅実なプレーを選択していますね」
( ・∀・)(だがそれだけでは道は開けない…ただ時間が過ぎていくだけだ)
( ・∀・)(さあ、どうする)
419
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:12:38 ID:UbeHmtXM0
(=゚ω゚)ノ「ドクオ!くれっ!」
('A`)「ああ!イヨウっ!」
――びゅっ…ばしっ
川 ゚ -゚)「パス回しに徹するなんて…君らしくないな。少々失望した」
(=゚ω゚)ノ「安心しろ、すぐに引き戻してやるヨウ」
(=゚ω゚)ノ「おもしれーのは…こっからなんだからなヨウ!」
――ダムッダムダムダムッ…ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダッ!
「すっ…げぇドリブ…ル…か…?あれ…?」
「ドリブルが…早すぎて、低すぎて、細かすぎて…」
「ああ…コートの上をボールが転がってるみたいだ…」
420
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:13:28 ID:UbeHmtXM0
(=゚ω゚)ノ(ギコが『剛』?クーが『柔』?)
(=゚ω゚)ノ(知ったことかヨウ)
(=゚ω゚)ノ(俺にはギコみたいな強さもない。クーみたいなズバ抜けたスピードもない)
(=゚ω゚)ノ(だけど俺は俺なんだヨウ。他の誰でもねーんだヨウ!)
(=゚ω゚)ノ(俺は…『変』でいい!)
( ^ω^)(『変』なガード…?)
(;=゚ω゚)ノ「ちがう!」
(=゚ω゚)ノ「ジョルジュ!」
――ぴっ
早く、低く、細かいドリブルから一転。
コートの床スレスレから手首だけでボールを弾く。
421
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:14:31 ID:UbeHmtXM0
川 ゚ -゚)「ちっ…(反応できなかった…)」
咄嗟にパスが出たであろうジョルジュの方向へ振り向くクー。
しかし――
_,,_
(;゚∀゚)?
川 ゚ -゚)「!?」
クーの視線の先には、尋常でないほどにきょとんとした顔のジョルジュ。ボールは、見当たらない。
_
(*゚∀゚)!
そして、きょとんとしていたジョルジュの表情がすぐに輝く。
川 ゚ -゚)(まさか!?)
そして悟る。
すぐさま、イヨウへと視線を戻す。
その時クーが見たものは、空中で既にシュートを放とうとしているイヨウの姿であった。
――ぱしゅっ
今北産大附今北 52-54 VIP高校
.
422
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:15:46 ID:UbeHmtXM0
「VIP高の6番に久しぶりのスリーだ!」
「ストリートの技だよなあれ!?すげーーー!」
「あんなの試合中にやる度胸なんてねーよ普通!」
川 ゚ -゚)(騙された…ボールを真上に投げ上げて、ディフェンスにはパスが出たと錯覚させるプレー…)
川 ゚ -゚)(そういうプレーがあるということは知っていたが…実際にやられたのは初めてかもしれないな)
川 ゚ -゚)(ましてや公式戦、しかも決勝リーグでそれをやってくるなんて、な。まんまと一杯食わされたよ)
川 ゚ -゚)「完全に騙された。君の仕事はパスだと思っていたからね。てっきりパスかと…」
(=゚ω゚)ノ「いいや」
(=゚ω゚)ノ「俺はパスを出しただけだヨウ」
川 ゚ -゚)「?」
(=゚ω゚)ノ「『0,5秒後の自分に』、な」
川 ゚ -゚)「…………」
423
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:16:30 ID:UbeHmtXM0
( ^ω^)「おっおっwwwかっこいいおイヨウwww」
(=゚ω゚)ノ「イケメンなのは生まれつきだヨウwww」
( ^ω^)「うっせ殺すぞリア充wwwそれにしても決め台詞が厨二すぎだおwwww」
/ \ /\ キリッ
. / (ー) (ー)\ <『0.5秒後の自分に』、な
/ ⌒(__人__)⌒ \
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
ノ \
/´ ヽ
| l \
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、.
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
____
/_ノ ヽ、_\
ミ ミ ミ o゚((●)) ((●))゚o ミ ミ ミ <だっておwwwwwwwww
/⌒)⌒)⌒. ::::::⌒(__人__)⌒:::\ /⌒)⌒)⌒)
| / / / |r┬-| | (⌒)/ / / //
| :::::::::::(⌒) | | | / ゝ :::::::::::/
| ノ | | | \ / ) /
ヽ / `ー'´ ヽ / /
| | l||l 从人 l||l l||l 从人 l||l バンバン
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
(=゚ω゚)ノ「てめえwwww」
424
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:17:21 ID:UbeHmtXM0
('A`)(あいつ…!)
('A`)(あの技は、俺たちが初めて出会った日に俺がやられたプレーだ)
('A`)(俺だって、ストリートにああいう技がある、ってことくらいは知ってた)
('A`)(だけど、知っているのと実際に体験するのじゃあ、大違いだ)
('A`)(あの技を初見で見切るのはちときついだろうな)
('A`)(でもそれだけじゃない)
('A`;)(あいつ…あの時よりもスキルに磨きをかけてやがる!)
('A`)(ストリートのスキルってのは『魅せる』ことを重視することが多い)
('A`)(だから、カッコイイけどムダな動きも多い、ってのも事実だ)
('A`)(今のプレー…あれは余韻のようなものを味わうために、投げ上げたボールが落ちてくるのを待っている場合が多い)
('A`)(騙されたと気づいた相手がちょうど振り向くころにボールが落ちてきて、「どうだ、ざまぁみろ」っていう
絶好のタイミングでボールをキャッチできるからだ)
('A`)(だけどイヨウのは違った!)
425
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:18:59 ID:UbeHmtXM0
('A`)(投げ上げたボールが落ちてくる原因、それは当然重力だ。そしてすぐにボールが落ちてくるわけじゃない、僅かだが
時間がかかる)
('A`)(普通のやつなら騙されたことに気づかないことだってある、だけどイヨウの相手は素直クールだ!すぐに
騙されたと気づかれても不思議ではない)
('A`)(だが素直クールの反応速度を考えれば、落ちてきたボールをキャッチした瞬間を狙われる可能性があった!
いや、あるいはボールの落下中に反応される可能性だってあった!)
('A`)(だからイヨウは、投げ上げたボールをそのまま空中でキャッチして、スリーを打った!コンマ数秒の時間を稼ぐために!!)
('A`)(いわば『その場で一人スカイプレイ』!!クーの反応速度を計算に入れていたのかそれとも無意識か…
いずれにせよあのスタイルは…)
426
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:20:17 ID:UbeHmtXM0
(´・ω・`)(『部活バスケ』と『ストリートバスケ』の融合…!)
(´・ω・`)(実際に、このスタイルでバスケをするのはとても難しい)
(´・ω・`)(プレイがどちらかに偏りがちだし、環境的にも、だ)
(´・ω・`)(バスケは反復練習のスポーツだ。そして、数えきれないくらいの失敗をした、という経験は間違いなく選手を成長させる)
(´・ω・`)(だが部活での試合や練習中にストリートのスキルを織り交ぜたとして…)
(´・ω・`)(成功すればまあいい。「よくあんなことができたなあ」、「危なっかしいなあもう」程度で済むからだ)
(´・ω・`)(だが失敗すれば「派手なプレーで目立とうとしてミスをしては意味がない」、「一体何をやるつもりだったんだ」と
批判を受けることがあるというのもまた事実だ)
(´・ω・`)(チームメイトや指導者から怒鳴り散らされることもあるだろう)
(´゚ω゚`)(だけどうちは基本的には自由な部風。それはつまり僕の指導力の賜物ってことさ!!)
(´・ω・`)(…冗談はさておき)
(´・ω・`)(部活でも、ストリートでも。どちらの場所でも必死に努力し続けたイヨウ君らしいプレイだ。見事だよ)
427
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:21:09 ID:UbeHmtXM0
('A`)「よォ、腕上げたな」
(=゚ω゚)ノ「へっ、ストリートボーラーの生き甲斐はスキルを磨くことだからな」
――ぱんっ
('A`)「さぁディフェンスだ!!」(=゚ω゚)ノ
静かにハイタッチを済ませ、今北の攻撃に備える。
428
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:22:39 ID:UbeHmtXM0
――がつっ
川 ゚ -゚)「ちっ」
「今北の7番が外したーーー!!?」
('A`)(少なからず動揺してるな)
_
( ゚∀゚)「ルィィヴァアアウンドオオオ(裏声)!!」
――ばしっ
('A`)(戻りが早い…!速攻は無理か)
('A`)「ナイスリバン、ジョルジュ!一本いこう!」
_
( ゚∀゚)「おう!」
――ダムッ…
('∀`*)「エクスト!イヨウだ、イヨウでいくぞ!」
429
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:23:22 ID:UbeHmtXM0
<_;プー゚)フ「えっ、なんで言っちゃうんすか…」
――キュキュキュキュ!
川 ゚ -゚)「その通りだな。なぜあえてわざわざ」
(;=゚ω゚)ノ(めちゃくちゃディフェンス厳しくなったじゃねーかヨウ、ドクオのアホッ!)
('∀`*)「くっそ…つい言っちまった!エクスト!仕切り直してくれ!」
――びゅっ
<_プー゚)フ(あのキモい笑顔…あれは何か企んでる顔だ…)
<_プー゚)フ(でも何を…?)
430
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:24:13 ID:UbeHmtXM0
<_プー゚)フ(ドクオさんは熱いけど冷静な人だ。いくらテンションが上がってても、わざわざ口を滑らせて
攻め方を明かすようなミスをするとは思えない)
<_プー゚)フ(ってことは何か考えがあるってことだ。一体?)
――('∀`*)「エクスト!イヨウだ、イヨウでいくぞ!」
――('∀`*)「くっそ…つい言っちまった!エクスト!仕切り直してくれ!」
<_プー゚)フ(あの顔をしてたってことは…その中にヒントがあるはず!)
<_プー゚)フ(『イヨウさんで行く』ということか?)
<_プー゚)フ(『つい言っちまった』…か?)
<_プー゚)フ(それとも『仕切り直してくれ』…か?)
<_プー゚)フ(!!いや……)
<_プー゚)フ( 全 部 か ! )
431
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:25:55 ID:UbeHmtXM0
<_プー゚)フ(あえて訳すとするなら…『('∀`*)「イヨウでいくぞ!ほんとにいくからな!だからあと任せた」』…ってとこか?)
<_プー゚)フ(…………)
<_;プД゚)フ(伝わりづれえーーーーーっ!)
<_;プД゚)フ(っていうか普通に無茶ブリだしーーーーーーーっ!!!!!)
――ばしっ
<_プー゚)フ(でも確かにそうだ!イヨウさんのストリートのスキルに相手の7番は動揺してるはず!
シュートも外してたし…)
<_プー゚)フ(つまりなんとかしてもう一度イヨウさんから得点したいってこと!できるなら連続で!)
<_プー゚)フく(となりゃあ、俺の役目は一つ……!)
432
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:26:39 ID:UbeHmtXM0
――ダムッ!
/ ゚、。;/「くっそ…!」
「今度は抜いたーーーー!」
「ちょっと待て、VIP高は3人がけっこう後ろの方でボール回しをしているから…」
「トップオブザキーのエリアががら空きだーーー!!」
川 ゚ -゚)「むっ…」
<_プー゚)フ(素直クール!あんたの意識をこっちに引き付けることさァァァ〜〜〜〜〜!!)
――びゅっ…ばしっ
(=゚ω゚)ノ「うっし」
<_プー゚)フ(よっし、通った!あとはイヨウさんがなんとかしてくれるはず…!タブン)
433
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:27:55 ID:UbeHmtXM0
川 ゚ -゚)(結局宣言通りにイヨウ君に…)
(=゚ω゚)ノ(今回はボールさえ持てりゃあ、問題ないヨウ。なんつったって…)
――ダダダダダダダダダムッ!ダダムッ!
(=゚ω゚)ノ(リズムを整えてから…)
(=゚ω゚)ノ「投げるだけなんだからな!」
――びゅっ…
ξ;゚⊿゚)ξ「ボールを……!?」
(;*゚ー゚)「放り投げた!?」
( ´∀`)「いや……!」
(;,,゚Д゚)(…違う!)
434
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:28:40 ID:UbeHmtXM0
(;,,゚Д゚)(目線はしっかりリングの方を向いている…それに投げているようには見えるが…手首のスナップが
しっかり利いてる!それにフォロースルーもちゃんとある…!)
<;ヽ`∀´>(あれは…)
/ ゚、。;/(まさかシュートのつもりなのか!?あれで!?)
川;゚ -゚)(馬鹿な!)
――バスッ
川; ゚ -゚)「んなっ…!」
('A`)「うおぉ…」
( ^ω^)「ナンテコッタイ」
<_プー゚)フ「ていうかなんでちゃんと伝わってんだ…エスパーかよこの人ら…」
_
( ゚∀゚)「リバウンドするべきなのかアリウープ狙いなのか普通にわかんなかったじゃねーかww」
今北産大附今北 52-57 VIP高校
435
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:29:36 ID:UbeHmtXM0
「は……入ったァーーー!?」
「VIP高の6番に連続スリーーーー!!」
「なんだ今の!?投げたのが入っちまった!」
「さすがにこれはマグレだろ!?バンクショットだったし!」
「だ…だよな!パスミスかなんかがたまたまボードに当たって入っただけだよな!?」
「マグレだろうがなんだろうが関係ねぇ!また点差が開き始めたぞ!」
「スリーがあるのとないのとでは点の動きが全然ちげえ!!」
川 ゚ -゚)「…狙ったのか」
(=゚ω゚)ノ「シュートは決めるために打つもんだろうヨウ?」
川 ゚ -゚)「…まさか投げ打ちとはな」
(=゚ω゚)ノ「お前も同じようなもんじゃねーかヨウ」
436
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:30:55 ID:UbeHmtXM0
(=゚ω゚)ノ「あえてコツを言うとだ、ヨウ」
(=゚ω゚)ノ「普段のシュートと同じように高いアーチを心掛けることだヨウ」
(=゚ω゚)ノ「そんでもって、上から落ちてくるときにボードの四角、まあ普段バンクショットやるときに
狙う場所をかすめるような軌道を意識すること、だヨウ」
(=゚ω゚)ノ「普通に投げたら、大概弾き飛ばされちまうからな」
川 ゚ -゚)「…なぜ大切なテクニックをわざわざ教えてくれるのだ?」
川 ゚ -゚)「私が真似をするかもしれないではないか」
(=゚ω゚)ノ「だって無理だろ」
川;゚ -゚)「っ!」
(=゚ω゚)ノ「…お前のそのスキルは、お前だけのもんだヨウ。誰にも真似できねえ」
(=゚ω゚)ノ「だけどそれお同じように、俺のこのスキルは、俺だけのもんなんだ。
誰にも真似させない…いや、できないヨウ」
(=゚ω゚)ノ「…これで、ようやく土俵の上に立てた、ってとこか?」
川 ゚ -゚)「……おもしろい」
437
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:31:41 ID:UbeHmtXM0
(,,゚Д゚)「クー、大丈夫か?まさかお前が連続でやられるとは…」
<ヽ`∀´>「そ…そうニダよ!前回戦ったときには完封した相手に…」
/ ゚、。 /「何かできることがあれば…」
川 ゚ -゚)「すまん、今は話しかけないでくれ」
川 ゚ー゚)「…楽しくなってきた!!」
.
438
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:32:30 ID:UbeHmtXM0
――数分後、VIP高校の攻撃…
――ダムッ…ダムッ…
(=゚ω゚)ノ「さあ一本!おめーらしまっていけヨウ!」
( ^ω^)(イヨウかっこいいお!ボール運びのときのドリブルまでストリートっぽく…)
――ピィッ!
審判「ダブルドリブル!白ボール!」
(;=゚ω゚)ノ「しまったあああああ!」
( ^ω^)「ちょwwwwバーローwwwww」
439
:
名も無きAAのようです
:2011/11/27(日) 22:32:59 ID:lU2HQ7ooO
バスケ漫画だとストリート上がりのやつは強いって風潮あるよね
支援
440
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:33:13 ID:UbeHmtXM0
第11章 完
.
441
:
名も無きAAのようです
:2011/11/27(日) 22:33:43 ID:lkLJ..lg0
やっべ
めっちゃ面白いじゃねーか
乙
442
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:34:33 ID:UbeHmtXM0
今回の投下は以上です、ありがとうございました。
443
:
名も無きAAのようです
:2011/11/27(日) 22:35:42 ID:lU2HQ7ooO
乙!
バスケやりたくなるな
444
:
名も無きAAのようです
:2011/11/27(日) 22:37:51 ID:tu1wGXsoO
全員イキイキしすぎだろww
今北サイドの日常みたいなのは初めてかも。愛着沸いてくるぜ
乙!!!!!!!
445
:
名も無きAAのようです
:2011/11/27(日) 22:37:59 ID:gNmypWnI0
乙。面白かった
446
:
名も無きAAのようです
:2011/11/27(日) 22:39:08 ID:RkSqFu220
熱い展開だな
乙
447
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:55:00 ID:UbeHmtXM0
しまった…
>>392
で得点の計算をミスりました…
なんていうか…適当に脳内補完しておいてください…スマソ
448
:
青空ホライゾン
◆x/rxoIq2T6
:2011/12/05(月) 07:25:23 ID:C7rYbiqIO
>>447
点数がおかしいとの事で、まとめるときに勝手に弄ってみましたが、
なんかどんどんおかしくなってしまったんですが大丈夫でしょうか?
449
:
名も無きAAのようです
:2011/12/12(月) 23:48:37 ID:nBxS5i/E0
しばらく音沙汰無いな
ゆっくり書くのは全く構わんのだけど、心配になる
まとめさんもスルーだしスレ見てないのかな
何かあったのかな
450
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/12/13(火) 01:27:41 ID:AQRJ/JAw0
もしもしからすみません、作者です。
PCの通信料払うのをほったらかしていたらPC止められましたwwww
すみませんが今しばらくお待ちください…
>青空さん
レス遅くなってすみません
まとめの方を確認させていただきましたが、助かりましたとしか言いようがないですw
お手数おかけしてすみません。
今後ともよろしくお願いしますね!
451
:
名も無きAAのようです
:2011/12/13(火) 02:15:09 ID:MsvId/Ow0
>>450
信じてた
452
:
名も無きAAのようです
:2011/12/13(火) 13:26:38 ID:MsvId/Ow0
まとめさんなんか仕事してんなwwgjです
少し質問させてください
>>383
で予め点差弄ってるってことと、
>>392
は得点がなかった事にされてたのを修正されてるってことは俺でも分かったんだが
>>393-395
のプレーでの得点がスレとまとめさんでなんか違うよな?
どっちが正しいんだ。バスケ未経験には分かんない。だれか解説求む
453
:
名も無きAAのようです
:2011/12/14(水) 18:36:44 ID:3OJVqMg2O
>>450
払い忘れとかおいww
いくらでも待ってるぜ
454
:
青空ホライゾン
◆x/rxoIq2T6
:2011/12/14(水) 23:15:44 ID:2kQs0N060
>>452
一番後ろの得点から、減点法で遡っていきました。
ですから第11章開始の時点での点数が減っています。
>>393-395
のプレーですが、
>>393
の時点で 今北 43-46 VIP
>>395
の時点で 今北 45-46 VIP
393からギコがフリースローをはずし、エクストがシュートを決めて2点。
さらにバスケットカウントで、フリースローを決めて1点。
なので395の時点で計3点入るはずなのに、2点しかはいってないので、そこも修正しました。
ただ、僕はバスケット素人なので、間違ってるかもしれませんけど、
作者のOKもらったので大丈夫なはず!
>>450
こちらこそよろしくおねがします!
455
:
sage
:2011/12/14(水) 23:30:38 ID:mfAOIFbQ0
いままでずっとまっててたよ。再開してくれてありがとう。
456
:
名も無きAAのようです
:2011/12/14(水) 23:31:49 ID:mfAOIFbQ0
落ち着け俺orz
457
:
名も無きAAのようです
:2011/12/15(木) 00:52:00 ID:yl1J1AKs0
青空さん超GJ!
458
:
名も無きAAのようです
:2011/12/15(木) 02:34:17 ID:mFduz/fc0
>>454
開始の時点から弄ってたんですね
なんとなく把握できました。わざわざありがとうございます
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